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2人の騎士が扉を開ける。部屋の奥には玉座があって、国王陛下とその横には綺麗な女性が座られてる。皇后陛下であろう。お母様と同年代と思われるが、ものすごい美人で光が差しているように見えた。国王陛下の斜め後ろには、アルバート殿下が立っており、その横にはドミニク様もいらっしゃった。
こちらが家族全員だから、王弟のドミニク様もいらっしゃるのか。婚約前の親族の顔合わせのようなものか。と解釈する。挨拶ってどうするんだっけ、と考えていたが体は勝手に反応した。うまくできているものである。頭を下げ、国王陛下の声を待つ。すると。
「そんな堅苦しい挨拶はいいからさ」
と、国王陛下の声。え?「頭を上げよ」とか言うんじゃないの?重々しい感じで。だって国王陛下だし。謁見の間なんだし。頭を上げていいかどうか悩んでしまったが、上げずにいたら。
「マリアンヌちゅあんに会いたくて呼んだんだし。ゆっくりしてってよ」
と、なおも声が聞こえた。フレンドリーすぎる。元の世界にもいた気のいいオヤジって感じだ。マリアンヌちゅあんって。なんだ、それ。
「陛下、謁見の間ですから」
お父様の声が聞こえた。呆れているような少し怒気のこもった声である。
「じゃ、場所を移動しよう」
そして別部屋に移動する。会議部屋なのか、長方形のテーブルに椅子が並んでいた。皇后陛下とアルバート殿下、ドミニク様が並んで座り、その向かい側には我が家の5人が座る。中央には陛下である。
「まぁぁ、マリアンヌちゃんって本当に可愛いわね。この子が私の娘になるなんて、幸せすぎるわ」
皇后陛下の発言に
「そうだろう?マリアンヌちゅあんは可愛いすぎるよな。アルバートは果報者だ」
「マリアンヌ嬢を泣かせたりしたら、うちの部隊が黙っていないからな」
「わかっていますよ、叔父上。リィは必ず幸せにします」
と、王族の人々の発言が続く。私は恥ずかしくなって俯いてしまった。
「陛下、色々と手順があると思いますが」
お父様が口を挟んでくれた。やはりできる宰相である。日頃から陛下とはこんな感じなのだろうか。
「そうだ、決めることがあるんだ」
陛下は今気がついた、という感じで手を叩いた。
「まず、マリアンヌちゅあんは私のことをパパ、皇后のことをママと呼ぶように」
厳格な顔で陛下が言う。は?
「アルのことはルーと呼ぶと決めたそうだからな。パパ、ママ、良いではないか」
「良いですわぁ」
陛下と皇后は嬉しそうにキラキラとした目で私を見つめてくる。さぁ、呼んでごらんと目で訴えてくる。
「パパ・・・、ママ・・・」
小声になってしまったが言ってみたところ、陛下は天井を見上げ皇后は両手で頬を抑えた。
「素敵・・・。私はママ」
「生きててよかった、即位できてよかった・・・」
お父様の顔を見たら何の感情も見えない。お母様もである。
「では、私も」
と、なぜかドミニク様が参戦してきた。
「私のことはニクおいたんと」
ニクおいたん?何それ。本当に言っていいのか。言っちゃダメなやつな気もするが、本人が言えと言うのだ。相手は王族。従わないといけない。
「ニクおいたん」
アホらしくなったが、ドミニク様は満足げに何度もうなづいている。陛下も皇后もアルバート殿下も嬉しそうにドミニク様を見ている。よかったね、と言っている感じだ。王族の方々、どうなっちゃってるんだ?
