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24章 王都はいつも
明日に向けて
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流石に、派手に刃を交わしてなどという事は無い。基本はあくまで、トモエがオユキに対して指導をするという形。少々衆目もあるが、あくまで見られても良い技を伝えているだけ。
「これは、なかなか難しいですね。」
「基本的な所は、これまでに伝えているものと変わりありません。」
長さの揃わぬ得物を振るうにあたって、より一層武器の取り回しを考える必要が生まれる。これまでは、同じ距離でと出来ていたため、それを前提として基本的に動きを考えていたためやはりこれまでの物が通用しない。オユキはそんな状態に手間取っていると見える。しかし、トモエに言わせてみればここまでの間基本的に最後はと言えばいいのか、決め手としてオユキは基本的に短刀を、戦と武技から与えられた短刀を選ぶことが多かった。トモエの見た場面では、基本的にそうであったしオユキの話からもそのように判断している。
「さて、もう一度です。」
「ええ。」
まずは、やはり型として。
トモエが披露した物を、オユキがいくつかの流れに合わせて分割し、これまでに習った物と比較して体を動かし馴染ませる。それが終われば、今行っているように互いに向き合って型としての稽古を行う。
「まずは、遠間から。」
「はい。」
そして、まずは慣れた位置で互いに手に持つ武器を振り、いつもと少し違う位置で刃を交わす。オユキのもう片方の手にある武器は、これまでの位置で振れば、更に踏み込まねばかすりもしない。だからこそ、今もこうして慣れのままに動こうとしては失敗している。そんな様子を、こちらは双剣のカリンも少し離れた位置で伺うようにしながら、もしも自分であればどのように対応するのかそれを考えていると示すかのように。
「オユキさん。」
「はい。」
少し踏み込みが浅い先ほどと違い、今度は遠い。
「良い位置です。」
「ここですか。」
名を呼ぶだけで直るのは、これまでの鍛錬の成果でもあるし、オユキの天稟でもある。
「ですが、これでは。」
「ええ。今教えている型では、やはり上から抑え込む相手に対応することは難しいでしょう。」
「他があると、そう言う事ですか。若しくは。」
「基本として、後は工夫ですね。」
「いつものように。そのように。」
あくまで型は基本。勿論、咄嗟の時に体がそう動くように何度でも繰り返して己に覚え込ませはする。流派として、各流派がそうしているようにこれこそ至上とする動きを、確かに行う為に。オユキとしても、試してみたいと考える動きはあるのだろう。だが、やはり今は型稽古の最中。これを超えた先に、己が動こうと思う形を示そうとしているのはトモエも分かるし、オユキも良く抑えている。稽古を行うにあたって、言う事を聞かぬものが、内にある闘争心を制御できない物も多いのだが、オユキはその辺りとの付き合い方が上手い。人よりも強く、特にトモエが相手であれば内心に抱える物はかなり大きいだろうに。
「はて、何事でしょうか。」
一時間ほどだろうか、それとももっと短いのか。オユキの体感では、もう少しかかったような気がしているのだが、実際にはそこまででもないような、そんな不思議な間隔ではある。これまで何度もあった、しかし、今この時はこの時だけ。だが、それを邪魔するような視線が。
「オユキさん。シェリア様が。」
「今日は、流石に他からの横やりは無いと、断って頂けると信じていたのですが。」
トモエの言葉に、オユキは不思議そうに。
「仕方ありません。今日は恐らくここまでとなるでしょう。」
「残念ですね、オユキさん。」
「ええ、本当に。明日には、狩りに出なければならないというのに。」
「オユキさん。」
露骨に不満を隠せていない。そう感じてトモエは改めて声を掛ける。苛立ちは、確かに分かる。明日には間違いなく慣れぬ武器を携えて、魔物の狩りに向かわなければならないのだ。少しでも習熟の為に。慣れぬ型を、少しでも馴染ませようと。それを考えてこうして時間を使っていたのだから、邪魔をされたとそう感じるのは当然でもあるのだが。
