ルビーの帰る場所［完結］

18

アールが作ってくれた料理はどれも美味しかった。
食べ終わった後、零に連れられて外に出た。
出てすぐ横に2本の木があった、
その間にオレンジ色のハンモックがあった。
零は言った。
「懐かしいでしょ。オレンジ色の布を編んで作ってみたよ。」

ルビーはハンモックの上に横になった。
零がそれを少し揺らす。
「本当に懐かしいねぇ。あの時のお前は揺らされるのが好きだったねぇ。」
ルビーはなんだかそんな気がして来た。
本当は零に会いに来たのではないか。
ならば、帰らなくてもいいのではないかと。
暖かな日差しが全体を照らして温もりを与える。
ゆらゆらと揺れる心地よさに、緑色の草木の匂いがルビーを落ち着かせた。
そして深い眠りにつく。
ルビーは久方に夢を見る。

「おーい、ーー。お前は本当によく寝るなあ！日差しのことも揺られることも気持ちいいのはわかるけど、少しは自分の家族のことを気に掛けろよな！」
誰かがそんなことを言っている。