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8日目 晴れやかモーニング
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昨日私は泣き疲れてしまって、そのままソファに寝ていたと思ったらベットに移動していた。
彼が運んでくれたのだろう。
朝起きいつも通りフレッシュハーブティーを作った。
この家が好きだがいつもよりこの家が好きになった。
朝露が輝き、時々魚が跳ねる音がした。
今度地下に畑を作ろうと決めた。
朝ごはんはシンプルにナマズのムニエルと、じゃがいものポタージュ、トマトソースとチーズだけのピザ風パンに、サラダ2種。
湖の外を見ると丸太になった木が積まれている。
枝なんかもきって仕分けされている…、というか誰かが仕分けをしていた。
急いでその者の元に向かうと、タカヒコだった。
「おはようよく寝れたかな?」
「はい、とっても…ですが、これは?」
「もう少しで終わるので、やってしまおうかと思いまして…」
「もう少しで終わるようには思えませんが…」
「あれ?そうですか?…本当だ…」
「ふふふ、変な人、ご飯出来ましたよ?」
「直ぐに行きます。」
机を拭いて料理を用意して、ホットハーブティを入れて机に持っていくと同時にタカヒコは席に着いた。
ふとタカヒコの手が見えると手は真っ赤に擦りむけていた。
「これ!?木で?」
「見つかってしまいましたか、」
「見えてください。」
タカヒコの両手を優しく持ち魔力を高めて、治癒のイメージをする。
こんなことになるなら、頼まなきゃ良かったかな?私自身が淡く光だし、魔力が高まったので「ヒール」を使う。
「なんだこれ?」
「ヒールですけど?」
「いや違う。ヒールの上位互換だね、これは。ヒールとなにかの効果がある。」
「とりあえず、ご飯にしましょう?」
「そう、だな。」
私は聖女だ。
聖女とは治癒の技で穢れを払い勇者に力を与える存在。
彼がヒールの上位互換と言ったということは彼は勇者だということ、彼には魔王を倒すという使命があるはず。
この家から連れ出されてしまうかもしれない…。
食事をとるにも、とても重い空気で、その重い空気を破ったのはタカヒコだった。
「シュリーさんは聖女様なんですね。」
「………えぇ。」
「俺は幸せですね。」
「え?」
「シュリーさんを幸せにできるなんて。」
「どういうこと?」
「俺は運命というのもは『魔王』だと思っています。俺はそれを殺します。そうすれば貴方が俺と結婚してくれると言うなら。俺はそれを必ず果たします。今までの繰り返しの人生で魔王を倒したことは無かったんじゃないですか?」
「そういえば、……そうですね。」
「なら俺があなたの呪縛を解きますから結婚してください。」
「わかったわ。期待してるわ。」
「大船に乗ったつもりでいてください。俺のお姫様。」
「お姫様って…大袈裟ね。」
ご飯を食べて昨日の途中だった橋を完成させて、
木を丸太にしていたらあっという間に時間はすぎて夜になった。
タカヒコが言っていた肉じゃがというものを作ってみた。
醤油というち調味料がないので、似た豆を発酵させて作った調味料で作ってみたらとても喜んで食べてくれた。
いつかはもっと美味しく作ると言ったらこの肉じゃががいいと言ってくれた。
とてもいい日だった。
「明後日から1週間程でかけることにする。」
「わかったわ。」
寂しいななんて口に出来ないけど、俯くと頬を撫でられた。
私か首を傾げると、今度は頭を撫でてくれた。
「そんな悲しい顔しないで?大丈夫だ。ここから2日程ののダンジョンで、魔王の手がかりが見つかった。俺が行かないといけないんだ。」
「わかってる。サリマのダンジョンだよね。私もできる限りのものを渡すわ。何度も同じ人生の繰り返しをしているの。大体どこに何があるかなんてわかるから。」
「ありがとう。………え?じゃあ魔王の手がかりがどこにあるか全部知っているのか?」
「ええ知っているわよ?」
タカヒコは頭を抱えてしまった。
あ、そっか、魔王の手がかりの場所全部教えてあげればいいのよね?よぉし頑張っちゃうぞ!
残り1089日
彼が運んでくれたのだろう。
朝起きいつも通りフレッシュハーブティーを作った。
この家が好きだがいつもよりこの家が好きになった。
朝露が輝き、時々魚が跳ねる音がした。
今度地下に畑を作ろうと決めた。
朝ごはんはシンプルにナマズのムニエルと、じゃがいものポタージュ、トマトソースとチーズだけのピザ風パンに、サラダ2種。
湖の外を見ると丸太になった木が積まれている。
枝なんかもきって仕分けされている…、というか誰かが仕分けをしていた。
急いでその者の元に向かうと、タカヒコだった。
「おはようよく寝れたかな?」
「はい、とっても…ですが、これは?」
「もう少しで終わるので、やってしまおうかと思いまして…」
「もう少しで終わるようには思えませんが…」
「あれ?そうですか?…本当だ…」
「ふふふ、変な人、ご飯出来ましたよ?」
「直ぐに行きます。」
机を拭いて料理を用意して、ホットハーブティを入れて机に持っていくと同時にタカヒコは席に着いた。
ふとタカヒコの手が見えると手は真っ赤に擦りむけていた。
「これ!?木で?」
「見つかってしまいましたか、」
「見えてください。」
タカヒコの両手を優しく持ち魔力を高めて、治癒のイメージをする。
こんなことになるなら、頼まなきゃ良かったかな?私自身が淡く光だし、魔力が高まったので「ヒール」を使う。
「なんだこれ?」
「ヒールですけど?」
「いや違う。ヒールの上位互換だね、これは。ヒールとなにかの効果がある。」
「とりあえず、ご飯にしましょう?」
「そう、だな。」
私は聖女だ。
聖女とは治癒の技で穢れを払い勇者に力を与える存在。
彼がヒールの上位互換と言ったということは彼は勇者だということ、彼には魔王を倒すという使命があるはず。
この家から連れ出されてしまうかもしれない…。
食事をとるにも、とても重い空気で、その重い空気を破ったのはタカヒコだった。
「シュリーさんは聖女様なんですね。」
「………えぇ。」
「俺は幸せですね。」
「え?」
「シュリーさんを幸せにできるなんて。」
「どういうこと?」
「俺は運命というのもは『魔王』だと思っています。俺はそれを殺します。そうすれば貴方が俺と結婚してくれると言うなら。俺はそれを必ず果たします。今までの繰り返しの人生で魔王を倒したことは無かったんじゃないですか?」
「そういえば、……そうですね。」
「なら俺があなたの呪縛を解きますから結婚してください。」
「わかったわ。期待してるわ。」
「大船に乗ったつもりでいてください。俺のお姫様。」
「お姫様って…大袈裟ね。」
ご飯を食べて昨日の途中だった橋を完成させて、
木を丸太にしていたらあっという間に時間はすぎて夜になった。
タカヒコが言っていた肉じゃがというものを作ってみた。
醤油というち調味料がないので、似た豆を発酵させて作った調味料で作ってみたらとても喜んで食べてくれた。
いつかはもっと美味しく作ると言ったらこの肉じゃががいいと言ってくれた。
とてもいい日だった。
「明後日から1週間程でかけることにする。」
「わかったわ。」
寂しいななんて口に出来ないけど、俯くと頬を撫でられた。
私か首を傾げると、今度は頭を撫でてくれた。
「そんな悲しい顔しないで?大丈夫だ。ここから2日程ののダンジョンで、魔王の手がかりが見つかった。俺が行かないといけないんだ。」
「わかってる。サリマのダンジョンだよね。私もできる限りのものを渡すわ。何度も同じ人生の繰り返しをしているの。大体どこに何があるかなんてわかるから。」
「ありがとう。………え?じゃあ魔王の手がかりがどこにあるか全部知っているのか?」
「ええ知っているわよ?」
タカヒコは頭を抱えてしまった。
あ、そっか、魔王の手がかりの場所全部教えてあげればいいのよね?よぉし頑張っちゃうぞ!
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