京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記

washusatomi

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風俗博物館に行きました(産養)

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 前回に続き、風俗博物館の展示についてです。

 今回は「産養」の場面です。

 写真はnoteに投稿しております(https://note.com/monmonsiteru/n/n71675fe291c3 )

 出産から、無事生まれた子供のお祝いする場面が人形で再現されています。

 よく知られている通り、平安時代のお産は装束も調度も白色の空間で行われます。風俗博物館の説明によりますと「壁代をはじめ、御帳台、屏風、几帳、畳の縁も白に改め、出産に奉仕する女房達もみな白装束に改める」とあります。



 確かに白の高坏らしきものもあるのですが……白木とはまた違って、白の塗料で塗られているようです。ペンキもないこの時代の白の塗料ってなんだったのでしょう?(胡粉とかでしょうか……)。

 また、魔よけに米を巻きますが、その米の入った容器を抱えている女房のお人形もありました。

 当時は赤ちゃんの夜泣きは悪霊の仕業と考えられていたそうで、「悪霊退散の儀式として『問口』の役が『こちらに夜泣きする赤子がいらっしゃいますか』という問いに対して『言口』役の五位の束帯七名が」応えるということがあったそうで、簀子縁の角っ子に座っている赤い袍の男性の人形はこの儀式関連なのかなと思います。

「産養」は、「赤子が誕生してから続く邸内で行われる様々な邪気祓いの儀式と異なり、その赤子の将来の後ろ盾を示す誕生祝が産養である」とのこと。

「贅を尽くした儀式の盛大さは誕生した子にその待遇が保証されていることを世間に知らしめ、身分の高さを披露する役目があった」そうで、風俗博物館の展示にも、さまざまな物品が添えられています。

 鷲生がこの出産関連の展示を見たかったのは、次回作でヒロインの出産に物の怪が出るというような場面を考えているからなのですが……。

 最近立て続けに倉本一宏さん(日文研名誉教授・「光る君へ」時代考証ご担当)の書かれたものを読んでおり、その中で、紫式部日記の彰子出産の様子が紹介されていました。

 いや~。彰子のお産に物の怪がバンバン出てきて大変だったようです。鷲生の拙い文章力ではこのような臨場感は綴れない……と、書く前から気後れしてしまいましたw

 っていうか。その彰子出産を記録している書き手は、アノ紫式部ですからね~。そりゃ敵いませんわw

 倉本一宏さんの本は面白いので、これからも読み進めていこうと思っています。

 そして。先週の「光る君へ」は放送がお休みでしたが、次の日曜日は放送されます。いよいよ、まひろが彰子の許に出仕するんですよね。楽しみです。

 あ、そう言えば。

 この風俗博物館。以前に比べるとお客さんが増えたような気がします。単純に人数だけではなく、撮影する人も増えたというか。

 以前は、お客さんも少なく、鷲生以外に写真撮っている人もあまりいなかったのですが。今回は、鷲生以外にも「カシャ」「カシャ」とスマホの撮影音が聞こえてきました。「光る君へ」効果でしょうか。

 平安時代が好きな人が増えてくれると、鷲生も嬉しいです。

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