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「京博のお正月 新春特集展示 巳づくし―干支を愛でる―」見に行きました。
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年が明けて、京都国立博物館の「新春特集展示 巳づくし―干支を愛でる―」(※1)と、京都文化博物館の「世界遺産大シルクロード展」に行きました。
シルクロード展は2回も!行きましたが、まずはお正月気分が薄れる前に、京博の新春特集展示の方を先に書かせていただきます。
昨年は「辰」ということで、龍をモチーフとした作品の展示がありました。鷲生の記憶では2フロアのたくさんの部屋で開催されていたように記憶しているのですが、今回の「巳」は1階の1部屋だけです。
手元にリストがありますが、全部で17点。
うーん、昨年と比較するとちょっとそれは寂しい気が……(「龍」関係が十二支の中でも特に多いのかもしれませんが)。
あと、京博は写真が原則禁止なので写真もないです。これはちょっと撮らせてほしいと思いますね……。
展示はまず土器から始まります。
頭が三角形なのでマムシだと思われる蛇を側面に取り付けた甕がありました。
縦長の甕(?)の首回りに穴がぽつぽつとに空けてあって、ここにひもを通して布状の蓋を付けたか、革を張って太鼓にしてたかという品物です。
こういう上部の塞ぎ方をする土器は、もっと時代が下がって平安時代でも庶民に使われていたかも知れません。平安ファンタジーのネタになるかも。
もう一つの土器は細い蛇が沢山くっついていました。
その横に「虎艾に五毒文様陣羽織裂 伝徳川家康所用」という布の展示がありました。
五毒とされる(百足や蛇、蠍など)を虎が追い払う図が、武運を願ううえで縁起がいいので武将の陣羽織に使われたのだとか(記憶が少し曖昧ですが……)。
2022年の寅年の新春特集展示に出てたようです(ま、虎の方が主役の図柄です)。
鷲生の記憶では、魔を払うということで菖蒲や蓬の葉の図柄もあったと記憶しています。
法妙童子が蛇と対峙している絵がありますが。
その蛇……ほとんど龍の形をしています。
日文研所蔵のもののようで、ネットでも見られますよ(※2)。
重要文化財の十二類絵巻では干支の動物が着物を着てミーティング?をしています(※1の国立博物館の展覧会お知らせページに紹介されています)。
龍が狩衣っぽい男性の格好、その隣に蛇が十二単っぽい女性の格好をしています。
龍と蛇は似ているので、それぞれ男女と描き分けるのかもしれません。
京都毘沙門堂の重要文化財の篆隷文体という書では、漢字一文字がくねくねした蛇で表されているという展示がありました。
この毘沙門堂の篆隷文体というのは有名なもののようで(鷲生は不勉強で知らなかったのですが)、本も出版されています。
その解説によると
「中国南斉・蕭子良撰『篆隷文体』。多数の意匠化された装飾文字を記録したいわば書体の見本帳であり、その独自性において重要な価値を有する。中国では伝存せず、京都山科の毘沙門堂蔵写本(国指定重要文化財)が唯一の伝本とされる」
http://www.hoyubook.co.jp/book/detail.php?id=23751
そうそう、中国で失われた文化財が日本に残ってたりするんですよ。
だから、日本の中華ファンタジーの書き手はある意味恵まれてるんじゃないかと思いますよ。
能装束の「淡紅地鱗文摺箔」がありました。
ただ三角形が並んでいるような抽象的なデザインですが、これが「鱗」を表すものです。
鷲生の記憶では「道成寺」に使われるのだという解説があったように思います。
壁沿いの展示の最後は「釈迦牟尼仏像」として大きな絵がかかっていました。お釈迦様の真上に蛇がいます。
この絵は、東チベット・カムの16世紀のものだそうで、所蔵を示す欄には日本人らしい5名ほどの名前(それも女性らしい名ばかり)から京都国立博物館に寄贈されたものと記載されています。
うーーん。どういう経緯で京都国立博物館に来たのかその来歴が妙に気になりますねw
旧家に眠っていて、そこからお嫁に出た娘さんたちが実家の遺産をどうするかで話し合った末に国立博物館への寄贈を決めた……とか?
