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20話~39話
25:「ホラー」 キリ番
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「やだぁ、今時キリ番なんていけてない」
ちょっと大きい声に周りの食事の手が一瞬止まった。どこのグループも自分たちの話をしながらも周りの話題に聞き耳を立てていた。話がつまらなそうだと分かると、自分たちの話に戻っていた。
「そうかな? でも四桁の大台を目の前にして伸び悩んでいるのよ」
「フォロワーさん、何人いるの?」
私のスマホを開いて見せた。
「960人・・・、確かに微妙ね、フォローが1100人と言う事は相互フォローしないのが結構いるのね。でも、普通の大学生にしては多いよね」
フォロワーの一覧を見せながらスクロールした。
「歴女の繋がりが多いかな。その中でも刀剣女子が多いかも」
「なるほど、では五分で1000人フォロワーが増える秘儀を教えてあげる。腐女子でも風呂上がりの自撮りをアップすれば、飴に群がるアリの如くフォロワーが増えるわよ」
全身に突き刺さるイヤらしい視線・・・・、考えるだけで悍ましい。
「まじ、キ・モ・イ」
「でもさ、キリ番宣伝してまでフォロワー増やしてどうするの?」
何か言いたげに私の顔を覗き込んでいる。
「結構、1000人超えている人が多くてね。ちょっと・・・・」
「ふーん・・・。でもさ、キリ番宣伝していたツイッターが踏まれたとたん更新しなくなっているの知ってる?」
ニヤリと笑っている。
「そんな話、聞いた事がない」
「それでは、今の話が真実だと教えてあげましょう」
彼女は自分のスマホのツイッターを開き、『キリ番』で検索を掛けている。
「私のスマホ見て・・・、この人」
300人のキリ番宣伝のツイートの後、『もう少しでキリ番^^』のツイートで途絶えていた。
「え・・・300人でキリ番? フォロワー何人いるの?」
プロフィール画面を見るとフォロワーが300人ピッタリで止まっている。タップすると、一覧が表示された。
「色々な人がフォロワーになっているのね。でも、一月以上経っているのに更新されないなんて、どうしたのかしら?」
「実はね・・・・一月前に踏まれたの。内臓破裂の圧死だったわ」
「え? なんで?」
「飼い猫に」
彼女は人差し指で私のほっぺたを優しく押した。
「やだ、冗談でしょ? それ萌死にの間違いでしょ」
瞬き一つしないで私を見ている。
彼女は検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人はキリ番宣伝して、500人ピッタリで止まっているの。この人も内臓破裂の圧死だったわ」
覗き込んでみると、確かに500人ピッタリ。一月前に更新されてから止まっている。フォロワーをタップすると、プロフィール画像に犬が多い・・・・、
「まさか、犬に踏まれて?」
「ええ、そうよ。飼い犬に踏まれてたわ」
また、検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人もキリ番宣伝して、1000人ピッタリで止まっているの。この人のフォロワーも見る?」
思わず頷いてしまった。プロフィール画像には電気機関車や蒸気機関車が多い。
「この人は鉄女だったの? なら踏まれる心配はないよね?」
彼女はゆっくり首を横に振った。
「彼女は特急列車に轢かれたわ」
「踏まれてないよね?」
「突き落とされて轢死よ。特急列車の車輪に踏まれたのよ」
確かに、キリ番を踏まれてる。
「なんで、そんなに詳しく知っているの?って言うかキリ番のプロフィール画像がみんな一緒じゃなかった?」
彼女がにっこりと笑っている。
「この人はキリ番宣伝していて、もうじき1000人ピッタリで止まるの」
「やだ、私の・・・・踏まれるような物を趣味にしてないし」
自分のスマホの通知音が連続して鳴りだした。アイコンのバッジ数も増え始めた。
「もう一つ教えてあげる。死ぬ直前に誰かと話していたらしいわよ。あなた、私の事知らないでしょ」
「え・・・・、ウソ」
今まで普通に話をしていたけど、誰? なんで普通に話していたんだろ。込み上げて来る恐怖心に身体が硬直して動かない。
「あなた刀剣女子だから切り番ね。ごめんね。ソースのついたナイフしかなくてね」
周りで食事をしていたグループから悲鳴が轟いた。
一人ランチを食べていた女性の首がテーブルに転がり、体からは鼓動に合わせて血が噴き出ていた。
