美少女に転生して料理して生きてくことになりました。

ゆーぞー

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 お母様とステファニー様が話し込み、私とフランツ兄様は花束について話していたが、そろそろ夕飯について考える時間である。

「夕飯は何を召し上がりますか?」

 さっきドーナツをあれほど食べていた2人に聞く話題ではないかと思うが、初めての夕飯は気合を入れたい。お父様とレオポール兄様も戻って来られれば、家族水入らずだ。

「ゆうはん?」

 フランツ兄様がぎこちない言い方で私を見ている。やっちまった。夕飯という言い方は庶民すぎる。やはり、ディナーと言うべきであった。

「あ、ディ、ディナーです」

 私は小さくつぶやいた。

「待って、天使ちゃん」

 お母様が無邪気な感じで首をコテンと傾けた。天使ではないのだが、何故そう呼ぶのか。

「夜にご飯を食べるの?」
「えっ、食べないんですか?」

 そうか、確かにお母様のスタイルを見たら納得だ。いわゆる、ボンキュッボンってスタイル。これを維持するなら夕飯は食べないであろう。

「マリ、夜も料理をするつもりなのか?」
「はい?そのつもりですが」

 何を言っているのかわからず、私は困惑してしまった。ご飯食べないという選択肢はあったのだろうか。

「セバス!どういうことだ!」

 フランツ兄様の勢いに部屋の隅で控えていたセバスチャンが静かに、だが彼の中では最大級の勢いですっ飛んできた。

「夜まで働かせているのか?マリが倒れたらどうするんだ!」
「兄様、私、そんなことで倒れません」

 この世界では料理は相当疲れる作業のようだが、私は問題ない。確かに料理を作ってはいるが、大半は女神様にもらったコピー機でコピーしている。最大999個コピーできるとわかった。そしてコピー機には袋のマークのボタンがあった。そこを押すとサンタクロースの袋に移動するのだ。

 1人分は作りづらいので4人分くらいを作ってそれを999個コピーして袋行き。大した労力ではない。

「大丈夫なのか?本当に?」

 お兄様の目が心配そうに揺らいでいる。あぁ、なんてイケメン。思わず私は兄様のお美しいお顔をうっとりと眺めてしまう。

「マリが大丈夫ならいいんだ」

 お兄様は私の頭を撫でてくれる。あぁ、またもや幸せである。真理子時代には味わえなかった幸せ。

「お父様とレオポール兄様が早く帰って来られるなら、お鍋にしてもいいわね。でも土鍋ってあったかな?」

 私はブツブツと呟きながら献立について考えていた。その様子をフランツ兄様は興味深げに見つめていた。
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