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第一部 国売りのセド
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ヘンダーレ侯爵邸、火矢の飛んでこなくなった前庭に次々と明かりが灯る。火矢を放った人間の索敵に行った兵士たちが戻るまで、少しでも屋敷の備えを多く見せる必要があった。
「いつ火矢が来るか分からん。桶でも樽でもいい、水を入れて用意しろ。奥は守れ」
奥向きの警備を担当するサグラフィー第二隊隊長が声を張り上げる。家人たちも老若男女問わず走り回っている。
「放せ、放せといっているだろ!」
ジエに罪人のように引っ立てられながら、ブロードは顔を上げた。
兵士だけでなく家人も桶をもって走り回っているのは理解できた。だが、どの顔も緊張に強張っているが、恐怖はない。感じる余裕がないのか、それとも――。
ブロードは不自然にならないよう周囲を観察した。門のところに脱出しようとしていたのだろうピートが立っていた。ピートの目が泳ぐ。ブロードは小さく顎をしゃくった。ピートは弾かれたように暗い門の外へと走りだした。ブロードは殴られた口の端の血を舐め、もう一度縄抜けを試みたが、両手首をがっちりと交差した罪人の輸送時に用いる縛りは外れる気配がなかった。
「ユースゴ様、何かありましたか」
「侵入者だ」
ジエが縛り上げたブロードをサグラフィーに突き出した。
侵入者、皆の視線が一気にブロードに集まった。
「では、火矢の?」
「それについては後で話そう。都までとなると籠、では遅いな。馬は――」
「逃げられますね」
ユースゴが軽く手を振り、ジエが門の近くの荷車に目をとめた。
「あれを一台頂けますか?」
「それは構いませんが、馬で引いていくにも時間がかかりましょう」
「ですが――それは」
「サグラフィー隊長」
ユースゴの視線に、サグラフィーは口を閉じた。
領主の屋敷に侵入したなど重罪だ。まして襲撃の手引きをしたのならなおさらだ。それをただの商人に渡すなどありえないことだった。
だが、国境を守る人間として守るべきは時に法ではなく、実利である。旦那様であるラオスキー侯爵の名代でもあるユースゴの判断は、ラオスキー侯爵不在の今は絶対だ。サグラフィーは、門の近くにある、燃え残っていた一台の荷車を指した。
「あちらの荷車でしたら」
「構いません」
ジエは頷いた。
ブロードは後ろ手に縛られたまま踏ん張った。
「おい、だから俺じゃねえって何度も言っているだろう」
ジエは目を眇めた。腰に差した短刀を鞘ごとぬき、したたかブロードを打ち付けた。
「我がトルレタリアン商会の積荷に手をかけたのです。商人間で積荷の強奪、まして隊商の命まで奪ったとなれば損害の補填だけで済むべくもない。あなたも商会の会頭であれば商人の不文律などご存じでしょう」
「だから俺じゃねえって何度も言っているだろう」
顔から地面に突っ込んだブロードは口の中に入った砂を吐くと、背骨をぐいっと丸くし、一息で立ち上がった。後ろ手に拘束されているとは思えない、人間離れした動きだった。
首筋から立ち上る怒気に、ブロードを捕えようとした兵士がたじろいだ。
「申し開きは都で聞きましょう」
ジエは動けない兵士を冷たい目で見ると、ブロードに対峙した。
「だから――」
「くどい」
ジエはブロードを殴りつけた。荷車の上に仰向けになったブロードに、ジエはさらにのしかかった。慣れた手つきでブロードの両手足を荷車に固定する。
「おま、離せ! どうせ補填と称して金をふんだくるつもりだろうが」
暴れるブロードの腹に、ジエは革の手袋をした拳を叩き込んだ。
「かはっ」
「続きは都で。ではユースゴ殿お世話をおかけしました。こちらに来るまで難民の動きも活発になっているようでしたから。くれぐれもご用心を」