悲鳴を聞きつけ、金縛りにあったように身動き取れず凝視したままの者。
それ以外は、恐怖で硬直した身体を引きずりながらスマホを構えて集まってきた。
ちょっと大きい声に周りの食事の手が一瞬止まった。どこのグループも自分たちの話をしながらも周りの話題に聞き耳を立てていた。話がつまらなそうだと分かると、自分たちの話に戻っていた。
「そうかな? でも四桁の大台を目の前にして伸び悩んでいるのよ」
「フォロワーさん、何人いるの?」
私のスマホを開いて見せた。
「960人・・・、確かに微妙ね、フォローが1100人と言う事は相互フォローしないのが結構いるのね。でも、普通の大学生にしては多いよね」
フォロワーの一覧を見せながらスクロールした。
「歴女の繋がりが多いかな。その中でも刀剣女子が多いかも」
「なるほど、では五分で1000人フォロワーが増える秘儀を教えてあげる。腐女子でも風呂上がりの自撮りをアップすれば、飴に群がるアリの如くフォロワーが増えるわよ」
全身に突き刺さるイヤらしい視線・・・・、考えるだけで悍ましい。
「まじ、キ・モ・イ」
「でもさ、キリ番宣伝してまでフォロワー増やしてどうするの?」
何か言いたげに私の顔を覗き込んでいる。
「結構、1000人超えている人が多くてね。ちょっと・・・・」
「ふーん・・・。でもさ、キリ番宣伝していたツイッターが踏まれたとたん更新しなくなっているの知ってる?」
ニヤリと笑っている。
「そんな話、聞いた事がない」
「それでは、今の話が真実だと教えてあげましょう」
彼女は自分のスマホのツイッターを開き、『キリ番』で検索を掛けている。
「私のスマホ見て・・・、この人」
300人のキリ番宣伝のツイートの後、『もう少しでキリ番^^』のツイートで途絶えていた。
「え・・・300人でキリ番? フォロワー何人いるの?」
プロフィール画面を見るとフォロワーが300人ピッタリで止まっている。タップすると、一覧が表示された。
「色々な人がフォロワーになっているのね。でも、一月以上経っているのに更新されないなんて、どうしたのかしら?」
「実はね・・・・一月前に踏まれたの。内臓破裂の圧死だったわ」
「え? なんで?」
「飼い猫に」
彼女は人差し指で私のほっぺたを優しく押した。
「やだ、冗談でしょ? それ萌死にの間違いでしょ」
瞬き一つしないで私を見ている。
彼女は検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人はキリ番宣伝して、500人ピッタリで止まっているの。この人も内臓破裂の圧死だったわ」
覗き込んでみると、確かに500人ピッタリ。一月前に更新されてから止まっている。フォロワーをタップすると、プロフィール画像に犬が多い・・・・、
「まさか、犬に踏まれて?」
「ええ、そうよ。飼い犬に踏まれてたわ」
また、検索画面に戻りスワイプして適当にタップ。
「こっちの人もキリ番宣伝して、1000人ピッタリで止まっているの。この人のフォロワーも見る?」
思わず頷いてしまった。プロフィール画像には電気機関車や蒸気機関車が多い。
「この人は鉄女だったの? なら踏まれる心配はないよね?」
彼女はゆっくり首を横に振った。
「彼女は特急列車に轢かれたわ」
「踏まれてないよね?」
「突き落とされて轢死よ。特急列車の車輪に踏まれたのよ」
確かに、キリ番を踏まれてる。
「なんで、そんなに詳しく知っているの?って言うかキリ番のプロフィール画像がみんな一緒じゃなかった?」
彼女がにっこりと笑っている。
「この人はキリ番宣伝していて、もうじき1000人ピッタリで止まるの」
「やだ、私の・・・・踏まれるような物を趣味にしてないし」
自分のスマホの通知音が連続して鳴りだした。アイコンのバッジ数も増え始めた。
「もう一つ教えてあげる。死ぬ直前に誰かと話していたらしいわよ。あなた、私の事知らないでしょ」
「え・・・・、ウソ」
今まで普通に話をしていたけど、誰? なんで普通に話していたんだろ。込み上げて来る恐怖心に身体が硬直して動かない。
「あなた刀剣女子だから切り番ね。ごめんね。ソースのついたナイフしかなくてね」
周りで食事をしていたグループから悲鳴が轟いた。
一人ランチを食べていた女性の首がテーブルに転がり、体からは鼓動に合わせて血が噴き出ていた。
悲鳴を聞きつけ、金縛りにあったように身動き取れず凝視したままの者。
それ以外は、恐怖で硬直した身体を引きずりながらスマホを構えて集まってきた。
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