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12日目 ソラノオトシモノ
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朝ごはん彼の作ってくれたじゃがいものガレット、ナマズのつみれ汁、腸詰のボイル、人参のサラダ、を外のテラスで食べる。
朝露で化粧をした庭は、食事から顔を上げる度にキラキラと輝く。
静かな朝食をとっていると、空が騒がしい…空が?!上を向くと大きな真っ白なドラゴンが何かを追いかけている。
その正体はつかめなかったが、ドラゴンがそれを掴んで私の家の方に投げて来た。
私は水の塊を宙にいくつも作り出し、向かってきたそれを両手で受け止めるとかなり重く、尻もちを着いてしまう。
白と赤黒いそれはかなりの怪我をしていることが分かった。
血と汚れでなにかまでは断定できないが、人間では無いことが確実だ。
ヒールを使ってあげるが、1番大きいキズは治ることはなく水で血を流すと傷の上から酷い火傷をしている。
こういう傷はポーションをかけながらヒールするのがよく効く。
調合室の常備薬のポーションを持ってきて魔力を高めハイヒールを使うと辺りの草花も元気になった。
ハイヒールの途中でポーションを傷口にかけると、光が強まりまだ継続する。
ハイヒールは治るまでヒールを連続で使うと思われている魔法だが、少し意味合いが違う。
複数の傷を長時間同時に治す技である。
ヒール3回使うよりはハイヒールを使った方が体内の魔力量の減りが少ない。
お母さんの歌ってくれた子守唄を思い出して鼻歌を歌う。
傷や焼き付いた毛なんかをそったり、鱗の間の血の塊を取ってあげたりした。
この子はドラゴンの幼体だったのだ。
ドラゴンは通常ひとつの卵しか産まないが、ごく稀に2つ卵を産む。
その時は孵してどちらが強いかで決めるらしい。
選ばれなかった方のドラゴンは、母親に追い出されて二度と巣に帰ることは許されない。
そうだろうなと思ってはいたが、その光景を初めて目の当たりにした。
最後に顔を拭いてあげる。
透き通るほど真っ白の鱗に黒の産毛が生えて美しい幼体のドラゴンだ。
ドラゴンは完全に治ると目を覚まし空を見て何かを探すと小さくなってしまった。
きっとさっきの母ドラゴンが居ないかみたのだろう。
「ニャーァー!」
「大丈夫だよ」
頭に触れようとするとビクッと身を引くが、少々強引に撫でると諦めたのが撫でられるのを堪能している。
撫でたらわかったのだが、この子は生まれたばかり見たいで鱗が柔らかかった。
生まれた瞬間に、捨てられたのかと考えると少し悲しい気持ちになった。
「私がママになってあげる。ね?だから泣きやんで?」
「ミャー?」
私はナマズのつみれ汁を机の上から持ってきて目の前に置くと匂いを嗅いで食べ始めた。
初めて食べるものがこれでよかったのだろうか?
「ミャウ、ミャァ……ミャウ」
美味しいようでよかった。
足りなさそうなのでお昼にもう少しナマズを焼いてあげよう。
今更だけど、、ドラゴンって食べちゃいけないものは無いのかな?
大体の動物はネギがダメだったりするが……。
食べ終わったのか、とても満足そうな顔をしている。
すると私の足の間に入ったり、私の足にスリスリしたり猫みたいな仕草が多いなぁなんて思った。
「ねこみたいだなぁ」
「ミャア!」
「名前は……みゃー……ミャア?ミアなんでどうかな?」
「ミャ!」
「じゃあミアよろしくね?」
ミアは頭突きしてきた。
私は負けじとミアの頭をわしゃわしゃと撫でる。
夜ギンがきたのでミアのことを紹介したら白のドラゴンとは魔物の中ではとても貴重な存在らしく「へぇ」と興味無さそうな声を出したらため息をつかれた。
「すごいことなんだぞ!今の魔物の王様はすごいんだからなんだから!」
「その王様が二個卵産んでこの子を捨てたってこと?」
「白いドラゴンは沢山いるかもしれないけどよ?こんな純白なドラゴンは王様以外に見た時ねーぞ?」
「ふぅん。王様ならたった2匹くらいちゃんと育ててよって思うけどね?」
「ドラゴンの掟かなんかじゃねーのか?どんな種族でもよ?腹痛めて産んだ子供を殺したい親なんかいねーと思うぞ?ドラゴンは難産だってよく聞くしよ?」
「私にも知らないことがまだあったなんて。」
「じゃあ行くからな!1人じゃなくなったから寂しくもねーだろ?」
ギンは私の以前つぶやいた言葉を気にしてくれたのがそんなことを言うと荷物を背負ってランタンの中に入って行った。
タカヒコは今日、魔王の手がかりの洞窟に着いたそうなので、手がかりの洞窟の見取り図を描いて入れてあげた。
不安になっていたら危ないしね。
今日のハーブティは美味しいかな?寒くはないかな?怪我はしていないかな?心配が尽きない。
彼も見ているかもしれない星空に指を組み彼の無事を願う。
残り1086日
朝露で化粧をした庭は、食事から顔を上げる度にキラキラと輝く。
静かな朝食をとっていると、空が騒がしい…空が?!上を向くと大きな真っ白なドラゴンが何かを追いかけている。
その正体はつかめなかったが、ドラゴンがそれを掴んで私の家の方に投げて来た。
私は水の塊を宙にいくつも作り出し、向かってきたそれを両手で受け止めるとかなり重く、尻もちを着いてしまう。
白と赤黒いそれはかなりの怪我をしていることが分かった。
血と汚れでなにかまでは断定できないが、人間では無いことが確実だ。
ヒールを使ってあげるが、1番大きいキズは治ることはなく水で血を流すと傷の上から酷い火傷をしている。
こういう傷はポーションをかけながらヒールするのがよく効く。
調合室の常備薬のポーションを持ってきて魔力を高めハイヒールを使うと辺りの草花も元気になった。
ハイヒールの途中でポーションを傷口にかけると、光が強まりまだ継続する。
ハイヒールは治るまでヒールを連続で使うと思われている魔法だが、少し意味合いが違う。
複数の傷を長時間同時に治す技である。
ヒール3回使うよりはハイヒールを使った方が体内の魔力量の減りが少ない。
お母さんの歌ってくれた子守唄を思い出して鼻歌を歌う。
傷や焼き付いた毛なんかをそったり、鱗の間の血の塊を取ってあげたりした。
この子はドラゴンの幼体だったのだ。
ドラゴンは通常ひとつの卵しか産まないが、ごく稀に2つ卵を産む。
その時は孵してどちらが強いかで決めるらしい。
選ばれなかった方のドラゴンは、母親に追い出されて二度と巣に帰ることは許されない。
そうだろうなと思ってはいたが、その光景を初めて目の当たりにした。
最後に顔を拭いてあげる。
透き通るほど真っ白の鱗に黒の産毛が生えて美しい幼体のドラゴンだ。
ドラゴンは完全に治ると目を覚まし空を見て何かを探すと小さくなってしまった。
きっとさっきの母ドラゴンが居ないかみたのだろう。
「ニャーァー!」
「大丈夫だよ」
頭に触れようとするとビクッと身を引くが、少々強引に撫でると諦めたのが撫でられるのを堪能している。
撫でたらわかったのだが、この子は生まれたばかり見たいで鱗が柔らかかった。
生まれた瞬間に、捨てられたのかと考えると少し悲しい気持ちになった。
「私がママになってあげる。ね?だから泣きやんで?」
「ミャー?」
私はナマズのつみれ汁を机の上から持ってきて目の前に置くと匂いを嗅いで食べ始めた。
初めて食べるものがこれでよかったのだろうか?
「ミャウ、ミャァ……ミャウ」
美味しいようでよかった。
足りなさそうなのでお昼にもう少しナマズを焼いてあげよう。
今更だけど、、ドラゴンって食べちゃいけないものは無いのかな?
大体の動物はネギがダメだったりするが……。
食べ終わったのか、とても満足そうな顔をしている。
すると私の足の間に入ったり、私の足にスリスリしたり猫みたいな仕草が多いなぁなんて思った。
「ねこみたいだなぁ」
「ミャア!」
「名前は……みゃー……ミャア?ミアなんでどうかな?」
「ミャ!」
「じゃあミアよろしくね?」
ミアは頭突きしてきた。
私は負けじとミアの頭をわしゃわしゃと撫でる。
夜ギンがきたのでミアのことを紹介したら白のドラゴンとは魔物の中ではとても貴重な存在らしく「へぇ」と興味無さそうな声を出したらため息をつかれた。
「すごいことなんだぞ!今の魔物の王様はすごいんだからなんだから!」
「その王様が二個卵産んでこの子を捨てたってこと?」
「白いドラゴンは沢山いるかもしれないけどよ?こんな純白なドラゴンは王様以外に見た時ねーぞ?」
「ふぅん。王様ならたった2匹くらいちゃんと育ててよって思うけどね?」
「ドラゴンの掟かなんかじゃねーのか?どんな種族でもよ?腹痛めて産んだ子供を殺したい親なんかいねーと思うぞ?ドラゴンは難産だってよく聞くしよ?」
「私にも知らないことがまだあったなんて。」
「じゃあ行くからな!1人じゃなくなったから寂しくもねーだろ?」
ギンは私の以前つぶやいた言葉を気にしてくれたのがそんなことを言うと荷物を背負ってランタンの中に入って行った。
タカヒコは今日、魔王の手がかりの洞窟に着いたそうなので、手がかりの洞窟の見取り図を描いて入れてあげた。
不安になっていたら危ないしね。
今日のハーブティは美味しいかな?寒くはないかな?怪我はしていないかな?心配が尽きない。
彼も見ているかもしれない星空に指を組み彼の無事を願う。
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