美少女に転生して料理して生きてくことになりました。

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    目が覚めた。
　目を開けて見えた天井を見て、「何、これ」という声が出た。



　私の名前は田中真理子。32歳、独身。職業は会社員だった。だった、と言うのは失業しているから。正確には元会社員。

　数ヶ月前に会社が倒産。何度か面接に行って再就職を目指しているけど、全戦全敗。失業保険も切れそうだし、貯金もなくなりそうだ。そろそろ本当にどうにかしないとと思っているが、結果はどうにもなっていない。

　昨夜はどうにも気持ちがダウンした。

　失業する数ヶ月前に私はずっと付き合っていた彼氏に振られた。彼は私を捨てた2ヶ月後に結婚したらしい。おそらく二股かけられていたと思われるが、本当のところはわからない。全然全く気づかなかったからだ。もしかしたら彼が私と別れた後に即座に誰かと出会い、一瞬で恋に落ち、超人気の結婚式場に奇跡的に空きがあって予約ができたのであれば、2ヶ月後に結婚も可能なのだろう。

　しかし今となってはどうでもいい。私は彼氏に振られ、彼は結婚した。その事実だけがある。

　気持ちがダウンした私は飲めないお酒をがぶ飲みした。日本酒の瓶をラッパ飲みで飲み干し、ゲホゲホしながらワインの瓶を開けた。飲めないお酒がなぜ家にあるか。それは「いつか友達が遊びに来たらホームパーティするんだぁ」と思って買ってあったのである。ちなみに遊びに来てくれるような友達はいない。私の住んでいるアパートは家賃の安いど田舎方面にあったので、友達が気楽に来てくれるような場所ではなかったのだ。

　とにかく、彼氏に振られ失業した32歳の女の私は、やけ酒を飲んでぶっ倒れたのである。