「申し訳ございません。」
「いえ、私の方こそ。少し、焦っていたようです。」
オユキの感情、これまでよりも表に出やすくなっているそれにシェリアが気が付き、謝罪から。
「その、アベル様が当屋敷に。」
「アベルさん、ですか。」
言われた言葉に、オユキは少し考える。
間を置く様子に、シェリアの眼が少し色を変えるのだが、オユキの決断としては一度会って話をしておくべきだと、そちらに傾く。彼の父、アダムと言う人物から、もしかしたら内々に目的などを聞かされてという事もあるかと考えての事ではある。オユキに対して、こちらで他に合うべき者達が多い中で突然にやってきたあの人物が、何やら遠大な考えを持っているという事は理解した。愚物ではなく、及ばぬ己の方が愚かであるらしいと。ならば、話し合う場を設けてもとそんな事を想うのだが、それもやはり難しい。
「アダムさんは、そこまでを考えての振る舞いだったのでしょうね。」
事前にオユキに情報を与えず、ただただ誰が見ても非礼とわかる振る舞いを行って。それで達成できる目標など、多少考えれば絞られる。そのどれか、と言う事になるが今回アベルが来たことを考えれば。
「アベルさんから、説明があるでしょう。」
「それは、先の非礼に関するものですか。」
「ええ。如何なる目的があり、それを為すために何故なのか。武国の公爵という位を持ちながらも、この国の為にと考えて。」
「オユキ様の不興を買う事が、彼の国と、この国にもたらす所は何もないと思いますが。」
シェリアが実に不思議だと、それを隠しもしない。だが、唯一と言う程では無いが、最も分かりやすい物もある。
「切欠は作れますから。」
次に繋げるために。己が少々下に見られたとて構わないと。
「次は、謝罪を口実に、ですか。」
「公爵本人がやるのは、流石にどうかと私も思いますがアダムという人物はそれを選ぶのでしょう。」
ミズキリであればどうであったか。
それを考えた時、潤沢な人脈を持つあの人物はそれをしないだろうと言い切れる。いや、言い切れた。こちらに来て、己の伝手を可能な限り、神々の計画を進めるという立場にあって、その権限を存分に使ってこちらでも人脈を築き上げたのだろうが、恐らくそこに関わらない人間については確かに怒らせていた。それこそ、アベルの事ではあるのだが。
「ミズキリに対する意趣返しも含めての事でしょう。アベルさんが伝えたのなら、私はミズキリの手先と言えばいいのでしょうか。そのように映っているでしょうし。」
最早そうした流れでは無いと、オユキは武器を納めてトモエに預ける。トモエの方は熱烈に、誘うように、そんな視線を向けている相手とこの後も少し遊ぶことになるだろう。それを止めろとはオユキも言いたくはないし、寧ろ客を迎えるためにオユキに手を入れるとなれば、トモエまでと言うのもなかなか難しい。
「オユキ様が、ですか。」
「あながち間違いでもありません。正直な所、予定を変えなければと言いながらも、早めるだけで少しの変更だけで対応ができる以上、私はやはりミズキリの予測の内です。」
ミズキリが組んだ予定に、己が組み込まれている事。それ自体には、今更何を思うところも無い。
トモエと別れて、次はシェリアと並んでオユキは一足先に屋敷へと歩みを進める。アベルが来たとそう話していた以上は、先触れと言う事ではなく実際に彼がこの屋敷に来ているのだろう。
「それは、トモエ様もでしょうか。」
「いいえ。トモエさんは、やはりミズキリの予想の外です。」
ミズキリの想定外、そこにトモエがいるのは間違いが無いはずだ。そもそもこちらに来る異邦人と言うのは、生前にあったかつてのゲームに係わりがある人間だけ。であれば、プレイヤーですらなかったトモエがこちらに来たのは、彼の想定外であるには違いない。そこまでをオユキが考えた時に、僅かにそれかける思考に何か別の手が入るのを感じる。ついには、こうした違和感を隠そうともしなくなったかとそこまでを考えて、やはり腑に落ちるところもある。これまでは、祖霊と呼ばれる存在があまり表に出てこなかったのだろう。しかし、今となってはその限りではない。つまるところは、主たる神と言うのが今まさに忙しくしている事の証左になる。