さて。展示室の真ん中のケースには根付が。
そのうち一つは、蛇と蛙となめくじの「三すくみ」を象ったもの。
「ヘビがナメクジをこわがり、ナメクジはカエルをこわがり、カエルがヘビをこわがる」ものなんだそうです。
さて……。
根付=江戸のファッションという点で、鷲生は個人的に一気に見る気がうせてしまいして。
鷲生はこのところ、江戸時代が大っ嫌いになりましてね……。
鷲生が2025年の大河ドラマ「べらぼう」に「遊郭をエンタメに使うのは如何なものか……」って書いたら、ある人(仮名@lav)にものすごく怒られましてね……。
(なんで怒ってるのかよく分からないんですけど、怒りで意味不明な怪文書みたいなコメントがついて、気味が悪いからブロックしたら、なんと別垢を作ってまでさらに絡んで来たんです。その経緯はコチラ→※4)。
もともと江戸時代はあまり好きじゃなかったんですが(好き嫌いというより関心が無かった)、この件ではっきり嫌いになっちまいましてね……。
あ、嫌いって言ってるのは「江戸時代」ですよ。「べらぼう」の悪口なんか、書いてませんよー。「もう『べらぼう』の悪口なんて書きません。だから私に粘着しないで下さい」って平身低頭でお願いしましたもんねー(@lavさんに向けて必死のアピール!)※5。
あー気分悪ぅーと思いながら(別に根付に罪はないのにw)その部屋を出ると、1階の広い部屋に大きな仏像の展示がありました。
平安時代の大日如来(五智如来)の、どっしりした量感と、些末な心の悩みを包み込むような優美なお姿に心洗われたような気持ちで帰途につくことができました(いや、私クリスチャンなんですけどw でも仏像はエエですよね~)。
*****
※1京都国立博物館「新春特集展示 巳づくし―干支を愛でる―」
https://www.kyohaku.go.jp/jp/exhibitions/feature/b/mi_2025/
※2 法妙童子
https://www.nichibun.ac.jp/graphicversion/dbase/naraehon/viewer/pageview.php?pn=20050215003ne_0010#listlink-select
※3 「毘沙門堂蔵 篆隷文体」 朋友堂書店による紹介
http://www.hoyubook.co.jp/book/detail.php?id=23751
※4 「べらぼう」「遊郭」への批判を含む内容の記事は削除せざるを得なくなりました(経緯説明です)
https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16818093091951924946
※5 あ、ネットやXで下記のようなものを見ましたけど、私は見かけたものを見たって言ってるだけですからねー。
「べらぼう」擁護派の方、文句があればそれぞれの書き手さんに言ってくださいねー。
・「NHK大河「べらぼう」よ、なぜ? 「男が女で遊ぶ場所」が今もある社会で「吉原」大連発 北原みのり」
https://dot.asahi.com/articles/-/247143
・「なんか、べらぼう見ないのに「今週末も、ミソジニーの煮凝りをゴージャスジャポネスクコーティングして性風俗をカジュアルにお届けするやつを、公共放送が、大河枠で、やる」という事実がだんだん心濁らす毒になってきた。」
(Xのポスト。ご迷惑がかかるといけないのでアカウント名は出しませんが、この文章で検索すれば出てくるんじゃないでしょうか)
※6 京都国立博物館 「彫刻展示室の新しい顔「五智如来坐像」だリン♪」
https://www.kyohaku.go.jp/jp/torarin/blog/2018/03/20180309.html
シルクロード展は2回も!行きましたが、まずはお正月気分が薄れる前に、京博の新春特集展示の方を先に書かせていただきます。
昨年は「辰」ということで、龍をモチーフとした作品の展示がありました。鷲生の記憶では2フロアのたくさんの部屋で開催されていたように記憶しているのですが、今回の「巳」は1階の1部屋だけです。
手元にリストがありますが、全部で17点。
うーん、昨年と比較するとちょっとそれは寂しい気が……(「龍」関係が十二支の中でも特に多いのかもしれませんが)。
あと、京博は写真が原則禁止なので写真もないです。これはちょっと撮らせてほしいと思いますね……。
展示はまず土器から始まります。
頭が三角形なのでマムシだと思われる蛇を側面に取り付けた甕がありました。
縦長の甕(?)の首回りに穴がぽつぽつとに空けてあって、ここにひもを通して布状の蓋を付けたか、革を張って太鼓にしてたかという品物です。
こういう上部の塞ぎ方をする土器は、もっと時代が下がって平安時代でも庶民に使われていたかも知れません。平安ファンタジーのネタになるかも。
もう一つの土器は細い蛇が沢山くっついていました。
その横に「虎艾に五毒文様陣羽織裂 伝徳川家康所用」という布の展示がありました。
五毒とされる(百足や蛇、蠍など)を虎が追い払う図が、武運を願ううえで縁起がいいので武将の陣羽織に使われたのだとか(記憶が少し曖昧ですが……)。
2022年の寅年の新春特集展示に出てたようです(ま、虎の方が主役の図柄です)。
鷲生の記憶では、魔を払うということで菖蒲や蓬の葉の図柄もあったと記憶しています。
法妙童子が蛇と対峙している絵がありますが。
その蛇……ほとんど龍の形をしています。
日文研所蔵のもののようで、ネットでも見られますよ(※2)。
