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GIFT・VOICEそして星の彼方へ

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   街中の、大型ビジョンでA.T.gεmのQoonoskeとすとらびの白夜楓くんの「GIFT・VOICE」の曲が流れている。


  ちらちらと、雪が舞い降り、あたりは1面の雪景色の街並み。

季節は冬へ。

   「うさこっ!楓くんだよ!GIFT・VOICEもいっぱい聞いてるんじゃない?ガチ勢だもんねっ」

  「ANRIちゃんこそ!楓くんの歌を、歌みたにしてYouTube動画にしていたじゃない!人のこと言えるのぉ?!」

  女子高生が、制服にカーディガンの薄着で、ビジョンを見て騒いでいる。


   つぎに、配信の「む ぎ。」とよばれる男のひとの「雷鳴」というソロ曲が流れて

    スーツ姿に眼鏡のショートヘアの知的な女性が、歓喜の声を上げていた。


    「うわぁ!予約しなきゃ!」


   「はにー、む ぎ。くんにいくらつかってんのよもう」

    「さくら、うるさい」

   はにーとかさくらとか名前なんだか、ハンドルネームかわからない名前が飛び交う。


   「…… む ぎ。……って名前にしたの?まひる」

    ファンたちの声で気づかれないよう、パーカーのフードを深く被るまひる。



    「ことねぇ……まずいよこの時間帯に渋谷のスクランブルは」


   「別についてこいなんて言ってないのに、ついてきたんじゃない。姉弟になったからって四六時中一緒にいなくていいのに」



  「もう少しよ、タカノフルーツパーラー。ここで織木と待ち合わせをしている」



   「ことねぇ1人で大丈夫?」

    「どういう意味?!大丈夫よ子供じゃないんだから」


 心配そうにみつめる、子どもみたいなところがあるまひる。


   「大丈夫よ。あと家賃は私がだしてあげるから好きなところに住みなさい。さすがに一緒に住むのはまずいかな。私はあなたとの姉弟の記憶ないわけだし。知らない異性と暮らすのは抵抗がある」


   「家賃も大丈夫だよ。なぜか人気配信者だから俺。負けず劣らず作家館花琴音とまでいかずとも高給取りなんで」




  「……なんだろう、腹立つな。まあいいわ」




  お店に入ると、高そうなフルーツパフェをほおばり、口の周りが生クリームだらけの織木と、足を組み、頬杖ついてあくびをしている、肉月が待っていた。


   「久しぶり、まひる」


   「遅かったな館花。肉月さんパフェ3つたべちゃっていたぞ」



  「お待たせ。で?今度はなに?」



   「パラレルワールドがある。行く?」



    またとんでもない発言をする、織木。


   「ぱ、パラレルワールド?!」


   肉月、館花琴音、まひるが声をあげる。
   

   「教会線の彼方へ、で深層心ダイブして、記憶の中っていうのはあったけど、平行線の自分の分身に自分の意識を飛ばせるんだけどね?やってみる?」



  「……そんなことしてなにかメリットあるの?」


   「並行軸でこちらの世界にも関与してくる。つまりはなにか?」


  「?」


   言いたいことがわからないと、キョトンとした顔をする館花琴音。そして、すとらびの3人がテーブルに合流する。



    「あー!むぎ。さん、ことねぇ!久しぶり!!」


      白夜楓は、2人を見つけて犬のように駆け寄ってきてニコニコしている。

    「館花先生は?!え?!いつからことねぇ呼び?!」 


   館花は、納得いかないむくれた顔をするが、白夜楓は気にしている様子がない。

   「楓、ほんとにこの子は。申し訳ないです、館花先生」



     すとらびリーダーの星乃月南が、飼い犬のように、白夜楓を座らせている。  

      気だるそうに、どかっとすわって長い足を持て余している新月緋雨。



   「いいなぁ、俺もことねぇって呼びたいなぁ」

      いじけて、拗ねるという実態。


    「え?!楓だけじゃなく、緋雨も?!なら私だって館花先生じゃなくて、ことねぇって呼びたい!」



 「人気者ね!館花。……で?いくの?いかないの?どっち?」



    「え?ナンノハナシ」

    星乃月南のそのセリフがきっかけのスイッチとなった。


   「平行線のパラレルワールドの自分たちと意識だけ交代する話。だって」


  館花琴音は、言いながら嫌な予感は、している。




 「バーチャルゲームだとおもって、意識だけ飛ばして行ってみよう!なぜ?って。魔王ロイを復活させているとおもう」
   



   織木が心配していること、それは。

      魔女イズクと側近マークが


     ロイを見捨てて、消えたのは。

   どこかの世界線で、蘇るためだと。


 


  店内BGMで、新月緋雨のソロ曲「ナイト」が、流れ始めていた。



  To be continue。

            ・・・・・・・星の彼方へ・・・・・・・




   



   
  

   

    

     
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