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【翻訳】の才能
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魔法貴族アルデハイム家は先祖代々、優秀な魔法使いを輩出してきた名家である。
アルデハイム家に生まれた者は5歳になると才能適性の鑑定が行われる。
才能によって魔法の上達具合は大きく異なるため、この鑑定結果はアルデハイム家の誰もが注目していた。
今日、アルデハイム家の長男であるノアは5歳になり、才能適性の鑑定が行われる。
ノアの父親にして、アルデハイム家の現当主──ヒルデガンドがノアに期待しているのは【攻撃魔法】【属性魔法】の才能適性だった。
攻撃魔法と属性魔法は魔法使いの主な攻撃手段となる。
この才能があれば、強い魔法使いへと成長していけるのだ。
同じ【攻撃魔法】の才能があったとしても、その中で良し悪しは存在するが、アルデハイム家は魔法使いの中でも超良血統。
優れた才能を継承する可能性は非常に高かった。
更に欲を言えば、【精霊魔法】や【召喚魔法】といった扱う難易度が高い魔法の才能だ。
しかし、そこまで高望みする必要はないだろう、とヒルデガンドは考えていた。
屋敷の一室。
ノアのために超一流の鑑定士を招き入れ、寸分の狂いもない鑑定がされていた。
鑑定士は鑑定が終わると、額からたらり、と汗が滲み出ていた。
しばらくの間、鑑定結果を言わずに黙っていた。
ノアはその様子を不思議そうに見ていた。
そして自分の才能は一体なんなのか、淡い期待を寄せていた。
ノアとは対称に、ヒルデガンドは鑑定士の様子を見て恐ろしくなった。
(まさか……ノアには才能が無いのか……?)
その緊張が鑑定士に伝わる。
鑑定士は更に言い出しづらくなる。
「貴様……。早く結果を言いなさい。ノアの才能は一体なんだと言うのだ!」
ついにヒルデガンドは怒りを露わにした。
鑑定士はゆっくりと重たい口を開いた。
「ノ、ノア君の才能は……【翻訳】……だけです……」
「な、な……なんだと……!?」
ヒルデガンドは目を大きく開けて、その場で立ち尽くしていた。
──これはアルデハイム家で異例の事態だったのだ。
魔法の才能がない。
それはすなわち、魔法を使えないということ。
呆然とするヒルデガンドだったが、その気持ちは徐々に怒りに変わっていった。
「父上……どうかしたのですか?」
ノアも幼いながらにして、父親の自分を見る目が変わったことを感じ取った。
「ノア……よくも俺の顔に泥を塗ってくれたな……」
「ち、父上……」
ヒルデガンドはノアに近付き、その頬を平手で叩いた。
パチン、と音が鳴り、ノアの頬が赤くなった。
「黙れ! 貴様は俺の子ではないッ!」
ヒルデガンドはそう怒鳴り、部屋から去って行った。
鑑定士は困惑しながらもヒルデガンドの後を追って行く。
取り残されたノアは泣き崩れたが、泣き声をあげることはなかった。
父親に「黙れ!」と言われたからだ。
ノアはそれを忠実に守っていた。
部屋には、
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
と、静かに連呼する幼い声が響いていた。
◇
この一件からノアはアルデハイム家の者から冷遇されるようになった。
最低限の教育もせずに、食事を与えるだけ。
屋敷に仕える者はノアの世話すらしなかった。
ヒルデガンドが使用人達にノアの世話をすれば解雇する、と伝えていたからだ。
それほどまでに何の罪もない我が子に対してヒルデガンドは激怒していた。
ノアは良い子でいるように努力したが、誰からも褒められることはなかった。
そして、父親に叩かれ、怒鳴られたときのことを毎日思い出していた。
ふとした瞬間に思い出し、ノアは涙を流した。
