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15章 這いよるもの
旧い相手
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許可を得た上での雇用の布告。それに対して早々に行動を起こした相手を、纏めて抱え込むと決めた後。随分と時間がかかった物ではあるのだが、代官の招きに応じる形をとって、メイの屋敷へと。
ここまで時間がかかった理由としては、やはり色々あったから、それも一因ではあるのだが、互いに用意が整っていないということもあった。メイにしても、どうした所で彼女本人の、リース伯爵家に相応しい場を整える為の物を、それよりも先にとならざるを得ない物が実に多くあった。そのほとんどが、今こうして招きに応じているオユキに依るという事について、彼女としても家督を持つ相手にしても色々と言いたいことはあるのだろうが。
この町に改めて戻ってからという物の、共同で行った事は実に多く、良い関係を築いている事は大いに示した。友人としては今回が初めてというのが、どうとられるかという不安は存在しているが。
「本日は、お招きに預かり。」
トモエは休日の間と、怪我の期間で僅かに鈍った感覚をと慣れた顔を引き連れて町の外に。今日招かれているのは、オユキだけとなっている。どうせ会話の内容など、ほとんどが仕事で埋まるということもある。メイの案内についていけば、やはりそこには想像通りの顔が待っているという物だ。それを超える物としては、こちらに来てそこまで日が立っていないだろうに、しっかりと濃い隈を顔に浮かべたかつての顔見知りの存在だろう。
「紹介は必要ないと思いますが。」
「はい。お久しぶりですねケレスさん。今はオユキです。」
すっかりと変わってしま見た目、その気恥ずかしさはなんとなくはある物だが。
「ええ、お久しぶりです。ようやくですね。」
「未だに体調が戻ったとは言えませんので、どうか手加減は忘れずに。」
出頭命令、勿論実際のところは命令などできるはずもない。それを許さぬものが実に多いものだが、かつての関係性という物もある。それを求められれれば、時間が許すなら答えようと、それほどの物が。
「見目など気になりませんよ。こちらでも随分とまぁ色々と。」
「事情の斟酌は頂きたいものですが。」
古い知り合い相手、慣れたやり取りに周囲の物がなにやら警戒はしているものだが。
「一先ず、簡単な物から片づけていきましょう。」
ケレス、今となってはメイの補佐をする相手。此処暫く、オユキの振る舞いが大いにこの町の財政に打撃を与えた。予算に対する計画、それに対して変更を多く求める事件を巻き起こした。まずはそこから。
「こちらでは、意志決定に際して遥かに優先される方がいます。勿論、その枠を出るような真似はしていませんとも。」
「ええ。それは私も理解していますとも。」
「補填という部分では、確かにメイ様にはありました。この町に対しても。」
「補填があればいいという訳ではないと、何度もいったでしょう。」
ケレスが、実ににこやかに切り返してくるものだが。
「ケレス。」
しかし、メイがそれを止める。
ケレスという人物は、確かにミズキリが用意した人材であり、オユキを、会社を大いに助けた。しかし、あくまでうちに向いた人材なのだ。こうして外で、実際に他の所属を持つ相手とやり合うには、こちらとて色々と足りていない。それこそ、オユキの下に、ミズキリの下にとなっていればオユキとてここまで余裕を持った振る舞いなどできない。しかし、現状としては何処まで言っても現在の彼女の雇用主が暴走を諫めなければならず、その度にオユキは交渉の手札を手に入れる。如何に慣れた顔であったところで、そこにある立場を忘れて振舞う相手では、やはり折衝の場では。
「先だって、多くの事を成し遂げた相手、戦と武技の神より直接任じられた方です。この席はまずは、それにお礼を。」
「祖の場でも口にしましたが、多くの方の助けがあればこそです。寧ろ、私の不足も多く有り過度な負担となったことにつきましては、改めて。」
「オユキにしても、今も体調に問題を抱える、それほどの負担を得ているのです。」
