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第12話 イラストで物語の背景がぐっと具体的に!『〈図説〉民居 イラストで見る中国の伝統住居』
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先月下旬に壊れていたエコキュートの修理が終わり、ホッと一息ついたら、今年は桜の季節の早かったこと!
鷲生は京都住まいなので、桜を見逃すまいとせっせと出かけておりました。
あとはPCに向かって自分の中華ファンタジー小説を書き進めていましたが。
そんな鷲生が、その創作にあたってそれぞれのシーンを具体的に想像するのに役に立ったのが、今回ご紹介するこの本です。
『〈図説〉民居 イラストで見る中国の伝統住居』(2012 王其鈞著 恩田重直監修、押川雄孝・郭雅坤訳 科学出版社東京・東方書店 ISBN 978-4-497-21202-3
)
発行している科学出版社東京のウェブサイトの紹介はコチラ→
http://www.sptokyo.co.jp/list/?p=187 )
定価は3000円+税で、現在も定価で購入可能です。
「民居《みんきょ》」とタイトルにあるように、民間の住居についての内容です。
最初の第1章の「一 中国の伝統建築」で「官式建築」と「民間建築」の違いが述べられています。
「中国の伝統的な建築は、官式建築と民間建築の大きく2つに分けることができる。官式建築とは、主に宮殿や陵墓、祭祀などに使用される壇廟、上流階級の邸宅を指し、宗教建築は壇廟の中に含まれる。一方、民間建築とは庶民の住居であり」(8ページ)
実は、鷲生は以前もこの本を図書館から借りて来てここまで読み、そしてそのままその先を読まずに返却しちゃったことがあります。
ファンタジーを書くなら宮殿とか壇廟について知りたいのに……と思ってしまいまして。
どちらかといえば「官式建築」の本が欲しいと思ったんですよね。
今回、ふと思い立って再びこの本を借りて来て、第3章まで読んでみて「いや、これはこれで中華ファンタジーの役に立つんじゃない?」と考えを改めたところです。
「民居」は「庶民の住居」だそうですが、著者は現代にも残っている実物を踏まえておられます(イラストだけでなくカラー写真もあります)。
で。現代まで残っているということは、ぶっちゃけ結構なお金持ちの住居ですw
ホンモノの庶民の粗末な家っちゅーのは何代も残りませんw
もちろん王宮との違いもありますが、割とゴージャスな造りのお宅が多いかと。
このゴージャスさは、中華ファンタジーに活かせそうなところでしょう。
官式建築にしか認められないものはこの本でもいくつか指摘されています。
「官式建築に用いられる瑠璃瓦や斗供《ときょう》、赤い塗料、仏像を安置する須弥座などは、いずれも民間建築に使うことが禁じられていた」(8ページ)
「色彩は重要な要素となっている。しかし、派手な紅や緑は官式建築にしか用いられず、民居では質素で気品のある色が使用された」「民居では壁は白塗りが一般的である」「壁面の上部、つまり軒下に描かれる彩画」「こうした彩画も官式建築に比べて民居では少ない」(9ページ)などです。
こういった違いはあるそうなので、皆さまがお書きになる作品によっては気をつけられた方がいいものもあるかもしれません。
ですが、歴史小説ではなくファンタジー小説で、そんなに正確さを追求しないのであれば、今回の「民居」をベースに、そこに瑠璃瓦を乗っけてみるとか、特定の棟や部屋だけ色壁にするとか、設定を”盛って”みるとよりゴージャスな世界観を描くことができてエエんじゃないかと思いますw
(時代考証をきちんとしたい良い書き手様はマネをしてはイケマセン。また、本連載にコメント下さる歴史警察の方も、しょせん鷲生はへっぽこファンタジーしか書く気がないのだとどうか諦めてくださいますよう)。
そして、今回ご紹介するこのご本。タイトルにあるように「図解」「イラストで見る」というコンセプトなのが、とても理解しやすくて助かります。
文章の説明を理解するのにちょうどいい感じのイラストがバンっと大きく描かれていて、イラストの中の注目箇所と説明文とが線で結ばれています。これが分かりやすい!
文章だけでは分かりにくいし、かといって写真が掲載されていても、写真だとその写真のどこを見れば文章の説明と合致するのか分かりづらいんですよね。写真は文字の説明に対して情報量が多すぎるというか……。
イラストだと、説明の内容に合わせて不要な部分を削ぎ落した上で描かれているので文章が描写しているものが何なのかすぐに分かりやすいんですよ。
それから。
写真では得られない鳥観図や間取り図があるのも創作するのに大助かり!
マイナーな趣味のようでいて、意外と多くの人がやってらっしゃると思うんですが……。
皆さん、マンションの広告の間取り図とかって時間があると見入ってしまったりしませんか?
