ルビーの帰る場所［完結］

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ルビーとノックは旅を続けた。
旅をしてあっという間に一年が経った。
ノックは相変わらずだった。
ルビーの背丈は少し高くなっていた。
いつも何も考えていない様な顔ではなく、今を必死に生きてる雰囲気が滲みでていた。

この一年でノックはルビーを色々なところに連れて行った。
風が砂を彩り、そこに住む小さな黒い人が住む世界。
大きな岩の柱が点々と集まってその間を飛ぶ色とりどりの鳥の世界。
水の中でも何故か息ができる暗い海の中。
渓谷が広がり時間を感じさせない世界。
世界と一言に言ってしまうが本当にそれほど広大なものだった。
ルビーは色々な人や者に出会った。
これだけ旅をしても帰れる手掛かりはルビーにはわからない。
ノックは未だに何も言ってくれない。
ノックといると偶に煮えきらない不思議な感情がルビーを襲う。
最近、ルビーは焦りに駆られることも多くなっていた。
ある日の夜、小さな空き小屋の中でノックは言った。
「時間は流れているんだろう。お前がこの姿でいることに限界が来たんだ。」