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11章 花舞台
それぞれの初戦・アナ
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ことこういった事態において、参加者でもあり、裏方でもある。そんな人間がいるとすれば、進行に難儀しそうなものだが。幸いと言うのか、明確な配慮というのか。実にわかりやすく、日程の最初と最後にそれぞれオユキとアイリスが回されている。
流石にそこまでは籤によるものではなく、調整が行われただけだが。作用があったのはあくまでトーナメント、その位置だけだ。準決勝でアベルと当たる位置、そうなっているに過ぎない。
「トモエさんには、言ったけど。」
「ええ。存分に。」
そして、初戦。らしいと言えばそうも思えるものだが、何とも。型や戦と武技の巫女、他方は月と安息の持祭。それが広い石畳の上で向かい合って立っている。他の場所で、まさにらしい相手が開始を待っていることを思えば、何ともお遊戯会、外から見ればそのように見えるだろう。
「ですが、周りにあてられて、そう体を固くしていると、出来る事も出来ませんよ。」
そう言いながら、仕草を真似るように言って、数度の深呼吸、それから簡単な素振りをさせる。
「次の機会がある、それも事実です。ですが、今この時は、今この瞬間にしかありませんから。」
「えっと、うん。なんとなく、分かるかも。オユキちゃんもトモエさんも、今回を機会とは言うけど、それだけで済ませるのは、私も嫌だし。」
「先の一手、それは譲ります。先達として、流派の目録を持つ身として。」
そう、せめて言って目は譲らなければ、少年達では、何もできない。そもそも何かをさせる、それを潰すのが。
「うん。分かる。トモエさんの話とか、それからの練習を考えたら。」
「同じ方向性の動き、そちらでとも思いますが、申し訳ありません。」
「オユキちゃんが決めた事だもん。」
そうして話しているうちに、アナの方でも、過剰な意気込み、力が抜ける。見届け役の視線が痛くなってきたこともあり、オユキは改めて構えを取る。暗器迄を収めた皆伝のトモエとは左右逆。未だ知らぬ理合い、その先があるのだが。右手に持った太刀。戦と武技の神から預かったそれを、ただ緩く持つ。無造作に、ただ垂らした腕、その掌で引っかけるように。
「改めて、改派陰流、大目録、戦と武技の巫女、オユキ。」
「始まりの町、最も古い教会、月と安息の持祭、アナ。」
トモエの方でも、やはり流派にまつわる物は難しいとなった。特にアナについては、すっかりオユキの探す道に傾倒していることもある。ならば、名乗りはこれまで暮らしたその場所、そこを起点にと、そうなった。
そして、名乗りを上げれば、それが開始の合図だ。そもそも間合いをはかる、相手の動きを待つような物では無い。アナが両手に持った、幅広の片手剣。優美と言うには、随分と粗野な趣のあるそれを両手に持ち、オユキの横そちらに回り込む様に足を運ぶ。
初手は譲る、その約束があるからこそ、出掛をまずつぶさず、アナの動きを待つ。横に回り込む、それに集中してしまっているため、遅れてついてくる片腕、そちらで牽制したり、出来る事はあるし、やらない理由が無い、そんな事を評価として頭の中で並べながら。
跳ねるように回りながら、オユキの横についたと思えば、そこから途端に鋭さを上げて、オユキの背後に。そして、ついでとばかりに、動きに残される片腕、その刃を置いていく。ここで終わりと、そうする事も出来るが、今は鍛錬。アナが望んでいるだろうと、それを嫌うようにアナが空けた正面、そちらにオユキは移動しながら残された刃を弾く。そして、弾いた刃は、そのまま宙を飛ぶ。オユキがかつてアイリスにしたように、投げたのだ。
