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私とエディ様は今、エディ様の住んでいるというお城で昼食を頂いています。そこでエディ様に高級ポーションをたくさん作れないか聞かれていました。ポーションとは何かよくわかっていません。先ほどもリンさんに見せてもらったポーションを触っていたら変化したのだと説明しました。
「もともとのポーションを変化させる」
グレン様が難しそうな顔をされていて、うまく説明できない自分が情けなく思いました。
「今度の魔獣征伐で高級ポーションがあったらとても助かるんだ」
魔獣討伐はエディ様の指揮のもと、半年に1回程度行っているそうです。100人近い部隊を率いて国中を移動することもあるそうで、体力、気力、魔力が無くなっていく過酷な状態。それをポーションで補うそうなのです。
「鑑定してみたけど、あの高級ポーションがあれば人数をもっと減らしてもいいかもしれない」
「アリスが結界を張ったから魔獣も減るとは思うけど、油断はできないし」
エディ様とグレン様は難しい顔をしてお仕事の話を始めました。私はデザートのケーキを食べながら、魔獣をペットにできないか考えています。
「ここにいたのね」
そこに来られたのは皇后様でした。
「アリスちゃんをほっといて仕事の話?本当にエディは無粋な男ね」
「も、申し訳ない!」
エディ様がハッとしたように私を見ると、何度も頭を下げて謝罪して下さいました。却って私が恐縮してしまいます。
「アリスちゃん、食事が終わったら私とお茶にしましょう」
皇后様のお誘いはお断りできません。ですが、今ケーキを食べています。お腹がいっぱいではち切れそうです。
「ドレスを見立ててあげるわ。本当なら殿方が用意するものだけど」
皇后様はチラリとエディ様を見ると
「この辺りの殿方では無理ね」
と、扇子をバサッと広げて口元を隠しました。
「アリス様、お部屋に行かれましたか?」
皇后様のメイドさんに聞かれ、私は首を左右に振りました。
「少しお休みになられた方がよろしいかと思います」
「ああ、そうね。アンディもエディも本当に気が利かないわね」
皇后様に言われ、ますますエディ様とグレン様は頭を下げてしまいました。
「リズ、アリスちゃんをお部屋に案内して」
「畏まりました」
リズと呼ばれた女性は私よりも少し年上の方でしょうか。髪を綺麗に一つにまとめ背筋をピシッと伸ばした、いかにもできる感じの女性です。
「私の姪でございます」
皇后様のメイドさんに言われ、そういえばなんとなく似ている感じがするなと思いました。
「リズなら大丈夫よ」
皇后様はそう言ってまたエディ様を見ました。
「適当なメイドに言いつけるから、今朝みたいなことが起きたのよ」
エディ様はまた頭を深く下げました。なんだかとてもお気の毒です。皇后様はずっとアンディ様とエディ様をお叱りになっているように思いました。お二人とも、とても素敵な人なのに。
「ではまた後でね」
皇后様が優雅に立ち去り、私も残りのケーキを頂きます。
「ついつい仕事の話をしてごめんね」
「確かに一緒に食事しているのに、つまらない話だよな」
お二人に謝っていただくことではないのですが。魔獣の話はなかなか面白かったのです。
「どんな魔獣が出るのですか」
「色々出るよ。どこでいつ出るかわからないから、用心しないといけないんだ」
「人に馴れそうな魔獣はいないのですか。育ててペットにしたりとか」
「この辺りでは聞かないな。可愛い容姿をしていても魔獣だからね。人に危害を加えることもあるしね」
今まで魔獣の話を聞いたことがなかったので私はとても楽しいです。
「ごめんね、明日もまたお昼を一緒に食べようね」
時間になり、エディ様とお別れします。私が暮らすところはエディ様の住むお城から少し離れたところでした。陛下と皇后様、エディ様、アンディ様はそれぞれ別のお城に住んでいらっしゃるそうです。そして私はまた別のお城のような建物で暮らすのだそうです。
「何かあればすぐ連絡が取れるから」