誰からも相手にされないノアは書庫でよく本を読んだ。
本を読んでいる間だけは余計なことを考えずに済んだからだ。
ノアは文字の読み書きを教えてもらってはいなかった。
だが、文字を見ただけですぐに出来るようになった。
文章の理解力も常人の何倍、何十倍と優れていて、すぐに本の内容を理解することが出来た。
5歳の子供が読まないような分厚い本をノアは夢中で読んでいた。
ある日、ノアは庭で不思議な石板を発見した。
かなりの時の流れを感じさせる石板で苔が生えていた。
石板には見たこともない文字が刻まれていた。
石板の文字を見たノアはしばらくの間、石板を凝視した。
「この文字……すごく難しい」
ノアは今までどんな言語でもすぐに理解してきたが、この文字だけは一向に理解できる気がしなかった。
結局、その日は石板の文字を理解することが出来なかった。
それからノアは時間さえあれば石板の前にやってきて、解読をしていた。
……一ヶ月が経った頃、ようやくノアは石板の文字を解読した。
「書庫の本を裏面の通りに入れ替えろ……?」
ノアは石板の裏面を見ると、そこにも同じ言語の文字が書かれていた。
20冊の本を入れ替え先とその順番が書かれていた。
ノアはそれをメモして、実際に本を入れ替えてみた。
すると、書庫にあった本棚はひとりでに動き、その先には通路が続いていた。
「凄い……」
ノアはそう呟いて、その先に進んで行った。
先に進むと、本棚は元の位置に戻った。
(何もしていないのに……)
ノアは不思議に思った。
通路は暗くなったが、すぐに壁に埋め込まれていた魔照石が青白く光った。
(なんだか怖いなぁ……)
そう思ったノアだったが、恐怖よりも好奇心が勝った。
通路を進んでいくと、木の扉があった。
扉の上には石板と同じ言語で『隠し書庫』と記されていた。
ノアはワクワクする気持ちを抑えて、深呼吸をしてから扉を開けた。
部屋の中に入ると、本の独特なにおいがノアの鼻腔をくすぐった。
ノアが入ると、部屋は明るくなった。
通路のような青白い光ではなく、昼白色の光だった。
部屋の中には10個の本棚があった。
ここが古い場所だとノアは感覚的に分かったが、埃が一つもないから不思議だった。
ノアは本棚から一冊の本を手に取った。
本の題名は『古代魔法の導入』というもの。
ノアは既に自然にこの言語を読めていた。
そしてこの日から隠し書庫の魔導書を読むことがノアの日課になった。
アルデハイム家に生まれた者は5歳になると才能適性の鑑定が行われる。
才能によって魔法の上達具合は大きく異なるため、この鑑定結果はアルデハイム家の誰もが注目していた。
今日、アルデハイム家の長男であるノアは5歳になり、才能適性の鑑定が行われる。
ノアの父親にして、アルデハイム家の現当主──ヒルデガンドがノアに期待しているのは【攻撃魔法】【属性魔法】の才能適性だった。
攻撃魔法と属性魔法は魔法使いの主な攻撃手段となる。
この才能があれば、強い魔法使いへと成長していけるのだ。
同じ【攻撃魔法】の才能があったとしても、その中で良し悪しは存在するが、アルデハイム家は魔法使いの中でも超良血統。
優れた才能を継承する可能性は非常に高かった。
更に欲を言えば、【精霊魔法】や【召喚魔法】といった扱う難易度が高い魔法の才能だ。
しかし、そこまで高望みする必要はないだろう、とヒルデガンドは考えていた。
屋敷の一室。
ノアのために超一流の鑑定士を招き入れ、寸分の狂いもない鑑定がされていた。
鑑定士は鑑定が終わると、額からたらり、と汗が滲み出ていた。
しばらくの間、鑑定結果を言わずに黙っていた。
ノアはその様子を不思議そうに見ていた。
そして自分の才能は一体なんなのか、淡い期待を寄せていた。
ノアとは対称に、ヒルデガンドは鑑定士の様子を見て恐ろしくなった。
(まさか……ノアには才能が無いのか……?)
