ルビーの帰る場所[完結]

シンシン

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ルビーは、手に小さな個装された菓子をもち二本足で歩くねずみを見た。
ねずみは10匹で一列に並んで歩いてきた。
ルビーの目の前を通り、ノックの元に行き止まった。
ノックはねずみの前に可愛く編まれた竹籠を差し出した。
ねずみたちは順に菓子を入れていく。
ルビーはねずみたちの行動を微笑ましく眺めていた。

ねずみたちが来た場所に帰っていくと廊下の奥から大きな影が来る。
今度はルビーの背丈ほどの大きなねずみが歩いてきた。
ルビーは驚いた。
「ねずみが人の服を着ている」
そう。そのねずみは碧い色の着物を着こなしていた。
ルビーを見るその目は深みのある黒い眼差しであった。
丸い耳を前後に少し動かして落ち着かない様子であった。
ねずみはルビーに震える両手を差し伸べた。
「ご無沙汰しております。ーー様。私を覚えていますか。私の主人は今でも元気に過ごしていますか。」
ねずみはルビーの両手をゴツゴツした手で包んで言った。
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