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23章 ようやく少し観光を
それは、空を掴むような
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隣国への仕置きの話を暫く続けていたのだが、とにもかくにも向こうからの望みというのは戦力の供出それに尽きるとの事ではあった。元より、この王太子妃にしてもそのためにと身一つで、実際には色々と持ち出したものはあるだろうが、こちらに流れてきたのだ。ならば、その対価をこの時に神国に支払えという気持ちは理解が出来る。加えて先の事もあり、そこまで心証も良く無かろう。
彼の国とこの国、その関係性と言えばいいのか優劣と言えばいいのか、そこには比較のし難い項目もある。この国は、確かな戦力が多く土地は豊。五穀豊穣の加護が確かに齎されている拠点が二カ所あり、そこは最早飢える事もなく周囲に少しくれてやったとして問題が無いのだと、籠を与えた本人から明言されていることもある。そのおこぼれとまではいわないのだが、余剰分を回してくれるのであればそれ以上の事もあるまいと先方は考えているには違いない。ただ、それに関しては既にアイリスが手を打っていることもある。彼女の与えた加護が、彼女の祖霊が与えた加護が不足だとそう喧伝して回らねばならないというのが一体どういう意味を持つのか、それが理解できるものたちにとっては不興を買う。
「さて、話を変えましょうか。」
此処までの話し合いの中で、魔国が置かれている窮状は散々に思い知る事となった。
そちらに足を運ぶ前には、王太子妃の輿入れは神国側からの働きかけ、先々予定されている戦に向けた物かと思いきや向こうとしても色々と不足があっての事。ここまでの間は、望む物が一部で止まっていたようなのだが。
「そう、ですね。」
「あまり、こうした場に相応しい話題という訳でもありません。改めて、貴女には感謝しているのです。」
「では、そのお言葉は有難く。」
話題を変えようと、王太子妃からいい加減に。
此処までの会話で、魔国の現状は十分すぎる程理解した。あくまで一方からの見方でしかなく、という戒めは流石に己の中で作る事はオユキも忘れはしないのだが。
「そう言えば、あちらの子は。」
「ええ。健やかに日々を。」
「それは、何よりです。」
相応に長い時間、こうして話をしていたというのに。一度もぐずるそぶりすら見せてはくれない。
育児における問題として、往々にして語られることもある問題が此処では起きる気配もない。それを良い事と捉えるのか、悪いととらえるのか。オユキとしては後者だとしか思えない。程度はあるのだろう。それを超えない範囲で、そう望むのはあまりに傲慢な振る舞いだと分かってはいるのだがそれでも思うところくらいはある。
「一度、抱いてみますか。」
「トモエさん、お言葉に甘えて見ては如何です。」
警戒心が無いと、そこまで思いはしない物だがオユキとしては、流石に色々と不安がある。
「では、宜しいでしょうか。」
「オユキが、では無いのですね。」
「はて、お伝えしていませんでしたか。」
思い返してみれば、公爵夫人には伝えたようにも思うし、王妃にはどうであったか。
「生前とは性別が逆になっていますので。」
「オユキ、貴方はそれを隠す気では無かったのですか。」
「いえ、特にそのような意図があっての事ではありません。」
確かに要らぬ勘繰りなどを受ければ、煩わしいなどとも考えてしまうものだがそうでない者達であれば、正直伝えてしまった方が良いと考えている。寧ろ、女性であることを前提にあれやこれやとよく知らぬ、興味も無い事を聞かされてもというものだ。ここには相応に数がいる事もある。信頼のできる相手が、王太子妃がそう考えている相手が多くいる。ならばさっさと伝えておいた方が、多くの事に理解を得られ配慮もされるだろうと。
「やけに飾ることを好まぬと思えば。」
「いえ、私が殊更好まぬというだけで、正直その辺りは性別由来では無いと思いますが。」