私は色々と不安に感じて、隣のフランツ兄様を見た。フランツ兄様はこめかみに青筋が浮いていた。その隣のレオポール兄様を見れば、顔を真っ赤にしている。上司であるドミニク様がニクと呼ばれて喜んでいるのだ。顔も赤くなるだろう。
「陛下、そろそろ本題に入ってください」
お父様が静かに言う。その声に私は恐怖を感じるが、王族メンバーは気にしない。
「そうそう、婚約の時期だけどさぁ」
「それより、もうお城に住んじゃわない?」
「では、私の執務室の横にキッチンを増設してください。リィ、執務中はそこで料理してくれて構わないから」
いや、構うよ。声に出せないが心の中で言い、曖昧に微笑んだ。その後も何度も脱線する王族メンバーにお父様が喝を入れ、ようやく決まったこと。婚約発表は来月、結婚式は5年後と決まった。
ようやく話が終わった頃には疲れ果てていた。
こちらが家族全員だから、王弟のドミニク様もいらっしゃるのか。婚約前の親族の顔合わせのようなものか。と解釈する。挨拶ってどうするんだっけ、と考えていたが体は勝手に反応した。うまくできているものである。頭を下げ、国王陛下の声を待つ。すると。
「そんな堅苦しい挨拶はいいからさ」
と、国王陛下の声。え?「頭を上げよ」とか言うんじゃないの?重々しい感じで。だって国王陛下だし。謁見の間なんだし。頭を上げていいかどうか悩んでしまったが、上げずにいたら。
「マリアンヌちゅあんに会いたくて呼んだんだし。ゆっくりしてってよ」
と、なおも声が聞こえた。フレンドリーすぎる。元の世界にもいた気のいいオヤジって感じだ。マリアンヌちゅあんって。なんだ、それ。
「陛下、謁見の間ですから」
お父様の声が聞こえた。呆れているような少し怒気のこもった声である。
「じゃ、場所を移動しよう」
そして別部屋に移動する。会議部屋なのか、長方形のテーブルに椅子が並んでいた。皇后陛下とアルバート殿下、ドミニク様が並んで座り、その向かい側には我が家の5人が座る。中央には陛下である。
「まぁぁ、マリアンヌちゃんって本当に可愛いわね。この子が私の娘になるなんて、幸せすぎるわ」
皇后陛下の発言に
「そうだろう?マリアンヌちゅあんは可愛いすぎるよな。アルバートは果報者だ」
「マリアンヌ嬢を泣かせたりしたら、うちの部隊が黙っていないからな」
「わかっていますよ、叔父上。リィは必ず幸せにします」
と、王族の人々の発言が続く。私は恥ずかしくなって俯いてしまった。
「陛下、色々と手順があると思いますが」
お父様が口を挟んでくれた。やはりできる宰相である。日頃から陛下とはこんな感じなのだろうか。
「そうだ、決めることがあるんだ」
陛下は今気がついた、という感じで手を叩いた。
「まず、マリアンヌちゅあんは私のことをパパ、皇后のことをママと呼ぶように」
厳格な顔で陛下が言う。は?
「アルのことはルーと呼ぶと決めたそうだからな。パパ、ママ、良いではないか」
「良いですわぁ」
陛下と皇后は嬉しそうにキラキラとした目で私を見つめてくる。さぁ、呼んでごらんと目で訴えてくる。
「パパ・・・、ママ・・・」
小声になってしまったが言ってみたところ、陛下は天井を見上げ皇后は両手で頬を抑えた。
「素敵・・・。私はママ」
「生きててよかった、即位できてよかった・・・」
お父様の顔を見たら何の感情も見えない。お母様もである。
「では、私も」
と、なぜかドミニク様が参戦してきた。
「私のことはニクおいたんと」
ニクおいたん?何それ。本当に言っていいのか。言っちゃダメなやつな気もするが、本人が言えと言うのだ。相手は王族。従わないといけない。
「ニクおいたん」
アホらしくなったが、ドミニク様は満足げに何度もうなづいている。陛下も皇后もアルバート殿下も嬉しそうにドミニク様を見ている。よかったね、と言っている感じだ。王族の方々、どうなっちゃってるんだ?
私は色々と不安に感じて、隣のフランツ兄様を見た。フランツ兄様はこめかみに青筋が浮いていた。その隣のレオポール兄様を見れば、顔を真っ赤にしている。上司であるドミニク様がニクと呼ばれて喜んでいるのだ。顔も赤くなるだろう。
「陛下、そろそろ本題に入ってください」
お父様が静かに言う。その声に私は恐怖を感じるが、王族メンバーは気にしない。
「そうそう、婚約の時期だけどさぁ」
「それより、もうお城に住んじゃわない?」
「では、私の執務室の横にキッチンを増設してください。リィ、執務中はそこで料理してくれて構わないから」
いや、構うよ。声に出せないが心の中で言い、曖昧に微笑んだ。その後も何度も脱線する王族メンバーにお父様が喝を入れ、ようやく決まったこと。婚約発表は来月、結婚式は5年後と決まった。
ようやく話が終わった頃には疲れ果てていた。
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