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「馬車の用意はできているので先に家に戻りなさい。レオポールも準備ができている」
「兄様は仕事があるのでは?」
騎士団の仕事があるだろうし、私の護衛は別に必要ないのではないだろうか。するとお父様の目が険しくなった。
「マリアンヌ、お前の護衛を大した実力もないペーペーの騎士に任せると思うか?」
ペーペーの騎士って・・・。騎士ってきちんとした訓練を受けてるんじゃないの?訓練を受けたから騎士なんじゃないの?大した実力もない人は騎士になれないんじゃないの?そんな疑問はお父様の険しすぎる目を見たら口に出せなかった。
お父様に連れられて行くと馬車の横にレオポール兄様がいた。
「兄様、お忙しいのにありがとうございます」
「何をいうんだ、リリンを守れるのは俺くらいしかいないぞ」
そう言って兄様はえっへんと胸を張る。誇らしげな笑顔であるが、胸元がゴソゴソと動き出した。
「に、兄様・・・」
「ん?ああ・・・」
見ていたらクロが顔を出した。
「クロもリリンと会いたかったんだな」
【こいつを何とかしてくれ!本当に薄気味悪いぞ。俺様に向かってクロニャンはいいこでちゅねぇ、なんて言うんだぜ。赤ん坊じゃないっつうの!】
「ほら、リリンに会えて喜んでるのかな?それとも騎士の仕事はしゅごいなって感心してるのかな?」
兄様はほのぼのとしているが、クロはギャーギャーと文句を言っている。言葉がわからないというのはある意味幸せである。
【もういやだ、俺様も連れて帰ってくれ】
兄様の胸元から私に向かってクロは飛び出してきた。
「クロニャン・・・」
途端に兄様の眉が下がり、悲しそうにクロを見ている。しかしクロは知らん顔で私に頭を擦り寄せていた。が、一瞬クロの動きが止まった。
【何だ?お前、変なものを持っているな。俺様には関係ないがな】
変なもの?もしかして殿下にもらった宝石のかけら?私は取り出して見せた。
「ん?それは魔除け袋じゃないか。殿下に頂いたのか?」
お父様もお兄様も興味深げに見ている。まさか土下座するために用意してきたとは言えない。しかもそのために騎士を何人も用意したとは・・・。
「やはり、高価なものでしょうか」
「庶民ならそうかもしれないが、殿下に初めてもらう貴金属と思えばそうではないな」
「と言うより、リリンへの初めてのプレゼントがこれってひどくないですか?」
「そうだな、ふざけているな」
2人がお怒りモードになってしまった。
【俺様には効かないが、低級程度なら効果はあるだろう。近づきたくないと思うだろうな。魔除けとはよく言ったものだ】
クロも認めたので本当に魔除けらしい。殿下にもらった初めてのプレゼント、と言われてちょっと意識してしまった。今度はいつ会えるだろうか。そんなことを考えていた。
「兄様は仕事があるのでは?」
騎士団の仕事があるだろうし、私の護衛は別に必要ないのではないだろうか。するとお父様の目が険しくなった。
「マリアンヌ、お前の護衛を大した実力もないペーペーの騎士に任せると思うか?」
ペーペーの騎士って・・・。騎士ってきちんとした訓練を受けてるんじゃないの?訓練を受けたから騎士なんじゃないの?大した実力もない人は騎士になれないんじゃないの?そんな疑問はお父様の険しすぎる目を見たら口に出せなかった。
お父様に連れられて行くと馬車の横にレオポール兄様がいた。
「兄様、お忙しいのにありがとうございます」
「何をいうんだ、リリンを守れるのは俺くらいしかいないぞ」
そう言って兄様はえっへんと胸を張る。誇らしげな笑顔であるが、胸元がゴソゴソと動き出した。
「に、兄様・・・」
「ん?ああ・・・」
見ていたらクロが顔を出した。
「クロもリリンと会いたかったんだな」
【こいつを何とかしてくれ!本当に薄気味悪いぞ。俺様に向かってクロニャンはいいこでちゅねぇ、なんて言うんだぜ。赤ん坊じゃないっつうの!】
「ほら、リリンに会えて喜んでるのかな?それとも騎士の仕事はしゅごいなって感心してるのかな?」
兄様はほのぼのとしているが、クロはギャーギャーと文句を言っている。言葉がわからないというのはある意味幸せである。
【もういやだ、俺様も連れて帰ってくれ】
兄様の胸元から私に向かってクロは飛び出してきた。
「クロニャン・・・」
途端に兄様の眉が下がり、悲しそうにクロを見ている。しかしクロは知らん顔で私に頭を擦り寄せていた。が、一瞬クロの動きが止まった。
【何だ?お前、変なものを持っているな。俺様には関係ないがな】
変なもの?もしかして殿下にもらった宝石のかけら?私は取り出して見せた。
「ん?それは魔除け袋じゃないか。殿下に頂いたのか?」
お父様もお兄様も興味深げに見ている。まさか土下座するために用意してきたとは言えない。しかもそのために騎士を何人も用意したとは・・・。
「やはり、高価なものでしょうか」
「庶民ならそうかもしれないが、殿下に初めてもらう貴金属と思えばそうではないな」
「と言うより、リリンへの初めてのプレゼントがこれってひどくないですか?」
「そうだな、ふざけているな」
2人がお怒りモードになってしまった。
【俺様には効かないが、低級程度なら効果はあるだろう。近づきたくないと思うだろうな。魔除けとはよく言ったものだ】
クロも認めたので本当に魔除けらしい。殿下にもらった初めてのプレゼント、と言われてちょっと意識してしまった。今度はいつ会えるだろうか。そんなことを考えていた。
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