そうして、改めてこれまでについてお互いに言葉を交わせば、席が整えられまずはメイから用意された物に口を付ける。続けて、オユキもとなるのだが、何やら随分と清涼感のある飲み物に、懐かしさも覚える。学生の時分、良く手を出したタブレットにも似た香りが残る。この身は大いに別れそうではあるし、かつてを思えばそれを常習する相手の現状に申し訳なさも覚える物だが。
「改めて、ここ暫くの事につきましては謝罪とお礼を。御身の移動については、陛下よりお借りしている者達が間違いなく。」
「過日に見た輝きがこの身を守るというのは、実に頼もしい限りですね。」
「それと、道中色々と相談させて頂く事もあるでしょう。」
移動を楽にする、その恩恵は既に得ている。カナリアの方でも色々と試験を消化し、耐久度の確認もしっかりと進んでいる。なんだかんだと表に立つことになったため、荒事に慣れの無い者達が一目見れたならと、狩猟祭の名残の貢物であったりを持ってきたりと、忙しい事になっているため傭兵ギルドの訓練場を借りた上で、盛大にカナリアの成果を破壊しまわっているらしいが。
研究者だからこそと言えばいいのだろうか。あまりに簡単に破壊の限りを尽くされることもあり、カナリアの方でも何やら強化をあれこれと試しているとは、結果としての報告をオユキは受けているだけだが。
「正直、有難いですね。」
移動の苛酷、あまりにも広いこの世界で、そればかりはどうにもならない。以前の世界にも合った対策というのは、確かに加えられて入るのだが、そもそも動力の差もあれば、舗装の有無もある。具体的にはどうしようもない振動と、魔物がいる中狭い箱に押し込められての移動という苦痛が。それを大いに解消できる内部空間の拡張というのは、誰にとっても喜ばしい物だろう。王家を先にと決めているため、メイにも用意するわけにはいかないが、相談があるからと道中招くことくらいはできる。
「そう言えば、ケレスさんは。」
「こちらでも、色々とやらねばならぬこともありますから。」
どうやら、ケレスはこちらに残って、橋であったり新しい教会であったり。他国との交易についてミズキリと共に準備を行う人材とされているらしい。そちらについても、何やら色々と言いたげという風ではあるが、そちらは是非その計画を立案したお互いの上司にあたる人物に向けて欲しいものだ。
「さて、先にも上げた、簡単な物から。この町に対して行われる襲撃について。」
簡単ではある。対処というのは、何処まで言っても容易い。
魔物は神々の奇跡であり、そこに対して加えられる手は限られている。神とそれ以外、その差があまりにも歴然として存在しているために。安息の守り、汚染に対して胃という意味でも、巫女がこの町に来ていることもあり、まさに万全だ。
「ケレス。」
「狩猟者ギルドから、報告が。」
「聞きましょう。」
既に、手練れを使って、あれこれと探り始めているらしい。そして、現在分かっている事としては、凡そ想像通り。
「分かりやすい奇跡が、守りの外にある。そちらを陽動にですか。」
「現状の戦力の配置、魔物が明らかに形成している群れの位置を考えれば。」
「生憎と、その辺りは専門外ですから、アベルとローレンツの分析を信じましょう。」
報告書の責任者の名前、それに対しての信頼はある。
「門の守りを抜けると、本気でそう考えているのでしょうか。」
王種と変異種、その用意が出来るとはトラノスケの言葉もある。相応に血なまぐさく、正気を疑うしかない方法が必要ではあるのだが。たとえそれを用意したとして、現状の戦力があればという物だ。
移動が始まって、戦力の大きな移動が起きてから、そうであるなら納得も行くのだが。
「それなのですが、トラノスケから追加で得られた証言があります。」
曰く、魔物の誘導、それを行うにも限度があるのだと。
人為的に溢れは起こせるが、文字通り溢れるのだ。閾値を超えてしまえば、人が手を打てるような物では無いらしい。では、何故魔物をある程度操作できるのかと、それについてはこちらの神々に与えられた物が影響する、そうとしか言えない物だ。メイの口ぶりから、彼女にしてもある程度予測がついているらしいと、そう踏んだうえでオユキから。