「そうなのですか。王太子様も、言わねば着の身着のままで、そうした者ですが。」
「マリーア公爵もそうですね。」
それこそ身内以外は、分からぬものだと揃って首をかしげて見せている。部屋で同席している相手はどうかと思えば、そちらもどうにも同じような。
殿方の事は分かりませんと、そうした視線がオユキにまっすぐに向かう物ではあるし、そのうちの幾人かはトモエにも視線を向けている。入れ替わっているというのであれば、そちらも多少は何かわかるのではないかと。
「こちらでもそうでしょうが、服飾を作る方、装飾品を作る方、そうした方には男性も多くいいる事でしょう。オユキさんの言うように、個人の範疇を出るものではないかと。後は、身を置く環境でしょうか。」
「成程。」
「言われてみれば、思い当たるところもありますか。」
そして、トモエの回答は実に明快。
「生前の事ではありますが、らしさの押し付けを好まぬ子もいましたから。育てる側としては、好む様にと気を付けるくらいでしょうか。」
そうして話しながらも、席を立って未だに茫とした赤子の方へと向かい、乳母だろう人物からその子を受け取って抱いている。
「気を付ける、ですか。」
「そうですね。あまり押しつけがましくなっても、子としても反発するでしょう。しかし、何も示さぬとあってはやはり分からぬものとして遠ざけるでしょう。」
「そうですね。子育てというのは、なかなかに難しいものです。特に私たちにとっては、跡をと望む以上は過分な事をしなければなりません。」
公爵家、それよりも大きな王家として。
「重責は、かなりの物になるでしょう。」
「ああ、成程。それで、あの人は。」
恐らくは歪んでしまった者に、王太子妃は思いを馳せて。己と、己よりも年若く性別も違う相手、それがより適性を示した。そこで歪んでしまったという事らしい。ただ、正直な所、同情の余地ありとそう感じる事もなく有る様にあったのだと、話はそこで終わってしまったらしいと思うところなどそれだけだ。
万に一つも、それ以外の部分で彼が頭角を現していれば、身の回りに置くべき人間を置いていれば。
「いえ、やめようとそうした話に戻ってしまいましたね。」
「そうですわね。では、改めてオユキはどうしますか。」
「一応、慣れは最低限ありますから、それも悪くないでしょうか。」
さて、勧められた以上は断る物でもあるまいと。何やらトモエの方でも随分と楽しそうに赤子を抱いていることもある。かつての世界で、長くそうしていたことを思い返してというところなのだろう。元来子供好きという事もある。オユキはどうかと言えば、いよいよ程々とそう言うしか無い物だ。責任感と言えばいいのだろうか、義務感とも違う何かで確かに世話を買って出る事もままあったし、己の係累と時間を持つのは楽しかった事もある。他の、それこそトモエの道場に訪れていた者達が所帯を構えて挨拶にときたときに紹介されれば、それもまた。
一先ずは満足したのか、トモエがオユキに向けて、今もまだ席に着いているオユキの元へと子供を運んでくる。であればと、勧められるままにトモエから受け取ってみれば。
「おや。」
トモエから渡された時に、オユキははっきりと己の中から何かが抜ける感覚を味わう。
そして、結果は随分と劇的だ。まさに火が付いたようにと言えばいいのだろうか。
「さて、抱き方が悪かったという事でしょうか。」
泣いている子をどうにかと。軽くゆすってみたりとしながら、ああ、子供の鳴き声というのは確かにそれ以外に方法が無く、無視をさせないための音として実に効果的だと、そんなことを考え。しかし、違和感というのが明確に。オユキとしては、これはまずいと、そうはっきり感じるだけのものが思考の内に。
「オユキさん。」
「一先ず、トモエさん、あちらの方へ。」
トモエが、何やら残念そうな目をしているのが気になるし、以前から散々に言われたことがまだ直っていないのかとそう言われているのは分かるのだが、それよりも今は別の問題がある。己の内から何かが抜けた、それが何処に行ったのかは実にわかりやすい。