「いよいよ、神々も今は忙しくしているのでしょうね。」
「オユキ様。」
オユキが己の思い付きを口に出せば、こちらで生きてきたシェリアの反応が早い。
「ちょっとした思い付きではありますが、これまでであれば及ばなかった部分ですね。それを考える事も可能になっています。」
「オユキ様、それは。」
「やはりこちらの世界について、あまりにあまりな事を考えれば破綻するでしょうから。」
異界から来た人間が、こちらであまりに好き放題をすればシステムが破綻する。かつての世界の人間が、こちらにいない神を崇めても、やはりそれは困るだろう。座は既に確定しており、世界樹の根を通して人々の祈りを集めている、そうした仕組みとは聞いている。万一そこに他の神に対するものが混ざれば、新しい神として、柱としてその存在を新たにすることだろう。そして、往々にしてそうした祈りを捧げる者達と言うのは、その柱が何か他の存在に従属する事等とても良しとは出来ない。
「そうした由来を考えれば、まぁ、あれですね。」
「あれと言うのは。」
「いえ、思った以上に根深いものがありそうだなと。汚染の元凶、足を引くばかりの存在と思っていましたが、それ以外も色々とありそうです。」
つまるところは、こちらに存在する柱を認められぬ者達、それも纏められているという事なのだろう。実に厄介な事に。それを否定するのも、流石にオユキとしては難しい。こちらの神々は、それを認めぬと平然と言い切るのだろうが。
「さて、一先ずは用意を整えてアベルさんを迎えましょうか。今は客室でゆっくりとされているのでしょうから。」
「そうですね。一先ずは砂と、汗を流してそれからとしましょう。今の御言葉に関しては、事が終われば、改めてゆっくりと伺わせて頂ければ。」
「ええ。そうですね。あの子たちにも頼んで、此方でも恐らく誰かに任せる事になるでしょう。その後には、また少し時間を取りたいものです。」
「これは、なかなか難しいですね。」
「基本的な所は、これまでに伝えているものと変わりありません。」
長さの揃わぬ得物を振るうにあたって、より一層武器の取り回しを考える必要が生まれる。これまでは、同じ距離でと出来ていたため、それを前提として基本的に動きを考えていたためやはりこれまでの物が通用しない。オユキはそんな状態に手間取っていると見える。しかし、トモエに言わせてみればここまでの間基本的に最後はと言えばいいのか、決め手としてオユキは基本的に短刀を、戦と武技から与えられた短刀を選ぶことが多かった。トモエの見た場面では、基本的にそうであったしオユキの話からもそのように判断している。
「さて、もう一度です。」
「ええ。」
まずは、やはり型として。
トモエが披露した物を、オユキがいくつかの流れに合わせて分割し、これまでに習った物と比較して体を動かし馴染ませる。それが終われば、今行っているように互いに向き合って型としての稽古を行う。
「まずは、遠間から。」
「はい。」
そして、まずは慣れた位置で互いに手に持つ武器を振り、いつもと少し違う位置で刃を交わす。オユキのもう片方の手にある武器は、これまでの位置で振れば、更に踏み込まねばかすりもしない。だからこそ、今もこうして慣れのままに動こうとしては失敗している。そんな様子を、こちらは双剣のカリンも少し離れた位置で伺うようにしながら、もしも自分であればどのように対応するのかそれを考えていると示すかのように。
「オユキさん。」
「はい。」
少し踏み込みが浅い先ほどと違い、今度は遠い。
「良い位置です。」
「ここですか。」
名を呼ぶだけで直るのは、これまでの鍛錬の成果でもあるし、オユキの天稟でもある。
「ですが、これでは。」
「ええ。今教えている型では、やはり上から抑え込む相手に対応することは難しいでしょう。」