ジエは慇懃に頭を下げた。
「そ、そうだな。そろそろ難民も金が尽きるころだ、用心しよう。……それで、それは生きているのか?」
「大丈夫、気絶しているだけです。何かするのなら殺すだけです」
ジエは首から下げた笛を口に当てた。
ピューイ。夜空に鳥の影が周回した。
※
「それで、火矢を射た奴らはどうした?」
ユースゴはサグラフィー第二隊隊長を振り返った。
「それが、痕跡はあれど、姿は見えず。火矢を見たというサワーウィン砦の連中も怪しい連中は見なかったということで」
「やはり、難民の線も疑うべきか」
食うに困って食糧庫のある領主の屋敷を襲う。ありえない話ではなかった。
ふと門の方が騒がしくなった。一人の男がかけこんできた。
「お、お助けください」
兵士の制止を振り切って、ユースゴの前で膝をついた男の服はところどころ服が擦り切れていた。
「何があった!」
「襲われて」
「誰にだ」
「分かりません。ただ寝ていたら突然やってきて天幕の中の女たちを連れて行って」
天幕、その言葉に緊張が走る。この辺りで天幕で暮らしている人間は限られる。
「そなたナジキグの難民か」
「はい。ただ、そいつらが、サワーウィンの奴らがどうとかマルドミに戻るとか、どうかお助けください!」
「なんだと!?」
兵士の一人が声を上げた。
「どうした」
「いえ、あのその」
「言え!」
サグラフィーの叱責に弾かれたように、その兵は背筋を伸ばした。ブロードを指さした。
「あの、あの男ともう一人、牢にいた男が、マルドミ軍がやってきている、と。それを報せに行ったらサワーウィン砦の人間に襲われたと」
「どうしてすぐに報告しなかった!」
「も、申し訳ありません! 難民の世迷言だと。サワーウィン砦の人間が民を襲うなど、あるわけがないと」
「それで、牢から逃げたもう一人の男は捕まえたのか」
「いえ、それがまだ」
ユースゴの問いに、兵士は顔面蒼白になり膝をついた。国境の警備兵に襲われたといったブロード。マルドミ軍の来襲を報せ、サワーウィン砦の人間に襲われたといったという男。指し示される事実に、ユースゴは歯噛みした。
「サグラフィー隊長」
サグラフィーは厳しい顔でうなずいた。
「すぐに団長に報せを。皆即刻、第一級警備体制をとれ!」
「はっ」
「これより、事実が分かるまでサワーウィンは敵とみなして行動せよ」
サグラフィーの指示に皆が一斉に駆けだした。
ユースゴは改めて目の前の男を見た。
「もう一人の牢にいた男というのはお前か?」
「はい」
ピートは頭を覆っていた布を外した。ユースゴの隣に立っていた兵士が槍を構える。
「なぜ、今来たようなふりをした?」
「最初にお伝えした方には問答無用で牢に放り込まれましたので」
ピートは頭を下げた。
「そなたたちがこの火矢を しかけたか」
「違います」
ピートははっきりと言った。
「ではなぜわざわざ戻ってきた?脱獄は死罪だ。ナジキグでも同じだろう」
「確かに、話も聞かず、牢に放り込むような扱いに何も思わないわけではありませんが……。ですが、我らナジキグの人間を助けていただいているのも事実です。ですが何より、俺の言葉を信じたその男を死なせるわけにはいかないと思っただけです」
ピートは気絶させられ、荷車にくくられたブロードを見た。
「それがあの男だと?知り合いか?」
「いいえ、今日牢で初めて会った者です」
「脱獄の罪に問われても、か?」
「そんなものは、人の信義の前になんの意味がありましょう?マルドミは我がナジキグと不可侵の協定を結んでおりました。春には婚儀により盤石のものとなる予定でした。今私がここにあるのは――」
ピートはまっすぐにユースゴを見た。
「これからそなたたちのいうことが真実か確かめに行く。そなたたちが共謀していないとも分からぬからな。無実だというのなら、協力してもらおう。それで侵入と脱獄については不問にしよう」
