1 / 1
臓器メーカー
しおりを挟む
「今月の生産計画は月産三千ユニットでいきます。各部署は遅延のないように対応をお願いします」
業務担当が会議を終えようとした時、営業部長が割って入ってきた。
「ちょっと、待ってくれ。月産三千ユニットは、日産でいくつになる?」
業務担当は、不機嫌を隠さずに電卓を叩いた。
「日産百ユニットです」
「そのくらいの計算は直ぐできる。そう言う事ではないだろう」
「では、どう言う事でしょう?」
業務担当は製造部と営業部の板挟みにうんざりしていた。
「需要は三百ユニットある」
「この間までは、需要は五十ユニットだと言っていましたよね?」
協力会社含めて生産計画を決め込んでいるのに、社長が同席の時だけ猛アピールする営業に他の部門もうんざりしていた。
「何を言っているんだ。営業は常に売り上げ向上のために努力をしているんだ」
「今までは月産千ユニット、日産五十ユニットでした。培養槽で二か月掛かっていた工程を条件設定の見直しで一か月にまで縮めて倍増している。営業だけが努力している訳ではない」
製造部長も黙ってはいなかった。更に、
「それに。シフト組んで土日にも生産して対応したのに、注文がなくて廃棄処分したユニットがどれだけあると思っているのか」
営業部長は片手を上げると、ヒートアップした雰囲気を沈めて、
「確かに、製造部長の言われる通りでした。折角現場に頑張ってもらったのにミスマッチを起こしたのは申し訳ない。しかし、患者さんが安定して存在している訳ではありません。時には無駄になる事もあります。それは、困っている人がいないと言う事なので社会貢献のあり方として『あり』だと思います。それに甘えていたのかもしれません」
営業部長がシンミリと言った。が、それで騙される他部門ではなかった。
「いきなり移植を選択する病院はないぞ。一か月になればミスマッチがなくなると言っていただろ」
「はい、だいぶ減りました。皆さんのお陰です。営業部もそれに応えられる様に新規市場を開拓してきました。それで需要に応えるには三百ユニット必要です」
月産三千ユニットでまとまった会議をひっくり返そうとしているのは、見え見えだった。だからと言って協力会社の内諾なしに出来る話ではない。何といっても増産するには設備が足らない。
「君たち、営業部長が会社の発展のために尽力しているのだから、もう少し建設的な意見が出ても良いのではないか?」
やんわりした社長の一言の向こうで営業部長が満面の笑みを浮かべている。他部門を悪者に仕立てた上での展開。営業部長の常套手段だと分かっていながら、切り崩しが出来ていなかった。
「協力会社にも内々でお願いして快諾を得ています」
購買担当の代わりに交渉しましたと言わんばかりの営業部長だった。どうせ、発注先変更をチラつかせて脅しをかけたのだろうと社長以外は思っていた。
「社長、肝心の社内設備が日産百ユニットまでしか対応できません。装置メーカーに協力を頂いても日産三百ユニットにするには一年は掛かります」
増設すれば増産できる。社長に『ノー』と言わせるにはこの方法しか残っていなかった。しかし、営業部長に焦りはなかった。
「実は、開発から培養期間を十日に短縮できたと聞いています」
社長は『これだ』と思った。製造部長と業務担当は蒼白した。開発部長が愚痴で短縮できたけど突然変異を起こすと言っていたからだ。
「社長、短縮できません」
と言った製造部長に、社長は不満を露わにした。
「開発が出来ると言っている、君たちは作ればいい」
社長の一言で全てが決まった。生産計画の攻防など何の意味もなかった。会議が終わり退室する我々に深々とお辞儀をする営業部長の姿は嫌味でしかなかった。
製造部長は分かっていた。社長の発言を覆すには、分厚い資料を用意して根気強く理解させるしかなかった。しかし、営業部長も分かっていた。トップセールスとして社長を海外に連れ出してしまったのだ。社内にいる取締役に相談しても、同情に始まり会議に出席していないからと逃げ最後は社長決定を理解している? で話が終わった。
会議に参加していた者は一蓮托生だった。会社に残るなら答えは『YES』しかなかった。誰もが家のローンがある。子どもの進学積み立てもある。転職をするにも給料が減る選択はあり得なかった。だから、この危機を乗り越える会議は自然発生的に始まった。
話はとんとん拍子で決まっていった。責任は早々に退職した開発部長に背負わせる事にした。プロセス承認の書類は日付を遡って作成した。協力会社には営業部長の裏工作をそのまま利用する事にした。残る問題は突然変異だった。
「そもそも、突然変異はなぜ起きるんだ?」
開発課長に問い直した。
「培養期間を短縮するには、成長促進がカギになります。第一世代では中学時期に訪れる第二次成長期のホルモンから成長促進剤を精製しています。今使っている第二世代では乳児期の第一次成長期のホルモンから成長促進剤を精製しています。それと培養環境の最適化ですね。それに対して第三世代では癌の異常成長に着目した成長促進剤です」
淡々と説明する開発課長の横で出席者は背負った問題の大きさを認識した。
「なるほど、開発部長が逃げ出すのは当たり前か。突然変異とは臓器が癌化する事なのか?」
「いいえ、癌化程度では突然変異とは言いません。何になるのか分からないのが突然変異です」
さらりと説明する開発課長だった。
「ちょっと待ってくれ。癌化は問題にならないのか? 突然変異するとどうなる?」
「どの製造方法でも癌化は発生しています。短期間で移植可能な大きさに成長させている事自体が臓器に無理を強いています。もっとも、移植を必要とする患者は元々短命です。問題が発生する前に持病の悪化などで死亡するので問題はないです」
自分たちが作っている臓器がどう言うものなのか、初めて理解する出席者たちだった。開発課長は他部門との情報格差に気づかないまま話を続けた。
「ここで言う突然変異はミュータント化する事です。細胞での試験では確率一パーセントで癌化して更に確率一パーセントで突然変異を起こします。万が一のレベルですね」
開発課長は場を和ますつもりで『万が一』と言ったものの、日産三百ユニットは月産九千ユニット。つまり、月に一回はミュータント問題が発生する事を意味していた。
「と、言う事は現在も癌化して死亡している患者がいると言う事か・・・・」
冷え切った会議室に、品証がフォローの資料をスクリーンに出した。
「全ての購入者に対して追跡調査をしていますが、癌化が始まるのが術後五年以上です。癌化と言っても購入した臓器ではなく、当社の臓器が分泌したもので他の臓器が癌化すると言う事です。幸い因果関係に気がついている医療機関はありません。競合他社は気がついている可能性はありますが、沈黙するでしょう。当社製品と同じ傾向を示しているからです」
品証の話が終わると、全員の視線が開発課長に注がれていた。それに気づいた開発課長は白衣のポケットからUSBメモリーを取り出すと資料をスクリーンに出した。
「突然変異は加速試験の中で発見した現象です。なぜ起きるのか解明できていませんが癌化した細胞を更に観察していくと突然変異が起きました」
「原理の話は今はいらない。ミュータント化がどういうものなのかを説明して欲しい」
製造部長が割って入った。
「失礼しました。ミュータント化とは、遺伝情報に残る他の生物の特徴が顕在化する事です。勿論、拒絶反応はでません」
開発課長は自信を持って言った。
「まるで、カフカの変身だな」
「部長、大袈裟ですよ。一晩であんなになる筈がないじゃないですか。髪の毛の間から触覚が出るぐらいですよ」
開発課長の話から、自分たちが色々な意味でヤバイ状況に置かれている事を痛感した。問題なのは、全員が日産三百ユニットに『NO』と思っているが、背景は部署ごとに違う事だった。結論を急がないと空中分解しかねない。
「ホントに日産三百ユニットを造らないとダメなのか?」
製造部長は、話をまとめる前に原点回帰を図った。
「それなら、うちの部長と営業部長の話の中で出ていましたよ。若い臓器を移植するとアンチエイジングになると富裕層の間で話題になっているそうですよ」