「他があると、そう言う事ですか。若しくは。」
「基本として、後は工夫ですね。」
「いつものように。そのように。」
あくまで型は基本。勿論、咄嗟の時に体がそう動くように何度でも繰り返して己に覚え込ませはする。流派として、各流派がそうしているようにこれこそ至上とする動きを、確かに行う為に。オユキとしても、試してみたいと考える動きはあるのだろう。だが、やはり今は型稽古の最中。これを超えた先に、己が動こうと思う形を示そうとしているのはトモエも分かるし、オユキも良く抑えている。稽古を行うにあたって、言う事を聞かぬものが、内にある闘争心を制御できない物も多いのだが、オユキはその辺りとの付き合い方が上手い。人よりも強く、特にトモエが相手であれば内心に抱える物はかなり大きいだろうに。
「はて、何事でしょうか。」
一時間ほどだろうか、それとももっと短いのか。オユキの体感では、もう少しかかったような気がしているのだが、実際にはそこまででもないような、そんな不思議な間隔ではある。これまで何度もあった、しかし、今この時はこの時だけ。だが、それを邪魔するような視線が。
「オユキさん。シェリア様が。」
「今日は、流石に他からの横やりは無いと、断って頂けると信じていたのですが。」
トモエの言葉に、オユキは不思議そうに。
「仕方ありません。今日は恐らくここまでとなるでしょう。」
「残念ですね、オユキさん。」
「ええ、本当に。明日には、狩りに出なければならないというのに。」
「オユキさん。」
露骨に不満を隠せていない。そう感じてトモエは改めて声を掛ける。苛立ちは、確かに分かる。明日には間違いなく慣れぬ武器を携えて、魔物の狩りに向かわなければならないのだ。少しでも習熟の為に。慣れぬ型を、少しでも馴染ませようと。それを考えてこうして時間を使っていたのだから、邪魔をされたとそう感じるのは当然でもあるのだが。
「申し訳ございません。」
「いえ、私の方こそ。少し、焦っていたようです。」
オユキの感情、これまでよりも表に出やすくなっているそれにシェリアが気が付き、謝罪から。
「その、アベル様が当屋敷に。」
「アベルさん、ですか。」
言われた言葉に、オユキは少し考える。
間を置く様子に、シェリアの眼が少し色を変えるのだが、オユキの決断としては一度会って話をしておくべきだと、そちらに傾く。彼の父、アダムと言う人物から、もしかしたら内々に目的などを聞かされてという事もあるかと考えての事ではある。オユキに対して、こちらで他に合うべき者達が多い中で突然にやってきたあの人物が、何やら遠大な考えを持っているという事は理解した。愚物ではなく、及ばぬ己の方が愚かであるらしいと。ならば、話し合う場を設けてもとそんな事を想うのだが、それもやはり難しい。
「アダムさんは、そこまでを考えての振る舞いだったのでしょうね。」
事前にオユキに情報を与えず、ただただ誰が見ても非礼とわかる振る舞いを行って。それで達成できる目標など、多少考えれば絞られる。そのどれか、と言う事になるが今回アベルが来たことを考えれば。
「アベルさんから、説明があるでしょう。」
「それは、先の非礼に関するものですか。」
「ええ。如何なる目的があり、それを為すために何故なのか。武国の公爵という位を持ちながらも、この国の為にと考えて。」
「オユキ様の不興を買う事が、彼の国と、この国にもたらす所は何もないと思いますが。」
シェリアが実に不思議だと、それを隠しもしない。だが、唯一と言う程では無いが、最も分かりやすい物もある。
「切欠は作れますから。」
次に繋げるために。己が少々下に見られたとて構わないと。
「次は、謝罪を口実に、ですか。」
「公爵本人がやるのは、流石にどうかと私も思いますがアダムという人物はそれを選ぶのでしょう。」
ミズキリであればどうであったか。
それを考えた時、潤沢な人脈を持つあの人物はそれをしないだろうと言い切れる。いや、言い切れた。こちらに来て、己の伝手を可能な限り、神々の計画を進めるという立場にあって、その権限を存分に使ってこちらでも人脈を築き上げたのだろうが、恐らくそこに関わらない人間については確かに怒らせていた。それこそ、アベルの事ではあるのだが。
