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 朝食を頂いた後、研究所に行きポーションについて実験することになりました。リンさんやミアさんと一緒です。リンさんが作ったポーションに魔力を注ぎ、どんな変化があるか実験します。

 水だと魔力を注いで30分程度で効果がなくなることが分かりました。魔力を注いだポーションなら効果は持続するため、討伐にはやはりポーションを持っていくことになります。

   魔力を注いだポーションはミアさんに鑑定してもらいます。

「これは魔力回復、あ、こっちは体力回復ね。違いは何?」
「魔力回復して~って思いながら作ったの。こっちは元気になれ~って」

    私が正直に言うと、2人とも大笑いしました。とても楽しいです。

 その他にも食べ物や衣服にも魔力を込めたらどうなるでしょうか。私はワクワクして色々実験をしたいと思いました。

「そういえば、アマンダなんだけど」

 実験しながら、ミアさんが内緒話をするように小さな声で言いました。

「インディアルに行っちゃったみたい」
「インディアル?」

 リンさんが変な顔をしました。

「何しに?謹慎中だろ?」
「よく分からないんだけど、リッテンバーム様のメイドさんが言ってたの」

 リッテンバーム様って、アマンダさんの親戚というフローラ樣?仲が悪いのか良いのか分かりませんが、情報は共有されていて素早いですね。

 コソコソと話していたら、ギルバート様が歩いてこられたのが見えました。口を閉じて手を動かします。

「おはようございます。ギルバート様」

 私は笑顔でご挨拶をしました。

「聖女様、おはようございます。今朝国境のゲートの結界を強化して頂きましたね。ありがとうございます」

 ギルバート様はすでにご存知のようです。あのこともお話すべきでしょう。

「ギル、来たか」

 別室にいたはずのアンディ様が来られました。

「アリスが朝国境を強化してくれたんだけど、悪いものも入ってこられないようにしてくれたんだ」

 あぁ、私から報告すべきことでしたがお話されてしまいました。叱られるでしょうか。叱られはしなくても、やり過ぎと注意されるかもしれません。

「悪いもの?」

 ギルバート様の眉がピクリ、と動きました。

 私はアンディ様に話したように一生懸命説明をしました。側で聞いていたリンさんやミアさんも驚いて目がまん丸になっています。

「それはありがとうございます」

 ギルバートさんが笑顔になりました。表情を出さない方と思っていたのでびっくりしました。

 皆さんが喜んでいらっしゃるので私は何も言いませんでした。でももしかしたら、アマンダさんはこちらに戻れないかもしれません。確か最後に見た時に黒いモヤモヤしたものがアマンダさんに見えました。あれがある限り、レートレースには入れないはずです。

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