「構いません」
ピートは頭を下げた。
「ジエ殿」
家人にピートに水を出すよう言うと、ユースゴはジエを振り返った。
「水でもかけますか」
ジエはブロードを見下ろし、荷車を蹴った。
「いつ火矢が来るか分からん。桶でも樽でもいい、水を入れて用意しろ。奥は守れ」
奥向きの警備を担当するサグラフィー第二隊隊長が声を張り上げる。家人たちも老若男女問わず走り回っている。
「放せ、放せといっているだろ!」
ジエに罪人のように引っ立てられながら、ブロードは顔を上げた。
兵士だけでなく家人も桶をもって走り回っているのは理解できた。だが、どの顔も緊張に強張っているが、恐怖はない。感じる余裕がないのか、それとも――。
ブロードは不自然にならないよう周囲を観察した。門のところに脱出しようとしていたのだろうピートが立っていた。ピートの目が泳ぐ。ブロードは小さく顎をしゃくった。ピートは弾かれたように暗い門の外へと走りだした。ブロードは殴られた口の端の血を舐め、もう一度縄抜けを試みたが、両手首をがっちりと交差した罪人の輸送時に用いる縛りは外れる気配がなかった。
「ユースゴ様、何かありましたか」
「侵入者だ」
ジエが縛り上げたブロードをサグラフィーに突き出した。
侵入者、皆の視線が一気にブロードに集まった。
「では、火矢の?」
「それについては後で話そう。都までとなると籠、では遅いな。馬は――」
「逃げられますね」
ユースゴが軽く手を振り、ジエが門の近くの荷車に目をとめた。
「あれを一台頂けますか?」
「それは構いませんが、馬で引いていくにも時間がかかりましょう」
「ですが――それは」
「サグラフィー隊長」
ユースゴの視線に、サグラフィーは口を閉じた。
領主の屋敷に侵入したなど重罪だ。まして襲撃の手引きをしたのならなおさらだ。それをただの商人に渡すなどありえないことだった。
だが、国境を守る人間として守るべきは時に法ではなく、実利である。旦那様であるラオスキー侯爵の名代でもあるユースゴの判断は、ラオスキー侯爵不在の今は絶対だ。サグラフィーは、門の近くにある、燃え残っていた一台の荷車を指した。
「あちらの荷車でしたら」
「構いません」
ジエは頷いた。
ブロードは後ろ手に縛られたまま踏ん張った。
「おい、だから俺じゃねえって何度も言っているだろう」
ジエは目を眇めた。腰に差した短刀を鞘ごとぬき、したたかブロードを打ち付けた。
「我がトルレタリアン商会の積荷に手をかけたのです。商人間で積荷の強奪、まして隊商の命まで奪ったとなれば損害の補填だけで済むべくもない。あなたも商会の会頭であれば商人の不文律などご存じでしょう」
「だから俺じゃねえって何度も言っているだろう」
顔から地面に突っ込んだブロードは口の中に入った砂を吐くと、背骨をぐいっと丸くし、一息で立ち上がった。後ろ手に拘束されているとは思えない、人間離れした動きだった。
首筋から立ち上る怒気に、ブロードを捕えようとした兵士がたじろいだ。
「申し開きは都で聞きましょう」
ジエは動けない兵士を冷たい目で見ると、ブロードに対峙した。
「だから――」
「くどい」
ジエはブロードを殴りつけた。荷車の上に仰向けになったブロードに、ジエはさらにのしかかった。慣れた手つきでブロードの両手足を荷車に固定する。
「おま、離せ! どうせ補填と称して金をふんだくるつもりだろうが」
暴れるブロードの腹に、ジエは革の手袋をした拳を叩き込んだ。
「かはっ」
「続きは都で。ではユースゴ殿お世話をおかけしました。こちらに来るまで難民の動きも活発になっているようでしたから。くれぐれもご用心を」
ジエは慇懃に頭を下げた。
「そ、そうだな。そろそろ難民も金が尽きるころだ、用心しよう。……それで、それは生きているのか?」
「大丈夫、気絶しているだけです。何かするのなら殺すだけです」
ジエは首から下げた笛を口に当てた。
