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22章 祭りを終えて
昨夜の顛末
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「そう言えば、昨夜は結局そちらで何があったのでしょう。」
オユキの側に魔石を並べては、直ぐに染まる魔石の回収と初期化を繰り返していたカナリアだったが、魔石自体が損耗する様で既に彼女の手元からは無くなった。そうなってしまえば、メリルが魔術ギルドから追加を持って帰ってこなければ何ができる訳でも無いと、今はこうしてトモエとオユキの寝室で、のんびりと朝食をお互いに取っていたりする。マナーとしてどうなのかと、トモエとしてもそうした考えはあるのだが、万が一オユキが再び目を覚ますことがあった時、側に誰もいないでは色々とオユキの方でも思うところがあるだろうからと。
「そうですね。本当に、色々ありました。」
「色々、ですか。」
トモエが用意された朝食を口に運ぶ合間に尋ねてみれば、カナリアから実に重々しい声音でそのように。
「最終的に五柱の神々が来臨されて、それはもう賑やかなものでしたよ。」
「それは、本当に賑やかそうですね。」
「ええ。」
聞けば、美と芸術、恋と華を始め、水と癒しに異空と流離、誕生と繁栄の神がという事らしい。さぞ賑やかな事になっただろうと、トモエはのんびりとそんな事を考える。水と癒しは、トモエが主体として用意した場で、隠された場所にもいただろうに、どうやら領主館にも顔を出していたらしい。どうやら、そちらの力があったことでオユキの怪我がこの程度で済んでいるという事なのだろう。
「ただ、それを考えると。」
「流石に、神々はそこまで人を甘やかしたりはしませんよ。」
「そう、なのでしょうね。ただ、神々が降りてきたからこそとも。」
トモエの懸念としては、神々という完全にマナに依っているらしい存在が降りてきた。であれば、その辺りがオユキの不調の原因ではないかと。
「ああ。その辺りは、また難しい話にはなるのですが。神々は凡そマナというものの扱いに関してこの世界で及ぶものがいません。」
「結論としては、オユキさんの症状に神々からの影響は無いだろうというところですか。」
「その通りです。」
細かい理屈までは、流石にトモエは聞いたところで分からないだろうと。一先ず結論だけが解れば良いとして。
「ナザレア様の祖が、誕生と繁栄ですか。」
「はい。随分とお喜びのようで、ナザレアさんとメイ様にこの地で新たに生まれる命を増やそうと、それはもう楽し気に。」
「それは、良い事ですね。」
始まりの町が賑やかに。この町に新たに子供の声があふれるというのなら、それは確かに喜ばしい事だ。一応、現在の人口と新たな子供を望む者達の数。その辺りはオユキがメイに行った事もあり、事前に調査が行われている。結果として、それにいくらか上乗せする形で食料の備蓄は行われており、十分だと報告はオユキが受けている。
問題としては、妊婦を受け入れる診療所が少ない事か。産婆と呼ばれる職業、それはこちらで存在していない。基本的にその役割は診療所か、教会のどちらかが担っている。
「教会では、あの子たちも手伝う事になるのでしょうが。」
「そうですね。基本的には教会で受け入れる形になるでしょう。私も、手伝いに行く機会が増えそうです。」
「カナリアさんは、そうですね。水と癒しの奇跡も使えるとなれば、喜ばれるでしょうが良いのですか。」
「はい。私たちの祖、今となっては異空と流離の名を戴いている方からも手伝うようにと昨夜。」
成程と、トモエはただ聞かされたことに頷いておく。どうにも、カナリアの方ではやはり色々と整理がついていない部分もあるようで、こちらでは異空と流離以外の呼び名が無い相手に色々と付け加えている。
「そちらは、一先ず目的を達成できたのだとして。」
「後はそうですね、恋と華の神がオユキさんの在り方をいたく喜んでいた事くらいでしょうか。美と芸術の神が褒めたのは、やはりカリンさんとヴィルヘルミナさんでしたから。」
