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「ふー、今日も美味しかった」
昼ごはんのカルボナーラを食べ終わり、フランツ兄様が満足そうに言う。ほんのり頬が蒸気していて何だか色っぽい。食事しただけなのに何故だ?
「リリンの料理は最高だからな」
レオポール兄様も笑顔だ。お水を飲んだせいか唇が濡れていて、これまた色っぽい。ヤバい兄弟だ。
「美味しいものは人を幸せにするわね」
お母様も笑顔だ。
「今まではお腹がいっぱいになればそれでいいと思っていたけど、今はそれだけじゃないと思う」
「お腹がいっぱいになるだけじゃなくて、心もいっぱいになるって感じ」
「そうだ、それだ」
3人は顔を見合わせてうなづいた。私の料理を食べてお腹がいっぱいになって幸せと思ってもらえれば、私も幸せ。私も一緒にニコニコと笑う。自然に笑顔になるってこういうことかと思った。
「さ、俺は仕事に戻るか」
レオポール兄様が立ち上がった。私もお見送りしようと立ち上がる。
「クロニャン、おいで」
当たり前のようにクロに手を伸ばす兄様。しかしその手をパシっとクロは叩くと、あくびをした。
「クロニャン・・・」
レオポール兄様が大きな目でクロを見ている。その大きな目から涙が静かに溢れていった。
【鬱陶しい、この男。ついて行ってもつまらんから行かん】
クロに拒絶されて泣くなんてヤバい。レオポール兄様、どれだけ黒のことが好きなんだろう。私は心配になる。元の世界でも猫好き、犬好きな人は周りにたくさんいた。しかしここまでの人はいなかった。
「クロニャン・・・」
レオポール兄様は1人静かに涙を流しながらクロのことを見つめている。しかしクロは気にせず伸びをしている。何だか兄様が気の毒。
「クロニャン、本当に1人でお留守番できる?じゃあ、にいにゃん、頑張ってお仕事してくるよ」
ひとしきり泣いた兄様は、今度は張り切り出した。
「クロニャン、困ったことがあったら1人で悩まないでね。セバス、クロニャンをよろしく頼むよ。繊細な子だからね」
「畏まりました」
有能な執事であるセバスチャンは逆らわず動揺せず、丁寧に頭を下げた。
「兄上、どうかしてる」
「しっ、天使ちゃんの婚約が決まったから、他に求めてるのよ」
フランツ兄様とお母様がコソコソ話している。私のせいにしないでほしい。
「母上、フランツ。クロニャンが昼寝するんですから静かにしてください」
キッと睨みつけるようにレオポール兄様が2人に言う。
「リリン、クロニャンにあまりおやつを食べさせないように。食べ過ぎはよくないからね」
命令されて、私は素直にうなづいた。
「大丈夫です。クロにはもうおやつはあげませんよ」
【何?俺様におやつを出さないと言うのか?そんなことしたら、タンスの角に足の小指をぶつけさせるぞ】
何だそれ。どこでそんなこと覚えたんだ?
「クロニャン、行ってらっしゃいしてくれるんだね、にいにゃん、すぐ帰ってくるからね」
「帰ってこなくていいのに」
フランツ兄様が小声でボソッと呟いた。クロに挨拶するのに夢中のレオポール兄様には聞こえていないようだ。平和だ、と思う。クロの中身は悪魔だけど。
大騒ぎしてレオポール兄様は出かけて行った。私も明日の準備をするためにキッチンに入る。バーンヒル様は何が好みだろうか。和食とか大丈夫かな。考えていたら楽しくなってきたのだった。
昼ごはんのカルボナーラを食べ終わり、フランツ兄様が満足そうに言う。ほんのり頬が蒸気していて何だか色っぽい。食事しただけなのに何故だ?
「リリンの料理は最高だからな」
レオポール兄様も笑顔だ。お水を飲んだせいか唇が濡れていて、これまた色っぽい。ヤバい兄弟だ。
「美味しいものは人を幸せにするわね」
お母様も笑顔だ。
「今まではお腹がいっぱいになればそれでいいと思っていたけど、今はそれだけじゃないと思う」
「お腹がいっぱいになるだけじゃなくて、心もいっぱいになるって感じ」
「そうだ、それだ」
3人は顔を見合わせてうなづいた。私の料理を食べてお腹がいっぱいになって幸せと思ってもらえれば、私も幸せ。私も一緒にニコニコと笑う。自然に笑顔になるってこういうことかと思った。
「さ、俺は仕事に戻るか」
レオポール兄様が立ち上がった。私もお見送りしようと立ち上がる。
「クロニャン、おいで」
当たり前のようにクロに手を伸ばす兄様。しかしその手をパシっとクロは叩くと、あくびをした。
「クロニャン・・・」
レオポール兄様が大きな目でクロを見ている。その大きな目から涙が静かに溢れていった。
【鬱陶しい、この男。ついて行ってもつまらんから行かん】
クロに拒絶されて泣くなんてヤバい。レオポール兄様、どれだけ黒のことが好きなんだろう。私は心配になる。元の世界でも猫好き、犬好きな人は周りにたくさんいた。しかしここまでの人はいなかった。
「クロニャン・・・」
レオポール兄様は1人静かに涙を流しながらクロのことを見つめている。しかしクロは気にせず伸びをしている。何だか兄様が気の毒。
「クロニャン、本当に1人でお留守番できる?じゃあ、にいにゃん、頑張ってお仕事してくるよ」
ひとしきり泣いた兄様は、今度は張り切り出した。
「クロニャン、困ったことがあったら1人で悩まないでね。セバス、クロニャンをよろしく頼むよ。繊細な子だからね」
「畏まりました」
有能な執事であるセバスチャンは逆らわず動揺せず、丁寧に頭を下げた。
「兄上、どうかしてる」
「しっ、天使ちゃんの婚約が決まったから、他に求めてるのよ」
フランツ兄様とお母様がコソコソ話している。私のせいにしないでほしい。
「母上、フランツ。クロニャンが昼寝するんですから静かにしてください」
キッと睨みつけるようにレオポール兄様が2人に言う。
「リリン、クロニャンにあまりおやつを食べさせないように。食べ過ぎはよくないからね」
命令されて、私は素直にうなづいた。
「大丈夫です。クロにはもうおやつはあげませんよ」
【何?俺様におやつを出さないと言うのか?そんなことしたら、タンスの角に足の小指をぶつけさせるぞ】
何だそれ。どこでそんなこと覚えたんだ?
「クロニャン、行ってらっしゃいしてくれるんだね、にいにゃん、すぐ帰ってくるからね」
「帰ってこなくていいのに」
フランツ兄様が小声でボソッと呟いた。クロに挨拶するのに夢中のレオポール兄様には聞こえていないようだ。平和だ、と思う。クロの中身は悪魔だけど。
大騒ぎしてレオポール兄様は出かけて行った。私も明日の準備をするためにキッチンに入る。バーンヒル様は何が好みだろうか。和食とか大丈夫かな。考えていたら楽しくなってきたのだった。
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