20 / 55
盛夏の府立植物園
しおりを挟む
少し前の話になりますが、8月に入った頃に府立植物園に行ってきました。
甲子園球場6個分(240000㎡)に12000種の植物が植えられている京都府立植物園。
夏の真っ盛りにも見ごろを迎える花もあるのです。
写真はnoteに掲載しております(※)。
鷲生が酷暑の中でも足を運んで見たいと思ったのがが槐(エンジュ)。
『有職植物図鑑』215頁によると、「古代中国ではエンジュは神木として扱われ」「公卿を意味する単語」となり、日本でも「太政大臣と左右大臣を『槐位』と」呼んだのだそうな。
エンジュは府立植物園の水車の西に一本あります。
花は咲いていましたが、梢の高い位置で香りなどは嗅げませんでしたし、形も詳しくは観察できませんでした。ただ、周囲の地面に花がたくさん落ちていたので、拾って見てました。マメ科の花は共通して独特の形をしていますが、槐もそうでしたよ。
ゴマの花も観て見たかったので四季彩の丘にいくと、オニバスが池に浮かんでいました。『有職植物図鑑』によれば、枕草子で「怖ろしげなもの」に扱われているとか。刺々しい姿や葉を突き破って咲く花の姿によるそうです。
ゴマの花は寄せ植え(?)の中央にあり、結構背が高く(私の胸のあたりくらい?)、花も思っていたより華やかでした(「ゴマ粒」という言葉が小さくて地味な物の例えに使われるので、そんなイメージがありました)
四季彩の丘には農作物も植えられており、キビが穂に実を着けていました。ちかくにサトウキビもありましたよ。そういえばキビなんですよね。
コンニャクもありました。サトイモ科ではありますが、葉っぱが小さく分かれていて、背丈も高く、これも意外な姿でした。
近くにサトイモもあり、こちらは特徴ある葉の形ですぐわかりました。
同じく四季彩の丘には「カワラナデシコ」も咲いていました。『有職植物図鑑』にあるとおり、「5枚の花弁は糸状に細裂」しており、繊細で少しはかなげな感じがします。
ここで「あれ? 撫子ってもっと丸っぽい花びらじゃなかったっけ?」とお思いの方(鷲生もそう思ってました)。それは中国の石竹か西洋撫子のようです。
カワラナデシコのほうが日本に自生しており、ヤマトナデシコはこちらだそうです。
中国の石竹は唐撫子とも呼ばれ、枕草子で褒められてますw
シロウリもあり、「今昔物語集に瓜を食べたがる老人の話があったなー」と思いながら見てきました。
蓮の花もきれいでした。
蓮池から円の中央部に向かう森の中で、ヤマザクラやランシンボクの木をみつけました。ランシンボクは中国では学問の木だそうで、孔子廟によく植えられるそうです。
また、今回は前から探していた、ミズメを植物生態園の西南入口の辺りで見つけました。
『有職植物図鑑』によると「日本の古文献に見られる『梓』をどの木に比定するかは諸説ありましたが、、正倉院の『梓弓』を顕微鏡的に調査した結果、本種ミズメであるという説が有力になりました」とのことです。
独特な匂いがするそうなので、幹に鼻を近づけて見ましたが、残念ながら何の香りもしませんでした(樹を傷つけると匂いが出るそうですが、植物園の植木にそんなことできませんしw)。
植物生態園ではフシグロセンノウやレンゲショウマの花を見てきました。
植物生態園は森の中ですから暑さはマシでしたが、これ以上外にいるのがしんどかったので、南の方の石榴などは今回パスしました……。
立秋を過ぎ、夕方に涼風が立つようになりました。
秋が来たらまた見に行きたいと思います。
*****
※画像は以下のnote記事で見られます。
今回の文章で紹介していないのも載ってますよ~。
盛夏の府立植物園(1)
https://note.com/monmonsiteru/n/nbde773a18309
盛夏の府立植物園(2)
https://note.com/monmonsiteru/n/n635c244e0561
甲子園球場6個分(240000㎡)に12000種の植物が植えられている京都府立植物園。
夏の真っ盛りにも見ごろを迎える花もあるのです。
写真はnoteに掲載しております(※)。
鷲生が酷暑の中でも足を運んで見たいと思ったのがが槐(エンジュ)。
『有職植物図鑑』215頁によると、「古代中国ではエンジュは神木として扱われ」「公卿を意味する単語」となり、日本でも「太政大臣と左右大臣を『槐位』と」呼んだのだそうな。
エンジュは府立植物園の水車の西に一本あります。