つまり、これが彼女が出した二刀、その工夫の一つなのだろう。両手に持ったままでは防がれる。ならば一つは相手に向けて移動の中で手放し、残った一刀でその間隙に十分な威力で。これまでの練習通りにと。
恐らく、多くの相手には、それで十分だ。だが、今ここにいるのは少数派。オユキの想定、それを超えないのであればと、ただ、対応する。正面、そこにはもう次が無い。刀を弾けば、そこから繋がる手が無い。確実に安全なその場所に身を投げて、体を回し、振り下ろされるだろう、残った刃を狙う。触れれば支配を。そうでなくとも、制限を。そもそもこの動きの本質は奇襲だというのに、足音、上げる声、それが賑やかであるため、場所はわかるのだ。それを避けるには、もう一つ残った刃、これを投げたり、そう言った手段もあるのだが。
「え。」
「良い工夫でしたよ。」
そして、誰もいなくなった安全圏、そこに体を運び、反転する勢いで回した太刀が、アナの剣に触れる感触があれば、あとはこれまで通りに。
「やっぱり、まだ無理かな。」
「そうですね、面白い工夫でした。私もアイリスさん相手に似た事はやりましたが。」
「オユキちゃんも、もうやってたんだ。」
「そもそも流派の中にありますし。」
剣を、太刀を投げる。その技も勿論ある。
今は、アナが両手に持つ剣を地面に落とし、返す刀を首筋に突きつけて、それで終わりとなっている。
「ただ、良くないと、対応できると。それを見せて僅かこれだけの時間。そこで別の策を考え、こうして扱えるようになった、それは素晴らしいと思いますよ。」
そう、二刀による拘束。それをトモエとオユキで簡単に防いで見せた。その反省を生かしての動きなのだ。上々ではある。やはりこちらも同様。相手がそれに対してどう動くか。その想定が足りない物ではあるが。
「ただ、実際の動きは、私からという事も出来ないので。」
「トモエさん、控室ですけど。」
「後から私が同じように動いて見せますから、それで。」
「そっかー。これぐらいならオユキちゃんも出来るもんね。」
トモエから子供たちの微笑ましい約束は聞いた。年長として、彼らの期待に応えるためにそう振舞う。それも正解だろうが、教える側として、目標として。それでは足りないと、そう告げるのも正解なのだ。だからオユキが取るのはその中間地点。工夫は褒め、しかし足りないところは指摘する。そして、足りないから、驚いては見せない。結局はそれだ。
実際には、よくもここまで色々と。そう驚いてはいるのだが。それにしても既知ではあるから。
「ええ。まだまだ、全てをトモエさんが伝えたわけでもありません。意外と、奥深いのですよ。」
「うん。私も皆も教えてくれるんだもん。それはよくわかるかな。あ、降参、降参です。」
まだその言葉が出ておらず、見極め人からも、何もない。なのでこうして話すのは、あくまでオユキが刃をアナの首に突きつけたままだ。
ともすれば、教え子相手に何故そこまで、そう言われることもあるのだろうが。これこそが武の形。オユキはそう習ったのだから。そして、それに異を唱えるなら、皆伝を受けて、異なる名乗りを上げねばならない。
正直、段階は違うが、枠組みは少年たちもオユキも変わらない。トモエに習っている、その一味でしかない。
「勝者は、オユキ。」
そうして、かけられた声を聴きながら、アナがまず手を下ろしてから、オユキも間合いを外して、太刀を鞘に納める。仕方のないこととはいえ、過度の装飾の施されたそれは、今一つ手に馴染まない。この祭りが終われば一度神殿に運び、それから改めてこちらの教会と、アイリスの故郷にとなるらしいが。
「油断なく。それが分かったから。」
「ええ、誰が相手でも、それをしてはいけない。つい最近、私もトモエさんに言われました。」
武器を納めれば、アナはうつ向く。彼女なり、オユキからはそうとしか言えないが。それでも彼女が今できる全力ではあったのだ。
「有難い事に、次もあります。私たちにはまだ先があります。」
「うん。」
「そして、自身では叶えられぬ、だからこそ次代に引き継いだ、それもあるのです。」
次の予定もあるからと、手を引き、その場から離れはする。ただ、引かれるままについてくる。その相手をオユキは振り返らない。悔しさ、次につながるそれは、受け止めるべき相手はオユキではないから。
「うん。」
「お互い、まだまだ、これからです。」
「でも。オユキちゃんだって。」
「そうですね。この動きは始めたばかり。それでも、確かな他の道がありました。」
繋いだ手に込められる力。それは色々な意味があるのだろう。ただ、間違いがない事として、かつてのオユキ、孫娘がそうであったように。あしらわれた事を、本気で悔しく思う事が出来る。それがある。次、セシリアが勝ち上がれば、彼女とアイリスが当たる。オユキとしては、そちらも楽しみではあるのだが、今は。
「流石に、習い始めて半年、その相手には負けられません。私にも矜持はありますから。」
「うん。でも、もう少し。せめて。」
「驚きましたとも。良い工夫だとも思いました。ただ、それは知っていたのです。それだけの積み重ねがありますから。」
ああ、だからなのだろう。戦と武技の神が、技を伝える、その場を別と出来る仕組みを用意するといったのは。
トモエが少年たちに技を伝える場には、オユキもいる。そしてそれをしなければ、少年たちの工夫だけでは、異邦での積み重ね、開祖ですら、習った相手がいる、それに届きはしない。
だから、少なくともオユキは、若しくはトモエもオユキも。その目が届かぬ、伝えた物を彼らなりに、独自にする場。それを設けるといったのだろう。
「どうにも忙しく、難しい事も多いですけど。」
「それでも、オユキちゃんは。」
「過去を食いつぶしているだけですよ。始まりの町、ゆっくりできるあの地に戻れば、そのようにしたいものです。」
そうして話しながら歩けば、控室にたどり着く。ひかれるままについてきた少女は、そのまま彼女の仲間たちが引き取る。後は、観戦のために誂えられた場所に、参加できない者たちと合わせて向かうのだろう。残念ながらオユキはこれから仕事なのだが。
流石にそこまでは籤によるものではなく、調整が行われただけだが。作用があったのはあくまでトーナメント、その位置だけだ。準決勝でアベルと当たる位置、そうなっているに過ぎない。
「トモエさんには、言ったけど。」
「ええ。存分に。」
そして、初戦。らしいと言えばそうも思えるものだが、何とも。型や戦と武技の巫女、他方は月と安息の持祭。それが広い石畳の上で向かい合って立っている。他の場所で、まさにらしい相手が開始を待っていることを思えば、何ともお遊戯会、外から見ればそのように見えるだろう。
「ですが、周りにあてられて、そう体を固くしていると、出来る事も出来ませんよ。」
そう言いながら、仕草を真似るように言って、数度の深呼吸、それから簡単な素振りをさせる。
「次の機会がある、それも事実です。ですが、今この時は、今この瞬間にしかありませんから。」
「えっと、うん。なんとなく、分かるかも。オユキちゃんもトモエさんも、今回を機会とは言うけど、それだけで済ませるのは、私も嫌だし。」
「先の一手、それは譲ります。先達として、流派の目録を持つ身として。」
そう、せめて言って目は譲らなければ、少年達では、何もできない。そもそも何かをさせる、それを潰すのが。
「うん。分かる。トモエさんの話とか、それからの練習を考えたら。」
「同じ方向性の動き、そちらでとも思いますが、申し訳ありません。」
「オユキちゃんが決めた事だもん。」
そうして話しているうちに、アナの方でも、過剰な意気込み、力が抜ける。見届け役の視線が痛くなってきたこともあり、オユキは改めて構えを取る。暗器迄を収めた皆伝のトモエとは左右逆。未だ知らぬ理合い、その先があるのだが。右手に持った太刀。戦と武技の神から預かったそれを、ただ緩く持つ。無造作に、ただ垂らした腕、その掌で引っかけるように。
「改めて、改派陰流、大目録、戦と武技の巫女、オユキ。」
「始まりの町、最も古い教会、月と安息の持祭、アナ。」
トモエの方でも、やはり流派にまつわる物は難しいとなった。特にアナについては、すっかりオユキの探す道に傾倒していることもある。ならば、名乗りはこれまで暮らしたその場所、そこを起点にと、そうなった。
そして、名乗りを上げれば、それが開始の合図だ。そもそも間合いをはかる、相手の動きを待つような物では無い。アナが両手に持った、幅広の片手剣。優美と言うには、随分と粗野な趣のあるそれを両手に持ち、オユキの横そちらに回り込む様に足を運ぶ。
初手は譲る、その約束があるからこそ、出掛をまずつぶさず、アナの動きを待つ。横に回り込む、それに集中してしまっているため、遅れてついてくる片腕、そちらで牽制したり、出来る事はあるし、やらない理由が無い、そんな事を評価として頭の中で並べながら。
跳ねるように回りながら、オユキの横についたと思えば、そこから途端に鋭さを上げて、オユキの背後に。そして、ついでとばかりに、動きに残される片腕、その刃を置いていく。ここで終わりと、そうする事も出来るが、今は鍛錬。アナが望んでいるだろうと、それを嫌うようにアナが空けた正面、そちらにオユキは移動しながら残された刃を弾く。そして、弾いた刃は、そのまま宙を飛ぶ。オユキがかつてアイリスにしたように、投げたのだ。
つまり、これが彼女が出した二刀、その工夫の一つなのだろう。両手に持ったままでは防がれる。ならば一つは相手に向けて移動の中で手放し、残った一刀でその間隙に十分な威力で。これまでの練習通りにと。
恐らく、多くの相手には、それで十分だ。だが、今ここにいるのは少数派。オユキの想定、それを超えないのであればと、ただ、対応する。正面、そこにはもう次が無い。刀を弾けば、そこから繋がる手が無い。確実に安全なその場所に身を投げて、体を回し、振り下ろされるだろう、残った刃を狙う。触れれば支配を。そうでなくとも、制限を。そもそもこの動きの本質は奇襲だというのに、足音、上げる声、それが賑やかであるため、場所はわかるのだ。それを避けるには、もう一つ残った刃、これを投げたり、そう言った手段もあるのだが。
「え。」
「良い工夫でしたよ。」
そして、誰もいなくなった安全圏、そこに体を運び、反転する勢いで回した太刀が、アナの剣に触れる感触があれば、あとはこれまで通りに。
「やっぱり、まだ無理かな。」
「そうですね、面白い工夫でした。私もアイリスさん相手に似た事はやりましたが。」
「オユキちゃんも、もうやってたんだ。」
「そもそも流派の中にありますし。」
剣を、太刀を投げる。その技も勿論ある。
今は、アナが両手に持つ剣を地面に落とし、返す刀を首筋に突きつけて、それで終わりとなっている。
「ただ、良くないと、対応できると。それを見せて僅かこれだけの時間。そこで別の策を考え、こうして扱えるようになった、それは素晴らしいと思いますよ。」
そう、二刀による拘束。それをトモエとオユキで簡単に防いで見せた。その反省を生かしての動きなのだ。上々ではある。やはりこちらも同様。相手がそれに対してどう動くか。その想定が足りない物ではあるが。
「ただ、実際の動きは、私からという事も出来ないので。」
「トモエさん、控室ですけど。」
「後から私が同じように動いて見せますから、それで。」
「そっかー。これぐらいならオユキちゃんも出来るもんね。」
トモエから子供たちの微笑ましい約束は聞いた。年長として、彼らの期待に応えるためにそう振舞う。それも正解だろうが、教える側として、目標として。それでは足りないと、そう告げるのも正解なのだ。だからオユキが取るのはその中間地点。工夫は褒め、しかし足りないところは指摘する。そして、足りないから、驚いては見せない。結局はそれだ。
