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33章 神国へ戻って
橋とはなにか
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アベルにしっかりとオユキが釘を刺して、トモエの手前、トモエに我慢を強いると言う事を許すのは、本当にこの一度だけなのだと言外に示し。さらには、それを示すためにと今オユキが使えるほぼすべての手札を用いる様を見せた。勿論、鬼札とでもいえばいいのだろうか。これで引かぬことがあれば、彼の神に、名をマルコシアスという戦と武技に巫女として臨むことすら厭いはしないと、そうしたオユキの根底にある理念も余すことなく伝えた上で。
「これは、何とも」
「オユキさんは、こうしたことというのは」
「いえ、確かに報告書には目を通していましたが」
境界はあまりにも明確だ。橋という巨大な、それも対岸すら見えぬ大河を渡る橋などという、かつての世界では下手をすれば夢物語と断じられるようなあまりに巨大な建造物。その入り口というのは、外観から見える物でもあり、そこには何もないと外からはまさにそう見えている物。しかし、明確に界を分かつ門がそこにはある。そして、そこを潜ってみれば、まさに驚くべきとでも呼んでいいのだろうか。
幅が違う、長さが違う、外から見ていたものと、何一つ同じものが存在していない。
成程、ミズキリがまだ結論も出せていないというのに、外に出る時には問題が無いのではないかとそんな事を言うはずだ。ミズキリが、この場を使ってかつての世界との門を、接続を行おうなどというはずだ。
オユキは、この辺りの理屈については、より感性の鋭いトモエの意見が正しいと考えている。即ち、神々とてそれを願ったのだ。親から離れたくない、少なくとも、側において欲しい。そうした願いが、この世界にも含まれている。オユキの願いがそうであるように、間違いなく喪失感を覚えたはずのオユキの両親が関わったのだからと。そうして考えてみれば、世界の分離というのは、この幻想世界が重量を増したからこそ起こったのだ。世界は廻る、いつぞやに少年たちに対して賢しらに語った物理学。重たい物というのは、側を回るうちに離れようという力が働くのだ。そして、それが繋ぎ留めておくための力を超えてしまえば、結果は実に単純な。それ以外にも、成長と共に外を目指す、殻の内で、腹の中で。そこにはもういられぬと、そこまでの大きさを持ってしまえば、やはり自然の摂理として。
だが、やはりそれを求めないのだと、この世界の根底とでもいえばいいのか、使徒たちを、かつての世界でもはやどちらが先かもわからない入れ子構造の結果としてやはり離れる事を望まないのだと。魂の総量が、単独で世界となることが出来るだけの重量を、今後はさらに重量を独自に増すことが出来るだけの初期位置を獲得したとはいえ、まだやはりと。
ここは、そうした場だと、いやおうなしに理解させられるというものだ。成程、これは特別。これを作るために、ここを拠点とするためにというよりも、さらなる強度を持たせるために。成程、この橋を架けるにあたって、トモエとオユキから思いのほか徴収されなかった理由というのがよく分かるものだと、オユキとしてはそんな事を考えながらも。
「俺も、実際に自分で渡るのは初めてだが」
「早速の敵となりますが、魔物の強度にしても今一つ理屈が分かっていないのでしたか」
「そればかりはな。要は、俺らだけでとなると、やはり相応だと言う事だろう」
「今の私たちと言いますか、成程、こうしてみればと言うものですね」
成程騎士達よ、橋を渡らんと望む者たちよ。しかしどうだ、荷物を運ぶ、だというのならばそれに応じた試練とするのが当然の流れ。しかしながら、今お前たちが運ばんとするのは少々の荷物があるとはいえ、どうにもならぬ足手まといばかりではないかと。
「成程、つまりこれが現状の神々からの私に対する評価と言う訳ですか」
「まったく、なめられたものですね」
そして、目の前を跋扈する魔物群れ、確かに聞いていたよりも数は多いのだろうが、所詮は始まりの町の周囲でも見るような、それこそ丸兎の群れにその奥にはこちらにオユキが来たばかりの頃に足をひねる羽目になったグレイハウンド。数が多い、だがそれだけだ。聞いた話によれば、それこそもっと愉快な魔物が現れていたはずなのだ。客観的な評価として、加護を含めた能力でいえば貴様らには、騎士との間にはこれほどの差があるのだぞとあまりにもはっきりと示してくれるものだ。
「移動に時間がかかる、そうなのだとしても、全く腹立たしい」
「継続戦闘に難あり、そうだとしてもこの程度であれば全く」
「おい」
「一先ず、私達でここは対応しましょうか」
「ええ、この程度の相手、この程度の数であれば」
そう、武器の損耗、そのような話を考える必要すらない。
アベルが、ついにはため息をついて。何やら、実に嬉し気なアイリスが隣に並んで。少年たちは、あまりにも明確な、彼らにしてみれば初めてと呼んでも良いトモエとオユキの激しい怒りに腰が引けている。
「界が違うというのならば、ええ、眼も届きやすい事でしょう」
「是非とも、ご照覧いただきたいものですね」
武器を、オユキはシェリアに預けて。トモエは、万が一を考えてというよりも、打撃武器としても扱うために鞘に納めたまま。アイリスは、野太刀を構えようかと手を伸ばして、しかしトモエとオユキがそうしないのならと無造作にアベルに放り投げて。
これから、この程度の魔物だけしか出てこないというのであれば、最早護衛に頼まねばならぬのは夜の間だけ。戦闘を続けることが難しい、武器に問題が出るというのならば、そもそも使わなければ済む話。
「荷拾いは、任せます」
「確か、魔石も落ちるのでしたか」
「ええ、ダンジョンとは違う仕組みのようですから」
何やら、魔物が怯えたような、そうした動きをとっているのだがそれすらも許しがたいのだ。騎士たちにしても、これで安全に等と考えた様子が見えるのだが、そこはトモエとオユキが相しているようにやはり怒りを、恥を覚えて欲しいとしか言えないのだ。それこそ、こうして足手まといたちが動ける間はまだしも、眠らなければならぬ時間になれば魔物の強度も上がるかもしれないのだが。何よりも、今この場にいるのは神国の者たちだけではない。間違いなく、オユキなどよりも遥かに低く見積もられているだろう者達が確かに要る。少年たちにしても、やはり体力ばかりはいかんともしがたいだろう。だが、既にこの程度の魔物であれば、彼らにしても何ほどの物でも無いのだ。さらなる足手まといに関しては、魔国から調査の名目でついてきている六人。そちらが、遥かに大きいのだという事はオユキは勿論理解はしている。だが、だからこそと言うものだ。
魔国に対して、神国の騎士というのがどれほどの物か、それを彼らは示さねばならないのだと言う事を忘れている。武国に、なんとなれば、あの無法者どもに頼る必要が無いのだと、それを示す必要があるのだと、それを理解していない。考えてすらいない。アベルも、此処で前に出てこない段階で、己の部下たちを叱責していない段階で、やはりというものだ。現に、ローレンツとシェリアの視線の温度が一段下がっていることに、気が付いてもいないのだから。
「オユキさん」
「ええ、申し訳ありません」
「少し、追い込みすぎていますから」
「ああ」
「情けない、ええ、その気持ちはよく分かりますが」
魔物に飛び込んで、相手から来ないのだからと魔物の群れに飛び込んで、八つ当たり交じりに足を強く踏み込んだうえで、その威力を乗せた拳を放つ。掌打とすべきと言う事は確かにオユキも理解しているのだが、どうしたところで苛立ちに気を取られているために生前の癖が出ている。それを注意されながらも、その原因に関してもトモエから。
「アイリスさんは、オユキさんと同じようですけれど」
「では、後の事はそちらに任せましょうか」
「オユキさんは、王都でのようにとは」
「一応、その、前回は王太子様にも止められましたし」
オユキも、一応反省はするのだと。
「オユキさんは、そのままでもと思いますが。私にしても、正直な所を言えばこの方々にオユキさんの大事を任せる気になれないと言いますか。また、ローレンツ様に頼まねばいけない事になりそうだと言いますか」
「私から頼めば、ローレンツ様は間違いなく引き受けてくださるのでしょうが」
だが、問題となるのは、今もタルヤとエステールの二人と共に馬車に乗っている子供二人。この、色々と難しい世界ではあるのだが、そこで家族となった者たちがいるのだ。如何に花精が人と違う感性を持っていようが、トモエがそう感じる様に、オユキにしても感じるところがある。タルヤは、気にしない等と言っていたのだが、どうにもあの子供たちが、名前はまだついていない、つけるのは少なくとも一年は経たないと難しいと言っていたことに加えて、トモエにも名前の候補をとそうした話もされているあの子供たちなのだが。人との間に設けたからだろうか、どうにも、ローレンツが側にいる事を、賑やかな状態を喜んでいる風ではあるのだ。
「そうですね、私も、やはり望みません。オユキさんが離れている間は、あの子たちも幼い頃は」
「それは、その」
「ええ、私も、勿論。寧ろ、私がそのように考えたからこそ、あの子たちも感じてしまったのかもしれません」
そうして、話しながらも手は動く、足は動く。互いに声が届く位置で、互いに、互いの死角を、間合いの死角を潰しながら動き続ける。そうしてみれば、気概が、トモエとオユキの怒りと、それ以上のアイリスの怒りも伝わっているのだろう。ダンジョンとは異なっており、現れる魔物、その仕組みはそこらの場所と変わらないとそう聞いていたはずが、すっかりと見える範囲にはいなくなる。
オユキですら、腕を、掌打を放って丸兎を数体纏めて。トモエに至っては、オユキよりも長い腕、足を使っていよいよ纏めて薙ぎ払って。さらには、荒れ狂う獣とでも言わんばかりのアイリスもいるのだ。こちらはいよいよ種族の特性として、素手での戦いについては己の爪を、牙を振るう獣が祖であるために何ら問題が無いアイリスはトモエに倍する魔物を一度に切り刻んで。不思議な事にとでもいえばいいのだろうか。トモエが、太刀を振るうときにそうしているように、不可視の爪でもって魔物を切り刻みながら。
「これは、何とも」
「オユキさんは、こうしたことというのは」
「いえ、確かに報告書には目を通していましたが」
境界はあまりにも明確だ。橋という巨大な、それも対岸すら見えぬ大河を渡る橋などという、かつての世界では下手をすれば夢物語と断じられるようなあまりに巨大な建造物。その入り口というのは、外観から見える物でもあり、そこには何もないと外からはまさにそう見えている物。しかし、明確に界を分かつ門がそこにはある。そして、そこを潜ってみれば、まさに驚くべきとでも呼んでいいのだろうか。
幅が違う、長さが違う、外から見ていたものと、何一つ同じものが存在していない。
成程、ミズキリがまだ結論も出せていないというのに、外に出る時には問題が無いのではないかとそんな事を言うはずだ。ミズキリが、この場を使ってかつての世界との門を、接続を行おうなどというはずだ。
オユキは、この辺りの理屈については、より感性の鋭いトモエの意見が正しいと考えている。即ち、神々とてそれを願ったのだ。親から離れたくない、少なくとも、側において欲しい。そうした願いが、この世界にも含まれている。オユキの願いがそうであるように、間違いなく喪失感を覚えたはずのオユキの両親が関わったのだからと。そうして考えてみれば、世界の分離というのは、この幻想世界が重量を増したからこそ起こったのだ。世界は廻る、いつぞやに少年たちに対して賢しらに語った物理学。重たい物というのは、側を回るうちに離れようという力が働くのだ。そして、それが繋ぎ留めておくための力を超えてしまえば、結果は実に単純な。それ以外にも、成長と共に外を目指す、殻の内で、腹の中で。そこにはもういられぬと、そこまでの大きさを持ってしまえば、やはり自然の摂理として。
だが、やはりそれを求めないのだと、この世界の根底とでもいえばいいのか、使徒たちを、かつての世界でもはやどちらが先かもわからない入れ子構造の結果としてやはり離れる事を望まないのだと。魂の総量が、単独で世界となることが出来るだけの重量を、今後はさらに重量を独自に増すことが出来るだけの初期位置を獲得したとはいえ、まだやはりと。
ここは、そうした場だと、いやおうなしに理解させられるというものだ。成程、これは特別。これを作るために、ここを拠点とするためにというよりも、さらなる強度を持たせるために。成程、この橋を架けるにあたって、トモエとオユキから思いのほか徴収されなかった理由というのがよく分かるものだと、オユキとしてはそんな事を考えながらも。
「俺も、実際に自分で渡るのは初めてだが」
「早速の敵となりますが、魔物の強度にしても今一つ理屈が分かっていないのでしたか」
「そればかりはな。要は、俺らだけでとなると、やはり相応だと言う事だろう」
「今の私たちと言いますか、成程、こうしてみればと言うものですね」
成程騎士達よ、橋を渡らんと望む者たちよ。しかしどうだ、荷物を運ぶ、だというのならばそれに応じた試練とするのが当然の流れ。しかしながら、今お前たちが運ばんとするのは少々の荷物があるとはいえ、どうにもならぬ足手まといばかりではないかと。
「成程、つまりこれが現状の神々からの私に対する評価と言う訳ですか」
「まったく、なめられたものですね」
そして、目の前を跋扈する魔物群れ、確かに聞いていたよりも数は多いのだろうが、所詮は始まりの町の周囲でも見るような、それこそ丸兎の群れにその奥にはこちらにオユキが来たばかりの頃に足をひねる羽目になったグレイハウンド。数が多い、だがそれだけだ。聞いた話によれば、それこそもっと愉快な魔物が現れていたはずなのだ。客観的な評価として、加護を含めた能力でいえば貴様らには、騎士との間にはこれほどの差があるのだぞとあまりにもはっきりと示してくれるものだ。
「移動に時間がかかる、そうなのだとしても、全く腹立たしい」
「継続戦闘に難あり、そうだとしてもこの程度であれば全く」
「おい」
「一先ず、私達でここは対応しましょうか」
「ええ、この程度の相手、この程度の数であれば」
そう、武器の損耗、そのような話を考える必要すらない。
アベルが、ついにはため息をついて。何やら、実に嬉し気なアイリスが隣に並んで。少年たちは、あまりにも明確な、彼らにしてみれば初めてと呼んでも良いトモエとオユキの激しい怒りに腰が引けている。
「界が違うというのならば、ええ、眼も届きやすい事でしょう」
「是非とも、ご照覧いただきたいものですね」
武器を、オユキはシェリアに預けて。トモエは、万が一を考えてというよりも、打撃武器としても扱うために鞘に納めたまま。アイリスは、野太刀を構えようかと手を伸ばして、しかしトモエとオユキがそうしないのならと無造作にアベルに放り投げて。
これから、この程度の魔物だけしか出てこないというのであれば、最早護衛に頼まねばならぬのは夜の間だけ。戦闘を続けることが難しい、武器に問題が出るというのならば、そもそも使わなければ済む話。
「荷拾いは、任せます」
「確か、魔石も落ちるのでしたか」
「ええ、ダンジョンとは違う仕組みのようですから」
何やら、魔物が怯えたような、そうした動きをとっているのだがそれすらも許しがたいのだ。騎士たちにしても、これで安全に等と考えた様子が見えるのだが、そこはトモエとオユキが相しているようにやはり怒りを、恥を覚えて欲しいとしか言えないのだ。それこそ、こうして足手まといたちが動ける間はまだしも、眠らなければならぬ時間になれば魔物の強度も上がるかもしれないのだが。何よりも、今この場にいるのは神国の者たちだけではない。間違いなく、オユキなどよりも遥かに低く見積もられているだろう者達が確かに要る。少年たちにしても、やはり体力ばかりはいかんともしがたいだろう。だが、既にこの程度の魔物であれば、彼らにしても何ほどの物でも無いのだ。さらなる足手まといに関しては、魔国から調査の名目でついてきている六人。そちらが、遥かに大きいのだという事はオユキは勿論理解はしている。だが、だからこそと言うものだ。
魔国に対して、神国の騎士というのがどれほどの物か、それを彼らは示さねばならないのだと言う事を忘れている。武国に、なんとなれば、あの無法者どもに頼る必要が無いのだと、それを示す必要があるのだと、それを理解していない。考えてすらいない。アベルも、此処で前に出てこない段階で、己の部下たちを叱責していない段階で、やはりというものだ。現に、ローレンツとシェリアの視線の温度が一段下がっていることに、気が付いてもいないのだから。
「オユキさん」
「ええ、申し訳ありません」
「少し、追い込みすぎていますから」
「ああ」
「情けない、ええ、その気持ちはよく分かりますが」
魔物に飛び込んで、相手から来ないのだからと魔物の群れに飛び込んで、八つ当たり交じりに足を強く踏み込んだうえで、その威力を乗せた拳を放つ。掌打とすべきと言う事は確かにオユキも理解しているのだが、どうしたところで苛立ちに気を取られているために生前の癖が出ている。それを注意されながらも、その原因に関してもトモエから。
「アイリスさんは、オユキさんと同じようですけれど」
「では、後の事はそちらに任せましょうか」
「オユキさんは、王都でのようにとは」
「一応、その、前回は王太子様にも止められましたし」
オユキも、一応反省はするのだと。
「オユキさんは、そのままでもと思いますが。私にしても、正直な所を言えばこの方々にオユキさんの大事を任せる気になれないと言いますか。また、ローレンツ様に頼まねばいけない事になりそうだと言いますか」
「私から頼めば、ローレンツ様は間違いなく引き受けてくださるのでしょうが」
だが、問題となるのは、今もタルヤとエステールの二人と共に馬車に乗っている子供二人。この、色々と難しい世界ではあるのだが、そこで家族となった者たちがいるのだ。如何に花精が人と違う感性を持っていようが、トモエがそう感じる様に、オユキにしても感じるところがある。タルヤは、気にしない等と言っていたのだが、どうにもあの子供たちが、名前はまだついていない、つけるのは少なくとも一年は経たないと難しいと言っていたことに加えて、トモエにも名前の候補をとそうした話もされているあの子供たちなのだが。人との間に設けたからだろうか、どうにも、ローレンツが側にいる事を、賑やかな状態を喜んでいる風ではあるのだ。
「そうですね、私も、やはり望みません。オユキさんが離れている間は、あの子たちも幼い頃は」
「それは、その」
「ええ、私も、勿論。寧ろ、私がそのように考えたからこそ、あの子たちも感じてしまったのかもしれません」
そうして、話しながらも手は動く、足は動く。互いに声が届く位置で、互いに、互いの死角を、間合いの死角を潰しながら動き続ける。そうしてみれば、気概が、トモエとオユキの怒りと、それ以上のアイリスの怒りも伝わっているのだろう。ダンジョンとは異なっており、現れる魔物、その仕組みはそこらの場所と変わらないとそう聞いていたはずが、すっかりと見える範囲にはいなくなる。
オユキですら、腕を、掌打を放って丸兎を数体纏めて。トモエに至っては、オユキよりも長い腕、足を使っていよいよ纏めて薙ぎ払って。さらには、荒れ狂う獣とでも言わんばかりのアイリスもいるのだ。こちらはいよいよ種族の特性として、素手での戦いについては己の爪を、牙を振るう獣が祖であるために何ら問題が無いアイリスはトモエに倍する魔物を一度に切り刻んで。不思議な事にとでもいえばいいのだろうか。トモエが、太刀を振るうときにそうしているように、不可視の爪でもって魔物を切り刻みながら。
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