「要は、そこまで含めて試練の一環という事ですか。メイ様の物にしても、終わったかと思えば。」
「神殿に納めたはずだったのですが、先日、手元に。」
創造神から、戦に際して掲げよと言われた聖印が彼女の手元に戻ってきているらしい。
「では、そこはお任せしましょうか。今日はトモエさんも外に出ていますし、改めてこの件については当日まで連絡を密に。ゲラルドに頼むことになりますが。」
「頼みますわね。」
簡単な事に対しては、それで話も終わりだ。そして、話題は難しい事に。
「ところで、メイ様は、移動の準備は。」
それに対しては、ただただ重たいため息が返ってくる。
「その、ゲラルドに預けた手紙に、移動計画も含まれていたかと思いますが。」
「確認はしたのですが。」
「王都への移動を優先する余りと、そうなっていますか。」
その辺りは、オユキがこちらの地理に疎いからと、そういった事もあっての計画なのだろう。彼らは何処まで行っても王家に仕える者達だ。優先すべきは、一貴族、地方を任された相手ではない。
「公爵様や、伯爵さまは。」
「どうにも、難しいようです。」
何やら、言葉を濁しているメイからオユキはケレスに視線を向ける。この少女よりも、実態はそちらの方が詳しいだろうと。
「移動計画の主導はアベルさんが。それを叶えるために、整えよという形で。」
「そちらについては、こちらで手を打ちましょうか。」
その辺りの調整は、オユキが間に入ればどうとでもなる。
「今回の事で、領都で失われた物が戻るとの言葉もありました。その確認があると言えば、ええ、無視できるわけもないでしょう。」
「そう言えば、そのような話も。しかし、新たな事として。」
「確かに王都で少々仕事も仰せつかってはいますが、こちらに来て初めて私たちの関係した出来事です。」
その経過を見届けるのだと、そう言い切ってしまえば、止めるのも難しいだろう。
「と、言いますか。聞きそびれていましたが、何故そこまで私たちを王都にとそのような話に。」
休むと決め込んだこともあるし、元々新年祭に向けて移動があると決まっていたのだ。早くと言われたところで、結局到着はどれほど急いだところで一週間詰まればいいほうだろう。一体何をそこまで急いているのかと、オユキは結局それが分からない。
ここまで時間がかかった理由としては、やはり色々あったから、それも一因ではあるのだが、互いに用意が整っていないということもあった。メイにしても、どうした所で彼女本人の、リース伯爵家に相応しい場を整える為の物を、それよりも先にとならざるを得ない物が実に多くあった。そのほとんどが、今こうして招きに応じているオユキに依るという事について、彼女としても家督を持つ相手にしても色々と言いたいことはあるのだろうが。
この町に改めて戻ってからという物の、共同で行った事は実に多く、良い関係を築いている事は大いに示した。友人としては今回が初めてというのが、どうとられるかという不安は存在しているが。
「本日は、お招きに預かり。」
トモエは休日の間と、怪我の期間で僅かに鈍った感覚をと慣れた顔を引き連れて町の外に。今日招かれているのは、オユキだけとなっている。どうせ会話の内容など、ほとんどが仕事で埋まるということもある。メイの案内についていけば、やはりそこには想像通りの顔が待っているという物だ。それを超える物としては、こちらに来てそこまで日が立っていないだろうに、しっかりと濃い隈を顔に浮かべたかつての顔見知りの存在だろう。
「紹介は必要ないと思いますが。」
「はい。お久しぶりですねケレスさん。今はオユキです。」
すっかりと変わってしま見た目、その気恥ずかしさはなんとなくはある物だが。
「ええ、お久しぶりです。ようやくですね。」
「未だに体調が戻ったとは言えませんので、どうか手加減は忘れずに。」
出頭命令、勿論実際のところは命令などできるはずもない。それを許さぬものが実に多いものだが、かつての関係性という物もある。それを求められれれば、時間が許すなら答えようと、それほどの物が。
「見目など気になりませんよ。こちらでも随分とまぁ色々と。」
「事情の斟酌は頂きたいものですが。」
