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三章
沼の底 5
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「落ち着きましたか。」
海斗はそう電話越しに声をかける。
彼の耳には、先ほどよりは落ち着いてきた、すすり泣く声が小さくなってきたように感じられていた。
「その、どうして。」
電話口からは、何も言わずにただ、泣いているような音が聞こえ続けていたが、それが収まった合間に、そんな声が彼の耳に届く。
どうして、そう聞かれたところで、彼にもほとんど答えようがない。
どうして、伊澄が消えたのか、分からない。
どうして、調査対象が消えたのか、分からない。
どうして、こんなことが起こっているのか、分からない。
どうして、彼はこんなにも落ち着いた振る舞いをとれるのか。
さて、電話口の彼女の問いは、どれだろうか。最後の一つだけであれば、彼にも答えが返せるだけの何かがある。
憶測で応えず、彼は相手が言葉を続けるのを待つ。なんとなく、そうしたほうがいいだろうと、そういった予想もあった。
電話口から、相手が泣いている、そう判断するだけの音が聞こえなくなったころ、ついに、相手はその言葉の先を話すことはなかった。
ただ、相手の言葉は、彼にとっては、答えに窮するものであることに変わりはなかった。
「その、一体何なんでしょう、これは。人が消えるだなんて、それに、みんな忘れて。私も、忘れて。
もし、私が忘れたら、もう、みんな忘れて。誰も探さなくなって。
そしたら、いないのが当たり前になって。」
「仰りたいことはわかります。少し落ち着きましょう。
難しいかもしれませんが、ひとまず何度か、深呼吸でもしましょう。」
依頼人は、性根が良いのか、それとも人から言われれば抵抗できないのか。恐らく後者だろうが。
彼の言葉の通り、深呼吸を行う音が電話越しにも聞こえる。
それを待って、彼はこれまで調べた事、これまでは調査中であったり、どういった人物に確認をとったか、それだけを伝えていたが、一度すべてを公開しようと、そう決める。
受け止めきれるかどうか、そこに確かに不安はあるが、そもそも彼一人で抱え込んだところで、忘れてしまえば、記録が消えれば、全てなかったことになるのだ。
「さて、これまでお話ししていなかった部分ですね。
今からお話しさせていただきます。どうか、落ち着いて最後まで聞いてください。
正直、疑問に思うことも多く在るでしょう、ですが、私も今のところ明確な答えを持っていません。
ですので、質問をされても、ほとんどの事には回答できません。
調査を依頼されておきながら、申し訳なく思いますが。」
「えと、はい。分かりました。その、私こそ、慌ててしまって。
そうですよね、こんな事、調べようがないですよね。」
彼の言葉に、依頼人が慌てたようにそんなことを口にする。
その様子で、彼は今伝えた内容が、まるで調査を打ち切り、現状の報告で仕事を終える、そう取れないこともない、無理に考えれば、そのようにも判断できるかもしれないと、そう考え、慌てて続けて話す。
「いえ、依頼は継続させて頂きます。ここで手を引くことはありません、それこそ忘れてしまわない限り。
この意味は、お判りいただけますか。」
彼がそう続ければ、電話口から、息を呑むような音が聞こえる。
少なくとも、今依頼人と彼の間には、明確な共通点が二つある。
調査対象と伊澄の間は不明だが、消えた人間の身近に二人ともいて、さらに足首の訳の分からない痣。
もしも消えた二人にも、この痣があったのだとしたら、特に調査対象は消える直前に、体調を崩して学校を休んだと、そう聞いている。この痣が、消える人間の共通点かもしれない。
それに思い至ったのだろう。
「それでは、お話しさせていただきます。
後程、改めて報告書も送らせていただきます。」
彼は、そう告げると、これまでの調査結果。
誰に話を聞き、誰がそう答えたのか。
それを、事実として並び立てる。
そして、夜道で見た、訳の分からない物、それに遭遇した翌日に、伊澄が消えた、そのことまで。
全てを伝えた彼は、煙草に火をつけ、大きく吸い込む。
その間も、電話口から、何かの返答が聞こえてくることはない。
まだまだ、年若い。それこそ夢に見た彼と同じ時分、直ぐに消化することは難しいだろう。