実際には、よくもここまで色々と。そう驚いてはいるのだが。それにしても既知ではあるから。
「ええ。まだまだ、全てをトモエさんが伝えたわけでもありません。意外と、奥深いのですよ。」
「うん。私も皆も教えてくれるんだもん。それはよくわかるかな。あ、降参、降参です。」
まだその言葉が出ておらず、見極め人からも、何もない。なのでこうして話すのは、あくまでオユキが刃をアナの首に突きつけたままだ。
ともすれば、教え子相手に何故そこまで、そう言われることもあるのだろうが。これこそが武の形。オユキはそう習ったのだから。そして、それに異を唱えるなら、皆伝を受けて、異なる名乗りを上げねばならない。
正直、段階は違うが、枠組みは少年たちもオユキも変わらない。トモエに習っている、その一味でしかない。
「勝者は、オユキ。」
そうして、かけられた声を聴きながら、アナがまず手を下ろしてから、オユキも間合いを外して、太刀を鞘に納める。仕方のないこととはいえ、過度の装飾の施されたそれは、今一つ手に馴染まない。この祭りが終われば一度神殿に運び、それから改めてこちらの教会と、アイリスの故郷にとなるらしいが。
「油断なく。それが分かったから。」
「ええ、誰が相手でも、それをしてはいけない。つい最近、私もトモエさんに言われました。」
武器を納めれば、アナはうつ向く。彼女なり、オユキからはそうとしか言えないが。それでも彼女が今できる全力ではあったのだ。
「有難い事に、次もあります。私たちにはまだ先があります。」
「うん。」
「そして、自身では叶えられぬ、だからこそ次代に引き継いだ、それもあるのです。」
次の予定もあるからと、手を引き、その場から離れはする。ただ、引かれるままについてくる。その相手をオユキは振り返らない。悔しさ、次につながるそれは、受け止めるべき相手はオユキではないから。
「うん。」
「お互い、まだまだ、これからです。」
「でも。オユキちゃんだって。」
「そうですね。この動きは始めたばかり。それでも、確かな他の道がありました。」
繋いだ手に込められる力。それは色々な意味があるのだろう。ただ、間違いがない事として、かつてのオユキ、孫娘がそうであったように。あしらわれた事を、本気で悔しく思う事が出来る。それがある。次、セシリアが勝ち上がれば、彼女とアイリスが当たる。オユキとしては、そちらも楽しみではあるのだが、今は。
「流石に、習い始めて半年、その相手には負けられません。私にも矜持はありますから。」
「うん。でも、もう少し。せめて。」
「驚きましたとも。良い工夫だとも思いました。ただ、それは知っていたのです。それだけの積み重ねがありますから。」
ああ、だからなのだろう。戦と武技の神が、技を伝える、その場を別と出来る仕組みを用意するといったのは。
トモエが少年たちに技を伝える場には、オユキもいる。そしてそれをしなければ、少年たちの工夫だけでは、異邦での積み重ね、開祖ですら、習った相手がいる、それに届きはしない。
だから、少なくともオユキは、若しくはトモエもオユキも。その目が届かぬ、伝えた物を彼らなりに、独自にする場。それを設けるといったのだろう。
「どうにも忙しく、難しい事も多いですけど。」
「それでも、オユキちゃんは。」
「過去を食いつぶしているだけですよ。始まりの町、ゆっくりできるあの地に戻れば、そのようにしたいものです。」
そうして話しながら歩けば、控室にたどり着く。ひかれるままについてきた少女は、そのまま彼女の仲間たちが引き取る。後は、観戦のために誂えられた場所に、参加できない者たちと合わせて向かうのだろう。残念ながらオユキはこれから仕事なのだが。
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