その緊張が鑑定士に伝わる。
鑑定士は更に言い出しづらくなる。
「貴様……。早く結果を言いなさい。ノアの才能は一体なんだと言うのだ!」
ついにヒルデガンドは怒りを露わにした。
鑑定士はゆっくりと重たい口を開いた。
「ノ、ノア君の才能は……【翻訳】……だけです……」
「な、な……なんだと……!?」
ヒルデガンドは目を大きく開けて、その場で立ち尽くしていた。
──これはアルデハイム家で異例の事態だったのだ。
魔法の才能がない。
それはすなわち、魔法を使えないということ。
呆然とするヒルデガンドだったが、その気持ちは徐々に怒りに変わっていった。
「父上……どうかしたのですか?」
ノアも幼いながらにして、父親の自分を見る目が変わったことを感じ取った。
「ノア……よくも俺の顔に泥を塗ってくれたな……」
「ち、父上……」
ヒルデガンドはノアに近付き、その頬を平手で叩いた。
パチン、と音が鳴り、ノアの頬が赤くなった。
「黙れ! 貴様は俺の子ではないッ!」
ヒルデガンドはそう怒鳴り、部屋から去って行った。
鑑定士は困惑しながらもヒルデガンドの後を追って行く。
取り残されたノアは泣き崩れたが、泣き声をあげることはなかった。
父親に「黙れ!」と言われたからだ。
ノアはそれを忠実に守っていた。
部屋には、
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
と、静かに連呼する幼い声が響いていた。
◇
この一件からノアはアルデハイム家の者から冷遇されるようになった。
最低限の教育もせずに、食事を与えるだけ。
屋敷に仕える者はノアの世話すらしなかった。
ヒルデガンドが使用人達にノアの世話をすれば解雇する、と伝えていたからだ。
それほどまでに何の罪もない我が子に対してヒルデガンドは激怒していた。
ノアは良い子でいるように努力したが、誰からも褒められることはなかった。
そして、父親に叩かれ、怒鳴られたときのことを毎日思い出していた。
ふとした瞬間に思い出し、ノアは涙を流した。
誰からも相手にされないノアは書庫でよく本を読んだ。
本を読んでいる間だけは余計なことを考えずに済んだからだ。
ノアは文字の読み書きを教えてもらってはいなかった。
だが、文字を見ただけですぐに出来るようになった。
文章の理解力も常人の何倍、何十倍と優れていて、すぐに本の内容を理解することが出来た。
5歳の子供が読まないような分厚い本をノアは夢中で読んでいた。
ある日、ノアは庭で不思議な石板を発見した。
かなりの時の流れを感じさせる石板で苔が生えていた。
石板には見たこともない文字が刻まれていた。
石板の文字を見たノアはしばらくの間、石板を凝視した。
「この文字……すごく難しい」
ノアは今までどんな言語でもすぐに理解してきたが、この文字だけは一向に理解できる気がしなかった。
結局、その日は石板の文字を理解することが出来なかった。
それからノアは時間さえあれば石板の前にやってきて、解読をしていた。
……一ヶ月が経った頃、ようやくノアは石板の文字を解読した。
「書庫の本を裏面の通りに入れ替えろ……?」
ノアは石板の裏面を見ると、そこにも同じ言語の文字が書かれていた。
20冊の本を入れ替え先とその順番が書かれていた。
ノアはそれをメモして、実際に本を入れ替えてみた。
すると、書庫にあった本棚はひとりでに動き、その先には通路が続いていた。
「凄い……」
ノアはそう呟いて、その先に進んで行った。
先に進むと、本棚は元の位置に戻った。
(何もしていないのに……)
ノアは不思議に思った。
通路は暗くなったが、すぐに壁に埋め込まれていた魔照石が青白く光った。
(なんだか怖いなぁ……)
そう思ったノアだったが、恐怖よりも好奇心が勝った。
通路を進んでいくと、木の扉があった。
扉の上には石板と同じ言語で『隠し書庫』と記されていた。
ノアはワクワクする気持ちを抑えて、深呼吸をしてから扉を開けた。
部屋の中に入ると、本の独特なにおいがノアの鼻腔をくすぐった。
ノアが入ると、部屋は明るくなった。
通路のような青白い光ではなく、昼白色の光だった。
部屋の中には10個の本棚があった。
ここが古い場所だとノアは感覚的に分かったが、埃が一つもないから不思議だった。
ノアは本棚から一冊の本を手に取った。
本の題名は『古代魔法の導入』というもの。
ノアは既に自然にこの言語を読めていた。
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