「誤解です。」
「ほう。これはこれは、随分と分かりやすく。」
「オユキ、貴方は、全く。」
さて、オユキとしてはこの場を如何に切り抜けるかが重要なのだ。泣き始めた子が気になるのも事実。王太子妃にしても、そちらに意識が割かれてはいるのだが、それ以上に目が口ほどにものを言っている。そんな主の意を汲んでか、近衛がきっちりと入り口を固め始めている。シェリア一人で切り抜けられるのか、そんな確認を軽く目線で行ってはみるのだが流石に無理だとばかりに首を振られる。まぁ、確かにこれだけ人数差があれば、色々と難しいものだろう。向こうは完全装備であり、こちらは武器も取り上げられている。
「さて、オユキ。蒸し返すようだけれど、色々と、そう、色々と話さなければならない事があるのではなくて。」
「端的に申し上げれば、私もよくわからない、それ以上の物ではありません。」
「しかし、こうして確かに我が子が、これまで一度も無かったというのに。」
さて、そのような状況下で、こうして明確な物を与えてしまったオユキとしてはどう逃れるのか、それを考えるのが何より優先だ。我が子の為であれば、この人物が何処までの事をするのか、それは過去に思い知っていることもあり、己がしてきたことでもあり。
「オユキさん。」
「何でしょう、トモエさん。」
「どうにも、あの子はもう暫くと望んでいるようですから。」
裏切られたと、オユキとしてはそんな事を考えてしまうのだが、トモエの目はやはりオユキに対して仕方が無い事だとそう語るばかり。子供に甘いと言えばいいのか、ならば仕方ないと一先ずトモエからどうにか泣き止んだ子を受け取って。抱いた赤子の顔を見てみれば、視線が、僅かに定まっている。
「本当に、どうした物でしょうか。」
この子供に罪はない。たまたま、オユキが持ち合わせていた何某か、それこそ来歴を考えれば先の祭りで降りてきていたらしい華と恋の神が何かを仕込んでいたのだろう。そして、今ここで使われたらしい。生憎と今日も今日とてぶら下げている余剰の功績を示す器、それが反応を示すような物でも無い為自覚もなく実感も無かったのだが。
腕に抱いている子が、何やらオユキの髪を掴んでそのまま口に運ぼうなどとしているのだが、流石にそれは止めて置き、今後の己の去就について公爵夫人に軽く目線で訴えるだけ。
彼の国とこの国、その関係性と言えばいいのか優劣と言えばいいのか、そこには比較のし難い項目もある。この国は、確かな戦力が多く土地は豊。五穀豊穣の加護が確かに齎されている拠点が二カ所あり、そこは最早飢える事もなく周囲に少しくれてやったとして問題が無いのだと、籠を与えた本人から明言されていることもある。そのおこぼれとまではいわないのだが、余剰分を回してくれるのであればそれ以上の事もあるまいと先方は考えているには違いない。ただ、それに関しては既にアイリスが手を打っていることもある。彼女の与えた加護が、彼女の祖霊が与えた加護が不足だとそう喧伝して回らねばならないというのが一体どういう意味を持つのか、それが理解できるものたちにとっては不興を買う。
「さて、話を変えましょうか。」
此処までの話し合いの中で、魔国が置かれている窮状は散々に思い知る事となった。
そちらに足を運ぶ前には、王太子妃の輿入れは神国側からの働きかけ、先々予定されている戦に向けた物かと思いきや向こうとしても色々と不足があっての事。ここまでの間は、望む物が一部で止まっていたようなのだが。
「そう、ですね。」
「あまり、こうした場に相応しい話題という訳でもありません。改めて、貴女には感謝しているのです。」
「では、そのお言葉は有難く。」
話題を変えようと、王太子妃からいい加減に。
此処までの会話で、魔国の現状は十分すぎる程理解した。あくまで一方からの見方でしかなく、という戒めは流石に己の中で作る事はオユキも忘れはしないのだが。
「そう言えば、あちらの子は。」
「ええ。健やかに日々を。」
「それは、何よりです。」
相応に長い時間、こうして話をしていたというのに。一度もぐずるそぶりすら見せてはくれない。
