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36章 忙しなく過行く
続くのは
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いよいよ主菜とでもいえばいいのだろうか、集められた冬も近づく中での大量のこの時期ならではの魚介。それらをふんだんに使い、トマトを基本として煮込んだスープ。加えて、トモエが乾物の中からいくつかの海藻を、河で摂れることもあり別の名で呼ぶべきかもしれないが、昆布によく似た昆布としか思えない植物を使って出汁を引いた鍋と。それらが供されることもあって、オユキはまずはとばかりに戦と武技に向けて内心で声をかける。
此処には、御身に備えるべきものがあるのだと、楽しんでほしい物があるのだと。木々と狩猟、異空と流離に関しては少し前からアイリスと三狐神が陣取る場に現れており、それに遅れる様にしていくつかの柱が。
「久しい、という程ではないか」
「ええ、数日前におよび立てさせていただき、その折にお姿は拝見させていただきましたから」
「此度の事の褒美、それについてはその方の懸念の一つ、それを我らで解決をしようと決まってな。我を祀る教会に既に置いてある。明日にでも、その方につく助祭が持ち込んでくるであろう」
「誓願祭の衣装ですか。それは、確かにありがたく」
「うむ」
ここ暫くオユキの、というよりも誰も彼もが悩んでいたものの一つとして誓願祭でオユキが身に付ける衣装があった。
ヴァレリーに関しては、王族でもあり、戦と武技の神殿にて勤めを行う正式な戦と武技の巫女。こちらは、所謂伝統的な装束を身に付けると決まっており、それにしてもきちんと持ち込んでいる。問題としては、聞けば、四大祭りそれぞれに合わせて巫女が着るべき衣装があるのだとそういう話。こちらの教会で務めている者たちも、戦と武技の教会で務めている者たちにしても、武国の神殿での勤めを行っているわけではない。それが必要ではないのかと考えはするのだが、そもそもここは神国であり、始まりの教会を有していることもある。色々と特別なのだと言われれば、確かに納得するしかない。
では、その武国や魔国では、他国ではどうなっているのかといえば、かつてに派遣された者たちから伝えていったもの、それを細々と守って、継いで暮らしてきているのだとそういう話であった。こちらの、始まりの町の司祭が行ったように、界をhじぇだてる奇跡を用いて、何某かを行っているのではないかとオユキは尋ねてみたのだがそれに関しては返答がない辺り推して知るべしとでもいえばいいのか。
「今度の物には、私も少し手を加えているわ。生地に関しても、任せていればいつも同じものばかりだもの」
「御身にも、改めて感謝を」
「ただ、装飾として戦と武技ばかりではなくなるから、そこは」
「巫女としての格、位、それにかんしては戦と武技、それに変わりは」
「ないわ。これまでの事、その感謝も込めてと姉さまをはじめとして、他にも」
「月と安息の柱から、ですか」
オユキとしては、その名が出てくるたびに、どうにも警戒してしまう。幸い、この場にはいないのだが、それに関しては忙しくしているのか、それともより効果的な場を狙っているのか。
「姉さまの悪癖に警戒するのは分かるけれど、私がこうして降りてこられるのは姉さまのおかげでもあるのだから、そこまで悪く考えないで欲しいのよね」
「それは、その、申し訳なく思いますが」
「仕方ないのは、分かるつもりよ。姉さまも、貴女相手には随分と露骨に振る舞うんだもの」
それは、オユキを特別視しているからと言う事なのかもしれないが、是非ともやめて欲しいと、オユキはその感想しか出てこない。勿論、こちらに来るにあたって取り合いがあった、彼の神が、積極的にという話は聞いた。安息を得るために、今も確実に守られている週に二日の休みであったり、こうして己の祖となるらしき相手、それとの時間であったりをと気を使われているのは分かる。他の神々に選ばれていた者たち、そちらに対してかなりの無理を通した結果トモエとオユキの周りを整えるために用意されたのだと言う事も、確かにわかる。
感謝は確かに。しかし、それ以上に警戒する心を止めることが出来ないでいる。あまりにも、明確な理由を持っているからこそ。
「それは一先ず置くとして、さて、本題となるのだがな」
「本題、ですか。先ほどの、此度の、先の陛下のお言葉の折の事ではなく」
オユキとしては、本家戦と武技の巫女、この人物の衣装と見劣りしないものが得られると分かった、それだけでも十分すぎる程ではある。先の大会に関しては、無難な、それこそ公務だと分かるよく似た衣装で揃っていたものだ。だが、今度の四大祭は違う。感謝祭の日取りが正式に決まれば五大となるだろうとは聞いているのだが、ダンジョンを作れる領主ばかりではにというのが未だに問題となっているだとかそういう問題ではない。
テトラポダからの巫女、アイリス。
武国からの巫女、ヴァレリー。
この二人と、神国の巫女オユキとして並ばねばならない。
揃いの衣装で、少々見劣りするくらいであれば、オユキの年齢をもって言い訳とすることもできる。だが、異なる衣装をそれぞれに身に付けてというのであれば、いよいよどうにもならない。体系から、見劣りするのだ、他の二人に比べて。公的な行事、そこで背丈の問題もあって、神国の巫女と言う事もあって、オユキが基本三人で並ぶときには中央に立つのだが、頭二つどころではなく低いオユキの身長。加えて、よくいえば華奢な造りの体では迫力と呼ぶべきものが不足する。
神々から与えられた衣装、それを身に纏う以上は周囲からとやかく言われても、それをもって返答とすることが出来る。今まさに頭を抱えている者たち、その者たちにとっては非常に嬉しい事になるだろう。代理としてシェリアに頼む等と言う事も出来ないのだから。
「それは、まぁ確かに褒美としてという側面もあるにはある。だが、もう少しその方に依ったものだ」
「私に、ですか」
「うむ。近々、その方の前に現れる一人の異邦人、それに関してだな」
「ああ。つまり、レジス候の下に、やはり」
「その問題を、トモエが望むというのであれば、その方が望むというのであれば、一時の奇跡を与えよう。しかし、負荷は、その方にかかる負荷はかなり重たい物となる。結果は分かってはいるが、よく話し合っておくが良い」
「それは、まぁ、想像の通りではありますが」
そのあたりは、いよいよ想定通り。
意外な事と言えばいいのか、トモエの願いをかなえられる機会が、一つの奇跡の形として与えられる。間違いなく、かつての世界で一門のどころではない武芸者。その人物との立ち合いの機会が、正式な立ち合いの機会を得られるというのであれば、それはオユキとしても願ってもいない事。
「私が、その奇跡を望んだとして、例えばその場で」
「それに関しても問題はない。いくつかの前提はあるが、界が変わる。故に、そこで治らぬ傷を得るのだとしても、肉体的には治らぬ傷であれども、傷がつくのはその方らの目に入るものではない」
「カナリアさんに、頼まねばならぬ事ですか」
「故に、そうした場を作る、本来であれば司祭以上の物が行える事ではある故、諸々足りぬその方は、相応の覚悟をもって行う事になる」
「色々と、頼める方はいますから、以前ほど治るまでの期間は」
そう、氷の乙女の長、オユキの体調を劇的に改善できる人物がいる。
「我が、こうして警告するほど、その意味を努々忘れるな」
「それは」
甘い考えで、治らぬ怪我、それを抱えた物に一時の奇跡を与えるという願い。その場にトモエがいる、トモエというたった一人の人間のためだけに願う、それが出来るというのをこうしてオユキに知らせて、さらに覚悟を求める。払うべき代償について、対価について一切口にされることが無い。
成程、それは試しで行うのも、恐怖を覚えるようなことだ。だが、ヒントとでもいえばいいのだろうか、誓願祭が近い事もある、その日までの残りを考えれば、その日に行わねばならない事を考えれば。
「日取りに関しては祭りの後にせよ」
「畏まりました」
ああ、成程。誓願祭から新年祭までは、短いとはいえ寝込むには十分すぎる期間がある。そして、オユキからその話をトモエに伝えた上で、そこできちんと話し合いをせよと言う事であるらしい。
なんとなれば、今度ばかりはカナリアに加えて、セツナまでを交えて話をしなければならないのかもしれない。そして、戦と武技の言葉が、オユキの緊張が確かにトモエに届いているようで、そちらの方向からはまた異なる凄みを感じる。オユキにしても、背筋に冷たい物を感じると、そういえばいいのだろうか。
トモエは、少年たちと並んで、すっかりと色々な海産物を網焼きにして楽しんでいる処ではあるのだが、それでもきちんと話を聞いているらしい。そして、オユキと同席している相手、その人物たちに関しては、不安げにというよりも既にいつもの事と諦めている様子。何より、今後の事その細かい流れを色々と考えているといったところなのだろう。マリーア公爵からは、当然の如く色々と聞かれることになるだろうが。
「さて、こちらの席でも」
「うむ。我はその方も既に知っているであろうが」
「ああ、言われてみれば」
確かに、戦と武技の神、その中に含まれる中には最源流の神格、海神としての物が含まれている。つまりは、こうして今楽しんでいる物、オユキ用にと用意された小鍋の中に満たされている物、鱈を主として、他にもいくらかのキノコと根菜、葉物が淹れられている鍋だけでなく。魚介の類を、この柱が嫌うことなど確かにないだろう。寧ろ、好むからこそ、こうして冬と眠りに対して急かしてと言う事でもあるのだろうから。
「我にしても、好んでいる物として色々と伝えたくはあるのだがな」
「いま、お伺いしてもよろしければ」
「生憎と、色々と制限もある。冬と眠りにしても、己の好む物を軽々に伝えておるまい」
「そういえば、そうですか。想像がつくもの、それを基本として供えさせていただいてはおりますが」
そのあたり、神々といえど色々と制約のあるものらしい。確かに、人ばかりではなく神々にしても色々と縛られているのだと考えれば、オユキのほうでもやはり自制は必要だとそんな事を考えるばかり。
ここ暫く、それこそ、すっかりと己の体に自由が利くようになったこと、それをこうして楽しめた事。それも、そろそろ終わりなのかと、オユキはそんな事を予感して。
此処には、御身に備えるべきものがあるのだと、楽しんでほしい物があるのだと。木々と狩猟、異空と流離に関しては少し前からアイリスと三狐神が陣取る場に現れており、それに遅れる様にしていくつかの柱が。
「久しい、という程ではないか」
「ええ、数日前におよび立てさせていただき、その折にお姿は拝見させていただきましたから」
「此度の事の褒美、それについてはその方の懸念の一つ、それを我らで解決をしようと決まってな。我を祀る教会に既に置いてある。明日にでも、その方につく助祭が持ち込んでくるであろう」
「誓願祭の衣装ですか。それは、確かにありがたく」
「うむ」
ここ暫くオユキの、というよりも誰も彼もが悩んでいたものの一つとして誓願祭でオユキが身に付ける衣装があった。
ヴァレリーに関しては、王族でもあり、戦と武技の神殿にて勤めを行う正式な戦と武技の巫女。こちらは、所謂伝統的な装束を身に付けると決まっており、それにしてもきちんと持ち込んでいる。問題としては、聞けば、四大祭りそれぞれに合わせて巫女が着るべき衣装があるのだとそういう話。こちらの教会で務めている者たちも、戦と武技の教会で務めている者たちにしても、武国の神殿での勤めを行っているわけではない。それが必要ではないのかと考えはするのだが、そもそもここは神国であり、始まりの教会を有していることもある。色々と特別なのだと言われれば、確かに納得するしかない。
では、その武国や魔国では、他国ではどうなっているのかといえば、かつてに派遣された者たちから伝えていったもの、それを細々と守って、継いで暮らしてきているのだとそういう話であった。こちらの、始まりの町の司祭が行ったように、界をhじぇだてる奇跡を用いて、何某かを行っているのではないかとオユキは尋ねてみたのだがそれに関しては返答がない辺り推して知るべしとでもいえばいいのか。
「今度の物には、私も少し手を加えているわ。生地に関しても、任せていればいつも同じものばかりだもの」
「御身にも、改めて感謝を」
「ただ、装飾として戦と武技ばかりではなくなるから、そこは」
「巫女としての格、位、それにかんしては戦と武技、それに変わりは」
「ないわ。これまでの事、その感謝も込めてと姉さまをはじめとして、他にも」
「月と安息の柱から、ですか」
オユキとしては、その名が出てくるたびに、どうにも警戒してしまう。幸い、この場にはいないのだが、それに関しては忙しくしているのか、それともより効果的な場を狙っているのか。
「姉さまの悪癖に警戒するのは分かるけれど、私がこうして降りてこられるのは姉さまのおかげでもあるのだから、そこまで悪く考えないで欲しいのよね」
「それは、その、申し訳なく思いますが」
「仕方ないのは、分かるつもりよ。姉さまも、貴女相手には随分と露骨に振る舞うんだもの」
それは、オユキを特別視しているからと言う事なのかもしれないが、是非ともやめて欲しいと、オユキはその感想しか出てこない。勿論、こちらに来るにあたって取り合いがあった、彼の神が、積極的にという話は聞いた。安息を得るために、今も確実に守られている週に二日の休みであったり、こうして己の祖となるらしき相手、それとの時間であったりをと気を使われているのは分かる。他の神々に選ばれていた者たち、そちらに対してかなりの無理を通した結果トモエとオユキの周りを整えるために用意されたのだと言う事も、確かにわかる。
感謝は確かに。しかし、それ以上に警戒する心を止めることが出来ないでいる。あまりにも、明確な理由を持っているからこそ。
「それは一先ず置くとして、さて、本題となるのだがな」
「本題、ですか。先ほどの、此度の、先の陛下のお言葉の折の事ではなく」
オユキとしては、本家戦と武技の巫女、この人物の衣装と見劣りしないものが得られると分かった、それだけでも十分すぎる程ではある。先の大会に関しては、無難な、それこそ公務だと分かるよく似た衣装で揃っていたものだ。だが、今度の四大祭は違う。感謝祭の日取りが正式に決まれば五大となるだろうとは聞いているのだが、ダンジョンを作れる領主ばかりではにというのが未だに問題となっているだとかそういう問題ではない。
テトラポダからの巫女、アイリス。
武国からの巫女、ヴァレリー。
この二人と、神国の巫女オユキとして並ばねばならない。
揃いの衣装で、少々見劣りするくらいであれば、オユキの年齢をもって言い訳とすることもできる。だが、異なる衣装をそれぞれに身に付けてというのであれば、いよいよどうにもならない。体系から、見劣りするのだ、他の二人に比べて。公的な行事、そこで背丈の問題もあって、神国の巫女と言う事もあって、オユキが基本三人で並ぶときには中央に立つのだが、頭二つどころではなく低いオユキの身長。加えて、よくいえば華奢な造りの体では迫力と呼ぶべきものが不足する。
神々から与えられた衣装、それを身に纏う以上は周囲からとやかく言われても、それをもって返答とすることが出来る。今まさに頭を抱えている者たち、その者たちにとっては非常に嬉しい事になるだろう。代理としてシェリアに頼む等と言う事も出来ないのだから。
「それは、まぁ確かに褒美としてという側面もあるにはある。だが、もう少しその方に依ったものだ」
「私に、ですか」
「うむ。近々、その方の前に現れる一人の異邦人、それに関してだな」
「ああ。つまり、レジス候の下に、やはり」
「その問題を、トモエが望むというのであれば、その方が望むというのであれば、一時の奇跡を与えよう。しかし、負荷は、その方にかかる負荷はかなり重たい物となる。結果は分かってはいるが、よく話し合っておくが良い」
「それは、まぁ、想像の通りではありますが」
そのあたりは、いよいよ想定通り。
意外な事と言えばいいのか、トモエの願いをかなえられる機会が、一つの奇跡の形として与えられる。間違いなく、かつての世界で一門のどころではない武芸者。その人物との立ち合いの機会が、正式な立ち合いの機会を得られるというのであれば、それはオユキとしても願ってもいない事。
「私が、その奇跡を望んだとして、例えばその場で」
「それに関しても問題はない。いくつかの前提はあるが、界が変わる。故に、そこで治らぬ傷を得るのだとしても、肉体的には治らぬ傷であれども、傷がつくのはその方らの目に入るものではない」
「カナリアさんに、頼まねばならぬ事ですか」
「故に、そうした場を作る、本来であれば司祭以上の物が行える事ではある故、諸々足りぬその方は、相応の覚悟をもって行う事になる」
「色々と、頼める方はいますから、以前ほど治るまでの期間は」
そう、氷の乙女の長、オユキの体調を劇的に改善できる人物がいる。
「我が、こうして警告するほど、その意味を努々忘れるな」
「それは」
甘い考えで、治らぬ怪我、それを抱えた物に一時の奇跡を与えるという願い。その場にトモエがいる、トモエというたった一人の人間のためだけに願う、それが出来るというのをこうしてオユキに知らせて、さらに覚悟を求める。払うべき代償について、対価について一切口にされることが無い。
成程、それは試しで行うのも、恐怖を覚えるようなことだ。だが、ヒントとでもいえばいいのだろうか、誓願祭が近い事もある、その日までの残りを考えれば、その日に行わねばならない事を考えれば。
「日取りに関しては祭りの後にせよ」
「畏まりました」
ああ、成程。誓願祭から新年祭までは、短いとはいえ寝込むには十分すぎる期間がある。そして、オユキからその話をトモエに伝えた上で、そこできちんと話し合いをせよと言う事であるらしい。
なんとなれば、今度ばかりはカナリアに加えて、セツナまでを交えて話をしなければならないのかもしれない。そして、戦と武技の言葉が、オユキの緊張が確かにトモエに届いているようで、そちらの方向からはまた異なる凄みを感じる。オユキにしても、背筋に冷たい物を感じると、そういえばいいのだろうか。
トモエは、少年たちと並んで、すっかりと色々な海産物を網焼きにして楽しんでいる処ではあるのだが、それでもきちんと話を聞いているらしい。そして、オユキと同席している相手、その人物たちに関しては、不安げにというよりも既にいつもの事と諦めている様子。何より、今後の事その細かい流れを色々と考えているといったところなのだろう。マリーア公爵からは、当然の如く色々と聞かれることになるだろうが。
「さて、こちらの席でも」
「うむ。我はその方も既に知っているであろうが」
「ああ、言われてみれば」
確かに、戦と武技の神、その中に含まれる中には最源流の神格、海神としての物が含まれている。つまりは、こうして今楽しんでいる物、オユキ用にと用意された小鍋の中に満たされている物、鱈を主として、他にもいくらかのキノコと根菜、葉物が淹れられている鍋だけでなく。魚介の類を、この柱が嫌うことなど確かにないだろう。寧ろ、好むからこそ、こうして冬と眠りに対して急かしてと言う事でもあるのだろうから。
「我にしても、好んでいる物として色々と伝えたくはあるのだがな」
「いま、お伺いしてもよろしければ」
「生憎と、色々と制限もある。冬と眠りにしても、己の好む物を軽々に伝えておるまい」
「そういえば、そうですか。想像がつくもの、それを基本として供えさせていただいてはおりますが」
そのあたり、神々といえど色々と制約のあるものらしい。確かに、人ばかりではなく神々にしても色々と縛られているのだと考えれば、オユキのほうでもやはり自制は必要だとそんな事を考えるばかり。
ここ暫く、それこそ、すっかりと己の体に自由が利くようになったこと、それをこうして楽しめた事。それも、そろそろ終わりなのかと、オユキはそんな事を予感して。
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