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29章 豊かな実りを願い
祭りに向けて
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トモエとオユキは、祭りまでの間、ここで動く時間が多くなる。そんな説明を受けることになった。ユーフォリアが申し訳なさそうに、そう言いだしたのだ。しかし、では実際にどうした予定を考えているのか、それを訪ねてみれば納得せざるを得ないものではあるのだ。ただ、疑問として挙げるのならば、まず真っ先に出てくるのがオユキの口にする言葉。
「トモエさんにまで、役割を振るのですか」
「今回の事は、豊穣祭でもあり、収穫祭も同時に行いたいとのことで」
「あの、雨乞いに加えて、そこまでと言うのは」
それを考えたのは、間違いなく国王陛下その人では無いだろうか。もしくはミズキリが。そんな疑念が、オユキの顔に出ているのだろう。ユーフォリアもただ苦く笑ってそれに応えるだけ。つまりは、彼女も知っている範囲の事ではあるらしい。そこまで分かれば、流石に納得がいくなにかも見つかり始める。オユキとしては、それで終わらせても良いと考えるのだが、隣でトモエが相も変わらず不機嫌な様子を隠さない以上は、口に出して確認する必要と言うのも当然ある。
「マルコさんがこちらで伝えた、そこで気が付いたものですが」
「はい。王都でも、この夏から秋にかけて」
「ああ。ただ、あの子たちも一緒になって」
「それで足りる程であればよいのですが、正直なところ」
始まりの町では、既に気の早い結果がしっかりと出始めているとそんなことも聞いている。出産の本番はまだ二月は先になるだろうが、お腹が目立つ者たちと言うのが随分と増えてきているらしい。少女たちをはじめ、少年たちも今は始まりの町でそうした者たちの為に、容易にいよいよと日々奔走しているらしい。拙いどころではない、手習いとしてメイに言われたのだろうと思われる手紙が、それを書くに至った経緯が実に分かりやすい手紙が届いていたこともある。併せて、メイからも今後はこうしたことを少しづつ教えていくつもりだから、配慮をしてくれと。
「已むをえませんと、そう言いたいところではありますが」
「そう、ですね。現状で不足している物を私一人でと言うのは流石に」
ただ、だからと言って、トモエとしても早々承諾できる物ではない。魔国とは違いここは王都。勿論、乱獲を望むというのなら、必要な武器の入手などは確かに容易ではある。しかし、それを行うには、やはりトモエ一人だけでは難しい。ファンタズマ子爵家の戦力を期待しているというのなら、トモエ個人しかいないのが実態でもある。他の借りている人員を使って、流石にそれも何度もと言うのも気が引ける。
「こちらで、少しはと言うのも」
「そうですね。マリーア公爵からは、領都の者たちをまずは優先してほしいと、そう言われるでしょう」
「狩猟者ギルドと、協同してというのは」
「その場合は、そちらからの要請を受けてと」
施しても構わない、それくらいの備えは既にある。だが、あまりに言いように使われてもという物だ。そもそも、トモエにしてもオユキにしても未だに狩猟者としての籍は残してある。ギルドから明確に要請があれば、引き受けるのは当然やぶさかではない。どうにも、そのあたり、王都では特にオユキは巫女として、トモエにしてもその伴侶として接することが多かったため気後れされているのかもしれないが。
「以前、お伺いと言いますか、話をした方もいます。そちらに、少し助け舟ではありませんが」
「では、後ほどその方に向けた物は私から」
「ええ、頼みます」
ファルコと共に、アベルも連れて。マリーア公爵の麾下としてあったこともある。その時に話した相手の顔を、どうにか思い浮かべながらオユキがそう口にすればユーフォリアが実に速やかに。
「後は、アイリスさんとの連絡ですが」
「そちらは、どうしましょうか」
ユーフォリアは、まだ面通しがすんでいない。そして、今やアイリスはアベルの、ユニエス公爵家の家督を持つ人物の王都における拠点で客として遇されている。
「マリーア公を経由してとするしかないのでしょうが」
「ですが、オユキさん」
「そう、かもしれませんが」
トモエが少々不安がる様に、オユキに話す。そして、オユキとしてもトモエの懸念は理解ができる。アイリスは、まぁ、実際にそうした手続きをもって接すれば答えはするだろう。ただ、少しもすれば面倒たといわんばかりに、極端な手を打ってくるとそんな確信がある。実際に、どうせ協同するのだからと、アベルの下からトモエとオユキのいる場に住処を移しかねない。どうせ始まりの町でもそうであるのだし、魔国でもそうしていただろうとそう言って。ユーフォリアのほうは、何やら手間が省けると言いたげな顔ではあるのだが。
「その、アイリスさんが一緒に暮らすとなると」
「何か、問題が」
「獣精の方で、肉を好むので」
そして、共に暮らす以上は、トモエはある程度抑えてくれているし、オユキとは改めて別の場で食事として十分な肉を摂取してくれている。だが、アイリスに対して、客人に対してそこまでの気遣いを求めてよいのかと言われれば、また難しい。実際に、シェリアとラズリアにしても何やら考え込んでいる様子なのだから。
「それは、また、解決の難しそうな」
今後も、付き合いが長くなると、誰もがそう示している。なんとなれば、オユキとして引き継ぐ財、そのうちのいくらかをカナリア同様、受け取って欲しいと考える相手。オユキからの大半は、シェリア個人に向ける心算ではあるのだが、そうした物以外。言ってしまえば、対外的にもそうしなければならないということくらいは、オユキも理解が有る。だからこそ、付き合いが長くなるだろう相手と、食の嗜好が一切合わないというのは難しい問題ではある。いや、合わないというよりも、互いに互いの食事を毛嫌いしているとでもいえばいいのか。
アイリスの、トモエの好む食事を大量に用意してしまえば、その場はオユキにとっているだけで胸やけを起こす空間になる。他方、オユキの食生活、食べやすいと感じる物ばかりを並べてしまえば、種族として必要とされている物がとれぬ者たちは覿面に衰弱してゆく。
「そのあたりもあって、ユフィの話に納得がいかないと考える物も多いのですよね」
「それは、端的に言えば種族ごとの差異なのですが」
要は、オユキと言う妖魔としての特性が強い存在にとってはそうだというだけで。
「言葉が足りず、一般論と聞こえたのなら」
「ああ、成程」
だが、昨日ユーフォリアが語った内容と言うのはあくまでオユキを対象にしたものであり、他に向けるようなものではないのだと。言われて、成程、その内容を正しく理解したらしいアルノーが、早速とばかりに何か工夫をしてくれている物ではあるらしい。オユキのほうでは、明らかにこれまでよりもさらに食事が重たく感じるのだから。
「とすると、オユキさんのイドが弱い、それですか」
「あの、イドと言われましても、私にとっては学問としての用語の知識しかないのですが」
オユキの知っている、その言葉はあくまでいつぞやに習った物でしかない。それも、教養としての中で。興味があって履修したのかと言われれば、全くもってそんな事は無く。ただただ、必要な物を、課程として必要とされている単位を獲得するために。他にやりたい事は明確にあり、さらには追加で休日を等と考えていたこともあったため、空いた時間で取れる物はそれだけだったからと。
「凡そ、そちらの理解で問題がありません」
「あの、私の自覚の上では、快、不快その原則は当然の物としていますし、今まさにそれに従って食事を」
「オユキさん、ですからね」
オユキとしては、己のそうした本能的な欲求が弱い訳が無いとそう考えている。だが、トモエからしてみれば、オユキのそうした部分が弱いと言われて、然も有りなんと頷く以上の物がない。オユキは、抑圧が効きすぎている。そのタガが外れるのは、トモエに向き合っている時。今となっては、それが顔を覗かせたのは以前の闘技大会の場においてのみ。トモエにとって、それがただ事実。オユキが、己の知らぬところで、己の理解の及ばない自分をトモエが理解している。その事実を喜びながらも、どこか気恥ずかし気にしているものだが、そればかりはそのような物だと納得してもらうしかない。己の理解など、鏡に映さねば進みはしない。
「一先ず、そちらは置いておきましょうか。ええ、私のほうでも、一応最低限は既に終わっています」
だから、今話すべきは。この場で、侍女たちも顔をそろえている場で話すべきは、今後の予定には違いない。
「私としても、求められるだろうこと、その理解はあります。それこそ、十分な人手が確保できるのなら、そうした催しを起こしてもとは思いますから」
「トモエさん」
「流石に、私としても理解はあります。こちらの方々が、これまで望んでも得られなかったものを得られえるというのなら、その一助となるのなら否やはありません」
そのあたりは、オユキなら分かるだろうと。生前に、散々に話したはずだと。
「仕方、ありませんね」
だからこそ、オユキが良くそうするように。トモエにとって譲れない部分を、譲るための言葉を。トモエが、オユキが譲らぬ部分を度々そう言って受け入れる様に。
「では、それも予定としましょうか」
「はい」
だからこそ、オユキは其処に己の望みもとそう考えるのだが。
「オユキさん」
「いえ、流石に私もかなりの時間をこうしていますし」
「それで、頂いた護符を外して動けるようになりましたか」
トモエが、ただそれが事実だろうと言い含める。勿論、オユキにしてもその自覚はあるのだ。今朝にしても、どうにか己の上半身を自力で起こせるようになった程度。未だに、自分で歩くこともままならない。護符があれば、どうにかそれが叶った、そこから考えれば確かに回復していると分かるものではあるし、カナリアからも順調に回復しているとそうした話はされている。だが、現実の己として、外に出るには、間違いなく命の危険が存在する場所にトモエとしては連れて行く気が無いとそれには当然気が付いている。
「そう、ですね。鍛錬として、午後から少し体を一緒に動かしましょうか」
ただ、オユキが望んでいるのは何も外に向かうことでは無いと、それはトモエも理解している。落としどころという程でもない。ただ、オユキの望みをかなえようとそういった以上はトモエとしても。
「トモエさんにまで、役割を振るのですか」
「今回の事は、豊穣祭でもあり、収穫祭も同時に行いたいとのことで」
「あの、雨乞いに加えて、そこまでと言うのは」
それを考えたのは、間違いなく国王陛下その人では無いだろうか。もしくはミズキリが。そんな疑念が、オユキの顔に出ているのだろう。ユーフォリアもただ苦く笑ってそれに応えるだけ。つまりは、彼女も知っている範囲の事ではあるらしい。そこまで分かれば、流石に納得がいくなにかも見つかり始める。オユキとしては、それで終わらせても良いと考えるのだが、隣でトモエが相も変わらず不機嫌な様子を隠さない以上は、口に出して確認する必要と言うのも当然ある。
「マルコさんがこちらで伝えた、そこで気が付いたものですが」
「はい。王都でも、この夏から秋にかけて」
「ああ。ただ、あの子たちも一緒になって」
「それで足りる程であればよいのですが、正直なところ」
始まりの町では、既に気の早い結果がしっかりと出始めているとそんなことも聞いている。出産の本番はまだ二月は先になるだろうが、お腹が目立つ者たちと言うのが随分と増えてきているらしい。少女たちをはじめ、少年たちも今は始まりの町でそうした者たちの為に、容易にいよいよと日々奔走しているらしい。拙いどころではない、手習いとしてメイに言われたのだろうと思われる手紙が、それを書くに至った経緯が実に分かりやすい手紙が届いていたこともある。併せて、メイからも今後はこうしたことを少しづつ教えていくつもりだから、配慮をしてくれと。
「已むをえませんと、そう言いたいところではありますが」
「そう、ですね。現状で不足している物を私一人でと言うのは流石に」