花は咲いていましたが、梢の高い位置で香りなどは嗅げませんでしたし、形も詳しくは観察できませんでした。ただ、周囲の地面に花がたくさん落ちていたので、拾って見てました。マメ科の花は共通して独特の形をしていますが、槐もそうでしたよ。
ゴマの花も観て見たかったので四季彩の丘にいくと、オニバスが池に浮かんでいました。『有職植物図鑑』によれば、枕草子で「怖ろしげなもの」に扱われているとか。刺々しい姿や葉を突き破って咲く花の姿によるそうです。
ゴマの花は寄せ植え(?)の中央にあり、結構背が高く(私の胸のあたりくらい?)、花も思っていたより華やかでした(「ゴマ粒」という言葉が小さくて地味な物の例えに使われるので、そんなイメージがありました)
四季彩の丘には農作物も植えられており、キビが穂に実を着けていました。ちかくにサトウキビもありましたよ。そういえばキビなんですよね。
コンニャクもありました。サトイモ科ではありますが、葉っぱが小さく分かれていて、背丈も高く、これも意外な姿でした。
近くにサトイモもあり、こちらは特徴ある葉の形ですぐわかりました。
同じく四季彩の丘には「カワラナデシコ」も咲いていました。『有職植物図鑑』にあるとおり、「5枚の花弁は糸状に細裂」しており、繊細で少しはかなげな感じがします。
ここで「あれ? 撫子ってもっと丸っぽい花びらじゃなかったっけ?」とお思いの方(鷲生もそう思ってました)。それは中国の石竹か西洋撫子のようです。
カワラナデシコのほうが日本に自生しており、ヤマトナデシコはこちらだそうです。
中国の石竹は唐撫子とも呼ばれ、枕草子で褒められてますw
シロウリもあり、「今昔物語集に瓜を食べたがる老人の話があったなー」と思いながら見てきました。
蓮の花もきれいでした。
蓮池から円の中央部に向かう森の中で、ヤマザクラやランシンボクの木をみつけました。ランシンボクは中国では学問の木だそうで、孔子廟によく植えられるそうです。
また、今回は前から探していた、ミズメを植物生態園の西南入口の辺りで見つけました。
『有職植物図鑑』によると「日本の古文献に見られる『梓』をどの木に比定するかは諸説ありましたが、、正倉院の『梓弓』を顕微鏡的に調査した結果、本種ミズメであるという説が有力になりました」とのことです。
独特な匂いがするそうなので、幹に鼻を近づけて見ましたが、残念ながら何の香りもしませんでした(樹を傷つけると匂いが出るそうですが、植物園の植木にそんなことできませんしw)。
植物生態園ではフシグロセンノウやレンゲショウマの花を見てきました。
植物生態園は森の中ですから暑さはマシでしたが、これ以上外にいるのがしんどかったので、南の方の石榴などは今回パスしました……。
立秋を過ぎ、夕方に涼風が立つようになりました。
秋が来たらまた見に行きたいと思います。
*****
※画像は以下のnote記事で見られます。
今回の文章で紹介していないのも載ってますよ~。
盛夏の府立植物園(1)
https://note.com/monmonsiteru/n/nbde773a18309
盛夏の府立植物園(2)
https://note.com/monmonsiteru/n/n635c244e0561
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
萌える推しカプ小説のための二次創作の書き方
水の菱
エッセイ・ノンフィクション
二次創作小説に特化した「推しカプの書き方のコツ」をまとめたエッセイ。おおむね二次BLを想定してますが、男女でも百合でも当てはまる内容になっています。初心者~中級者向け。
エッセイって言うのか、私の感覚世界。
あきすと
エッセイ・ノンフィクション
思考・思想・感情・習慣・食べ物・添加物・肩こり・耳鳴り・ガン検診
色々体験したり考えさせられたり、親しい人との別れ。
この世界はとても残酷。
生き方なんて誰も教えてはくれない。
ただ、生きて行く。その為にどうしたものかと
日々考えたり、ぼーっとしたり。
怠けたり、赴いたり。
旅に出たいなぁと、急に思い立つ。
こんな私のどうしようもない、感覚と
もよもよした文章で出来た世界です。
どっちでも良いかなぁ。
影響なんてなくていい。響かなくて余計、良い。
10月の満月 ハンターズムーン
鏡子 (きょうこ)
エッセイ・ノンフィクション
正体は何者であるか?
だんだん全貌が見えてきました。
私のスマホのハッキングしているのは誰なのか?
どの組織に繋がるのか?謎を追いかけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる