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33章 神国へ戻って
食事をしながら
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珍しく、ここ暫く、それこそいよいよこちらに来てからは初めての事だろうか。オユキの前には、トモエの手によって用意された品ばかりが並ぶ。これほどうれしい事は、なかなか無いものだと何やら妙な納得を己の内に作って。久しぶりに、こうした食事を、トモエの用意した物ばかりを口にするからだろうか。オユキは己の内で、何か満たされていくものがあるのだとはっきりと自覚する。これは、これまでに無いものだと、そんな事を考えながらもただただ有難い事だと己の伴侶に改めて内心で感謝をして。
「凡その事は分かりましたが、その私たちとしてはといいますか、ファンタズマ子爵家、戦と武技の巫女としても」
「ふむ、何かあったか」
「今回、急ぎで戻る事となった大きな理由として、ですね」
そして、オユキから改めてこちらに戻る事になった武国の者たちの無法について説明をする。当然、合わせて正式に抗議を行ってきたそれも魔国の王妃からも併せてとそうした話を。
「何とも」
「王兄殿下は、一体あちらで何をなさっているのでしょうか」
「言ってやるな。あの者にしても、色々となさねばならぬこともあり、警戒もされていようからな」
「それにしても、他国に赴く者たちの選定、風土に合わせた振る舞いなどを」
オユキが、ここまでの間、特に神国において諸々の事柄を基本的にはただ受け入れてきた人物が。はっきりと、腹に据えかねる対応をされたと明言するのだ。それも、隣国の王妃迄巻き込んで、そちらから否定が無いのだという情報と合わせて。
「マリーア公爵には一応、先ぶれとして書簡を。合わせて私からも、改めてご報告にと」
そして、そこまでの対応をするほどの事があり、今も思い出せば少々気分が悪いとばかりにオユキは話す。それもそのはず。休むためにと向かった先で、日毎門前で騒ぎを起こされて、それを認める者たちなど居るはずもない。これが、己の領地や、そこで生まれた陳情というのであればまだ納得のいくものではあるのだが、いよいよもって他国。それも、外交用の施設として貸し出されている場所に。かつての世界に照らし合わせれば、大使館の前で、騒ぎを起こしている物たちだ。それも抗議であれば、まだ多少の理解は、それでも顰蹙を買うというのに。
「それが良かろう」
「ですが、そのあとはオユキさん、どうお考えかしら」
「ウニルで改めて、ですか」
どうにも、前公爵夫人は、オユキを強く引き留める意思があるようす。どうにも、理解が出来ぬとオユキは首をかしげる物だが、改めて、検討をしてみる。正直な所、此処までの道中であれば、オユキにはそのような余裕などなかった。ウニルには、門番がいない。つまりは、武国の者たちがまた要らぬ騒ぎを起こす可能性が、高いのだ。こうして報告をしたというのに、考えろ等と何を言っているのかと検討の余地も無く切り捨てたことだろう。
だが、今ばかりは久しぶりにトモエの料理がオユキの前に並んでおり、久しぶりだとそんな事を考えて。さらには、今後に向けて己の種族、一部というよりも強く性質として持っている物の長から間違いなく助けが得られると分かっていることもある。
要は、こちらに来てから、非常に珍しいほどには機嫌がいいのだ。今のオユキは。
それが、トモエとセツナには間違いなく伝わっているし、少年たちにしても何やらオユキが珍しくよ喜色を浮かべていると気が付いている。
「悪くはないかと思います、トモエさんもこちらで手に入るものを気に入っていますし。ですが、始まりの町から急げば馬車で一日の距離と言う事もありますから」