開発課長がここだけの話的に言った。
全員の顔から罪悪感が消えていた。
「若い人がアンチエイジングはしないな」
一同、頷いていた。
「最後に確認したい。守るべきは家族」
業務担当が会議を終えようとした時、営業部長が割って入ってきた。
「ちょっと、待ってくれ。月産三千ユニットは、日産でいくつになる?」
業務担当は、不機嫌を隠さずに電卓を叩いた。
「日産百ユニットです」
「そのくらいの計算は直ぐできる。そう言う事ではないだろう」
「では、どう言う事でしょう?」
業務担当は製造部と営業部の板挟みにうんざりしていた。
「需要は三百ユニットある」
「この間までは、需要は五十ユニットだと言っていましたよね?」
協力会社含めて生産計画を決め込んでいるのに、社長が同席の時だけ猛アピールする営業に他の部門もうんざりしていた。
「何を言っているんだ。営業は常に売り上げ向上のために努力をしているんだ」
「今までは月産千ユニット、日産五十ユニットでした。培養槽で二か月掛かっていた工程を条件設定の見直しで一か月にまで縮めて倍増している。営業だけが努力している訳ではない」
製造部長も黙ってはいなかった。更に、
「それに。シフト組んで土日にも生産して対応したのに、注文がなくて廃棄処分したユニットがどれだけあると思っているのか」
営業部長は片手を上げると、ヒートアップした雰囲気を沈めて、
「確かに、製造部長の言われる通りでした。折角現場に頑張ってもらったのにミスマッチを起こしたのは申し訳ない。しかし、患者さんが安定して存在している訳ではありません。時には無駄になる事もあります。それは、困っている人がいないと言う事なので社会貢献のあり方として『あり』だと思います。それに甘えていたのかもしれません」
営業部長がシンミリと言った。が、それで騙される他部門ではなかった。
「いきなり移植を選択する病院はないぞ。一か月になればミスマッチがなくなると言っていただろ」
「はい、だいぶ減りました。皆さんのお陰です。営業部もそれに応えられる様に新規市場を開拓してきました。それで需要に応えるには三百ユニット必要です」
月産三千ユニットでまとまった会議をひっくり返そうとしているのは、見え見えだった。だからと言って協力会社の内諾なしに出来る話ではない。何といっても増産するには設備が足らない。
「君たち、営業部長が会社の発展のために尽力しているのだから、もう少し建設的な意見が出ても良いのではないか?」
やんわりした社長の一言の向こうで営業部長が満面の笑みを浮かべている。他部門を悪者に仕立てた上での展開。営業部長の常套手段だと分かっていながら、切り崩しが出来ていなかった。
「協力会社にも内々でお願いして快諾を得ています」
購買担当の代わりに交渉しましたと言わんばかりの営業部長だった。どうせ、発注先変更をチラつかせて脅しをかけたのだろうと社長以外は思っていた。
「社長、肝心の社内設備が日産百ユニットまでしか対応できません。装置メーカーに協力を頂いても日産三百ユニットにするには一年は掛かります」
増設すれば増産できる。社長に『ノー』と言わせるにはこの方法しか残っていなかった。しかし、営業部長に焦りはなかった。
「実は、開発から培養期間を十日に短縮できたと聞いています」
社長は『これだ』と思った。製造部長と業務担当は蒼白した。開発部長が愚痴で短縮できたけど突然変異を起こすと言っていたからだ。
「社長、短縮できません」
と言った製造部長に、社長は不満を露わにした。
「開発が出来ると言っている、君たちは作ればいい」
社長の一言で全てが決まった。生産計画の攻防など何の意味もなかった。会議が終わり退室する我々に深々とお辞儀をする営業部長の姿は嫌味でしかなかった。
製造部長は分かっていた。社長の発言を覆すには、分厚い資料を用意して根気強く理解させるしかなかった。しかし、営業部長も分かっていた。トップセールスとして社長を海外に連れ出してしまったのだ。社内にいる取締役に相談しても、同情に始まり会議に出席していないからと逃げ最後は社長決定を理解している? で話が終わった。
