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梅雨の終わりの植物園
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京都の梅雨は祇園さんの山鉾巡行(7月17日)の頃に明けますが。
そのちょっと前に府立植物園に行ってきました。
今回は植物生態園でヤマモモの木を発見しました。
植物生態園を東南から入って舗装された道を北に歩き、北西で三叉路に出る手前です。
ヤマモモは『有職植物図鑑』の75頁にあります。
平安時代でも実が食べられていたそうですが、残念ながら見られませんでした。
文献では地名として使われることが多いとか。
平安京には楊梅(やまもも)小路があり、そこに邸宅を構える貴族が「楊梅大納言」などと呼ばれていたのだそうです。
植物園で生えている場所は分かったので、これから花や実がなる季節に気を付けて観察したいと思います。(※1)
植物生態園では大きなヤマユリが咲いていました。これだけでなく、いろんなユリが咲く時期ですね(※2)。
今回は、他の見学者様とちょっとお話しました。鷲生がスズカケソウを探していると、その方(鷲生と同じくらいの年代の女性です)が「レンゲショウマを見なかったですか?」と尋ねてこられたのです。
そこにはなかったのですが、その方はその場で「フウラン」が咲いているのに気が付き、鷲生に「あれがフウランですよ」と教えてくださいました。
その「フウラン」。
ちょっと変わった植物で樹木の枝に生えます。wikiによれば「着生植物」というそうです。
前から大きな木の枝にその木とは別の葉っぱが生えているのを見かけていて印象に残っていたのですが、ちょうど白い花が咲く時期なのだそうです。
樹上に生える白く美しい花……ちょっとファンタジーに使って見たくなる存在ですねw(※3)
フウランから地面に視線を戻すと、もともと鷲生が探していたスズカケソウが見つかりました。
別名を「チョウケンカズラ」ともいい、紫色の球体の花をポツポツつける蔓状の植物でした(※4)。
『有職植物図鑑』にはノカンゾウが載っており、ついでにヤブカンゾウも紹介されています。古い時代には混同されていたそうです。
萱草は古代中国・日本では、見れば悲しみを忘れる草として扱われていますね。
前に来た時はノカンゾウが咲いていましたが、今回はヤブカンゾウがよく咲いていました。ノカンゾウが一重でヤブカンゾウが八重とされますが、同じ花が三重に重なっているように見えました(※5)。
植物生態園の西北にでるあたりで、再び、先ほど「レンゲショウマ」を探していた人と会いました。
そして、そこにその方が探していた「レンゲショウマ」が咲いていたのです。
その方、すっごく大喜びで。
「この子に会いたかったんです~」ととっても嬉しそうにしておられました(少し平野レミさんみたいなテンション高めの方でしたw)。
そんなに素敵なものならば、と鷲生も写真撮りましたよ(※6)
帰宅してwikiを見て見ると「赤みを帯びた光沢のある薄紫の上品で気品あふれる花」とその美しさが讃えらえています。この方のおかげで鷲生も注意を向けることができてよかったですw
その方は植物全般に詳しいようで、鷲生が「この辺にユキミバナというのがあるそうなんですが……」と言うと、「あ、それですよ」と小さな紫色の花を教えてくださいました。
で、「グランドカバーなので、地面に小さな花が群れている場所がありましたよ」とのこと。確かにちょっと離れた場所で地面を覆うように群生していました。
府立植物園の公式YouTubeで紹介されています(※7)。
植物生態園の北西から半木神社の西の池の西の岸辺に行き、ハマボウを見つけました。フヨウの仲間で色は黄色く、明るい南国風の印象ですね(※8)。
そこから西北には四季彩の丘があり、「きび」がありました。『有職植物図鑑』では175頁の「粟」の項目についでに写真が載っています。また、実りの季節に見に来たいです。
そして。
京都で祇園祭の頃に咲く花と言えば「ヒオウギ」!
四季彩の丘と、植物生態園に咲いていました。
『有職植物図鑑』では149頁。この花の実が真っ黒で「烏羽玉」→「ぬばたま」という言葉になりました(※9)。
府立植物園植物生態園の池の畔にエゾミソハギが咲いていました(※10)。
近くにミソハギもありましたが、そちらは咲いてなかったです。
府立植物園の菖蒲池の東の三叉路のあたりにヤマザクラがありました。
先週の「光る君へ」でも桜の花びらが舞い散る中、一条天皇が定子のもとにやってくるシーンがありました。
ただ、当時の桜は現代でポピュラーなソメイヨシノではなく、このヤマザクラだったはず。
来年の桜の季節にはこの木をしっかり観察しに来ようと思います(※11)。
さて。
昨日の祇園祭山鉾巡行も晴天に恵まれましたし今日も快晴です。
梅雨が明け、京の夏が始まります。
*****
※1 ヤマモモ
https://x.com/washu72802210/status/1813477048238936356
※2 ヤマユリ
https://x.com/washu72802210/status/1813477483184025989
※3 フウラン
https://x.com/washu72802210/status/1813478032969220426
※4 スズカケソウ https://x.com/washu72802210/status/1813534652801716314
※5 ヤブカンゾウ
https://x.com/washu72802210/status/1813535576924283105
※6 レンゲショウマ
https://x.com/washu72802210/status/1813536710384628010
※7 ユキミバナ(府立植物園公式YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=389sJw2_wCA
※8 ハマボウ
https://x.com/washu72802210/status/1813541087224771013
※9 ヒオウギ
https://x.com/washu72802210/status/1813542364688097354
https://x.com/washu72802210/status/1813542364688097354
https://x.com/washu72802210/status/1813542940733853837
※10 エゾミソハギ
https://x.com/washu72802210/status/1813562609125536185
※11 ヤマザクラ