別れ際、グレン様がそんなことをおっしゃいました。大袈裟だなと思いましたが、別の建物と聞くと簡単にお会いできないようです。少し寂しい気持ちがしましたが、そんなことを言うことはできません。私は迷子にならないようにリズの後をついていきました。
「もともとのポーションを変化させる」
グレン様が難しそうな顔をされていて、うまく説明できない自分が情けなく思いました。
「今度の魔獣征伐で高級ポーションがあったらとても助かるんだ」
魔獣討伐はエディ様の指揮のもと、半年に1回程度行っているそうです。100人近い部隊を率いて国中を移動することもあるそうで、体力、気力、魔力が無くなっていく過酷な状態。それをポーションで補うそうなのです。
「鑑定してみたけど、あの高級ポーションがあれば人数をもっと減らしてもいいかもしれない」
「アリスが結界を張ったから魔獣も減るとは思うけど、油断はできないし」
エディ様とグレン様は難しい顔をしてお仕事の話を始めました。私はデザートのケーキを食べながら、魔獣をペットにできないか考えています。
「ここにいたのね」
そこに来られたのは皇后様でした。
「アリスちゃんをほっといて仕事の話?本当にエディは無粋な男ね」
「も、申し訳ない!」
エディ様がハッとしたように私を見ると、何度も頭を下げて謝罪して下さいました。却って私が恐縮してしまいます。
「アリスちゃん、食事が終わったら私とお茶にしましょう」
皇后様のお誘いはお断りできません。ですが、今ケーキを食べています。お腹がいっぱいではち切れそうです。
「ドレスを見立ててあげるわ。本当なら殿方が用意するものだけど」
皇后様はチラリとエディ様を見ると
「この辺りの殿方では無理ね」
と、扇子をバサッと広げて口元を隠しました。
「アリス様、お部屋に行かれましたか?」
皇后様のメイドさんに聞かれ、私は首を左右に振りました。
「少しお休みになられた方がよろしいかと思います」
「ああ、そうね。アンディもエディも本当に気が利かないわね」
皇后様に言われ、ますますエディ様とグレン様は頭を下げてしまいました。
「リズ、アリスちゃんをお部屋に案内して」
「畏まりました」
リズと呼ばれた女性は私よりも少し年上の方でしょうか。髪を綺麗に一つにまとめ背筋をピシッと伸ばした、いかにもできる感じの女性です。
「私の姪でございます」
皇后様のメイドさんに言われ、そういえばなんとなく似ている感じがするなと思いました。
「リズなら大丈夫よ」
皇后様はそう言ってまたエディ様を見ました。
「適当なメイドに言いつけるから、今朝みたいなことが起きたのよ」
エディ様はまた頭を深く下げました。なんだかとてもお気の毒です。皇后様はずっとアンディ様とエディ様をお叱りになっているように思いました。お二人とも、とても素敵な人なのに。
「ではまた後でね」
皇后様が優雅に立ち去り、私も残りのケーキを頂きます。
「ついつい仕事の話をしてごめんね」
「確かに一緒に食事しているのに、つまらない話だよな」
お二人に謝っていただくことではないのですが。魔獣の話はなかなか面白かったのです。
「どんな魔獣が出るのですか」
「色々出るよ。どこでいつ出るかわからないから、用心しないといけないんだ」
「人に馴れそうな魔獣はいないのですか。育ててペットにしたりとか」
「この辺りでは聞かないな。可愛い容姿をしていても魔獣だからね。人に危害を加えることもあるしね」
今まで魔獣の話を聞いたことがなかったので私はとても楽しいです。
「ごめんね、明日もまたお昼を一緒に食べようね」
時間になり、エディ様とお別れします。私が暮らすところはエディ様の住むお城から少し離れたところでした。陛下と皇后様、エディ様、アンディ様はそれぞれ別のお城に住んでいらっしゃるそうです。そして私はまた別のお城のような建物で暮らすのだそうです。
「何かあればすぐ連絡が取れるから」
別れ際、グレン様がそんなことをおっしゃいました。大袈裟だなと思いましたが、別の建物と聞くと簡単にお会いできないようです。少し寂しい気持ちがしましたが、そんなことを言うことはできません。私は迷子にならないようにリズの後をついていきました。
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