会議に参加していた者は一蓮托生だった。会社に残るなら答えは『YES』しかなかった。誰もが家のローンがある。子どもの進学積み立てもある。転職をするにも給料が減る選択はあり得なかった。だから、この危機を乗り越える会議は自然発生的に始まった。
話はとんとん拍子で決まっていった。責任は早々に退職した開発部長に背負わせる事にした。プロセス承認の書類は日付を遡って作成した。協力会社には営業部長の裏工作をそのまま利用する事にした。残る問題は突然変異だった。
「そもそも、突然変異はなぜ起きるんだ?」
開発課長に問い直した。
「培養期間を短縮するには、成長促進がカギになります。第一世代では中学時期に訪れる第二次成長期のホルモンから成長促進剤を精製しています。今使っている第二世代では乳児期の第一次成長期のホルモンから成長促進剤を精製しています。それと培養環境の最適化ですね。それに対して第三世代では癌の異常成長に着目した成長促進剤です」
淡々と説明する開発課長の横で出席者は背負った問題の大きさを認識した。
「なるほど、開発部長が逃げ出すのは当たり前か。突然変異とは臓器が癌化する事なのか?」
「いいえ、癌化程度では突然変異とは言いません。何になるのか分からないのが突然変異です」
さらりと説明する開発課長だった。
「ちょっと待ってくれ。癌化は問題にならないのか? 突然変異するとどうなる?」
「どの製造方法でも癌化は発生しています。短期間で移植可能な大きさに成長させている事自体が臓器に無理を強いています。もっとも、移植を必要とする患者は元々短命です。問題が発生する前に持病の悪化などで死亡するので問題はないです」
自分たちが作っている臓器がどう言うものなのか、初めて理解する出席者たちだった。開発課長は他部門との情報格差に気づかないまま話を続けた。
「ここで言う突然変異はミュータント化する事です。細胞での試験では確率一パーセントで癌化して更に確率一パーセントで突然変異を起こします。万が一のレベルですね」
開発課長は場を和ますつもりで『万が一』と言ったものの、日産三百ユニットは月産九千ユニット。つまり、月に一回はミュータント問題が発生する事を意味していた。
「と、言う事は現在も癌化して死亡している患者がいると言う事か・・・・」
冷え切った会議室に、品証がフォローの資料をスクリーンに出した。
「全ての購入者に対して追跡調査をしていますが、癌化が始まるのが術後五年以上です。癌化と言っても購入した臓器ではなく、当社の臓器が分泌したもので他の臓器が癌化すると言う事です。幸い因果関係に気がついている医療機関はありません。競合他社は気がついている可能性はありますが、沈黙するでしょう。当社製品と同じ傾向を示しているからです」
品証の話が終わると、全員の視線が開発課長に注がれていた。それに気づいた開発課長は白衣のポケットからUSBメモリーを取り出すと資料をスクリーンに出した。
「突然変異は加速試験の中で発見した現象です。なぜ起きるのか解明できていませんが癌化した細胞を更に観察していくと突然変異が起きました」
「原理の話は今はいらない。ミュータント化がどういうものなのかを説明して欲しい」
製造部長が割って入った。
「失礼しました。ミュータント化とは、遺伝情報に残る他の生物の特徴が顕在化する事です。勿論、拒絶反応はでません」
開発課長は自信を持って言った。
「まるで、カフカの変身だな」
「部長、大袈裟ですよ。一晩であんなになる筈がないじゃないですか。髪の毛の間から触覚が出るぐらいですよ」
開発課長の話から、自分たちが色々な意味でヤバイ状況に置かれている事を痛感した。問題なのは、全員が日産三百ユニットに『NO』と思っているが、背景は部署ごとに違う事だった。結論を急がないと空中分解しかねない。
「ホントに日産三百ユニットを造らないとダメなのか?」