「流石に、その辺りはそうでしょうとも。」
オユキが少々練習をしたところで、カリンとの技量は歴然だ。本人の才に任せて、どうにかと呼べるところまでにはなっているのだが、それでも付け焼刃であることには変わらない。一年程度では、やはりどうにもならないだけの物が溝として開いている。カリンの方も、トモエから見れば才が無いと言い切ってしまえるような相手。その相手とこうして、カリンの方も己の体の扱いにどうにか慣れを覚えている段階で、辛うじて釣り合いが取れる程度なのだ。
これがヴィルヘルミナ程の才を持つ相手であれば、それこそオユキは一蹴されているだろう。オユキの話を聞き、かつての世界で、恐らくトモエの父にあれやこれやと習って少し経ったオユキが、幼少の頃から散々に積み上げたであろう相手を完封出来たあたりでそれも分かる。
オユキは、才覚に恵まれている。トモエにしても、オユキには及ばないがそれでもほどほどには。しかし、カリンに至ってはトモエにすら及ばない程度の才覚しか持っていない。だというのに、正しく一角の者にまで成ったのは、想像するに恐ろしい鍛錬を積み上げてきたのが窺い知れる。いや、努力の結果が見える形になっている以上は、才があると判断しても良いのだろうか。
「メイ様からも、くれぐれもと言われたこともあります。」
「オユキさんの事でしょうか。」
「オユキさんも含めて、ですね。」
「含めて、ですか。」
カナリアが、どうにも持って回った言い方をする。
「昨夜、神々からメイ様と持祭の少女達もですね。色々とかけられた言葉もありますから。」
「かけられた言葉、ですか。」
「私とナザレアさんは、私達の祖からですし、ヴィルヘルミナさんとカレンさんには、美と芸術から。先ほど申し上げたのは、あの場にいた神々から使命と言いますか。」
「成程。その辺りは、手伝いを頼まれれば私たちも勿論手伝いましょう。」
実際に何を頼まれたのかは、今の段階ではそれこそ想像するほかない。今後増えるだろう人口に対して、何某かの手を入れようという事なのだろうし、そこから思いつくとは色々と。それこそ、生まれてくる子供がどの程度の割合で一人になるのかも分からない。新しくこの町に増えた種族に至っては、女性しかいない種族でありいよいよどのような形態で繁殖をするのかも知れたものではない。
「それにしても、なかなかそちらは派手な事になったようですね。」
「全くです。この町で暮らす貴族たちの家にも、もしかしたら神々のご来臨を賜った可能性もありそうですし。」
「おや。」
カナリアが話すことは、トモエにとっては実に意外。
「巫女様方が、やはり今この町には多くいますから。」
「それは、確かに。」
国で見ても少ないはずの巫女という存在が、今この町には3人もいる。今後を期待されている相手を含めれば、四人も。
「メイ様の方で、色々と確認を行われることでしょう。」
「手間をかけてしまいますね。」
「そうですね、本当に。」
トモエが感想として呟けば、カナリアからはただ重たいため息が。
「それにしても、アイリスさんの方でも何かありそうなものですが。」
「確か、部族としての祭りを行うという話でしたけど。」
「ええ。それこそ、本来であればアイリスさんもそちらに向かっていたはずではありますので。」
「オユキさんだけでもここまで色々とあったわけですし、金の獣の特徴持つアイリスさんと、獣人たちの祭りで何もないわけがありませんか。」
色をカナリアが口にする。
「獣人の方々にとっては、やはり金色は。」
「それは、そうですね。イリアから幾度か聞いただけですけど。」
「そう言えば、イリアさんもそちらに参加されていそうなものですが。」
「イリアも森猫の集落からこっちに来た訳なのですけど、金色の獣というのは神々、この場合は座の一部を使う事を許されている存在なのですが、その相手の力を色濃く受け継ぐと色としてそうなることが多いのだとか。」
カナリアの説明は確かに筋が通っているようにトモエは感じる。これで、セラフィーナの事が無ければ。