ピューイ。夜空に鳥の影が周回した。
※
「それで、火矢を射た奴らはどうした?」
ユースゴはサグラフィー第二隊隊長を振り返った。
「それが、痕跡はあれど、姿は見えず。火矢を見たというサワーウィン砦の連中も怪しい連中は見なかったということで」
「やはり、難民の線も疑うべきか」
食うに困って食糧庫のある領主の屋敷を襲う。ありえない話ではなかった。
ふと門の方が騒がしくなった。一人の男がかけこんできた。
「お、お助けください」
兵士の制止を振り切って、ユースゴの前で膝をついた男の服はところどころ服が擦り切れていた。
「何があった!」
「襲われて」
「誰にだ」
「分かりません。ただ寝ていたら突然やってきて天幕の中の女たちを連れて行って」
天幕、その言葉に緊張が走る。この辺りで天幕で暮らしている人間は限られる。
「そなたナジキグの難民か」
「はい。ただ、そいつらが、サワーウィンの奴らがどうとかマルドミに戻るとか、どうかお助けください!」
「なんだと!?」
兵士の一人が声を上げた。
「どうした」
「いえ、あのその」
「言え!」
サグラフィーの叱責に弾かれたように、その兵は背筋を伸ばした。ブロードを指さした。
「あの、あの男ともう一人、牢にいた男が、マルドミ軍がやってきている、と。それを報せに行ったらサワーウィン砦の人間に襲われたと」
「どうしてすぐに報告しなかった!」
「も、申し訳ありません! 難民の世迷言だと。サワーウィン砦の人間が民を襲うなど、あるわけがないと」
「それで、牢から逃げたもう一人の男は捕まえたのか」
「いえ、それがまだ」
ユースゴの問いに、兵士は顔面蒼白になり膝をついた。国境の警備兵に襲われたといったブロード。マルドミ軍の来襲を報せ、サワーウィン砦の人間に襲われたといったという男。指し示される事実に、ユースゴは歯噛みした。
「サグラフィー隊長」
サグラフィーは厳しい顔でうなずいた。
「すぐに団長に報せを。皆即刻、第一級警備体制をとれ!」
「はっ」
「これより、事実が分かるまでサワーウィンは敵とみなして行動せよ」
サグラフィーの指示に皆が一斉に駆けだした。
ユースゴは改めて目の前の男を見た。
「もう一人の牢にいた男というのはお前か?」
「はい」
ピートは頭を覆っていた布を外した。ユースゴの隣に立っていた兵士が槍を構える。
「なぜ、今来たようなふりをした?」
「最初にお伝えした方には問答無用で牢に放り込まれましたので」
ピートは頭を下げた。
「そなたたちがこの火矢を しかけたか」
「違います」
ピートははっきりと言った。
「ではなぜわざわざ戻ってきた?脱獄は死罪だ。ナジキグでも同じだろう」
「確かに、話も聞かず、牢に放り込むような扱いに何も思わないわけではありませんが……。ですが、我らナジキグの人間を助けていただいているのも事実です。ですが何より、俺の言葉を信じたその男を死なせるわけにはいかないと思っただけです」
ピートは気絶させられ、荷車にくくられたブロードを見た。
「それがあの男だと?知り合いか?」
「いいえ、今日牢で初めて会った者です」
「脱獄の罪に問われても、か?」
「そんなものは、人の信義の前になんの意味がありましょう?マルドミは我がナジキグと不可侵の協定を結んでおりました。春には婚儀により盤石のものとなる予定でした。今私がここにあるのは――」
ピートはまっすぐにユースゴを見た。
「これからそなたたちのいうことが真実か確かめに行く。そなたたちが共謀していないとも分からぬからな。無実だというのなら、協力してもらおう。それで侵入と脱獄については不問にしよう」
「構いません」
ピートは頭を下げた。
「ジエ殿」
家人にピートに水を出すよう言うと、ユースゴはジエを振り返った。
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