古い知り合い相手、慣れたやり取りに周囲の物がなにやら警戒はしているものだが。
「一先ず、簡単な物から片づけていきましょう。」
ケレス、今となってはメイの補佐をする相手。此処暫く、オユキの振る舞いが大いにこの町の財政に打撃を与えた。予算に対する計画、それに対して変更を多く求める事件を巻き起こした。まずはそこから。
「こちらでは、意志決定に際して遥かに優先される方がいます。勿論、その枠を出るような真似はしていませんとも。」
「ええ。それは私も理解していますとも。」
「補填という部分では、確かにメイ様にはありました。この町に対しても。」
「補填があればいいという訳ではないと、何度もいったでしょう。」
ケレスが、実ににこやかに切り返してくるものだが。
「ケレス。」
しかし、メイがそれを止める。
ケレスという人物は、確かにミズキリが用意した人材であり、オユキを、会社を大いに助けた。しかし、あくまでうちに向いた人材なのだ。こうして外で、実際に他の所属を持つ相手とやり合うには、こちらとて色々と足りていない。それこそ、オユキの下に、ミズキリの下にとなっていればオユキとてここまで余裕を持った振る舞いなどできない。しかし、現状としては何処まで言っても現在の彼女の雇用主が暴走を諫めなければならず、その度にオユキは交渉の手札を手に入れる。如何に慣れた顔であったところで、そこにある立場を忘れて振舞う相手では、やはり折衝の場では。
「先だって、多くの事を成し遂げた相手、戦と武技の神より直接任じられた方です。この席はまずは、それにお礼を。」
「祖の場でも口にしましたが、多くの方の助けがあればこそです。寧ろ、私の不足も多く有り過度な負担となったことにつきましては、改めて。」
「オユキにしても、今も体調に問題を抱える、それほどの負担を得ているのです。」
そうして、改めてこれまでについてお互いに言葉を交わせば、席が整えられまずはメイから用意された物に口を付ける。続けて、オユキもとなるのだが、何やら随分と清涼感のある飲み物に、懐かしさも覚える。学生の時分、良く手を出したタブレットにも似た香りが残る。この身は大いに別れそうではあるし、かつてを思えばそれを常習する相手の現状に申し訳なさも覚える物だが。
「改めて、ここ暫くの事につきましては謝罪とお礼を。御身の移動については、陛下よりお借りしている者達が間違いなく。」
「過日に見た輝きがこの身を守るというのは、実に頼もしい限りですね。」
「それと、道中色々と相談させて頂く事もあるでしょう。」
移動を楽にする、その恩恵は既に得ている。カナリアの方でも色々と試験を消化し、耐久度の確認もしっかりと進んでいる。なんだかんだと表に立つことになったため、荒事に慣れの無い者達が一目見れたならと、狩猟祭の名残の貢物であったりを持ってきたりと、忙しい事になっているため傭兵ギルドの訓練場を借りた上で、盛大にカナリアの成果を破壊しまわっているらしいが。
研究者だからこそと言えばいいのだろうか。あまりに簡単に破壊の限りを尽くされることもあり、カナリアの方でも何やら強化をあれこれと試しているとは、結果としての報告をオユキは受けているだけだが。
「正直、有難いですね。」
移動の苛酷、あまりにも広いこの世界で、そればかりはどうにもならない。以前の世界にも合った対策というのは、確かに加えられて入るのだが、そもそも動力の差もあれば、舗装の有無もある。具体的にはどうしようもない振動と、魔物がいる中狭い箱に押し込められての移動という苦痛が。それを大いに解消できる内部空間の拡張というのは、誰にとっても喜ばしい物だろう。王家を先にと決めているため、メイにも用意するわけにはいかないが、相談があるからと道中招くことくらいはできる。
「そう言えば、ケレスさんは。」
「こちらでも、色々とやらねばならぬこともありますから。」
どうやら、ケレスはこちらに残って、橋であったり新しい教会であったり。他国との交易についてミズキリと共に準備を行う人材とされているらしい。そちらについても、何やら色々と言いたげという風ではあるが、そちらは是非その計画を立案したお互いの上司にあたる人物に向けて欲しいものだ。
「さて、先にも上げた、簡単な物から。この町に対して行われる襲撃について。」