「セラフィーナさんは、どう説明を。」
「神々として、能力が多岐にわたる場合はやはり多いですから。」
「司る能力が別れれば、その先でまた異なる色がという事ですか。」
「はい。格として、金が最上位にはなります。ですが、それ以外の特徴も持っていまして。」
「ややこしそうですね、そちらも。」
「種族の中では、当然のこととして広く知られているらしいのですが。」
異なる種族は、当然異なる常識を持っている。それを完全に理解するのは、まぁ同族でも難しいものではある。かつての世界でも、そんな事はいくらでもあった。ならば、此方でも、前の世界には存在しない種族が実に多くいるこの世界ではそれはそれはより煩雑になっている事だろう。正直、その辺りはあまり手を出す気が無いというのもトモエの本音ではあったのだが、今後は少し余裕が出来そうな事もありならばも少し興味の赴くままに。
「カナリアさん達についても、あまり知られていませんでしたからね。」
「そうなんですよね。まさか、鳥人の方々と混同されているとは思っていませんでした。」
「フスカ様は、煩悩を焼く炎を扱われるのでしょうが。」
「あの、流石に長老様と私達では全く違いますし。一応、使える物たちが多いのは事実ではあるんですけど。」
そう言えば、飛べない事をカナリアは気にしていたなと今更にトモエは思い出す。
「あ、もう私が飛べない事に関しては、ある程度得心がいっていますし、飛ぼうと思えばどうするべきかというのも一応聞いてはいます。」
「なら、良かったのですが。」
恐らくトモエの視線が、思い出した事で彼女の翼に流れたところで気が付いたのだろう。
「ただ、飛ぼうと思うとですね、こう私の性格に合わない事を色々としなければならないと言いますか。」
「両立が出来ないのは、難しそうですね。」
それこそ、性格から変えなければいけないと言われれば、飛びたいと考えたところでというものだ。言ってしまえば、空を飛ぼうと考える理由、動機、そうした物に問題があるという事なのだろう。
「ああ、戻ってきましたか。」
そうして話していれば、部屋の外に気配が。メリルを連れていったシェリアが戻ってきたのだ。
オユキの側に魔石を並べては、直ぐに染まる魔石の回収と初期化を繰り返していたカナリアだったが、魔石自体が損耗する様で既に彼女の手元からは無くなった。そうなってしまえば、メリルが魔術ギルドから追加を持って帰ってこなければ何ができる訳でも無いと、今はこうしてトモエとオユキの寝室で、のんびりと朝食をお互いに取っていたりする。マナーとしてどうなのかと、トモエとしてもそうした考えはあるのだが、万が一オユキが再び目を覚ますことがあった時、側に誰もいないでは色々とオユキの方でも思うところがあるだろうからと。
「そうですね。本当に、色々ありました。」
「色々、ですか。」
トモエが用意された朝食を口に運ぶ合間に尋ねてみれば、カナリアから実に重々しい声音でそのように。
「最終的に五柱の神々が来臨されて、それはもう賑やかなものでしたよ。」
「それは、本当に賑やかそうですね。」
「ええ。」
聞けば、美と芸術、恋と華を始め、水と癒しに異空と流離、誕生と繁栄の神がという事らしい。さぞ賑やかな事になっただろうと、トモエはのんびりとそんな事を考える。水と癒しは、トモエが主体として用意した場で、隠された場所にもいただろうに、どうやら領主館にも顔を出していたらしい。どうやら、そちらの力があったことでオユキの怪我がこの程度で済んでいるという事なのだろう。
「ただ、それを考えると。」
「流石に、神々はそこまで人を甘やかしたりはしませんよ。」
「そう、なのでしょうね。ただ、神々が降りてきたからこそとも。」
トモエの懸念としては、神々という完全にマナに依っているらしい存在が降りてきた。であれば、その辺りがオユキの不調の原因ではないかと。
「ああ。その辺りは、また難しい話にはなるのですが。神々は凡そマナというものの扱いに関してこの世界で及ぶものがいません。」
「結論としては、オユキさんの症状に神々からの影響は無いだろうというところですか。」
「その通りです。」
細かい理屈までは、流石にトモエは聞いたところで分からないだろうと。一先ず結論だけが解れば良いとして。
「ナザレア様の祖が、誕生と繁栄ですか。」
「はい。随分とお喜びのようで、ナザレアさんとメイ様にこの地で新たに生まれる命を増やそうと、それはもう楽し気に。」
「それは、良い事ですね。」
始まりの町が賑やかに。この町に新たに子供の声があふれるというのなら、それは確かに喜ばしい事だ。一応、現在の人口と新たな子供を望む者達の数。その辺りはオユキがメイに行った事もあり、事前に調査が行われている。結果として、それにいくらか上乗せする形で食料の備蓄は行われており、十分だと報告はオユキが受けている。
問題としては、妊婦を受け入れる診療所が少ない事か。産婆と呼ばれる職業、それはこちらで存在していない。基本的にその役割は診療所か、教会のどちらかが担っている。
「教会では、あの子たちも手伝う事になるのでしょうが。」
「そうですね。基本的には教会で受け入れる形になるでしょう。私も、手伝いに行く機会が増えそうです。」
「カナリアさんは、そうですね。水と癒しの奇跡も使えるとなれば、喜ばれるでしょうが良いのですか。」
「はい。私たちの祖、今となっては異空と流離の名を戴いている方からも手伝うようにと昨夜。」
成程と、トモエはただ聞かされたことに頷いておく。どうにも、カナリアの方ではやはり色々と整理がついていない部分もあるようで、こちらでは異空と流離以外の呼び名が無い相手に色々と付け加えている。
「そちらは、一先ず目的を達成できたのだとして。」
「後はそうですね、恋と華の神がオユキさんの在り方をいたく喜んでいた事くらいでしょうか。美と芸術の神が褒めたのは、やはりカリンさんとヴィルヘルミナさんでしたから。」
「流石に、その辺りはそうでしょうとも。」
オユキが少々練習をしたところで、カリンとの技量は歴然だ。本人の才に任せて、どうにかと呼べるところまでにはなっているのだが、それでも付け焼刃であることには変わらない。一年程度では、やはりどうにもならないだけの物が溝として開いている。カリンの方も、トモエから見れば才が無いと言い切ってしまえるような相手。その相手とこうして、カリンの方も己の体の扱いにどうにか慣れを覚えている段階で、辛うじて釣り合いが取れる程度なのだ。
これがヴィルヘルミナ程の才を持つ相手であれば、それこそオユキは一蹴されているだろう。オユキの話を聞き、かつての世界で、恐らくトモエの父にあれやこれやと習って少し経ったオユキが、幼少の頃から散々に積み上げたであろう相手を完封出来たあたりでそれも分かる。
オユキは、才覚に恵まれている。トモエにしても、オユキには及ばないがそれでもほどほどには。しかし、カリンに至ってはトモエにすら及ばない程度の才覚しか持っていない。だというのに、正しく一角の者にまで成ったのは、想像するに恐ろしい鍛錬を積み上げてきたのが窺い知れる。いや、努力の結果が見える形になっている以上は、才があると判断しても良いのだろうか。
「メイ様からも、くれぐれもと言われたこともあります。」
「オユキさんの事でしょうか。」
「オユキさんも含めて、ですね。」
「含めて、ですか。」
カナリアが、どうにも持って回った言い方をする。
「昨夜、神々からメイ様と持祭の少女達もですね。色々とかけられた言葉もありますから。」
「かけられた言葉、ですか。」
「私とナザレアさんは、私達の祖からですし、ヴィルヘルミナさんとカレンさんには、美と芸術から。先ほど申し上げたのは、あの場にいた神々から使命と言いますか。」
「成程。その辺りは、手伝いを頼まれれば私たちも勿論手伝いましょう。」
実際に何を頼まれたのかは、今の段階ではそれこそ想像するほかない。今後増えるだろう人口に対して、何某かの手を入れようという事なのだろうし、そこから思いつくとは色々と。それこそ、生まれてくる子供がどの程度の割合で一人になるのかも分からない。新しくこの町に増えた種族に至っては、女性しかいない種族でありいよいよどのような形態で繁殖をするのかも知れたものではない。