育児における問題として、往々にして語られることもある問題が此処では起きる気配もない。それを良い事と捉えるのか、悪いととらえるのか。オユキとしては後者だとしか思えない。程度はあるのだろう。それを超えない範囲で、そう望むのはあまりに傲慢な振る舞いだと分かってはいるのだがそれでも思うところくらいはある。
「一度、抱いてみますか。」
「トモエさん、お言葉に甘えて見ては如何です。」
警戒心が無いと、そこまで思いはしない物だがオユキとしては、流石に色々と不安がある。
「では、宜しいでしょうか。」
「オユキが、では無いのですね。」
「はて、お伝えしていませんでしたか。」
思い返してみれば、公爵夫人には伝えたようにも思うし、王妃にはどうであったか。
「生前とは性別が逆になっていますので。」
「オユキ、貴方はそれを隠す気では無かったのですか。」
「いえ、特にそのような意図があっての事ではありません。」
確かに要らぬ勘繰りなどを受ければ、煩わしいなどとも考えてしまうものだがそうでない者達であれば、正直伝えてしまった方が良いと考えている。寧ろ、女性であることを前提にあれやこれやとよく知らぬ、興味も無い事を聞かされてもというものだ。ここには相応に数がいる事もある。信頼のできる相手が、王太子妃がそう考えている相手が多くいる。ならばさっさと伝えておいた方が、多くの事に理解を得られ配慮もされるだろうと。
「やけに飾ることを好まぬと思えば。」
「いえ、私が殊更好まぬというだけで、正直その辺りは性別由来では無いと思いますが。」
「そうなのですか。王太子様も、言わねば着の身着のままで、そうした者ですが。」
「マリーア公爵もそうですね。」
それこそ身内以外は、分からぬものだと揃って首をかしげて見せている。部屋で同席している相手はどうかと思えば、そちらもどうにも同じような。
殿方の事は分かりませんと、そうした視線がオユキにまっすぐに向かう物ではあるし、そのうちの幾人かはトモエにも視線を向けている。入れ替わっているというのであれば、そちらも多少は何かわかるのではないかと。
「こちらでもそうでしょうが、服飾を作る方、装飾品を作る方、そうした方には男性も多くいいる事でしょう。オユキさんの言うように、個人の範疇を出るものではないかと。後は、身を置く環境でしょうか。」
「成程。」
「言われてみれば、思い当たるところもありますか。」
そして、トモエの回答は実に明快。
「生前の事ではありますが、らしさの押し付けを好まぬ子もいましたから。育てる側としては、好む様にと気を付けるくらいでしょうか。」
そうして話しながらも、席を立って未だに茫とした赤子の方へと向かい、乳母だろう人物からその子を受け取って抱いている。
「気を付ける、ですか。」
「そうですね。あまり押しつけがましくなっても、子としても反発するでしょう。しかし、何も示さぬとあってはやはり分からぬものとして遠ざけるでしょう。」
「そうですね。子育てというのは、なかなかに難しいものです。特に私たちにとっては、跡をと望む以上は過分な事をしなければなりません。」
公爵家、それよりも大きな王家として。
「重責は、かなりの物になるでしょう。」
「ああ、成程。それで、あの人は。」
恐らくは歪んでしまった者に、王太子妃は思いを馳せて。己と、己よりも年若く性別も違う相手、それがより適性を示した。そこで歪んでしまったという事らしい。ただ、正直な所、同情の余地ありとそう感じる事もなく有る様にあったのだと、話はそこで終わってしまったらしいと思うところなどそれだけだ。
万に一つも、それ以外の部分で彼が頭角を現していれば、身の回りに置くべき人間を置いていれば。
「いえ、やめようとそうした話に戻ってしまいましたね。」
「そうですわね。では、改めてオユキはどうしますか。」
「一応、慣れは最低限ありますから、それも悪くないでしょうか。」