あるいは引っ越す予定もないのに、賃貸物件の紹介サイトを見て、間取り、写真、動画を見てしまう……。
で、こんな家に住んだらどんなふうに暮らそうかな~と暮らしぶりやインテリアなんかを妄想してしまう……。
鷲生は現在自分の中華ファンタジーをせっせと書いており、プロットに従って進めているんですが。
一つ一つの場面を思い描けなくて、ちょっとしんどい思いをしてました。
それが! この本を読むことで、キャラたちがどんな建物の中にいるのかイメージしやすくなり、そうなったことで、脳内でキャラたちが動いてくれるようになったんですよ。ぐっと書きやすくなりました!
背景が決まると、その舞台で上演される物語も思い浮かべやすくなるんですねえ。
あと、この図解で建物のパーツの漢字表現が得られたのも収穫です。
私の作品については唐代を参考にするのでそのまま使うか分かりませんが、「影壁」とか「屏門」とか「雀替」とか。作中に登場させたらぐっと「中華っぽくなりそう」な用語かと思います。
あと、私は日本の平安時代を舞台にしたファンタジーを書いたことがあり、平安京のことを調べていて「磚」が床に敷くものという知識はありましたが、レンガとして積み上げたりするということを今回の本で知りました。
(あ、宣伝させてくださいw 鷲生の平安ファンタジー小説は「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」といいます。よろしければぜひ!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393 )
今回の『民居』。「第一章 中国民居の特徴」や第二章の「【二】北京の四合院」の項目で、中華ファンタジーで登場しそうな典型的(?)な中華建築が解説されています。
ただ、本の趣旨としては、中国全土の様々な伝統建築を紹介するもののようです。
第1章でも、広大な中国では様々な自然環境の違いがあり、それゆえに多様な建築があると触れられていますし、第2章はずばり「風土に根差した住居」です。第3章も「少数民族の民居」です。
第4章が「専守防衛の砦」なんですが、私の書く中華ファンタジーに建物を巻き込むような戦闘シーンはないので、とりあえず第3章まで読んでこの本は図書館に返却します(期限が来るのでw)。
「第2章 風土に根差した住居」で取り上げられているのは以下の通りです。
「黄土高原の窑洞—斜面の横穴住居
北京の四合院—四角い大邸宅
安徽省南部の民居—華やかさを秘めたシンプルな高楼
江南水郷の民居—小さな橋と水辺の住居
山西省中部の民居—堅固に閉ざされた磚の住居
高床式住居—床が宙に浮かぶ木造の住居
福建省南部の紅磚民居—めでたい紅磚造りの住居」
いわゆる典型的な中華な建築とは違うものもありますが、それはそれで楽しく読みました。
「第3章 少数民族の民居」で紹介されているのは以下の通り。
「ウイグル族—天山南麓に散在する陸屋根の民居
チベット族—石造りの碉房
モンゴル族—砂漠の天幕
朝鮮族—長白山のふもとにひろがる低い民居
トン族—渓流ぞいの高床式集落
ダイ族—西双版納の竹楼
ペー族—雲南省大理の漢族風民居
ナシ族—他民族の特徴を融合した土壁の民居」
モンゴル族のいわゆる「パオ」について、鷲生は通り一遍のイメージしか知りませんでしたが、どういうパーツで成り立っているのか、どういう手順で組み立てるのか、分かりやすい解説でしっかり理解できました。
当面使う予定のない知識なんですがw印象に残った箇所をご紹介します。
「1992年筆者は(中略)遊牧民のダオグテンバヤール一家に同行し、次なる牧場を目指して移動していた。その目的はパオを解体して運び、再度組み立てるという、全ての過程の一部始終を見ることにあった。(中略)驚くかもしれないが、パオを組み立てるのにかかった時間は30分にも満たないということである(109頁)」
↑
へええ。30分未満ですか!
