京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記

washusatomi

文字の大きさ
上 下
28 / 55

8月下旬の府立植物園です。

しおりを挟む
 1週間ほど前になりますが、北山通りに用事があったついでに府立植物園に寄りました。

 すっごく暑くて汗だくで歩き回ったのを覚えていますw この何日かは台風10号が近づき、そのためか気温が下がりました。これが過ぎれば季節も秋めいてくるでしょう。

 8月の話は8月中に投稿したかったのですが、昨日は家の中でバタバタすることがあったため、9月1日の今日となってしまいました。ちょっと悔しいですw

 今回の画像もnote記事にまとめております(※1)。

 さて。
 盛夏から秋にかけて赤い実をつけるのがサンゴジュ。珊瑚のようだから名付けられたのだとか。確かに緑の森の中でパッと目を引く鮮やかな赤色です。
 標識を見るまでもなく遠くからでも分かりました。

 日本の植生を再現した植物生態園で「ノイバラ」の標識を見つけましたが、残念ながら花のシーズンではありません。

 アカネの標識のそばに紫色の花が咲いていたので、これがアカネの花?と思って写真を撮ってきましたが。
 帰宅後調べてみると、アカネの花は白いですし、形も違います。

 じゃあ、私の撮影したこの紫の花はなんだろうと、画像をGoogleレンズで調べてみたところ。「スズムシバナ」だそうです。

 確かに、府立植物園のWebサイトでも「植物生態園でスズムシバナが見ごろですよ」と案内があります。これ、絶滅危惧種だそうですよ(※2)

 四季彩の丘の池ではヒツジグサという睡蓮の一種が浮かんでました。

 同じ池にあるのがオニバス。前にもご紹介しましたが、枕草子で怖ろしいものとして挙げられているそうです。
 刺々した葉っぱですものね。それから今回は花が咲いているのを写真に撮れました。

 今回は手持ちの『有職植物図鑑』(※3)の「オニバス」のページをちゃんと読んだので、その内容を引用しておきます。

「水注のフキということで平安時代の名は『水ふぶき』。『枕草子』では『恐ろしげなるもの』に扱われていますが、とげとげしい姿や直径一m超にもなる葉の大きさ、葉を突き破って咲く花など、確かに『鬼』を感じさせる植物です」。

 中国由来の「芡」という字で表されるのだとか。

「有用植物」で、茎や根を食べるそうで「延喜式(内膳式)の『漬年料雑菜』として天皇の食材に規定しています。さらに『宇津保物語』(国譲中)にも蜜瓜・焼米・海松とならび『芡』がご馳走として扱われています」

 花の様子が鶏の頭に似ているので「鶏頭(けいとう)」と呼ばれることもあるようです。中国の東魏『洛陽伽藍記』にも登場するようですよ。

 種子は「滋養強壮食品として現代中国でも愛用されています」「延喜式(大膳式)では孔子を祀る『釈奠』の供膳に登場しました」

『有職植物図鑑』のこのような記述を見ると、古代中国・日本の人々にとって身近な存在だったのでしょうね。

 さて、南に下ると、「スモモ」の標識が添えられている木を見つけました。季節外れなせいか、花も実も見つけられませんでしたが、スモモ=李は中華ファンタジーにも和風ファンタジーにも使えそうですから、季節を選んでまた見に来たいです。
 前回来たときに見つけたランシンボクの写真と連続しているので、植物園中央のカフェの北西の森の中だろうと思います。

 芝生広場の西ではザクロが実っていました!

 昨年、奈良市で行われたシルクロードに関するイベントで、ウズベキスタンから仕入れてきた雑貨を売っているお店があって。石榴の刺繍の素敵なクッションカバーを拝見しました。洋の東西で愛される果実ですよね。

 この並びにアキニレがありました。

 北大路方面への出口に向かう途中に「シュクシャ」の草むらがありました。インドやインドシナ半島の南国の植物だそうで、夏の終わりに咲く花からは甘い芳香がするのだとか(※4)。

 日本には江戸時代に渡来したそうなので平安ファンタジーにそのままでは使えませんが、中華ファンタジーで南国の植物として登場させられるかもしれません。
 花の香りを確かめにまた来たいです。

 今週末は、台風10号のため京都府立植物園は休園とのことでした。
 今日、台風から熱帯低気圧に変わったそうですが、早くお天気回復して欲しいです。なんかずーっと台風を警戒していて閉塞感に少々くたびれました……。

*****

※1https://note.com/monmonsiteru/n/n9c754f080d9c
「note」「鷲生智美」で検索しても出てくるかと思います。

※2 京都府レッドデータブック
https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/bio/db/flo0288.html

※3 『有職植物図鑑』有職植物図鑑 2022 八條忠基 平凡社 
https://www.heibonsha.co.jp/book/b613746.html
 
※4 東方大学薬学部付属薬用植物園  ジンジャー(ハナシュクシャ)
https://www.lab.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/hanasyukusya.html 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...