重要文化財の十二類絵巻では干支の動物が着物を着てミーティング?をしています(※1の国立博物館の展覧会お知らせページに紹介されています)。
龍が狩衣っぽい男性の格好、その隣に蛇が十二単っぽい女性の格好をしています。
龍と蛇は似ているので、それぞれ男女と描き分けるのかもしれません。
京都毘沙門堂の重要文化財の篆隷文体という書では、漢字一文字がくねくねした蛇で表されているという展示がありました。
この毘沙門堂の篆隷文体というのは有名なもののようで(鷲生は不勉強で知らなかったのですが)、本も出版されています。
その解説によると
「中国南斉・蕭子良撰『篆隷文体』。多数の意匠化された装飾文字を記録したいわば書体の見本帳であり、その独自性において重要な価値を有する。中国では伝存せず、京都山科の毘沙門堂蔵写本(国指定重要文化財)が唯一の伝本とされる」
http://www.hoyubook.co.jp/book/detail.php?id=23751
そうそう、中国で失われた文化財が日本に残ってたりするんですよ。
だから、日本の中華ファンタジーの書き手はある意味恵まれてるんじゃないかと思いますよ。
能装束の「淡紅地鱗文摺箔」がありました。
ただ三角形が並んでいるような抽象的なデザインですが、これが「鱗」を表すものです。
鷲生の記憶では「道成寺」に使われるのだという解説があったように思います。
壁沿いの展示の最後は「釈迦牟尼仏像」として大きな絵がかかっていました。お釈迦様の真上に蛇がいます。
この絵は、東チベット・カムの16世紀のものだそうで、所蔵を示す欄には日本人らしい5名ほどの名前(それも女性らしい名ばかり)から京都国立博物館に寄贈されたものと記載されています。
うーーん。どういう経緯で京都国立博物館に来たのかその来歴が妙に気になりますねw
旧家に眠っていて、そこからお嫁に出た娘さんたちが実家の遺産をどうするかで話し合った末に国立博物館への寄贈を決めた……とか?
さて。展示室の真ん中のケースには根付が。
そのうち一つは、蛇と蛙となめくじの「三すくみ」を象ったもの。
「ヘビがナメクジをこわがり、ナメクジはカエルをこわがり、カエルがヘビをこわがる」ものなんだそうです。
さて……。
根付=江戸のファッションという点で、鷲生は個人的に一気に見る気がうせてしまいして。
鷲生はこのところ、江戸時代が大っ嫌いになりましてね……。
鷲生が2025年の大河ドラマ「べらぼう」に「遊郭をエンタメに使うのは如何なものか……」って書いたら、ある人(仮名@lav)にものすごく怒られましてね……。
(なんで怒ってるのかよく分からないんですけど、怒りで意味不明な怪文書みたいなコメントがついて、気味が悪いからブロックしたら、なんと別垢を作ってまでさらに絡んで来たんです。その経緯はコチラ→※4)。
もともと江戸時代はあまり好きじゃなかったんですが(好き嫌いというより関心が無かった)、この件ではっきり嫌いになっちまいましてね……。
あ、嫌いって言ってるのは「江戸時代」ですよ。「べらぼう」の悪口なんか、書いてませんよー。「もう『べらぼう』の悪口なんて書きません。だから私に粘着しないで下さい」って平身低頭でお願いしましたもんねー(@lavさんに向けて必死のアピール!)※5。
あー気分悪ぅーと思いながら(別に根付に罪はないのにw)その部屋を出ると、1階の広い部屋に大きな仏像の展示がありました。
平安時代の大日如来(五智如来)の、どっしりした量感と、些末な心の悩みを包み込むような優美なお姿に心洗われたような気持ちで帰途につくことができました(いや、私クリスチャンなんですけどw でも仏像はエエですよね~)。
*****
※1京都国立博物館「新春特集展示 巳づくし―干支を愛でる―」
https://www.kyohaku.go.jp/jp/exhibitions/feature/b/mi_2025/
※2 法妙童子
https://www.nichibun.ac.jp/graphicversion/dbase/naraehon/viewer/pageview.php?pn=20050215003ne_0010#listlink-select
※3 「毘沙門堂蔵 篆隷文体」 朋友堂書店による紹介
http://www.hoyubook.co.jp/book/detail.php?id=23751
※4 「べらぼう」「遊郭」への批判を含む内容の記事は削除せざるを得なくなりました(経緯説明です)
https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16818093091951924946
※5 あ、ネットやXで下記のようなものを見ましたけど、私は見かけたものを見たって言ってるだけですからねー。
「べらぼう」擁護派の方、文句があればそれぞれの書き手さんに言ってくださいねー。
・「NHK大河「べらぼう」よ、なぜ? 「男が女で遊ぶ場所」が今もある社会で「吉原」大連発 北原みのり」
https://dot.asahi.com/articles/-/247143
・「なんか、べらぼう見ないのに「今週末も、ミソジニーの煮凝りをゴージャスジャポネスクコーティングして性風俗をカジュアルにお届けするやつを、公共放送が、大河枠で、やる」という事実がだんだん心濁らす毒になってきた。」
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