彼が二本目の煙草を、灰皿に捨てたそのころに、ようやく電話口から声が聞こえてくる。
「その、ありがとうございます。
正直、ここまで、調べて頂けてると、思ってなくて。」
「仕事ですから。」
彼としても、そう答えるしかない。
実際に、あまりに奇妙な出来事に、何故だかわからないが、この案件を優先し、無理に調べていたところはあるが、それをわざわざ知らせる必要はないだろう。
「いえ、ありがとうございます。
その、それで、手、でしたっけ。私、そんなは見てないです。」
そして、依頼人からは、彼が出会った、事件に巻き込まれた原因かもしれない、それに、見覚えがないという。
では、彼女の足の痣は、一体何が付けたというのか。
「成程、分かりました。
教えていただきありがとうございます。」
「その、もし見かけたら、連絡しますね。」
「いえ、無いほうがありがたいのですが。」
それは、彼の本心からの言葉でもある。
「そうですけど。分かりました。その、また、何かあったら。」
「はい、調査段階でも、何か進展があれば、ご連絡させていただきます。」
それでは、そういって、彼は電話を切る。
そして、大きなため息をついた。
会話につかれたこともあるが、何よりも人に話、改めて現状を整理すれば、あまりにもわかっていることが少ないと、そう改めて思い知らされた気分になった。
いや、そもそも、今後も調査を続けるつもりはあるのだが、こんなわけのわからない事態を、どうすればいいのか、どうしてもその気持ちがぬぐえない。
それに、電話で話、依頼人の状況を聞くにつけても、不信感が募ってしまう。
話を持ち込んだ相手、関わり始めてから、彼の周りで起きる、明らかに異常な事態。しかし話を持ってきた当の本人は、痣は存在するものの、それ以外には何もないという。
加えて、あの臆病そうな、おどおどとした相手が、訳の分からない痣があったからと、それだけを伝えるために、彼に電話をする、そんな行動を起こせるのだろうか。
それに、かれですら忘れた伊澄、それを少し話しただけで、それこそ名前を伝えただけで、どうして思い出すことができたのか。
調査対象のクラスメイト、そんな人物ですら、写真を見て、しばらく話して、それから出なければ思い出せなかったというのに。
口元から昇る煙を見ながら、彼はただそんなことを考える。
昇る煙が、どこかに消えていくように、人が消える。気にすれば、見えないが、そこに何かあったとわかる、まさにそのような事態。
持ち込んだ、あの依頼人は、本当に無関係なのだろうか。
そこまで考えて、彼は煙草と一緒に、その考えをもみつぶす。
疑ったところで、どうしようもないのだ。
調査対象はもとより、伊澄にしても、探さなければいけないことには変わりない。
ただ、依頼人、その本人も調べてみようか、そんなことを考えながら、彼は約束した調査報告書をの作成を始める。
口頭では簡単に伝えたが、書類として送るのであれば、それなりに整え鵜必要がある。
つけっぱなしになっていた、パソコンに向かい、箇条書きで纏められている情報を、前後関係を明確にしながら、何故それを行ったのか、結果として何が分かったのか、そういった所感を付け加えながら、書き記していく。
口頭でも短時間で終わったそれは、一時間もせずに書きあがり、彼は、それを携帯のアプリ経由で、相手に送っておく。
そして、彼は再び考える、これから、何を調査していくのか。
結局のところ、分からない事ばかりで、調べても、話を聞いても、聞いた相手はその存在を思い出すだけで、何故その人物が消えてしまったのか、それに思い至ることはない。
仮に、それがあったとしても、自称オカルト研究者の世迷いごとの域を出るものではないだろう。
そこで、彼はふと思いつく。
調査対象の両親は忘れていたが、伊澄の両親はどうであろうかと。
彼に、あそこまで熱心に礼を伝えるほどに、彼女を大事にしていた両親であれば、突然連絡の取れなくなった娘を心配しているかもしれない。
そう考え、彼は彼女の両親に確認してみよう、そう電話を手に取って、そこで動きを止める。
そもそも、連絡先など知らなったから。
慌てて、入社の際に彼女に書いてもらった、緊急連絡先、それが記載されているはずの書類を探す。
重要書類の保管されている棚を開け、その中の書類を一枚づつ確認する、その他の書類、次の場所と、一か所づつ確認していくが、しかし、それもどこかに消えてしまっていた。
そんな彼の耳元、消えたはずの彼女の声が聞こえた気がした。