ただ、だからと言って、トモエとしても早々承諾できる物ではない。魔国とは違いここは王都。勿論、乱獲を望むというのなら、必要な武器の入手などは確かに容易ではある。しかし、それを行うには、やはりトモエ一人だけでは難しい。ファンタズマ子爵家の戦力を期待しているというのなら、トモエ個人しかいないのが実態でもある。他の借りている人員を使って、流石にそれも何度もと言うのも気が引ける。
「こちらで、少しはと言うのも」
「そうですね。マリーア公爵からは、領都の者たちをまずは優先してほしいと、そう言われるでしょう」
「狩猟者ギルドと、協同してというのは」
「その場合は、そちらからの要請を受けてと」
施しても構わない、それくらいの備えは既にある。だが、あまりに言いように使われてもという物だ。そもそも、トモエにしてもオユキにしても未だに狩猟者としての籍は残してある。ギルドから明確に要請があれば、引き受けるのは当然やぶさかではない。どうにも、そのあたり、王都では特にオユキは巫女として、トモエにしてもその伴侶として接することが多かったため気後れされているのかもしれないが。
「以前、お伺いと言いますか、話をした方もいます。そちらに、少し助け舟ではありませんが」
「では、後ほどその方に向けた物は私から」
「ええ、頼みます」
ファルコと共に、アベルも連れて。マリーア公爵の麾下としてあったこともある。その時に話した相手の顔を、どうにか思い浮かべながらオユキがそう口にすればユーフォリアが実に速やかに。
「後は、アイリスさんとの連絡ですが」
「そちらは、どうしましょうか」
ユーフォリアは、まだ面通しがすんでいない。そして、今やアイリスはアベルの、ユニエス公爵家の家督を持つ人物の王都における拠点で客として遇されている。
「マリーア公を経由してとするしかないのでしょうが」
「ですが、オユキさん」
「そう、かもしれませんが」
トモエが少々不安がる様に、オユキに話す。そして、オユキとしてもトモエの懸念は理解ができる。アイリスは、まぁ、実際にそうした手続きをもって接すれば答えはするだろう。ただ、少しもすれば面倒たといわんばかりに、極端な手を打ってくるとそんな確信がある。実際に、どうせ協同するのだからと、アベルの下からトモエとオユキのいる場に住処を移しかねない。どうせ始まりの町でもそうであるのだし、魔国でもそうしていただろうとそう言って。ユーフォリアのほうは、何やら手間が省けると言いたげな顔ではあるのだが。
「その、アイリスさんが一緒に暮らすとなると」
「何か、問題が」
「獣精の方で、肉を好むので」
そして、共に暮らす以上は、トモエはある程度抑えてくれているし、オユキとは改めて別の場で食事として十分な肉を摂取してくれている。だが、アイリスに対して、客人に対してそこまでの気遣いを求めてよいのかと言われれば、また難しい。実際に、シェリアとラズリアにしても何やら考え込んでいる様子なのだから。
「それは、また、解決の難しそうな」
今後も、付き合いが長くなると、誰もがそう示している。なんとなれば、オユキとして引き継ぐ財、そのうちのいくらかをカナリア同様、受け取って欲しいと考える相手。オユキからの大半は、シェリア個人に向ける心算ではあるのだが、そうした物以外。言ってしまえば、対外的にもそうしなければならないということくらいは、オユキも理解が有る。だからこそ、付き合いが長くなるだろう相手と、食の嗜好が一切合わないというのは難しい問題ではある。いや、合わないというよりも、互いに互いの食事を毛嫌いしているとでもいえばいいのか。
アイリスの、トモエの好む食事を大量に用意してしまえば、その場はオユキにとっているだけで胸やけを起こす空間になる。他方、オユキの食生活、食べやすいと感じる物ばかりを並べてしまえば、種族として必要とされている物がとれぬ者たちは覿面に衰弱してゆく。
「そのあたりもあって、ユフィの話に納得がいかないと考える物も多いのですよね」
「それは、端的に言えば種族ごとの差異なのですが」
要は、オユキと言う妖魔としての特性が強い存在にとってはそうだというだけで。
「言葉が足りず、一般論と聞こえたのなら」
「ああ、成程」
だが、昨日ユーフォリアが語った内容と言うのはあくまでオユキを対象にしたものであり、他に向けるようなものではないのだと。言われて、成程、その内容を正しく理解したらしいアルノーが、早速とばかりに何か工夫をしてくれている物ではあるらしい。オユキのほうでは、明らかにこれまでよりもさらに食事が重たく感じるのだから。
「とすると、オユキさんのイドが弱い、それですか」
「あの、イドと言われましても、私にとっては学問としての用語の知識しかないのですが」
オユキの知っている、その言葉はあくまでいつぞやに習った物でしかない。それも、教養としての中で。興味があって履修したのかと言われれば、全くもってそんな事は無く。ただただ、必要な物を、課程として必要とされている単位を獲得するために。他にやりたい事は明確にあり、さらには追加で休日を等と考えていたこともあったため、空いた時間で取れる物はそれだけだったからと。
「凡そ、そちらの理解で問題がありません」
「あの、私の自覚の上では、快、不快その原則は当然の物としていますし、今まさにそれに従って食事を」
「オユキさん、ですからね」
オユキとしては、己のそうした本能的な欲求が弱い訳が無いとそう考えている。だが、トモエからしてみれば、オユキのそうした部分が弱いと言われて、然も有りなんと頷く以上の物がない。オユキは、抑圧が効きすぎている。そのタガが外れるのは、トモエに向き合っている時。今となっては、それが顔を覗かせたのは以前の闘技大会の場においてのみ。トモエにとって、それがただ事実。オユキが、己の知らぬところで、己の理解の及ばない自分をトモエが理解している。その事実を喜びながらも、どこか気恥ずかし気にしているものだが、そればかりはそのような物だと納得してもらうしかない。己の理解など、鏡に映さねば進みはしない。
「一先ず、そちらは置いておきましょうか。ええ、私のほうでも、一応最低限は既に終わっています」
だから、今話すべきは。この場で、侍女たちも顔をそろえている場で話すべきは、今後の予定には違いない。
「私としても、求められるだろうこと、その理解はあります。それこそ、十分な人手が確保できるのなら、そうした催しを起こしてもとは思いますから」
「トモエさん」
「流石に、私としても理解はあります。こちらの方々が、これまで望んでも得られなかったものを得られえるというのなら、その一助となるのなら否やはありません」
そのあたりは、オユキなら分かるだろうと。生前に、散々に話したはずだと。
「仕方、ありませんね」
だからこそ、オユキが良くそうするように。トモエにとって譲れない部分を、譲るための言葉を。トモエが、オユキが譲らぬ部分を度々そう言って受け入れる様に。
「では、それも予定としましょうか」
「はい」
だからこそ、オユキは其処に己の望みもとそう考えるのだが。
「オユキさん」
「いえ、流石に私もかなりの時間をこうしていますし」
「それで、頂いた護符を外して動けるようになりましたか」
トモエが、ただそれが事実だろうと言い含める。勿論、オユキにしてもその自覚はあるのだ。今朝にしても、どうにか己の上半身を自力で起こせるようになった程度。未だに、自分で歩くこともままならない。護符があれば、どうにかそれが叶った、そこから考えれば確かに回復していると分かるものではあるし、カナリアからも順調に回復しているとそうした話はされている。だが、現実の己として、外に出るには、間違いなく命の危険が存在する場所にトモエとしては連れて行く気が無いとそれには当然気が付いている。
「そう、ですね。鍛錬として、午後から少し体を一緒に動かしましょうか」
ただ、オユキが望んでいるのは何も外に向かうことでは無いと、それはトモエも理解している。落としどころという程でもない。ただ、オユキの望みをかなえようとそういった以上はトモエとしても。
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