「ミズキリに対する意趣返しも含めての事でしょう。アベルさんが伝えたのなら、私はミズキリの手先と言えばいいのでしょうか。そのように映っているでしょうし。」
最早そうした流れでは無いと、オユキは武器を納めてトモエに預ける。トモエの方は熱烈に、誘うように、そんな視線を向けている相手とこの後も少し遊ぶことになるだろう。それを止めろとはオユキも言いたくはないし、寧ろ客を迎えるためにオユキに手を入れるとなれば、トモエまでと言うのもなかなか難しい。
「オユキ様が、ですか。」
「あながち間違いでもありません。正直な所、予定を変えなければと言いながらも、早めるだけで少しの変更だけで対応ができる以上、私はやはりミズキリの予測の内です。」
ミズキリが組んだ予定に、己が組み込まれている事。それ自体には、今更何を思うところも無い。
トモエと別れて、次はシェリアと並んでオユキは一足先に屋敷へと歩みを進める。アベルが来たとそう話していた以上は、先触れと言う事ではなく実際に彼がこの屋敷に来ているのだろう。
「それは、トモエ様もでしょうか。」
「いいえ。トモエさんは、やはりミズキリの予想の外です。」
ミズキリの想定外、そこにトモエがいるのは間違いが無いはずだ。そもそもこちらに来る異邦人と言うのは、生前にあったかつてのゲームに係わりがある人間だけ。であれば、プレイヤーですらなかったトモエがこちらに来たのは、彼の想定外であるには違いない。そこまでをオユキが考えた時に、僅かにそれかける思考に何か別の手が入るのを感じる。ついには、こうした違和感を隠そうともしなくなったかとそこまでを考えて、やはり腑に落ちるところもある。これまでは、祖霊と呼ばれる存在があまり表に出てこなかったのだろう。しかし、今となってはその限りではない。つまるところは、主たる神と言うのが今まさに忙しくしている事の証左になる。
「いよいよ、神々も今は忙しくしているのでしょうね。」
「オユキ様。」
オユキが己の思い付きを口に出せば、こちらで生きてきたシェリアの反応が早い。
「ちょっとした思い付きではありますが、これまでであれば及ばなかった部分ですね。それを考える事も可能になっています。」
「オユキ様、それは。」
「やはりこちらの世界について、あまりにあまりな事を考えれば破綻するでしょうから。」
異界から来た人間が、こちらであまりに好き放題をすればシステムが破綻する。かつての世界の人間が、こちらにいない神を崇めても、やはりそれは困るだろう。座は既に確定しており、世界樹の根を通して人々の祈りを集めている、そうした仕組みとは聞いている。万一そこに他の神に対するものが混ざれば、新しい神として、柱としてその存在を新たにすることだろう。そして、往々にしてそうした祈りを捧げる者達と言うのは、その柱が何か他の存在に従属する事等とても良しとは出来ない。
「そうした由来を考えれば、まぁ、あれですね。」
「あれと言うのは。」
「いえ、思った以上に根深いものがありそうだなと。汚染の元凶、足を引くばかりの存在と思っていましたが、それ以外も色々とありそうです。」
つまるところは、こちらに存在する柱を認められぬ者達、それも纏められているという事なのだろう。実に厄介な事に。それを否定するのも、流石にオユキとしては難しい。こちらの神々は、それを認めぬと平然と言い切るのだろうが。
「さて、一先ずは用意を整えてアベルさんを迎えましょうか。今は客室でゆっくりとされているのでしょうから。」
「そうですね。一先ずは砂と、汗を流してそれからとしましょう。今の御言葉に関しては、事が終われば、改めてゆっくりと伺わせて頂ければ。」
「ええ。そうですね。あの子たちにも頼んで、此方でも恐らく誰かに任せる事になるでしょう。その後には、また少し時間を取りたいものです。」
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