「ほら、やっぱり。あなたにとっての私は、やっぱりその程度じゃないですか。」
海斗はそう電話越しに声をかける。
彼の耳には、先ほどよりは落ち着いてきた、すすり泣く声が小さくなってきたように感じられていた。
「その、どうして。」
電話口からは、何も言わずにただ、泣いているような音が聞こえ続けていたが、それが収まった合間に、そんな声が彼の耳に届く。
どうして、そう聞かれたところで、彼にもほとんど答えようがない。
どうして、伊澄が消えたのか、分からない。
どうして、調査対象が消えたのか、分からない。
どうして、こんなことが起こっているのか、分からない。
どうして、彼はこんなにも落ち着いた振る舞いをとれるのか。
さて、電話口の彼女の問いは、どれだろうか。最後の一つだけであれば、彼にも答えが返せるだけの何かがある。
憶測で応えず、彼は相手が言葉を続けるのを待つ。なんとなく、そうしたほうがいいだろうと、そういった予想もあった。
電話口から、相手が泣いている、そう判断するだけの音が聞こえなくなったころ、ついに、相手はその言葉の先を話すことはなかった。
ただ、相手の言葉は、彼にとっては、答えに窮するものであることに変わりはなかった。
「その、一体何なんでしょう、これは。人が消えるだなんて、それに、みんな忘れて。私も、忘れて。
もし、私が忘れたら、もう、みんな忘れて。誰も探さなくなって。
そしたら、いないのが当たり前になって。」
「仰りたいことはわかります。少し落ち着きましょう。
難しいかもしれませんが、ひとまず何度か、深呼吸でもしましょう。」
依頼人は、性根が良いのか、それとも人から言われれば抵抗できないのか。恐らく後者だろうが。
彼の言葉の通り、深呼吸を行う音が電話越しにも聞こえる。
それを待って、彼はこれまで調べた事、これまでは調査中であったり、どういった人物に確認をとったか、それだけを伝えていたが、一度すべてを公開しようと、そう決める。
受け止めきれるかどうか、そこに確かに不安はあるが、そもそも彼一人で抱え込んだところで、忘れてしまえば、記録が消えれば、全てなかったことになるのだ。
「さて、これまでお話ししていなかった部分ですね。
今からお話しさせていただきます。どうか、落ち着いて最後まで聞いてください。
正直、疑問に思うことも多く在るでしょう、ですが、私も今のところ明確な答えを持っていません。
ですので、質問をされても、ほとんどの事には回答できません。
調査を依頼されておきながら、申し訳なく思いますが。」
「えと、はい。分かりました。その、私こそ、慌ててしまって。
そうですよね、こんな事、調べようがないですよね。」
彼の言葉に、依頼人が慌てたようにそんなことを口にする。
その様子で、彼は今伝えた内容が、まるで調査を打ち切り、現状の報告で仕事を終える、そう取れないこともない、無理に考えれば、そのようにも判断できるかもしれないと、そう考え、慌てて続けて話す。
「いえ、依頼は継続させて頂きます。ここで手を引くことはありません、それこそ忘れてしまわない限り。
この意味は、お判りいただけますか。」
彼がそう続ければ、電話口から、息を呑むような音が聞こえる。
少なくとも、今依頼人と彼の間には、明確な共通点が二つある。
調査対象と伊澄の間は不明だが、消えた人間の身近に二人ともいて、さらに足首の訳の分からない痣。
もしも消えた二人にも、この痣があったのだとしたら、特に調査対象は消える直前に、体調を崩して学校を休んだと、そう聞いている。この痣が、消える人間の共通点かもしれない。
それに思い至ったのだろう。
「それでは、お話しさせていただきます。
後程、改めて報告書も送らせていただきます。」
彼は、そう告げると、これまでの調査結果。
誰に話を聞き、誰がそう答えたのか。
それを、事実として並び立てる。
そして、夜道で見た、訳の分からない物、それに遭遇した翌日に、伊澄が消えた、そのことまで。
全てを伝えた彼は、煙草に火をつけ、大きく吸い込む。
その間も、電話口から、何かの返答が聞こえてくることはない。
まだまだ、年若い。それこそ夢に見た彼と同じ時分、直ぐに消化することは難しいだろう。
彼が二本目の煙草を、灰皿に捨てたそのころに、ようやく電話口から声が聞こえてくる。
「その、ありがとうございます。
正直、ここまで、調べて頂けてると、思ってなくて。」
「仕事ですから。」
彼としても、そう答えるしかない。
実際に、あまりに奇妙な出来事に、何故だかわからないが、この案件を優先し、無理に調べていたところはあるが、それをわざわざ知らせる必要はないだろう。
「いえ、ありがとうございます。
その、それで、手、でしたっけ。私、そんなは見てないです。」
そして、依頼人からは、彼が出会った、事件に巻き込まれた原因かもしれない、それに、見覚えがないという。
では、彼女の足の痣は、一体何が付けたというのか。
「成程、分かりました。
教えていただきありがとうございます。」
「その、もし見かけたら、連絡しますね。」
「いえ、無いほうがありがたいのですが。」
それは、彼の本心からの言葉でもある。
「そうですけど。分かりました。その、また、何かあったら。」
「はい、調査段階でも、何か進展があれば、ご連絡させていただきます。」
それでは、そういって、彼は電話を切る。
そして、大きなため息をついた。
会話につかれたこともあるが、何よりも人に話、改めて現状を整理すれば、あまりにもわかっていることが少ないと、そう改めて思い知らされた気分になった。
いや、そもそも、今後も調査を続けるつもりはあるのだが、こんなわけのわからない事態を、どうすればいいのか、どうしてもその気持ちがぬぐえない。
それに、電話で話、依頼人の状況を聞くにつけても、不信感が募ってしまう。
話を持ち込んだ相手、関わり始めてから、彼の周りで起きる、明らかに異常な事態。しかし話を持ってきた当の本人は、痣は存在するものの、それ以外には何もないという。
加えて、あの臆病そうな、おどおどとした相手が、訳の分からない痣があったからと、それだけを伝えるために、彼に電話をする、そんな行動を起こせるのだろうか。
それに、かれですら忘れた伊澄、それを少し話しただけで、それこそ名前を伝えただけで、どうして思い出すことができたのか。
調査対象のクラスメイト、そんな人物ですら、写真を見て、しばらく話して、それから出なければ思い出せなかったというのに。
口元から昇る煙を見ながら、彼はただそんなことを考える。
昇る煙が、どこかに消えていくように、人が消える。気にすれば、見えないが、そこに何かあったとわかる、まさにそのような事態。
持ち込んだ、あの依頼人は、本当に無関係なのだろうか。
そこまで考えて、彼は煙草と一緒に、その考えをもみつぶす。
疑ったところで、どうしようもないのだ。
調査対象はもとより、伊澄にしても、探さなければいけないことには変わりない。
ただ、依頼人、その本人も調べてみようか、そんなことを考えながら、彼は約束した調査報告書をの作成を始める。
口頭では簡単に伝えたが、書類として送るのであれば、それなりに整え鵜必要がある。
つけっぱなしになっていた、パソコンに向かい、箇条書きで纏められている情報を、前後関係を明確にしながら、何故それを行ったのか、結果として何が分かったのか、そういった所感を付け加えながら、書き記していく。
口頭でも短時間で終わったそれは、一時間もせずに書きあがり、彼は、それを携帯のアプリ経由で、相手に送っておく。
そして、彼は再び考える、これから、何を調査していくのか。
結局のところ、分からない事ばかりで、調べても、話を聞いても、聞いた相手はその存在を思い出すだけで、何故その人物が消えてしまったのか、それに思い至ることはない。
仮に、それがあったとしても、自称オカルト研究者の世迷いごとの域を出るものではないだろう。
そこで、彼はふと思いつく。
調査対象の両親は忘れていたが、伊澄の両親はどうであろうかと。
彼に、あそこまで熱心に礼を伝えるほどに、彼女を大事にしていた両親であれば、突然連絡の取れなくなった娘を心配しているかもしれない。
そう考え、彼は彼女の両親に確認してみよう、そう電話を手に取って、そこで動きを止める。
そもそも、連絡先など知らなったから。
慌てて、入社の際に彼女に書いてもらった、緊急連絡先、それが記載されているはずの書類を探す。
重要書類の保管されている棚を開け、その中の書類を一枚づつ確認する、その他の書類、次の場所と、一か所づつ確認していくが、しかし、それもどこかに消えてしまっていた。
そんな彼の耳元、消えたはずの彼女の声が聞こえた気がした。
「ほら、やっぱり。あなたにとっての私は、やっぱりその程度じゃないですか。」
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