製造部長は、話をまとめる前に原点回帰を図った。
「それなら、うちの部長と営業部長の話の中で出ていましたよ。若い臓器を移植するとアンチエイジングになると富裕層の間で話題になっているそうですよ」
開発課長がここだけの話的に言った。
全員の顔から罪悪感が消えていた。
「若い人がアンチエイジングはしないな」
一同、頷いていた。
「最後に確認したい。守るべきは家族」
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
カレンダー・ガール
空川億里
SF
月の地下都市にあるネオ・アキバ。そこではビースト・ハントと呼ばれるゲーム大会が盛んで、太陽系中で人気を集めていた。
優秀なビースト・ハンターの九石陽翔(くいし はると)は、やはりビースト・ハンターとして活躍する月城瀬麗音(つきしろ せれね)と恋に落ちる。
が、瀬麗音には意外な秘密が隠されていた……。
Wanderer’s Steel Heart
蒼波
SF
もう何千年、何万年前の話だ。
数多くの大国、世界中の力ある強者達が「世界の意思」と呼ばれるものを巡って血を血で洗う、大地を空の薬莢で埋め尽くす程の大戦争が繰り広げられた。命は一発の銃弾より軽く、当時、最新鋭の技術であった人型兵器「強き心臓(ストレングス・ハート)」が主軸を握ったこの惨禍の果てに人類は大きくその数を減らしていった…
【完結】タイムリープするのに代償がないとでも?
白キツネ
SF
少年・山田圭は、ある日、連絡が途絶えた彼女・本間雛を助けるためにタイムリープを経験する。けれど、タイムリープできた過去は、圭が望む過去ではなかった。
圭はより理想的なタイムリープを望み、ある人物と出会う。
圭は何を犠牲にして、理想を望むのか?その理想は本当に、圭の理想なのか?
カクヨムにも掲載しております。
重ぬ絵空は日々割れし
SyrinGa㊉
SF
物質世界の許容限界に、人は宇宙移民か仮想空間の二つに
新たな可能性を見出しそして世界は及第点のまま時代を進めていた。
2032年、塾の講師をしている”私”はひょんな事から昔のスマホを見つける。
過去の自身の決意や行動が今の自分を作り出す。”私”は何を願っていたのか。
その書き込みから見出した未来とは。
- 記憶とSNS、どちらの自分を信じますか? -
長く短い真夏の殺意
神原オホカミ【書籍発売中】
SF
人間を襲わないはずのロボットによる殺人事件。その犯行の動機と真実――
とある真夏の昼下がり、惨殺された男性の死体が見つかった。
犯人は、人間を襲わないはずの執事型ロボット。
その犯行の動機と真実とは……?
◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。
◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。
◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。
◆アルファポリスさん/エブリスタさん/カクヨムさん/なろうさんで掲載してます。
〇構想執筆:2020年、改稿投稿:2024年
ファーストコンタクト
西順
SF
2年後に小惑星が地球に衝突すると言う。そんな未来に現実味が湧かない主人公は、いつもと変わらぬ日常を送るが、それとは関係無く、周囲はどんどん変化していく。
この作品はPixiv、小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも掲載しています。
タイムスリップ チョコレート
むらさ樹
SF
勇気が出せなくて、大好きな先輩に渡せなかった手作りチョコレート
「だからこのチョコも、もういらない……っ」
投げ捨ててしまおうとした、その瞬間
「あぶない!」
「えっ!?」
そのチョコレートは時を超え、先輩のもとへと
届いていたんだ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる