4 / 19
3日目 タカヒコ side
しおりを挟む
俺は目を覚ますと見なれぬ天井の暖かい雰囲気のある木の家のソファにいた。
鼻をくすぐったのは香ばしい香り。
そしてお腹の虫がぐおぉとなり恥ずかしくてお腹を直ぐに抑えた。
誰にも聞かれていないかと周りを見ると台所に髪の長い白く太陽の反射で桃色に輝く美しい髪を持つ女がいた。
一瞬老婆か?と勘違いしてしまったが、その美しい一つ一つの所作や少しおっちょこちょいなのかなと思う行動に心が締め付けられるような感覚になった。
トントントンと包丁とまな板とが当たる音が耳心地良くて自分が無意識に立ち上がって彼女の元に向かっていることに気づいたのは自分が声を上げた時だった。
彼女はとても美しい。
「貴方は……?」
彼女が振り返ると花のような桃のような香りがふわりと香った気がした。
「えっ?」
彼女の声は鈴のような声でまた心が締め付けられるような気がした。
彼女が振り返えった。
彼女の瞳はオパールを深い海に沈めたような色合いで、とても美しく、鼻は小さく、唇は淡い薔薇色。
とても美しい。
彼女ははっとしにこにこしながら話しかけてくる。
「お目覚めになりましたか?」
「あっすみませんお世話になってます?」
「ふふふ、お世話させていただいております。シュリーです。」
名前も美しいなんて、彼女は女神の生まれ変わりだろうか?それとも伝説の聖女様?とか?
笑顔は優しくて、こんな血だらけの俺に話しかけてくれるのもきっと、女神が聖女様だからだ。
「タカヒコです。」
「変わったお名前ですね。」
「そうですよねこの辺では聞きませんよね、遠い東の島国から来たので……」
「……………………そぅ。」
彼女との会話で間が空いてしまった。
変なことは言っていないと思うが、俺の国は確かに今まで鎖国をしてきた国だったが俺がこの世に生まれてから何かと他の国と交流し始めたよう。
変に思っただろうか?
彼女は「パン」と手を叩くとまた笑顔になった。
彼女の笑顔は、きっと、治癒の能力があるに違いない。
「お腹すいていませんか?朝ごはんにしましょ!遠いお国から来られた方のお口に合うかどうか不安ですが……頑張って作ったのでぜひ食べてみてください」
「ありがとうございます。いただきますね。」
彼女の作った料理は俺の故郷のごはんよりは豪華では無いが、私が旅している中ではいちばん豪華な食事だと思った。
それよりも何よりもこんなに美味しそうな匂いもしているのだから美味しくないわけが無い。
「とても美味しそうですね。こんな豪華な食事にありつけるとは思いませんでした。」
「そうですね。私は朝ごはんと夜ご飯しか基本食べないのでこのくらい食べますが、病み上がりだと思うので無理そうなら残してもらって大丈夫ですよ!」
「ありがとうございます。どんなに礼を言っても足りませんね……。」
「いただきます。」
彼女がキョトンとした顔でこっちを見ている。
納得いくと俺も彼女に話し始める。
だいたい初めて食事する時「いただきます」の説明を始める。
「あ、ああ。いただきますですよね?いただきますは私たちの文化で、料理を作ってくれた人や食材、今日も食事をありがとう、今この時間をありがとうということで『いただきます』と食事の前につけるんですよ。」
「それはいい文化ですね。」
彼女も真似して、フォークを置いて手を合わせて「いただきます」と言ってくれた。
なんとも言えない高揚感に彼女を見つめてしまうと、彼女が微笑み俺はつい顔を背けた。
彼女から目が離せない。
ただフォークで刺して口に運んでいるだけなのにその行為から目を話すことが出来ない。
しかも彼女の料理はとても美味しい。
自分は好き嫌いが激しく、初めて食べるものばかりなのにパクパクと自然と口に運べた。
野菜を本何食べたのも初めてた
彼女が農業をすると言うので俺も一緒について行く。
こんな美しい彼女の手を煩わせる事なんてさせては行けないと思ったが彼女の畑の世話はすべてが魔法で完結するもので俺の力なんてひとつも要らなかった。
魔法で苗を作ってしまったり。
魔法で畑を作ってしまったり。
魔法で草を抜いてしまったり。
できないことは無いのでは?と思ったが魔法でもできないことがあったので俺は抜いた草を集めて箱の中に入れたり、魚を捕まえた罠を引きあげたりした。
「貴方はすごい魔法使いですね」
「そうですか?私はただ魔法に長けてる魔法使いですよ。」
「そうですか。そういうことにしておきましょう。」
そうか、俺はあなたに恋してるのか。
鼻をくすぐったのは香ばしい香り。
そしてお腹の虫がぐおぉとなり恥ずかしくてお腹を直ぐに抑えた。
誰にも聞かれていないかと周りを見ると台所に髪の長い白く太陽の反射で桃色に輝く美しい髪を持つ女がいた。
一瞬老婆か?と勘違いしてしまったが、その美しい一つ一つの所作や少しおっちょこちょいなのかなと思う行動に心が締め付けられるような感覚になった。
トントントンと包丁とまな板とが当たる音が耳心地良くて自分が無意識に立ち上がって彼女の元に向かっていることに気づいたのは自分が声を上げた時だった。
彼女はとても美しい。
「貴方は……?」
彼女が振り返ると花のような桃のような香りがふわりと香った気がした。
「えっ?」
彼女の声は鈴のような声でまた心が締め付けられるような気がした。
彼女が振り返えった。
彼女の瞳はオパールを深い海に沈めたような色合いで、とても美しく、鼻は小さく、唇は淡い薔薇色。
とても美しい。
彼女ははっとしにこにこしながら話しかけてくる。
「お目覚めになりましたか?」
「あっすみませんお世話になってます?」
「ふふふ、お世話させていただいております。シュリーです。」
名前も美しいなんて、彼女は女神の生まれ変わりだろうか?それとも伝説の聖女様?とか?
笑顔は優しくて、こんな血だらけの俺に話しかけてくれるのもきっと、女神が聖女様だからだ。
「タカヒコです。」
「変わったお名前ですね。」
「そうですよねこの辺では聞きませんよね、遠い東の島国から来たので……」
「……………………そぅ。」
彼女との会話で間が空いてしまった。
変なことは言っていないと思うが、俺の国は確かに今まで鎖国をしてきた国だったが俺がこの世に生まれてから何かと他の国と交流し始めたよう。
変に思っただろうか?
彼女は「パン」と手を叩くとまた笑顔になった。
彼女の笑顔は、きっと、治癒の能力があるに違いない。
「お腹すいていませんか?朝ごはんにしましょ!遠いお国から来られた方のお口に合うかどうか不安ですが……頑張って作ったのでぜひ食べてみてください」
「ありがとうございます。いただきますね。」
彼女の作った料理は俺の故郷のごはんよりは豪華では無いが、私が旅している中ではいちばん豪華な食事だと思った。
それよりも何よりもこんなに美味しそうな匂いもしているのだから美味しくないわけが無い。
「とても美味しそうですね。こんな豪華な食事にありつけるとは思いませんでした。」
「そうですね。私は朝ごはんと夜ご飯しか基本食べないのでこのくらい食べますが、病み上がりだと思うので無理そうなら残してもらって大丈夫ですよ!」
「ありがとうございます。どんなに礼を言っても足りませんね……。」
「いただきます。」
彼女がキョトンとした顔でこっちを見ている。
納得いくと俺も彼女に話し始める。
だいたい初めて食事する時「いただきます」の説明を始める。
「あ、ああ。いただきますですよね?いただきますは私たちの文化で、料理を作ってくれた人や食材、今日も食事をありがとう、今この時間をありがとうということで『いただきます』と食事の前につけるんですよ。」
「それはいい文化ですね。」
彼女も真似して、フォークを置いて手を合わせて「いただきます」と言ってくれた。
なんとも言えない高揚感に彼女を見つめてしまうと、彼女が微笑み俺はつい顔を背けた。
彼女から目が離せない。
ただフォークで刺して口に運んでいるだけなのにその行為から目を話すことが出来ない。
しかも彼女の料理はとても美味しい。
自分は好き嫌いが激しく、初めて食べるものばかりなのにパクパクと自然と口に運べた。
野菜を本何食べたのも初めてた
彼女が農業をすると言うので俺も一緒について行く。
こんな美しい彼女の手を煩わせる事なんてさせては行けないと思ったが彼女の畑の世話はすべてが魔法で完結するもので俺の力なんてひとつも要らなかった。
魔法で苗を作ってしまったり。
魔法で畑を作ってしまったり。
魔法で草を抜いてしまったり。
できないことは無いのでは?と思ったが魔法でもできないことがあったので俺は抜いた草を集めて箱の中に入れたり、魚を捕まえた罠を引きあげたりした。
「貴方はすごい魔法使いですね」
「そうですか?私はただ魔法に長けてる魔法使いですよ。」
「そうですか。そういうことにしておきましょう。」
そうか、俺はあなたに恋してるのか。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

三度目の嘘つき
豆狸
恋愛
「……本当に良かったのかい、エカテリナ。こんな嘘をついて……」
「……いいのよ。私に新しい相手が出来れば、周囲も殿下と男爵令嬢の仲を認めずにはいられなくなるわ」
なろう様でも公開中ですが、少し構成が違います。内容は同じです。

[完]出来損ない王妃が死体置き場に捨てられるなんて、あまりにも雑で乱暴です
小葉石
恋愛
国の周囲を他国に囲まれたガーナードには、かつて聖女が降臨したという伝承が残る。それを裏付ける様に聖女の血を引くと言われている貴族には時折不思議な癒しの力を持った子供達が生まれている。
ガーナードは他国へこの子供達を嫁がせることによって聖女の国としての威厳を保ち周辺国からの侵略を許してこなかった。
各国が虎視眈々とガーナードの侵略を図ろうとする中、かつて無いほどの聖女の力を秘めた娘が侯爵家に生まれる。ガーナード王家はこの娘、フィスティアを皇太子ルワンの皇太子妃として城に迎え王妃とする。ガーナード国王家の安泰を恐れる周辺国から執拗に揺さぶりをかけられ戦果が激化。国王となったルワンの側近であり親友であるラートが戦場から重傷を負って王城へ帰還。フィスティアの聖女としての力をルワンは期待するが、フィスティアはラートを癒すことができず、ラートは死亡…親友を亡くした事と聖女の力を謀った事に激怒し、フィスティアを王妃の座から下ろして、多くの戦士たちが運ばれて来る死体置き場へと放り込む。
死体の中で絶望に喘ぐフィスティアだが、そこでこその聖女たる力をフィスティアは発揮し始める。
王の逆鱗に触れない様に、身を隠しつつ死体置き場で働くフィスティアの前に、ある日何とかつての夫であり、ガーナード国国王ルワン・ガーナードの死体が投げ込まれる事になった……………!
*グロテスクな描写はありませんので安心してください。しかし、死体と言う表現が多々あるかと思いますので苦手な方はご遠慮くださいます様によろしくお願いします。

「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。

ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ
中小路かほ
恋愛
君と出会って、世界が変わった。
初めての恋も、
まぶしいくらいの青春も、
かけがえのない思い出も、
諦めたくない夢も、
すべて君が教えてくれた。
ありがとう、大好きな君へ。
そして、ばいばい。
大好きだった君へ。
引っ越してきたばかりの孤独な女の子
桜庭 莉子
(Riko Sakuraba)
×
まっすぐすぎる野球バカ
矢野 大河
(Taiga Yano)

百度目は相打ちで
豆狸
恋愛
「エスポージト公爵家のアンドレア嬢だな。……なにがあった? あんたの目は死線を潜り抜けたものだけが持つ光を放ってる。王太子殿下の婚約者ってのは、そんなに危険な生活を送ってるのか? 十年前、聖殿で会ったあんたはもっと幸せそうな顔をしていたぞ」
九十九回繰り返して、今が百度目でも今日は今日だ。
私は明日を知らない。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる