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27章 雨乞いを
挑発を重ねて
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オユキは、己の目的を叶えるのに、流石にある程度は手段を選ぶ。だが、どうだろうか。今回、目の前に今座っている相手、初代マリーア公爵、ミリアムに対して今行っていること。それを選んでいると、そう評してもいい物だろうか。
「つまり、この者達を。傷ついた者たちに、安息を与えるつもりが無いと」
目の前で、オユキの目論見道理にミリアムが怒りをあらわにしている。それに対して、オユキからは、取り合う気が無いとそう返すしかない。
「はい。ミリアムさんの保証があるとはいえ、この方々は現在の所属が不明瞭です」
オユキの目的は、こちらで雨乞いを行う事。今後を考えたときに、異空と流離、この神を表に出すことをためらう理由がない。その一連を喜ぶとも言われており、それを行って得られる結果にしても間違いなくこちらの、魔国の窮状を助ける一助になる。つまり、今オユキが行っている事と言うのは、始まりの町でメイに対して行っている物。好みはしない、ミズキリに対して繰り返し言葉にしている、誰かに犠牲を押し付ける、そうした振る舞いでしかない。オユキが嫌う類の。
それでも行わなければならない理由、それは当然存在する。
事今回の事に関して、オユキが暇だと嘯き、トモエもそれに乗っている理由。トモエとオユキの共通の認識となっている部分。今回の事で、魔国が神国に借りを作ってはいけないと、それを考えて。オユキにとって重要な事、トモエにとっても重要な事。今後、こうした雑事を行うたびに、オユキが体調を崩す時間ばかりでは、困るのだ。だからこそ、今回の事、雨乞いを行う事はオユキとトモエの暴走の結果として。そうした形を作らなければならない。そのうえで、間違いなく背景に理解を示すだろうこの国の王妃に対して求めるのだ。オユキの現状を、今後楽になるための手立てを。
国家間の交渉で、間違いなく今回それを与えられるのだろう。だが、そこに対してこの国の王妃が、王がそれを手札の一つとして切ってしまえば今こうして、僅かな、あまりにも細い希望に縋ろうとした者たちの取り扱いが問題になる。ミリアムも普段であればそうしたことにまで気が回るだろう。だが、今もこうしてオユキに対して怒りをあらわにしている現状では、それも無理だ。
内心、ため息をつきながら。それでもオユキは言葉を重ねる。
「こちらで、相応の期間暮らしていたというのであれば、この方々はもはや魔国の方とそう考えるのが自然な帰結でもあります」
己の目的を果たすために、王城から飛び出した。そして、結果として既にあった領、アルゼオ公爵領とサクレタ公爵領、その二つを切り取り己の名を冠する領とするだけの人物だ。シェリアが跳ねっ帰りなどと評されてはいたが、この人物の本来と言うのはその程度の表現で済むようなものではない。加えて、ここでミリアムが無理を通せば、間違いなくその結果はアルゼオ公爵へと、これまでどうにか、自領よりも関係の維持をどうにか続けて来たアルゼオ公爵に向かう事にもなる。現公爵とも、オユキとしても関係の改善を考えているのだ。次の国に向かうにしても、もう一度アルゼオ公爵領を通ることになる。そこで、もう一度会って話をするときに、今回の事、その帰結をもってある程度。そうしたことをぼんやりと考えている。
前回の訪問時には、正直既に決まってしまった事があり。オユキとしても、今後を考えればそれを避ける方法も無く。だからこそ、アルゼオ公爵はオユキにしたいして怒りをあらわにしなければならなかった。どうにも、先代アルゼオ公爵を頼むのが難しいようだと、それは既にオユキにしても。
「オユキさん、正気ですか」
「ええ、いたって正気です。今、こうして些事にとらわれているミリアムさん、貴女よりも余程」
ミリアムの眼が、オユキに対してはっきりと失望の色を浮かべる。打算も無く、助けるとそう考えていたのだろう。そのために、ミリアムの確認を求めたと考えているのだろう。事実としては、そうである。勿論、オユキは彼らを、四肢を失い、疲れ切っているこの人物たちを見捨てる選択肢などない。それが出来ないというのであれば、無作為に誰彼構わずなどと言う事は決してしない。しかし、どうにも見覚えのある相手でもあり、それが以前は確かに今トモエとオユキが暮らす場から参加した物が取りまとめ役となっているというのならば話は別だ。
その見覚えのある相手は、一体何をしているのかとよく分からぬとそうした表情を隠しもしない。昨日、オユキが実に気軽にポンと渡した金銭と言うのは彼にしても度が過ぎているとそう感じるだけの金額であったには違いない。一応は、オユキの考え、身なりを一応整えましょうと、こちらの物価がよく分からぬからと手元にあった硬貨のほとんどを渡したのだから。連れて帰るかどうか、それは彼にしてみれば実際難しいと考えているには違いない。こちらでの生活を、魔国の王都で暮らすにはある程度以上の期間をしのげるだけの金銭を無造作に与えておいて、一体今は何を渋っているのかと。それは、当然の疑問だろう。
「私は、冷静です」
「さて、本当にそうであれば、そのように口にするはずもありません」
本当に冷静な人間であれば、オユキの企みなど気が付いて当然だ。オユキはそんなことを考えているのだが、気が付けるのは今のところこちらの人間では、側に居る時間が長かったアイリスとシェリア位のものだ。他の者たちは、トモエの言葉で、実に簡単に誘導される。
オユキが暇、そんなはずが無いとそれすらも忘れて。
こちらには、療養に来ている。冬と眠りから与えられた功績、それがあるにしても身に着けていれば、回復は遠ざかるのだとはっきりとカナリアに言われた。仮にそれがなくとも、以前は魔国に来るまでの三ヶ月、戻ってからも相応に長い期間。しっかりと寝込んだのだ。今回にしても、まずはそれを行っているのが当然の流れなのだから。
シェリアが気が付いているのは、眠るオユキがトモエに甘える姿を見ていたから。アイリスにしても、こちらも同じく。カナリアに関しては、そもそもオユキが積極的に何かをすることは認めるつもりが無いという、医師としての判断が先に立っている。加えて、カナリアにしてもこちらに来る目的、改めてこちらの教会で片付ける問題にこれまでの事の対価としてオユキに求める心算もあるからだろう。
誰も彼もが、オユキという異邦からの巫女、神々と実にやり取りがしやすい素地を持っている存在を求めている。だからこそ、壊れぬ様にと大事に扱う。多少のわがままであれば、今回のようにあまりに突飛な事を言い出しても、では叶えて見せようと動かざるを得ない。甘やかしているように見えはするだろう。だが、それはトモエがはっきりと周囲に警告を出す程度には下心あっての物。
「オユキさん、いいですか、もう一度。ええ、もう一度だけ尋ねましょう」
月と安息の神を、その神にあやかった名を己の公爵としての家名に持つほどに。民の安息を、どういった時代かはわからないが、最初期の大量の異邦人たちに依存しただろう時代、そこを抜けた先に待っていたであろう、なかなか難しい時代。そこで、ブルーノと共に声を張り上げて動き回った人物。その人物が、一体何を見て、それを望んだのかは分かるはずもない。オユキにできるのはあくまで、想像だけ。かつての世界でもそうであったように、あまりに遠い事柄。己とかかわりのない場所で起きた出来事に対して、想像以上ができるはずもない。
「我が公爵家、その庇護を受けるファンタズマ子爵家当主に、改めて」
「ミリアムさん。貴女はあくまで初代でしかなく、現公爵、当主はあくまで私の良く知る方でしょう」
「だから、なんだというのですか」
さて、挑発には、あまりにも分かりやすくミリアムが乗ってくれている。このまま、オユキとしては、少し先になるとは考えていたのだが、このままでは間違いなくこの後すぐの事になるだろう。
「私からも、同じ言葉を返しましょう。だから、なんなのですかと」
そして、ここで、一度。
「私に話すことなく、ええ、ミリアムさんが施せばよいでしょう。その決定を行えばよいでしょう。現公爵の権限を越えることが出来る、それだけの力を持つというのであれば」
公爵家を己の家だというのならば、その権限をもって。オユキになど、ファンタズマ子爵家になど頼らず己の家でだけ行えばよい。そういった理解は、何処までも不満を抱えながらも、オユキにこうして言いつのっている現状を見れば、今のミリアムにそのような力がないことくらいはわかる。
いや、ともすれば、こうしてオユキの挑発にわざと乗ってくれているのかもしれない。一応は王家の姫であり、オユキの想像よりも遥かに教育を受けているはずなのだ。ならば、こうして駆け引きとしての場を持つことで。
「私が確認したい事は、一つ」
ただ、それは間違いなく違うのだろうなと。長い時間の中で、すっかりとそうした教育が頭から抜けているのか。オユキがこうして仕事として行うたびに、己の心がすり減っていくのが分かる様に。長い時の中で、すっかりとそうした姿と言うのが摩耗しきってしまったのか。今、まさに。激情に駆られようとしているミリアム、その姿からはもはやこうした駆け引きを行っているのだと、その理解が有るようには見られない。
「助ける意思があるのか、無いのか。この哀れな者たちを。安息を得るべき者たちを」
これが最後通牒だとばかりに、オユキに対して告げられる言葉。周囲からは、昨夜にも感じた気配が。屋敷は軋みを上げ、足元からは振動が響ている。地に蠢く何かがそこにある。木の根が、確かに蠢く気配が。タルヤに頼むのが良いかと、そうは考えるのだが生憎と他に頼まなければならないことがある。こちらでは、娘と共にゆっくりとしてほしいという願いもあって、今回はオユキが目を付けのがミリアムその人。ここまでの期間で、この人物に対しても色々と思う所があるのはあるのだ。
「現状、ありません」
この世界に来た。かつての世界から流れて来た者たち。創造神をはじめとした神々に選ばれたのではない者たち。そうした者たちに対して、間違いなくこのミリアムにしても手を下している。
「つまり、この者達を。傷ついた者たちに、安息を与えるつもりが無いと」
目の前で、オユキの目論見道理にミリアムが怒りをあらわにしている。それに対して、オユキからは、取り合う気が無いとそう返すしかない。
「はい。ミリアムさんの保証があるとはいえ、この方々は現在の所属が不明瞭です」
オユキの目的は、こちらで雨乞いを行う事。今後を考えたときに、異空と流離、この神を表に出すことをためらう理由がない。その一連を喜ぶとも言われており、それを行って得られる結果にしても間違いなくこちらの、魔国の窮状を助ける一助になる。つまり、今オユキが行っている事と言うのは、始まりの町でメイに対して行っている物。好みはしない、ミズキリに対して繰り返し言葉にしている、誰かに犠牲を押し付ける、そうした振る舞いでしかない。オユキが嫌う類の。
それでも行わなければならない理由、それは当然存在する。
事今回の事に関して、オユキが暇だと嘯き、トモエもそれに乗っている理由。トモエとオユキの共通の認識となっている部分。今回の事で、魔国が神国に借りを作ってはいけないと、それを考えて。オユキにとって重要な事、トモエにとっても重要な事。今後、こうした雑事を行うたびに、オユキが体調を崩す時間ばかりでは、困るのだ。だからこそ、今回の事、雨乞いを行う事はオユキとトモエの暴走の結果として。そうした形を作らなければならない。そのうえで、間違いなく背景に理解を示すだろうこの国の王妃に対して求めるのだ。オユキの現状を、今後楽になるための手立てを。
国家間の交渉で、間違いなく今回それを与えられるのだろう。だが、そこに対してこの国の王妃が、王がそれを手札の一つとして切ってしまえば今こうして、僅かな、あまりにも細い希望に縋ろうとした者たちの取り扱いが問題になる。ミリアムも普段であればそうしたことにまで気が回るだろう。だが、今もこうしてオユキに対して怒りをあらわにしている現状では、それも無理だ。
内心、ため息をつきながら。それでもオユキは言葉を重ねる。
「こちらで、相応の期間暮らしていたというのであれば、この方々はもはや魔国の方とそう考えるのが自然な帰結でもあります」
己の目的を果たすために、王城から飛び出した。そして、結果として既にあった領、アルゼオ公爵領とサクレタ公爵領、その二つを切り取り己の名を冠する領とするだけの人物だ。シェリアが跳ねっ帰りなどと評されてはいたが、この人物の本来と言うのはその程度の表現で済むようなものではない。加えて、ここでミリアムが無理を通せば、間違いなくその結果はアルゼオ公爵へと、これまでどうにか、自領よりも関係の維持をどうにか続けて来たアルゼオ公爵に向かう事にもなる。現公爵とも、オユキとしても関係の改善を考えているのだ。次の国に向かうにしても、もう一度アルゼオ公爵領を通ることになる。そこで、もう一度会って話をするときに、今回の事、その帰結をもってある程度。そうしたことをぼんやりと考えている。
前回の訪問時には、正直既に決まってしまった事があり。オユキとしても、今後を考えればそれを避ける方法も無く。だからこそ、アルゼオ公爵はオユキにしたいして怒りをあらわにしなければならなかった。どうにも、先代アルゼオ公爵を頼むのが難しいようだと、それは既にオユキにしても。
「オユキさん、正気ですか」
「ええ、いたって正気です。今、こうして些事にとらわれているミリアムさん、貴女よりも余程」
ミリアムの眼が、オユキに対してはっきりと失望の色を浮かべる。打算も無く、助けるとそう考えていたのだろう。そのために、ミリアムの確認を求めたと考えているのだろう。事実としては、そうである。勿論、オユキは彼らを、四肢を失い、疲れ切っているこの人物たちを見捨てる選択肢などない。それが出来ないというのであれば、無作為に誰彼構わずなどと言う事は決してしない。しかし、どうにも見覚えのある相手でもあり、それが以前は確かに今トモエとオユキが暮らす場から参加した物が取りまとめ役となっているというのならば話は別だ。
その見覚えのある相手は、一体何をしているのかとよく分からぬとそうした表情を隠しもしない。昨日、オユキが実に気軽にポンと渡した金銭と言うのは彼にしても度が過ぎているとそう感じるだけの金額であったには違いない。一応は、オユキの考え、身なりを一応整えましょうと、こちらの物価がよく分からぬからと手元にあった硬貨のほとんどを渡したのだから。連れて帰るかどうか、それは彼にしてみれば実際難しいと考えているには違いない。こちらでの生活を、魔国の王都で暮らすにはある程度以上の期間をしのげるだけの金銭を無造作に与えておいて、一体今は何を渋っているのかと。それは、当然の疑問だろう。
「私は、冷静です」
「さて、本当にそうであれば、そのように口にするはずもありません」
本当に冷静な人間であれば、オユキの企みなど気が付いて当然だ。オユキはそんなことを考えているのだが、気が付けるのは今のところこちらの人間では、側に居る時間が長かったアイリスとシェリア位のものだ。他の者たちは、トモエの言葉で、実に簡単に誘導される。
オユキが暇、そんなはずが無いとそれすらも忘れて。
こちらには、療養に来ている。冬と眠りから与えられた功績、それがあるにしても身に着けていれば、回復は遠ざかるのだとはっきりとカナリアに言われた。仮にそれがなくとも、以前は魔国に来るまでの三ヶ月、戻ってからも相応に長い期間。しっかりと寝込んだのだ。今回にしても、まずはそれを行っているのが当然の流れなのだから。
シェリアが気が付いているのは、眠るオユキがトモエに甘える姿を見ていたから。アイリスにしても、こちらも同じく。カナリアに関しては、そもそもオユキが積極的に何かをすることは認めるつもりが無いという、医師としての判断が先に立っている。加えて、カナリアにしてもこちらに来る目的、改めてこちらの教会で片付ける問題にこれまでの事の対価としてオユキに求める心算もあるからだろう。