https://x.com/washu72802210/status/1813563572146032819
そのちょっと前に府立植物園に行ってきました。
今回は植物生態園でヤマモモの木を発見しました。
植物生態園を東南から入って舗装された道を北に歩き、北西で三叉路に出る手前です。
ヤマモモは『有職植物図鑑』の75頁にあります。
平安時代でも実が食べられていたそうですが、残念ながら見られませんでした。
文献では地名として使われることが多いとか。
平安京には楊梅(やまもも)小路があり、そこに邸宅を構える貴族が「楊梅大納言」などと呼ばれていたのだそうです。
植物園で生えている場所は分かったので、これから花や実がなる季節に気を付けて観察したいと思います。(※1)
植物生態園では大きなヤマユリが咲いていました。これだけでなく、いろんなユリが咲く時期ですね(※2)。
今回は、他の見学者様とちょっとお話しました。鷲生がスズカケソウを探していると、その方(鷲生と同じくらいの年代の女性です)が「レンゲショウマを見なかったですか?」と尋ねてこられたのです。
そこにはなかったのですが、その方はその場で「フウラン」が咲いているのに気が付き、鷲生に「あれがフウランですよ」と教えてくださいました。
その「フウラン」。
ちょっと変わった植物で樹木の枝に生えます。wikiによれば「着生植物」というそうです。
前から大きな木の枝にその木とは別の葉っぱが生えているのを見かけていて印象に残っていたのですが、ちょうど白い花が咲く時期なのだそうです。
樹上に生える白く美しい花……ちょっとファンタジーに使って見たくなる存在ですねw(※3)
フウランから地面に視線を戻すと、もともと鷲生が探していたスズカケソウが見つかりました。
別名を「チョウケンカズラ」ともいい、紫色の球体の花をポツポツつける蔓状の植物でした(※4)。
『有職植物図鑑』にはノカンゾウが載っており、ついでにヤブカンゾウも紹介されています。古い時代には混同されていたそうです。
萱草は古代中国・日本では、見れば悲しみを忘れる草として扱われていますね。
前に来た時はノカンゾウが咲いていましたが、今回はヤブカンゾウがよく咲いていました。ノカンゾウが一重でヤブカンゾウが八重とされますが、同じ花が三重に重なっているように見えました(※5)。
植物生態園の西北にでるあたりで、再び、先ほど「レンゲショウマ」を探していた人と会いました。
そして、そこにその方が探していた「レンゲショウマ」が咲いていたのです。
その方、すっごく大喜びで。
「この子に会いたかったんです~」ととっても嬉しそうにしておられました(少し平野レミさんみたいなテンション高めの方でしたw)。
そんなに素敵なものならば、と鷲生も写真撮りましたよ(※6)
帰宅してwikiを見て見ると「赤みを帯びた光沢のある薄紫の上品で気品あふれる花」とその美しさが讃えらえています。この方のおかげで鷲生も注意を向けることができてよかったですw
その方は植物全般に詳しいようで、鷲生が「この辺にユキミバナというのがあるそうなんですが……」と言うと、「あ、それですよ」と小さな紫色の花を教えてくださいました。
で、「グランドカバーなので、地面に小さな花が群れている場所がありましたよ」とのこと。確かにちょっと離れた場所で地面を覆うように群生していました。
府立植物園の公式YouTubeで紹介されています(※7)。
植物生態園の北西から半木神社の西の池の西の岸辺に行き、ハマボウを見つけました。フヨウの仲間で色は黄色く、明るい南国風の印象ですね(※8)。
そこから西北には四季彩の丘があり、「きび」がありました。『有職植物図鑑』では175頁の「粟」の項目についでに写真が載っています。また、実りの季節に見に来たいです。
そして。
京都で祇園祭の頃に咲く花と言えば「ヒオウギ」!
四季彩の丘と、植物生態園に咲いていました。
『有職植物図鑑』では149頁。この花の実が真っ黒で「烏羽玉」→「ぬばたま」という言葉になりました(※9)。
府立植物園植物生態園の池の畔にエゾミソハギが咲いていました(※10)。
近くにミソハギもありましたが、そちらは咲いてなかったです。
府立植物園の菖蒲池の東の三叉路のあたりにヤマザクラがありました。
先週の「光る君へ」でも桜の花びらが舞い散る中、一条天皇が定子のもとにやってくるシーンがありました。
ただ、当時の桜は現代でポピュラーなソメイヨシノではなく、このヤマザクラだったはず。
来年の桜の季節にはこの木をしっかり観察しに来ようと思います(※11)。
さて。
昨日の祇園祭山鉾巡行も晴天に恵まれましたし今日も快晴です。
梅雨が明け、京の夏が始まります。
*****
※1 ヤマモモ
https://x.com/washu72802210/status/1813477048238936356
※2 ヤマユリ
https://x.com/washu72802210/status/1813477483184025989
※3 フウラン
https://x.com/washu72802210/status/1813478032969220426
※4 スズカケソウ https://x.com/washu72802210/status/1813534652801716314
※5 ヤブカンゾウ
https://x.com/washu72802210/status/1813535576924283105
※6 レンゲショウマ
https://x.com/washu72802210/status/1813536710384628010
※7 ユキミバナ(府立植物園公式YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=389sJw2_wCA
※8 ハマボウ
https://x.com/washu72802210/status/1813541087224771013
※9 ヒオウギ
https://x.com/washu72802210/status/1813542364688097354
https://x.com/washu72802210/status/1813542364688097354
https://x.com/washu72802210/status/1813542940733853837
※10 エゾミソハギ
https://x.com/washu72802210/status/1813562609125536185
※11 ヤマザクラ
https://x.com/washu72802210/status/1813563572146032819
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