「それにしても、なかなかそちらは派手な事になったようですね。」
「全くです。この町で暮らす貴族たちの家にも、もしかしたら神々のご来臨を賜った可能性もありそうですし。」
「おや。」
カナリアが話すことは、トモエにとっては実に意外。
「巫女様方が、やはり今この町には多くいますから。」
「それは、確かに。」
国で見ても少ないはずの巫女という存在が、今この町には3人もいる。今後を期待されている相手を含めれば、四人も。
「メイ様の方で、色々と確認を行われることでしょう。」
「手間をかけてしまいますね。」
「そうですね、本当に。」
トモエが感想として呟けば、カナリアからはただ重たいため息が。
「それにしても、アイリスさんの方でも何かありそうなものですが。」
「確か、部族としての祭りを行うという話でしたけど。」
「ええ。それこそ、本来であればアイリスさんもそちらに向かっていたはずではありますので。」
「オユキさんだけでもここまで色々とあったわけですし、金の獣の特徴持つアイリスさんと、獣人たちの祭りで何もないわけがありませんか。」
色をカナリアが口にする。
「獣人の方々にとっては、やはり金色は。」
「それは、そうですね。イリアから幾度か聞いただけですけど。」
「そう言えば、イリアさんもそちらに参加されていそうなものですが。」
「イリアも森猫の集落からこっちに来た訳なのですけど、金色の獣というのは神々、この場合は座の一部を使う事を許されている存在なのですが、その相手の力を色濃く受け継ぐと色としてそうなることが多いのだとか。」
カナリアの説明は確かに筋が通っているようにトモエは感じる。これで、セラフィーナの事が無ければ。
「セラフィーナさんは、どう説明を。」
「神々として、能力が多岐にわたる場合はやはり多いですから。」
「司る能力が別れれば、その先でまた異なる色がという事ですか。」
「はい。格として、金が最上位にはなります。ですが、それ以外の特徴も持っていまして。」
「ややこしそうですね、そちらも。」
「種族の中では、当然のこととして広く知られているらしいのですが。」
異なる種族は、当然異なる常識を持っている。それを完全に理解するのは、まぁ同族でも難しいものではある。かつての世界でも、そんな事はいくらでもあった。ならば、此方でも、前の世界には存在しない種族が実に多くいるこの世界ではそれはそれはより煩雑になっている事だろう。正直、その辺りはあまり手を出す気が無いというのもトモエの本音ではあったのだが、今後は少し余裕が出来そうな事もありならばも少し興味の赴くままに。
「カナリアさん達についても、あまり知られていませんでしたからね。」
「そうなんですよね。まさか、鳥人の方々と混同されているとは思っていませんでした。」
「フスカ様は、煩悩を焼く炎を扱われるのでしょうが。」
「あの、流石に長老様と私達では全く違いますし。一応、使える物たちが多いのは事実ではあるんですけど。」
そう言えば、飛べない事をカナリアは気にしていたなと今更にトモエは思い出す。
「あ、もう私が飛べない事に関しては、ある程度得心がいっていますし、飛ぼうと思えばどうするべきかというのも一応聞いてはいます。」
「なら、良かったのですが。」
恐らくトモエの視線が、思い出した事で彼女の翼に流れたところで気が付いたのだろう。
「ただ、飛ぼうと思うとですね、こう私の性格に合わない事を色々としなければならないと言いますか。」
「両立が出来ないのは、難しそうですね。」
それこそ、性格から変えなければいけないと言われれば、飛びたいと考えたところでというものだ。言ってしまえば、空を飛ぼうと考える理由、動機、そうした物に問題があるという事なのだろう。
「ああ、戻ってきましたか。」
そうして話していれば、部屋の外に気配が。メリルを連れていったシェリアが戻ってきたのだ。
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