その作業についても、もちろん記述がありますよ。
全体に気候と住まいの関連についての考察が多いかなという気がします。
「厳しい寒さの冬季が長い」所では「太陽の輻射熱を十分に吸収するために、主屋は南向きにつくられた民居が多い。その上、可能な限り、間口方向を長くし、奥行きを浅くするとともに、南面する扉や窓の面積を大きくする」(15ページ)
南部は亜熱帯や熱帯に属しているので「民居は日光と熱を遮断し、風通しを良くすることが、第一に求められる。南部の民居は、奥行を深くするとともに、軒を大きく張り出す」(17ページ)のだそうです。
「こうやって中国に多様な建築があるのは、国土が広大だからだ」という前フリがあって、それを述べた箇所では、最北端は北緯53度以上で亜寒帯に属する一方「最南端の南沙諸島は北緯3度で」とサラっと書かれていたりもします。
南沙諸島という場所、私は領土問題のあるところとしか知らなかったんですがw
(そしてWikipediaを見てても、民家はなさそうな場所のようですがw)
「科学出版社東京」という出版社。今回この記事を書くのに「変わった会社名だなあ」と思ってウェブサイトの「会社概要」をクリックしてみました。
「弊社(科学出版社東京株式会社)は中国科学出版集団科学出版社有限責任公司の100%完全子会社です」とのこと。へえ……。
なお。
図書館で借りて来たこの本、後ろの奥付《おくづけ》に該当するページの下の方に
「本書は王其鈞著、中国建築工業出版社刊『図説民居』(2004)、『図解民居』(2012)をもとに、日本向けに再編集したものです」とありました。
ここまで述べてきたように、この本では官式建築は扱わないので中華ファンタジーで後宮モノを書きたい場合には、直接の資料にはなりづらいかもしれません。
また、現存しているものをベースにしているので、唐とか古代の住居についての直接の情報はありません。
ただ、日本の近代建築で暮らしている我々にとって、異世界を想像するのに、この分かりやすいイラスト解説はとても有用だと思いました。
鷲生の住んでいる自治体の図書館にありますし、日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」で「東京都」をざっと検索してみたところ、多くの区の図書館で所蔵しているようです。
一度手に取ってご覧になり、そして皆様の創作活動に応じて、購入をご検討されてもいいのではないでしょうか。
他にも、建築の装飾については『中国の建築装飾』というタイトルの本があります。
鷲生はこのあいだ借りて来たばかりでパラパラとしか見ていませんが、装飾は建築物に付随するものですし、ベースとなる建築についてざっくり理解する方を先にして良かったのかもしれません。
両方とも借りられるなら『民居』→『中国の建築装飾』の順番かな……。
こちらも読みましたらご報告しようと思います。
(さっさとお読みになりたい方のために書誌情報を挙げておきます。
『中国の建築装飾』(2021 楼慶西著 李暉、鈴木智大訳 科学出版社東京 http://www.sptokyo.co.jp/list/?p=1000 こちらも科学出版社東京の本ですね。定価は7800円です。ところが某ネット書店では2万円弱の中古品しか出てこないようです。2021年とわりと最近発行されたものですが、うーーーん)。
*****
2023年7月14日追記
中華ファンタジー「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」の投稿を始めました!
是非お越し下さいませ!
「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/878803039
鷲生は京都住まいなので、桜を見逃すまいとせっせと出かけておりました。
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最初の第1章の「一 中国の伝統建築」で「官式建築」と「民間建築」の違いが述べられています。
「中国の伝統的な建築は、官式建築と民間建築の大きく2つに分けることができる。官式建築とは、主に宮殿や陵墓、祭祀などに使用される壇廟、上流階級の邸宅を指し、宗教建築は壇廟の中に含まれる。一方、民間建築とは庶民の住居であり」(8ページ)
実は、鷲生は以前もこの本を図書館から借りて来てここまで読み、そしてそのままその先を読まずに返却しちゃったことがあります。
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もちろん王宮との違いもありますが、割とゴージャスな造りのお宅が多いかと。
このゴージャスさは、中華ファンタジーに活かせそうなところでしょう。
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「官式建築に用いられる瑠璃瓦や斗供《ときょう》、赤い塗料、仏像を安置する須弥座などは、いずれも民間建築に使うことが禁じられていた」(8ページ)
「色彩は重要な要素となっている。しかし、派手な紅や緑は官式建築にしか用いられず、民居では質素で気品のある色が使用された」「民居では壁は白塗りが一般的である」「壁面の上部、つまり軒下に描かれる彩画」「こうした彩画も官式建築に比べて民居では少ない」(9ページ)などです。
こういった違いはあるそうなので、皆さまがお書きになる作品によっては気をつけられた方がいいものもあるかもしれません。
ですが、歴史小説ではなくファンタジー小説で、そんなに正確さを追求しないのであれば、今回の「民居」をベースに、そこに瑠璃瓦を乗っけてみるとか、特定の棟や部屋だけ色壁にするとか、設定を”盛って”みるとよりゴージャスな世界観を描くことができてエエんじゃないかと思いますw
(時代考証をきちんとしたい良い書き手様はマネをしてはイケマセン。また、本連載にコメント下さる歴史警察の方も、しょせん鷲生はへっぽこファンタジーしか書く気がないのだとどうか諦めてくださいますよう)。
そして、今回ご紹介するこのご本。タイトルにあるように「図解」「イラストで見る」というコンセプトなのが、とても理解しやすくて助かります。
文章の説明を理解するのにちょうどいい感じのイラストがバンっと大きく描かれていて、イラストの中の注目箇所と説明文とが線で結ばれています。これが分かりやすい!