簡単ではある。対処というのは、何処まで言っても容易い。
魔物は神々の奇跡であり、そこに対して加えられる手は限られている。神とそれ以外、その差があまりにも歴然として存在しているために。安息の守り、汚染に対して胃という意味でも、巫女がこの町に来ていることもあり、まさに万全だ。
「ケレス。」
「狩猟者ギルドから、報告が。」
「聞きましょう。」
既に、手練れを使って、あれこれと探り始めているらしい。そして、現在分かっている事としては、凡そ想像通り。
「分かりやすい奇跡が、守りの外にある。そちらを陽動にですか。」
「現状の戦力の配置、魔物が明らかに形成している群れの位置を考えれば。」
「生憎と、その辺りは専門外ですから、アベルとローレンツの分析を信じましょう。」
報告書の責任者の名前、それに対しての信頼はある。
「門の守りを抜けると、本気でそう考えているのでしょうか。」
王種と変異種、その用意が出来るとはトラノスケの言葉もある。相応に血なまぐさく、正気を疑うしかない方法が必要ではあるのだが。たとえそれを用意したとして、現状の戦力があればという物だ。
移動が始まって、戦力の大きな移動が起きてから、そうであるなら納得も行くのだが。
「それなのですが、トラノスケから追加で得られた証言があります。」
曰く、魔物の誘導、それを行うにも限度があるのだと。
人為的に溢れは起こせるが、文字通り溢れるのだ。閾値を超えてしまえば、人が手を打てるような物では無いらしい。では、何故魔物をある程度操作できるのかと、それについてはこちらの神々に与えられた物が影響する、そうとしか言えない物だ。メイの口ぶりから、彼女にしてもある程度予測がついているらしいと、そう踏んだうえでオユキから。
「要は、そこまで含めて試練の一環という事ですか。メイ様の物にしても、終わったかと思えば。」
「神殿に納めたはずだったのですが、先日、手元に。」
創造神から、戦に際して掲げよと言われた聖印が彼女の手元に戻ってきているらしい。
「では、そこはお任せしましょうか。今日はトモエさんも外に出ていますし、改めてこの件については当日まで連絡を密に。ゲラルドに頼むことになりますが。」
「頼みますわね。」
簡単な事に対しては、それで話も終わりだ。そして、話題は難しい事に。
「ところで、メイ様は、移動の準備は。」
それに対しては、ただただ重たいため息が返ってくる。
「その、ゲラルドに預けた手紙に、移動計画も含まれていたかと思いますが。」
「確認はしたのですが。」
「王都への移動を優先する余りと、そうなっていますか。」
その辺りは、オユキがこちらの地理に疎いからと、そういった事もあっての計画なのだろう。彼らは何処まで行っても王家に仕える者達だ。優先すべきは、一貴族、地方を任された相手ではない。
「公爵様や、伯爵さまは。」
「どうにも、難しいようです。」
何やら、言葉を濁しているメイからオユキはケレスに視線を向ける。この少女よりも、実態はそちらの方が詳しいだろうと。
「移動計画の主導はアベルさんが。それを叶えるために、整えよという形で。」
「そちらについては、こちらで手を打ちましょうか。」
その辺りの調整は、オユキが間に入ればどうとでもなる。
「今回の事で、領都で失われた物が戻るとの言葉もありました。その確認があると言えば、ええ、無視できるわけもないでしょう。」
「そう言えば、そのような話も。しかし、新たな事として。」
「確かに王都で少々仕事も仰せつかってはいますが、こちらに来て初めて私たちの関係した出来事です。」
その経過を見届けるのだと、そう言い切ってしまえば、止めるのも難しいだろう。
「と、言いますか。聞きそびれていましたが、何故そこまで私たちを王都にとそのような話に。」
休むと決め込んだこともあるし、元々新年祭に向けて移動があると決まっていたのだ。早くと言われたところで、結局到着はどれほど急いだところで一週間詰まればいいほうだろう。一体何をそこまで急いているのかと、オユキは結局それが分からない。
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