ウニルで過ごすことの際たる利点と言えばいいのだろうか、それは間違いなくトモエの喜ぶ、トモエが好きな食材となる魔物がこの場には多い事だろう。だが、現状はオユキがというよりもマリーア公爵との契約によってカナリアが、側についていることもある。冷凍して輸送することも可能であるし、大量輸送が叶う装備すらある。始まりの町の屋敷にさえ持ち帰ってしまえば、痛む前に持ち帰ることが出来れば、後はそこで改めて冷凍すれば方が付くのだ。
では、他の利点はと言えば、始まりの町よりは、こちらの方がまだいくらか魔物が強い。さらには、その魔物にしてもトモエが好んでいる物が多い。魚介がいれば、キノコもある。強いて言えば、少々森が遠い事が難点だろうか。だが、そちらにしても始まりの町から果物などは運んで貰えば問題が無い。
この町には、クララとイマノルもおり、世話を焼いた二人でもある。そちらと改めて縁を得て、もしくは時間をきちんと使って。それも良いだろう。
だが、大きな欠点とでもいえばいいのだろうか。この町絵クラスと言う事は、居を構えると言う事はただでさえ少ない使用人を分けなければならないと言う事になる。勿論、距離が近いからと無理に移動を頼むこともできるだろう。始まりの町の屋敷にしても、トモエとオユキがあちらで暮らすことを前提とする以上は、やはり維持が必要なのだから。
「ただ、総合して考えたときに、やはり一時的なといいますか」
「うむ。近場であるしな、別荘程度の考えでよかろう。その方の考えの中で、不安に思ったところと言えば、屋敷の維持くらいか」
「そちらについては、最低限を人に頼んで、こちらである程度の期間をと考えたときに人を遣るのが良いでしょう」
「それは、成程」
どうにも、高々一日程度の距離に別邸を。その様な事を、オユキはこれまでとてもではないが考えていなかった。だが、宿泊施設をと考えたときに、確かにこのウニルの町では色々と間に合っていない。気の早い者たちが、すっかりとこの町を拠点に色々と動きを魅せていることもある。
「ですが、どうにも私たちを優先すると言う訳にも」
だが、前公爵夫妻の話を聞いたのだとしても、オユキとしてはやはり簡単に頷けないものもある。言ってしまえば、始まりの町同様、このウニルでも建築が相次いでいる。そこで、ファンタズマ子爵家を優先しろと、長期で使う予定ではない、新しい邸宅を用意せよとはなかなか言えるようなものでもない。教会までを囲う壁は確かにどうにか完成を見ているのだが、要はそれだけ。もとは長閑な町であったことを考えれば、今後の人の往来を考えれば他にも整えるべき部分は多い。
「そちらに関しては、問題が無い」
「ええ。私たちから勧めていることですもの」
「となると、いえ、そうした理屈もあるにはありますか」
オユキに勧める、そうするだけの理由があると言う事。それを暗に言われるために、オユキはそちらを改めて考慮に入れる。だが、それにしても、そこまで利点が多くないといえばいいのだろうか。極端な話、もう少し馬車での移動、これを考えれば、高速化することが出来れば。
「我らとしても、利のあることでな」
夫人が、前公爵に目配せをして。
「その方が気が付いている、我らの暮らす場、領都から人を連れてくる建前ともできる。ここ暫くは、始まりの町から借り受けてとしていたのだが、そちらも流石に戻さねばならん」
「森の中に新しく作る拠点、こちらですね」
「うむ。流石に我らとしても、我らだからこそあまりにも寄子から取り上げてばかりというのは、如何にも」
「甥からも、言われていますもの。もう少し、配慮をしてくれと」
「甥、ああ、前リース伯ですか」
確かに、別れた先の者としては、勿論少しの融通は可能な限りの事は行うのだろうが、今はそれも難しい状況が出来上がってしまっている。トモエとオユキの手によって、というよりもフスカという翼人種の長のおかげで実に手早く確保された新しい拠点予定地。花精達が始まりの町に来たこともあり、そちらに任せてみてもいいだろうと、そうした話も出ているとは聞いている。問題としては、人里の近くに、現状では馬車が通れるようにどうにか森を開いて維持を、そこから少し進んで、短杖を使い森が再生しないようにとしているのだとそうした話は聞いている。つまりは、森の拠点までの道が安定したからこそとそういう話なのだろう。
公爵領として、銀のほとんどは加工したうえで魔国へと持ち出すことが決まっている。今後を考えれば、公爵としても勿論備蓄をしたいのだろうことも、理解はできる。それこそ、今後どの国との交易をおこなうにしても、神国の特産とは何かとなった時に翼人種という人など比べるべくもない相手が加工する短杖が筆頭に上がるには違いないのだから。
「領都も、その、南区の事が」
「ああ、それか。あちらについては、復旧は正直な所」
「ええ。月と安息の女神さまによって、加護を戻していただけたのだとしても、あの場を元に戻すのはあそこで暮らしていた者たちが為すべき事ですから」
「為政者として、それはとも思いますが、いえ、それも罰としてと言う事ですか」
いくらかの家は、汚染がどうにもならぬほどに進んでいた家に関しては纏めて処刑が行われている。だが、セセラ家をはじめ、それを免れている家もやはり多い。この世界において、魂の総量とでもいえばいいのか。それを考えたときに、いっそ刃が軽くなるのではとオユキは考えていたものだが、そこまでではないらしいと改めて知ったこととして。
「その、そこまでであれば、構いませんが。当家からも、ですね」
「ふむ。屋敷の造りとしては、始まりの町の物を考えればよいか」
「いえ、こちらが別邸といいますか、別荘地となるのであれば、いくらか頼みたい事もありますから」
これから置く予定の門について、警告を受けたこともある。ならば、新しく作る屋敷、そこに門を置くのも良いだろうと考えて。そして、それが外には漏れぬ様にと手を加えておくのも良いのではないかと。
「いえ、いっそ、煩わしさを遠ざけるために、それもありですか」
今度の門は、冬と眠りの気配が強くなると聞いている。つまりは、眠りの力を周囲に、それがオユキに影響を及ぼすかどうか、屋敷で暮らす者たちに与えるのかどうかは考えなければならないのだが、望まぬ客人に対して、眠りの力を容赦なく行使するというのは、オユキとしても寧ろ望むところではあるのだ。特に、今回のようなことを他がやらぬとも限らない以上は。
「凡その事は分かりましたが、その私たちとしてはといいますか、ファンタズマ子爵家、戦と武技の巫女としても」
「ふむ、何かあったか」
「今回、急ぎで戻る事となった大きな理由として、ですね」
そして、オユキから改めてこちらに戻る事になった武国の者たちの無法について説明をする。当然、合わせて正式に抗議を行ってきたそれも魔国の王妃からも併せてとそうした話を。
「何とも」
「王兄殿下は、一体あちらで何をなさっているのでしょうか」
「言ってやるな。あの者にしても、色々となさねばならぬこともあり、警戒もされていようからな」
「それにしても、他国に赴く者たちの選定、風土に合わせた振る舞いなどを」
オユキが、ここまでの間、特に神国において諸々の事柄を基本的にはただ受け入れてきた人物が。はっきりと、腹に据えかねる対応をされたと明言するのだ。それも、隣国の王妃迄巻き込んで、そちらから否定が無いのだという情報と合わせて。
「マリーア公爵には一応、先ぶれとして書簡を。合わせて私からも、改めてご報告にと」
そして、そこまでの対応をするほどの事があり、今も思い出せば少々気分が悪いとばかりにオユキは話す。それもそのはず。休むためにと向かった先で、日毎門前で騒ぎを起こされて、それを認める者たちなど居るはずもない。これが、己の領地や、そこで生まれた陳情というのであればまだ納得のいくものではあるのだが、いよいよもって他国。それも、外交用の施設として貸し出されている場所に。かつての世界に照らし合わせれば、大使館の前で、騒ぎを起こしている物たちだ。それも抗議であれば、まだ多少の理解は、それでも顰蹙を買うというのに。
「それが良かろう」
「ですが、そのあとはオユキさん、どうお考えかしら」
「ウニルで改めて、ですか」
どうにも、前公爵夫人は、オユキを強く引き留める意思があるようす。どうにも、理解が出来ぬとオユキは首をかしげる物だが、改めて、検討をしてみる。正直な所、此処までの道中であれば、オユキにはそのような余裕などなかった。ウニルには、門番がいない。つまりは、武国の者たちがまた要らぬ騒ぎを起こす可能性が、高いのだ。こうして報告をしたというのに、考えろ等と何を言っているのかと検討の余地も無く切り捨てたことだろう。
だが、今ばかりは久しぶりにトモエの料理がオユキの前に並んでおり、久しぶりだとそんな事を考えて。さらには、今後に向けて己の種族、一部というよりも強く性質として持っている物の長から間違いなく助けが得られると分かっていることもある。
要は、こちらに来てから、非常に珍しいほどには機嫌がいいのだ。今のオユキは。
それが、トモエとセツナには間違いなく伝わっているし、少年たちにしても何やらオユキが珍しくよ喜色を浮かべていると気が付いている。
「悪くはないかと思います、トモエさんもこちらで手に入るものを気に入っていますし。ですが、始まりの町から急げば馬車で一日の距離と言う事もありますから」
ウニルで過ごすことの際たる利点と言えばいいのだろうか、それは間違いなくトモエの喜ぶ、トモエが好きな食材となる魔物がこの場には多い事だろう。だが、現状はオユキがというよりもマリーア公爵との契約によってカナリアが、側についていることもある。冷凍して輸送することも可能であるし、大量輸送が叶う装備すらある。始まりの町の屋敷にさえ持ち帰ってしまえば、痛む前に持ち帰ることが出来れば、後はそこで改めて冷凍すれば方が付くのだ。
では、他の利点はと言えば、始まりの町よりは、こちらの方がまだいくらか魔物が強い。さらには、その魔物にしてもトモエが好んでいる物が多い。魚介がいれば、キノコもある。強いて言えば、少々森が遠い事が難点だろうか。だが、そちらにしても始まりの町から果物などは運んで貰えば問題が無い。
この町には、クララとイマノルもおり、世話を焼いた二人でもある。そちらと改めて縁を得て、もしくは時間をきちんと使って。それも良いだろう。
だが、大きな欠点とでもいえばいいのだろうか。この町絵クラスと言う事は、居を構えると言う事はただでさえ少ない使用人を分けなければならないと言う事になる。勿論、距離が近いからと無理に移動を頼むこともできるだろう。始まりの町の屋敷にしても、トモエとオユキがあちらで暮らすことを前提とする以上は、やはり維持が必要なのだから。
「ただ、総合して考えたときに、やはり一時的なといいますか」
「うむ。近場であるしな、別荘程度の考えでよかろう。その方の考えの中で、不安に思ったところと言えば、屋敷の維持くらいか」
「そちらについては、最低限を人に頼んで、こちらである程度の期間をと考えたときに人を遣るのが良いでしょう」
「それは、成程」
どうにも、高々一日程度の距離に別邸を。その様な事を、オユキはこれまでとてもではないが考えていなかった。だが、宿泊施設をと考えたときに、確かにこのウニルの町では色々と間に合っていない。気の早い者たちが、すっかりとこの町を拠点に色々と動きを魅せていることもある。
「ですが、どうにも私たちを優先すると言う訳にも」
だが、前公爵夫妻の話を聞いたのだとしても、オユキとしてはやはり簡単に頷けないものもある。言ってしまえば、始まりの町同様、このウニルでも建築が相次いでいる。そこで、ファンタズマ子爵家を優先しろと、長期で使う予定ではない、新しい邸宅を用意せよとはなかなか言えるようなものでもない。教会までを囲う壁は確かにどうにか完成を見ているのだが、要はそれだけ。もとは長閑な町であったことを考えれば、今後の人の往来を考えれば他にも整えるべき部分は多い。
「そちらに関しては、問題が無い」
「ええ。私たちから勧めていることですもの」
「となると、いえ、そうした理屈もあるにはありますか」
オユキに勧める、そうするだけの理由があると言う事。それを暗に言われるために、オユキはそちらを改めて考慮に入れる。だが、それにしても、そこまで利点が多くないといえばいいのだろうか。極端な話、もう少し馬車での移動、これを考えれば、高速化することが出来れば。
「我らとしても、利のあることでな」
夫人が、前公爵に目配せをして。
「その方が気が付いている、我らの暮らす場、領都から人を連れてくる建前ともできる。ここ暫くは、始まりの町から借り受けてとしていたのだが、そちらも流石に戻さねばならん」
「森の中に新しく作る拠点、こちらですね」
「うむ。流石に我らとしても、我らだからこそあまりにも寄子から取り上げてばかりというのは、如何にも」
「甥からも、言われていますもの。もう少し、配慮をしてくれと」
「甥、ああ、前リース伯ですか」
確かに、別れた先の者としては、勿論少しの融通は可能な限りの事は行うのだろうが、今はそれも難しい状況が出来上がってしまっている。トモエとオユキの手によって、というよりもフスカという翼人種の長のおかげで実に手早く確保された新しい拠点予定地。花精達が始まりの町に来たこともあり、そちらに任せてみてもいいだろうと、そうした話も出ているとは聞いている。問題としては、人里の近くに、現状では馬車が通れるようにどうにか森を開いて維持を、そこから少し進んで、短杖を使い森が再生しないようにとしているのだとそうした話は聞いている。つまりは、森の拠点までの道が安定したからこそとそういう話なのだろう。
公爵領として、銀のほとんどは加工したうえで魔国へと持ち出すことが決まっている。今後を考えれば、公爵としても勿論備蓄をしたいのだろうことも、理解はできる。それこそ、今後どの国との交易をおこなうにしても、神国の特産とは何かとなった時に翼人種という人など比べるべくもない相手が加工する短杖が筆頭に上がるには違いないのだから。
「領都も、その、南区の事が」
「ああ、それか。あちらについては、復旧は正直な所」
「ええ。月と安息の女神さまによって、加護を戻していただけたのだとしても、あの場を元に戻すのはあそこで暮らしていた者たちが為すべき事ですから」
「為政者として、それはとも思いますが、いえ、それも罰としてと言う事ですか」
いくらかの家は、汚染がどうにもならぬほどに進んでいた家に関しては纏めて処刑が行われている。だが、セセラ家をはじめ、それを免れている家もやはり多い。この世界において、魂の総量とでもいえばいいのか。それを考えたときに、いっそ刃が軽くなるのではとオユキは考えていたものだが、そこまでではないらしいと改めて知ったこととして。
「その、そこまでであれば、構いませんが。当家からも、ですね」
「ふむ。屋敷の造りとしては、始まりの町の物を考えればよいか」
「いえ、こちらが別邸といいますか、別荘地となるのであれば、いくらか頼みたい事もありますから」
これから置く予定の門について、警告を受けたこともある。ならば、新しく作る屋敷、そこに門を置くのも良いだろうと考えて。そして、それが外には漏れぬ様にと手を加えておくのも良いのではないかと。
「いえ、いっそ、煩わしさを遠ざけるために、それもありですか」
今度の門は、冬と眠りの気配が強くなると聞いている。つまりは、眠りの力を周囲に、それがオユキに影響を及ぼすかどうか、屋敷で暮らす者たちに与えるのかどうかは考えなければならないのだが、望まぬ客人に対して、眠りの力を容赦なく行使するというのは、オユキとしても寧ろ望むところではあるのだ。特に、今回のようなことを他がやらぬとも限らない以上は。
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