さて、勧められた以上は断る物でもあるまいと。何やらトモエの方でも随分と楽しそうに赤子を抱いていることもある。かつての世界で、長くそうしていたことを思い返してというところなのだろう。元来子供好きという事もある。オユキはどうかと言えば、いよいよ程々とそう言うしか無い物だ。責任感と言えばいいのだろうか、義務感とも違う何かで確かに世話を買って出る事もままあったし、己の係累と時間を持つのは楽しかった事もある。他の、それこそトモエの道場に訪れていた者達が所帯を構えて挨拶にときたときに紹介されれば、それもまた。
一先ずは満足したのか、トモエがオユキに向けて、今もまだ席に着いているオユキの元へと子供を運んでくる。であればと、勧められるままにトモエから受け取ってみれば。
「おや。」
トモエから渡された時に、オユキははっきりと己の中から何かが抜ける感覚を味わう。
そして、結果は随分と劇的だ。まさに火が付いたようにと言えばいいのだろうか。
「さて、抱き方が悪かったという事でしょうか。」
泣いている子をどうにかと。軽くゆすってみたりとしながら、ああ、子供の鳴き声というのは確かにそれ以外に方法が無く、無視をさせないための音として実に効果的だと、そんなことを考え。しかし、違和感というのが明確に。オユキとしては、これはまずいと、そうはっきり感じるだけのものが思考の内に。
「オユキさん。」
「一先ず、トモエさん、あちらの方へ。」
トモエが、何やら残念そうな目をしているのが気になるし、以前から散々に言われたことがまだ直っていないのかとそう言われているのは分かるのだが、それよりも今は別の問題がある。己の内から何かが抜けた、それが何処に行ったのかは実にわかりやすい。
「誤解です。」
「ほう。これはこれは、随分と分かりやすく。」
「オユキ、貴方は、全く。」
さて、オユキとしてはこの場を如何に切り抜けるかが重要なのだ。泣き始めた子が気になるのも事実。王太子妃にしても、そちらに意識が割かれてはいるのだが、それ以上に目が口ほどにものを言っている。そんな主の意を汲んでか、近衛がきっちりと入り口を固め始めている。シェリア一人で切り抜けられるのか、そんな確認を軽く目線で行ってはみるのだが流石に無理だとばかりに首を振られる。まぁ、確かにこれだけ人数差があれば、色々と難しいものだろう。向こうは完全装備であり、こちらは武器も取り上げられている。
「さて、オユキ。蒸し返すようだけれど、色々と、そう、色々と話さなければならない事があるのではなくて。」
「端的に申し上げれば、私もよくわからない、それ以上の物ではありません。」
「しかし、こうして確かに我が子が、これまで一度も無かったというのに。」
さて、そのような状況下で、こうして明確な物を与えてしまったオユキとしてはどう逃れるのか、それを考えるのが何より優先だ。我が子の為であれば、この人物が何処までの事をするのか、それは過去に思い知っていることもあり、己がしてきたことでもあり。
「オユキさん。」
「何でしょう、トモエさん。」
「どうにも、あの子はもう暫くと望んでいるようですから。」
裏切られたと、オユキとしてはそんな事を考えてしまうのだが、トモエの目はやはりオユキに対して仕方が無い事だとそう語るばかり。子供に甘いと言えばいいのか、ならば仕方ないと一先ずトモエからどうにか泣き止んだ子を受け取って。抱いた赤子の顔を見てみれば、視線が、僅かに定まっている。
「本当に、どうした物でしょうか。」
この子供に罪はない。たまたま、オユキが持ち合わせていた何某か、それこそ来歴を考えれば先の祭りで降りてきていたらしい華と恋の神が何かを仕込んでいたのだろう。そして、今ここで使われたらしい。生憎と今日も今日とてぶら下げている余剰の功績を示す器、それが反応を示すような物でも無い為自覚もなく実感も無かったのだが。
腕に抱いている子が、何やらオユキの髪を掴んでそのまま口に運ぼうなどとしているのだが、流石にそれは止めて置き、今後の己の去就について公爵夫人に軽く目線で訴えるだけ。
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