誰も彼もが、オユキという異邦からの巫女、神々と実にやり取りがしやすい素地を持っている存在を求めている。だからこそ、壊れぬ様にと大事に扱う。多少のわがままであれば、今回のようにあまりに突飛な事を言い出しても、では叶えて見せようと動かざるを得ない。甘やかしているように見えはするだろう。だが、それはトモエがはっきりと周囲に警告を出す程度には下心あっての物。
「オユキさん、いいですか、もう一度。ええ、もう一度だけ尋ねましょう」
月と安息の神を、その神にあやかった名を己の公爵としての家名に持つほどに。民の安息を、どういった時代かはわからないが、最初期の大量の異邦人たちに依存しただろう時代、そこを抜けた先に待っていたであろう、なかなか難しい時代。そこで、ブルーノと共に声を張り上げて動き回った人物。その人物が、一体何を見て、それを望んだのかは分かるはずもない。オユキにできるのはあくまで、想像だけ。かつての世界でもそうであったように、あまりに遠い事柄。己とかかわりのない場所で起きた出来事に対して、想像以上ができるはずもない。
「我が公爵家、その庇護を受けるファンタズマ子爵家当主に、改めて」
「ミリアムさん。貴女はあくまで初代でしかなく、現公爵、当主はあくまで私の良く知る方でしょう」
「だから、なんだというのですか」
さて、挑発には、あまりにも分かりやすくミリアムが乗ってくれている。このまま、オユキとしては、少し先になるとは考えていたのだが、このままでは間違いなくこの後すぐの事になるだろう。
「私からも、同じ言葉を返しましょう。だから、なんなのですかと」
そして、ここで、一度。
「私に話すことなく、ええ、ミリアムさんが施せばよいでしょう。その決定を行えばよいでしょう。現公爵の権限を越えることが出来る、それだけの力を持つというのであれば」
公爵家を己の家だというのならば、その権限をもって。オユキになど、ファンタズマ子爵家になど頼らず己の家でだけ行えばよい。そういった理解は、何処までも不満を抱えながらも、オユキにこうして言いつのっている現状を見れば、今のミリアムにそのような力がないことくらいはわかる。
いや、ともすれば、こうしてオユキの挑発にわざと乗ってくれているのかもしれない。一応は王家の姫であり、オユキの想像よりも遥かに教育を受けているはずなのだ。ならば、こうして駆け引きとしての場を持つことで。
「私が確認したい事は、一つ」
ただ、それは間違いなく違うのだろうなと。長い時間の中で、すっかりとそうした教育が頭から抜けているのか。オユキがこうして仕事として行うたびに、己の心がすり減っていくのが分かる様に。長い時の中で、すっかりとそうした姿と言うのが摩耗しきってしまったのか。今、まさに。激情に駆られようとしているミリアム、その姿からはもはやこうした駆け引きを行っているのだと、その理解が有るようには見られない。
「助ける意思があるのか、無いのか。この哀れな者たちを。安息を得るべき者たちを」
これが最後通牒だとばかりに、オユキに対して告げられる言葉。周囲からは、昨夜にも感じた気配が。屋敷は軋みを上げ、足元からは振動が響ている。地に蠢く何かがそこにある。木の根が、確かに蠢く気配が。タルヤに頼むのが良いかと、そうは考えるのだが生憎と他に頼まなければならないことがある。こちらでは、娘と共にゆっくりとしてほしいという願いもあって、今回はオユキが目を付けのがミリアムその人。ここまでの期間で、この人物に対しても色々と思う所があるのはあるのだ。
「現状、ありません」
この世界に来た。かつての世界から流れて来た者たち。創造神をはじめとした神々に選ばれたのではない者たち。そうした者たちに対して、間違いなくこのミリアムにしても手を下している。
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