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あと、この図解で建物のパーツの漢字表現が得られたのも収穫です。
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あと、私は日本の平安時代を舞台にしたファンタジーを書いたことがあり、平安京のことを調べていて「磚」が床に敷くものという知識はありましたが、レンガとして積み上げたりするということを今回の本で知りました。
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今回の『民居』。「第一章 中国民居の特徴」や第二章の「【二】北京の四合院」の項目で、中華ファンタジーで登場しそうな典型的(?)な中華建築が解説されています。
ただ、本の趣旨としては、中国全土の様々な伝統建築を紹介するもののようです。
第1章でも、広大な中国では様々な自然環境の違いがあり、それゆえに多様な建築があると触れられていますし、第2章はずばり「風土に根差した住居」です。第3章も「少数民族の民居」です。
第4章が「専守防衛の砦」なんですが、私の書く中華ファンタジーに建物を巻き込むような戦闘シーンはないので、とりあえず第3章まで読んでこの本は図書館に返却します(期限が来るのでw)。
「第2章 風土に根差した住居」で取り上げられているのは以下の通りです。
「黄土高原の窑洞—斜面の横穴住居
北京の四合院—四角い大邸宅
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江南水郷の民居—小さな橋と水辺の住居
山西省中部の民居—堅固に閉ざされた磚の住居
高床式住居—床が宙に浮かぶ木造の住居
福建省南部の紅磚民居—めでたい紅磚造りの住居」
いわゆる典型的な中華な建築とは違うものもありますが、それはそれで楽しく読みました。
「第3章 少数民族の民居」で紹介されているのは以下の通り。
「ウイグル族—天山南麓に散在する陸屋根の民居
チベット族—石造りの碉房
モンゴル族—砂漠の天幕
朝鮮族—長白山のふもとにひろがる低い民居
トン族—渓流ぞいの高床式集落
ダイ族—西双版納の竹楼
ペー族—雲南省大理の漢族風民居
ナシ族—他民族の特徴を融合した土壁の民居」
モンゴル族のいわゆる「パオ」について、鷲生は通り一遍のイメージしか知りませんでしたが、どういうパーツで成り立っているのか、どういう手順で組み立てるのか、分かりやすい解説でしっかり理解できました。
当面使う予定のない知識なんですがw印象に残った箇所をご紹介します。
「1992年筆者は(中略)遊牧民のダオグテンバヤール一家に同行し、次なる牧場を目指して移動していた。その目的はパオを解体して運び、再度組み立てるという、全ての過程の一部始終を見ることにあった。(中略)驚くかもしれないが、パオを組み立てるのにかかった時間は30分にも満たないということである(109頁)」
↑
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その作業についても、もちろん記述がありますよ。
全体に気候と住まいの関連についての考察が多いかなという気がします。
「厳しい寒さの冬季が長い」所では「太陽の輻射熱を十分に吸収するために、主屋は南向きにつくられた民居が多い。その上、可能な限り、間口方向を長くし、奥行きを浅くするとともに、南面する扉や窓の面積を大きくする」(15ページ)
南部は亜熱帯や熱帯に属しているので「民居は日光と熱を遮断し、風通しを良くすることが、第一に求められる。南部の民居は、奥行を深くするとともに、軒を大きく張り出す」(17ページ)のだそうです。
「こうやって中国に多様な建築があるのは、国土が広大だからだ」という前フリがあって、それを述べた箇所では、最北端は北緯53度以上で亜寒帯に属する一方「最南端の南沙諸島は北緯3度で」とサラっと書かれていたりもします。
南沙諸島という場所、私は領土問題のあるところとしか知らなかったんですがw
(そしてWikipediaを見てても、民家はなさそうな場所のようですがw)
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図書館で借りて来たこの本、後ろの奥付《おくづけ》に該当するページの下の方に
「本書は王其鈞著、中国建築工業出版社刊『図説民居』(2004)、『図解民居』(2012)をもとに、日本向けに再編集したものです」とありました。
ここまで述べてきたように、この本では官式建築は扱わないので中華ファンタジーで後宮モノを書きたい場合には、直接の資料にはなりづらいかもしれません。
また、現存しているものをベースにしているので、唐とか古代の住居についての直接の情報はありません。
ただ、日本の近代建築で暮らしている我々にとって、異世界を想像するのに、この分かりやすいイラスト解説はとても有用だと思いました。
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他にも、建築の装飾については『中国の建築装飾』というタイトルの本があります。
鷲生はこのあいだ借りて来たばかりでパラパラとしか見ていませんが、装飾は建築物に付随するものですし、ベースとなる建築についてざっくり理解する方を先にして良かったのかもしれません。
両方とも借りられるなら『民居』→『中国の建築装飾』の順番かな……。
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