44 / 45
40
しおりを挟む
ルビーとクロマは森の中で生い茂る草木を分けて奥に進む。
森に入ってから何時間も歩いた。
クロマは毛があるが、ルビーはそうでない。
手足や顔に傷が付いていた。
森の中を進むと開けた場所があった。
「湖だ。きっとあれだ。」
ルビーとクロマは慎重に歩いた。
「水の中じゃ息ができないぜ?本当にここか?」
ルビーは知っている感じだった。
「大丈夫だよ。この湖は受け入れてくれる。」
ルビーとクロマが湖の中に入るとそこは想像する水の中ではなかった。
息ができる。
目の前には木の蔦や根っこの様なものが大きな水晶を包んでいた。
ルビーとクロマはそれをかき分けた。
水晶の中は靄がかかっていて、はっきりと見えないが人がいた。
ルビーは言った。
「ただいま。お待たせしちゃったね。」
そう言って、ルビーは手を水晶にかざした。
中にいる人も水晶に手をかざした。
口を動かしていた。
「ーーーーー。」
ルビーにはそれが、「ありがとう」に聞こえた。
ルビーは微笑んで、光となって消えた。
水晶は割れて中から人が出てきた。
クロマを撫でながら居なくなったルビーの方を向いて言った。
「ありがとう。僕のルビー。」
終
森に入ってから何時間も歩いた。
クロマは毛があるが、ルビーはそうでない。
手足や顔に傷が付いていた。
森の中を進むと開けた場所があった。
「湖だ。きっとあれだ。」
ルビーとクロマは慎重に歩いた。
「水の中じゃ息ができないぜ?本当にここか?」
ルビーは知っている感じだった。
「大丈夫だよ。この湖は受け入れてくれる。」
ルビーとクロマが湖の中に入るとそこは想像する水の中ではなかった。
息ができる。
目の前には木の蔦や根っこの様なものが大きな水晶を包んでいた。
ルビーとクロマはそれをかき分けた。
水晶の中は靄がかかっていて、はっきりと見えないが人がいた。
ルビーは言った。
「ただいま。お待たせしちゃったね。」
そう言って、ルビーは手を水晶にかざした。
中にいる人も水晶に手をかざした。
口を動かしていた。
「ーーーーー。」
ルビーにはそれが、「ありがとう」に聞こえた。
ルビーは微笑んで、光となって消えた。
水晶は割れて中から人が出てきた。
クロマを撫でながら居なくなったルビーの方を向いて言った。
「ありがとう。僕のルビー。」
終
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
シャルル・ド・ラングとピエールのおはなし
ねこうさぎしゃ
児童書・童話
ノルウェジアン・フォレスト・キャットのシャルル・ド・ラングはちょっと変わった猫です。人間のように二本足で歩き、タキシードを着てシルクハットを被り、猫目石のついたステッキまで持っています。
以前シャルル・ド・ラングが住んでいた世界では、動物たちはみな、二本足で立ち歩くのが普通なのでしたが……。
不思議な力で出会った者を助ける謎の猫、シャルル・ド・ラングのお話です。
たまごせんちょうのだいぼうけん
五嶋樒榴
児童書・童話
みんなだいすき!われらがたまごせんちょう!
たまごのくにの
たまごせんちょう
たまごのおうさまにたのまれて
りゅうからたからばこを
とりかえすことに
どんなぼうけんが
はじまるのでしょうか
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~
橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち!
友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。
第2回きずな児童書大賞参加作です。
プラネタリウムのめざす空
詩海猫
児童書・童話
タイトル通り、プラネタリウムが空を目指して歩く物語です。
普段はタイトル最後なのですが唐突にタイトルと漠然とした内容だけ浮かんで書いてみました。
短い童話なので最初から最後までフワッとしています。が、細かい突っ込みはナシでお願いします。
鎌倉西小学校ミステリー倶楽部
澤田慎梧
児童書・童話
【「鎌倉猫ヶ丘小ミステリー倶楽部」に改題して、アルファポリスきずな文庫より好評発売中!】
https://kizuna.alphapolis.co.jp/book/11230
【「第1回きずな児童書大賞」にて、「謎解きユニーク探偵賞」を受賞】
市立「鎌倉西小学校」には不思議な部活がある。その名も「ミステリー倶楽部」。なんでも、「学校の怪談」の正体を、鮮やかに解明してくれるのだとか……。
学校の中で怪奇現象を目撃したら、ぜひとも「ミステリー倶楽部」に相談することをオススメする。
案外、つまらない勘違いが原因かもしれないから。
……本物の「お化け」や「妖怪」が出てくる前に、相談しに行こう。
※本作品は小学校高学年以上を想定しています。作中の漢字には、ふりがなが多く振ってあります。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※本作品は、三人の主人公を描いた連作短編です。誰を主軸にするかで、ジャンルが少し変化します。
※カクヨムさんにも投稿しています(初出:2020年8月1日)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる