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29章 豊かな実りを願い
昼食も
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異邦人二人は、昨日は出かけたため今日は屋敷で過ごすことにしたらしい。オユキにしても、ここ数日しっかりと食事を摂ったからだろう。トモエがアルノーと料理に、そのころにはすっかりと眠気を覚えていて、午睡と言うには大分早いのだが、子供のようにうとうとと。そして、気が付けば昼食ですよとシェリアに呼ばれて起こされることになった。
「珍しい物ね」
「私にとっては、よくある物ではありますが」
トモエの手による料理が、今は食卓に。湯葉を散らした鍋料理、個別に取り分けられているため鍋と言うよりは汁物の類ではある。それを、今朝は完全に思った物ではなくかなりのアレンジが加えられたものに舌鼓を打っていたカリンが、そんなことを話す。オユキとしては、かつてはよくトモエが食卓に並べた料理であり、何処か覚えている物とは香りが違うなと思う所はあるのだが、それでも過去と変わりないと思える程度。そこまで仕上げるには、トモエのほうでかなりの苦労があったのもさることながら、オユキがただトモエが作ったものとそうでない物。その差が分かるから、そこで満足しているというのも大きい。
「良い味ですね」
「ヴィルヘルミナさんも、そう思いますか」
「ええ。アルノーの物とはまた異なり、完成度と言う意味ではと思うけれど」
家庭料理と、特別な日のための一皿。それは当然違うものとして、ヴィルヘルミナが続ける。
「これはこれでと思うのよね。優しい味がするわ」
「家庭料理の範疇ですから」
「謙遜することは無いと思うけれど、確かに私もリートも歌う舞台は選んでいたわね」
「確かに、家庭以外をもとめるばでもあるのよね、ああした空間と言うのは」
舞台に長らく身を置いたカリンにしても、思う所はあるようで。何やら半分ため息交じり。
「オユキの言葉ではないけれど」
「ええ、こちらではあまり影響が無いというのが分かって、少し安心してしまうわ」
さて、二人で何か話をしてわかっているようではあるのだが、オユキは分からぬとばかりに首をかしげてみれば。
「オユキさん」
トモエに名前を呼ばれたことで、オユキも多少は思い当たることがあり改めてそれぞれを眺めてみる。見たところ、両者ともこちらに来た時に比べて筋肉がついている。重量としては、増えていそうなものだ。反面、オユキが己の体を振り返ってみれば、脂肪もつかなければ、筋肉もついていないのだ。どうなっているのだろうかと、オユキとしては甚だ不本意ではある。
「その、オユキさんは、ようやくですから」
「確かに、昨日から食事も増えてきてはいますが」
そう、オユキとしてもはっきりと自覚はあるのだが、何やらきちんと食べられるものとそうでないものがはっきりとある。体が自然と、とでもいえばいいのだろうか。これまでは、味を感じられるもの、食べて少々きついと思う物が多かったのだが、昨日から出てくるものは違う。今にしても、湯葉にまで加工されてしまえば流石に抵抗を覚えはするのだが、オユキの物にはそうした配慮が、オユキが気が付かない何かを気が付いたトモエの手による配慮だろう。配分にしても加減され、実のところ他の者たちの器に入っている物に比べて厚さも薄い。要は、火の通りを少なくしたものが盛り付けられている。
「ええ、今後もその調子で少しづつ増やしていきましょうか」
「そう、ですね。意外にも、あまり胸やけなどもありませんし」
「そのあたり、オユキはどう考えているのかしら」
異邦人たちの会話に、何やらアイリスとセラフィーナも耳を傾けていたりするのだが、とにもかくにもそちらは一度おいて起き。
「こちらの生き物は、全て属性があるのだろうなと、そのように」
「ああ、確かに理屈は通りますか。いえ、ただそれが正しいとするなら」
「確かに、初夏の物ではありますが、こうかつての世界で助けになった時期とでもいえばいいのでしょうか」
特に珍重されていたのは、寒い地域であったには違いない。加えて、貯蔵が簡単でもある。そうした、来歴とでもいえばいいのだろうか。一部の根菜に見られる、特徴とでもいえばいいのだろうか。そうした話を、つらつらとトモエとオユキがかわるがわるしていれば、合間にヴィルヘルミナも混ざり始めて。
「私の国では、飢饉の時に大々的に広まったのだったかしら」
「そういえば、そのような話もありましたか」
「確か、時の皇帝が奨励したのでしたか」
「皇帝ではなく、帝国の中の王ではあったのだけれど、そうした話も確かに聞いているわね」
どうやら、トモエのほうで記憶違いがあったようで、そっとヴィルヘルミナから訂正を受けながらもジャガイモについてあれこれと。話の向きとして、異邦人ばかりがという物ではあるため、オユキが話題についてこれない相手はどうしているのかと意識を向けてみれば、こちらも興味深げに聞いている。ならば、まだ続けていても構いはしないだろうと。オユキとしては、自信が意外だと感じるものについても。
「大豆、については私としても意外を感じるのですが」
「収穫時期を考えれば、いよいよオユキにあっていそうなものだけれど」
「晩秋ではありますか」
「いえ、地域によっては初冬にも」
トモエの言葉に、オユキとしては聞いたことも無いがと首をかしげてみる。
「そのころには、豆の色が変わるので」
「ああ、成程」
早い時期に収穫をして、枝豆に。それ以外の段階でも、それぞれにきちんと活用法があると言う事らしい。
「節分などもあったので、そのあたりは、どうなのでしょう」
オユキとしても、大豆はやはり苦手を一切覚えない。今の湯葉に関しては、オユキが気が付かないだけで細かくトモエが気を使った結果でもあるのだが、それよりも興味が他に向く。要は、オユキ自身の来歴が名前にかなり依っているとそうした話をされたばかり。根源の大半を占めているのは、妖魔等と言う話をされたものだ。そして、オユキとしては大豆と言えばと思う物もある。そちらは、鬼を払ってという物だ。伝承をもとに、そのような存在であれば間違いなく該当しそうなものであるし、確かに過去魔物としてそのような存在もいたとは聞いている。ならば、魔物では無いとしても似たような来歴とでもいえばいいのだろうか。種族としての根源に、それがあるというのならより影響を受けるのではないかと、そんな事をオユキは考えていたのだが。
「追儺は、大晦日に行う者だし豆は別に関係ないのではなかったかしら」
「追儺、ですか。いえ、私としては立春の前日の行事のはずだと」
「立春の前日に、邪気払いを、ですか」
しかし、ここではっきりと。どうやら、カリンとの間にもはっきりと翻訳による、自動的にそれぞれが理解できる形に直すための加護と言うのが問題を起こす。ただ、今度ばかりは互いの基本的な地域に起因する物であり、随分と簡単なと、そんなことを考えてしまうのだが。要は、この辺りにしても、知識と魔、法と裁きによって組まれているだろう、知識の伝達阻害を少しでも理解するための物だと言う事なのだろう。
「そうですね。節分、要は節目として季節の区切りを祝う訳ですから、祝い事の前には」
「とすると、立春以外でも」
「今はあまり習慣として残ってはいませんが、はい、折々に」
二十四節季は、大陸から入ってきたものだとは、オユキも聞いている。しかし、気候が海を隔てているという以上に異なりもするため、かなりの地域性を持っているのも事実。寧ろ、気候に合わないからと随分変わったのだとそういう話もある。しかし、オユキの記憶にあるものの話をすれば、それでもカリンとはしっかりと話が通じる。季節を分ける節目、その折々にかつては行われていたものや、今でも続いてるものまで。オユキとカリンがそうした話をしていれば、ヴィルヘルミナとしては珍しい東洋の話として聞き。トモエにしても、確かに昔は色々と季節の行事を互いに胎児にしていたなとそんな事を思い返しながら。食卓に乗せる話題として、確かにこうした物はオユキも好むのだ。これまでのように、あまりに政治に偏った話ではなく。今後の為にと繰り返すような話でなければ。
「オユキ」
「はて、なんでしょうアイリスさん」
しかし、あれこれと話していたからだろうか。寧ろ、こうした祭りの話を、ついつい異邦人たちが盛り上がってしてしまったからだろうか。以前にも、あったはずなのだ。そして、トモエとオユキは、その場に居合わせたはずなのだ。だが、ついつい忘れてしまう。この場には、神々の目と耳となりやすい異邦人たちが集まっており、そして、巫女の名を冠するのはなにもオユキばかりではない。声を届けるのは、間違いなくこうしてのんびりと話に興じている者達ではなく、黙して話を聞いている者に。
「かの神から、後で話があるそうよ」
更には、オユキの体調がここ暫くに対してかなり回復していることもある。オユキ自身にはまだ自覚は無いのだが、それこそ目が覚めたときには、本来であればはっきりと感じるものだろう。だが、そうした余裕があればとばかりに容赦なく頼んでくる相手もいるのだ。そして、オユキとしては、成程その程度には回復してきたのかと思う反面。
「さて、今の話であれば」
「近いのは立夏かしら」
「その、豊穣祭に合わせて、収穫祭も行う訳ですしもう少し先の」
思い当たるところは、そもそも節句を俎上に載せた以上はあまりにも多い。そして、こちらには冬と眠りをはじめとして、そもそもそれを表すための柱が存在している。そうした神々の話を受けてなのか、それ以外の神が折々に合わせて行われる行事に興味を示したのか。それこそ、もとより知識があっての事でこうした機会にと言う事なのか。判別がつく事柄ではないが、後で話があるというのならば、その時を待つしかないのが人の子でもある。
「なんだか、随分と久しぶりに感じてしまいますね」
「そうですね、こちらに来てからの事を考えると、確かに」
「あなた達とあってからは、私も散々に巻き込まれたから、確かにとそうは思うのだけれど」
トモエとしては、呼び立てられる程度には回復したのだなと、一つの指標として喜んで。オユキとしても、自信の回復の目安とでもいえばいいのだろうか、ただ、そちら以上に多くの祭りを行えるだけの、今後の事を考えたときにこの世界を支える柱の復権と言うのは願ってもいないのだと。
「珍しい物ね」
「私にとっては、よくある物ではありますが」
トモエの手による料理が、今は食卓に。湯葉を散らした鍋料理、個別に取り分けられているため鍋と言うよりは汁物の類ではある。それを、今朝は完全に思った物ではなくかなりのアレンジが加えられたものに舌鼓を打っていたカリンが、そんなことを話す。オユキとしては、かつてはよくトモエが食卓に並べた料理であり、何処か覚えている物とは香りが違うなと思う所はあるのだが、それでも過去と変わりないと思える程度。そこまで仕上げるには、トモエのほうでかなりの苦労があったのもさることながら、オユキがただトモエが作ったものとそうでない物。その差が分かるから、そこで満足しているというのも大きい。
「良い味ですね」
「ヴィルヘルミナさんも、そう思いますか」
「ええ。アルノーの物とはまた異なり、完成度と言う意味ではと思うけれど」
家庭料理と、特別な日のための一皿。それは当然違うものとして、ヴィルヘルミナが続ける。
「これはこれでと思うのよね。優しい味がするわ」
「家庭料理の範疇ですから」
「謙遜することは無いと思うけれど、確かに私もリートも歌う舞台は選んでいたわね」
「確かに、家庭以外をもとめるばでもあるのよね、ああした空間と言うのは」
舞台に長らく身を置いたカリンにしても、思う所はあるようで。何やら半分ため息交じり。
「オユキの言葉ではないけれど」
「ええ、こちらではあまり影響が無いというのが分かって、少し安心してしまうわ」
さて、二人で何か話をしてわかっているようではあるのだが、オユキは分からぬとばかりに首をかしげてみれば。
「オユキさん」
トモエに名前を呼ばれたことで、オユキも多少は思い当たることがあり改めてそれぞれを眺めてみる。見たところ、両者ともこちらに来た時に比べて筋肉がついている。重量としては、増えていそうなものだ。反面、オユキが己の体を振り返ってみれば、脂肪もつかなければ、筋肉もついていないのだ。どうなっているのだろうかと、オユキとしては甚だ不本意ではある。
「その、オユキさんは、ようやくですから」
「確かに、昨日から食事も増えてきてはいますが」
そう、オユキとしてもはっきりと自覚はあるのだが、何やらきちんと食べられるものとそうでないものがはっきりとある。体が自然と、とでもいえばいいのだろうか。これまでは、味を感じられるもの、食べて少々きついと思う物が多かったのだが、昨日から出てくるものは違う。今にしても、湯葉にまで加工されてしまえば流石に抵抗を覚えはするのだが、オユキの物にはそうした配慮が、オユキが気が付かない何かを気が付いたトモエの手による配慮だろう。配分にしても加減され、実のところ他の者たちの器に入っている物に比べて厚さも薄い。要は、火の通りを少なくしたものが盛り付けられている。
「ええ、今後もその調子で少しづつ増やしていきましょうか」
「そう、ですね。意外にも、あまり胸やけなどもありませんし」
「そのあたり、オユキはどう考えているのかしら」
異邦人たちの会話に、何やらアイリスとセラフィーナも耳を傾けていたりするのだが、とにもかくにもそちらは一度おいて起き。
「こちらの生き物は、全て属性があるのだろうなと、そのように」
「ああ、確かに理屈は通りますか。いえ、ただそれが正しいとするなら」
「確かに、初夏の物ではありますが、こうかつての世界で助けになった時期とでもいえばいいのでしょうか」
特に珍重されていたのは、寒い地域であったには違いない。加えて、貯蔵が簡単でもある。そうした、来歴とでもいえばいいのだろうか。一部の根菜に見られる、特徴とでもいえばいいのだろうか。そうした話を、つらつらとトモエとオユキがかわるがわるしていれば、合間にヴィルヘルミナも混ざり始めて。
「私の国では、飢饉の時に大々的に広まったのだったかしら」
「そういえば、そのような話もありましたか」
「確か、時の皇帝が奨励したのでしたか」
「皇帝ではなく、帝国の中の王ではあったのだけれど、そうした話も確かに聞いているわね」
どうやら、トモエのほうで記憶違いがあったようで、そっとヴィルヘルミナから訂正を受けながらもジャガイモについてあれこれと。話の向きとして、異邦人ばかりがという物ではあるため、オユキが話題についてこれない相手はどうしているのかと意識を向けてみれば、こちらも興味深げに聞いている。ならば、まだ続けていても構いはしないだろうと。オユキとしては、自信が意外だと感じるものについても。
「大豆、については私としても意外を感じるのですが」
「収穫時期を考えれば、いよいよオユキにあっていそうなものだけれど」
「晩秋ではありますか」
「いえ、地域によっては初冬にも」
トモエの言葉に、オユキとしては聞いたことも無いがと首をかしげてみる。
「そのころには、豆の色が変わるので」
「ああ、成程」
早い時期に収穫をして、枝豆に。それ以外の段階でも、それぞれにきちんと活用法があると言う事らしい。
「節分などもあったので、そのあたりは、どうなのでしょう」
オユキとしても、大豆はやはり苦手を一切覚えない。今の湯葉に関しては、オユキが気が付かないだけで細かくトモエが気を使った結果でもあるのだが、それよりも興味が他に向く。要は、オユキ自身の来歴が名前にかなり依っているとそうした話をされたばかり。根源の大半を占めているのは、妖魔等と言う話をされたものだ。そして、オユキとしては大豆と言えばと思う物もある。そちらは、鬼を払ってという物だ。伝承をもとに、そのような存在であれば間違いなく該当しそうなものであるし、確かに過去魔物としてそのような存在もいたとは聞いている。ならば、魔物では無いとしても似たような来歴とでもいえばいいのだろうか。種族としての根源に、それがあるというのならより影響を受けるのではないかと、そんな事をオユキは考えていたのだが。
「追儺は、大晦日に行う者だし豆は別に関係ないのではなかったかしら」
「追儺、ですか。いえ、私としては立春の前日の行事のはずだと」
「立春の前日に、邪気払いを、ですか」
しかし、ここではっきりと。どうやら、カリンとの間にもはっきりと翻訳による、自動的にそれぞれが理解できる形に直すための加護と言うのが問題を起こす。ただ、今度ばかりは互いの基本的な地域に起因する物であり、随分と簡単なと、そんなことを考えてしまうのだが。要は、この辺りにしても、知識と魔、法と裁きによって組まれているだろう、知識の伝達阻害を少しでも理解するための物だと言う事なのだろう。
「そうですね。節分、要は節目として季節の区切りを祝う訳ですから、祝い事の前には」
「とすると、立春以外でも」
「今はあまり習慣として残ってはいませんが、はい、折々に」
二十四節季は、大陸から入ってきたものだとは、オユキも聞いている。しかし、気候が海を隔てているという以上に異なりもするため、かなりの地域性を持っているのも事実。寧ろ、気候に合わないからと随分変わったのだとそういう話もある。しかし、オユキの記憶にあるものの話をすれば、それでもカリンとはしっかりと話が通じる。季節を分ける節目、その折々にかつては行われていたものや、今でも続いてるものまで。オユキとカリンがそうした話をしていれば、ヴィルヘルミナとしては珍しい東洋の話として聞き。トモエにしても、確かに昔は色々と季節の行事を互いに胎児にしていたなとそんな事を思い返しながら。食卓に乗せる話題として、確かにこうした物はオユキも好むのだ。これまでのように、あまりに政治に偏った話ではなく。今後の為にと繰り返すような話でなければ。
「オユキ」
「はて、なんでしょうアイリスさん」
しかし、あれこれと話していたからだろうか。寧ろ、こうした祭りの話を、ついつい異邦人たちが盛り上がってしてしまったからだろうか。以前にも、あったはずなのだ。そして、トモエとオユキは、その場に居合わせたはずなのだ。だが、ついつい忘れてしまう。この場には、神々の目と耳となりやすい異邦人たちが集まっており、そして、巫女の名を冠するのはなにもオユキばかりではない。声を届けるのは、間違いなくこうしてのんびりと話に興じている者達ではなく、黙して話を聞いている者に。
「かの神から、後で話があるそうよ」
更には、オユキの体調がここ暫くに対してかなり回復していることもある。オユキ自身にはまだ自覚は無いのだが、それこそ目が覚めたときには、本来であればはっきりと感じるものだろう。だが、そうした余裕があればとばかりに容赦なく頼んでくる相手もいるのだ。そして、オユキとしては、成程その程度には回復してきたのかと思う反面。
「さて、今の話であれば」
「近いのは立夏かしら」
「その、豊穣祭に合わせて、収穫祭も行う訳ですしもう少し先の」
思い当たるところは、そもそも節句を俎上に載せた以上はあまりにも多い。そして、こちらには冬と眠りをはじめとして、そもそもそれを表すための柱が存在している。そうした神々の話を受けてなのか、それ以外の神が折々に合わせて行われる行事に興味を示したのか。それこそ、もとより知識があっての事でこうした機会にと言う事なのか。判別がつく事柄ではないが、後で話があるというのならば、その時を待つしかないのが人の子でもある。
「なんだか、随分と久しぶりに感じてしまいますね」
「そうですね、こちらに来てからの事を考えると、確かに」
「あなた達とあってからは、私も散々に巻き込まれたから、確かにとそうは思うのだけれど」
トモエとしては、呼び立てられる程度には回復したのだなと、一つの指標として喜んで。オユキとしても、自信の回復の目安とでもいえばいいのだろうか、ただ、そちら以上に多くの祭りを行えるだけの、今後の事を考えたときにこの世界を支える柱の復権と言うのは願ってもいないのだと。
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