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1章 懐かしく新しい世界
チュートリアル 4
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ロザリアの説明によれば、この世界で特に力を持つ神は5柱。
言うまでもなく、創造神、色は白。
オユキがゲーム時代に傾倒していた、クエストの流れで信仰対象として選択した、戦と武技の神、色は赤。
現実では行えない、存在しない魔法に心惹かれたものたちが大いに祀った、知識と魔の神、色は紫。
ゲームの中だからこそ、現実では難しいと、あらゆる芸の披露に心砕いたものたちが奉じた、美と芸術の神、色は青。
そして、この世界に安らぎを、ゲームだからと、現実へと向かうための一時の休息と、活力の回復、それを求めたものたちが祈りを捧げた、月と安息の神、色は黒。
そして、他にもその眷属としての多数の神々が存在する。
ロザリアは、功績の証は基本的に、その中央に色が出るのですよと、そういって彼女の功績、その証を指す。
聖印の中央には、美しい烏羽玉の石がはまっている。
それをみた、オユキとトモエがそれぞれの比翼連理の証を見れば、中央には乳白色の石がはまっている。
「神々に貴賤はもちろんありませんが、創造神より、さっそく功績を評されるとは。
お二方とも、その絆はさぞ固いものなのでしょうね。」
二人で確認した後に、ロザリアに返礼とばかりに見せれば、そう笑いながら言われる。
「ええ、文字通り、死後も分かたれぬ程。」
トモエが、どこか嬉しそうにそう答える。
ロザリアはその言葉を聞き、静かに笑いながら、真面目な顔で言葉を告げる。
「それは素晴らしい事です。ですがどうか生ある間の努力を怠りませんように。」
その言葉は、実にらしい言葉、そう言ったら失礼だろうか。
オユキもトモエも、思わず苦笑いを浮かべながら、その言葉に頷く。
そう、此処からは新しい人生なのだ。
あたら粗末にせぬように、気をつけねばいけないだろう。
既に天寿を全うしたからと、今の人生を適当に過ごす理由はないのだから。
「さて、私が説明をさせていただけることはこのくらいでしょう。
お二人が望むのであれば、そのまま狩猟ギルドに行かれるのが良いでしょう。
町の外、我らの神々が安全を保障しない、結界の外、そこで糧を得るのがやはり早いでしょうから。
ですが、どうか、案内役を願ってくださいね。
結界の外は危険だからこそ、日々の糧を得られるのですから。」
「いえ、ご丁寧にありがとうございました。」
「また、折を見ては伺わせていただきます。」
オユキはともかく、トモエはもともとゲームのプレイヤーというわけでもない。
説明としては十分ではないだろうが、そこはオユキがフォローすればよい。そういった考えもあるのだろう。
話はここまでと言われ、オユキとトモエはお礼を口にして、教会を後にする。
礼拝堂の出口まで見送りに来た、ロザリアに深く頭を下げて、背を向けようとしたとき、ロザリアが聖印を切り道行きの幸福を祈る。
二人はそれを聞き、もう一度お礼を口にし、背を向けて歩き出す。
オユキは自身の記憶を頼りに街を歩こうとも思ったが、流石に始まりの町などと呼ばれていた場所に長くとどまったのは、半世紀は前。
加えて時間の経過が、町並みをまた違うものに変えている。
ともかく、教会から伸びる大通り沿いに歩けば、目的の狩猟者ギルドにたどり着けるだろうと、これまでのように歩けば、自分の視界に見慣れた背中が映り、苦笑いする。
これまでであれば、なんだかんだと自分が前を歩くか、隣に並ぶことが多かったが、この体格差ではそれも難しいようだ。
「トモエさん。この道をまずはまっすぐ行きましょう。
大通りに出るか、誰かとすれ違うか、その時に改めて狩猟者ギルドの場所を聞きましょう。」
オユキが声を掛ければ、トモエが驚いたように振り返る。
トモエにしても、前にいないなら隣だろう。そう考えて歩いていたのだろうが、実際にはすでに数歩分、オユキが遅れている。
「これは。もう少し気を付けて歩かないといけませんね。
オユキさんには、生前ご迷惑をおかけしましたか。」
「いいえ、こちらこそ、トモエさんに急がせてばかりいたのではないかと、そう反省していたところですよ。」
オユキがそう応えれば、トモエから手が出され、オユキもそれを握る。
両者とも互いに重ねた手の大きさを比べ、思わず苦笑いを浮かべる。
「その、もう少し大きくしておけばよかったですかね。」
「断らなかったのは私ですから。
私のほうこそ、何も考えずに、私が使っていたままですが。」
「慣れるまで時間はかかりそうですが、生まれなおした、そう考えれば二本の足で歩けるようになるまで、1年以上かかって当たり前ですから。」
そういいあいながら、歩く最中、オユキは数度引っ張られるように足がもつれ、そのたびにトモエが謝りと。
そうして二人でゆっくりと教会から続く道を歩く。
二人でこうして出かけるのは、さて、どれくらいぶりだっただろうか、そんな思い出話も交えながら、目的地を聞けそうな相手と出会うまで、二人は実に楽し気に、ただ歩いていた。
そうして、道行く人に声をかけ、親切なその人物に案内され、二人は狩猟者ギルドへとたどり着く。
ゲームの頃と同じように、ギルドのマークが大きく書かれた看板、を掲げたその建物に、オユキは懐かしさを覚えながら、トモエは物珍し気に入っていく。
言うまでもなく、創造神、色は白。
オユキがゲーム時代に傾倒していた、クエストの流れで信仰対象として選択した、戦と武技の神、色は赤。
現実では行えない、存在しない魔法に心惹かれたものたちが大いに祀った、知識と魔の神、色は紫。
ゲームの中だからこそ、現実では難しいと、あらゆる芸の披露に心砕いたものたちが奉じた、美と芸術の神、色は青。
そして、この世界に安らぎを、ゲームだからと、現実へと向かうための一時の休息と、活力の回復、それを求めたものたちが祈りを捧げた、月と安息の神、色は黒。
そして、他にもその眷属としての多数の神々が存在する。
ロザリアは、功績の証は基本的に、その中央に色が出るのですよと、そういって彼女の功績、その証を指す。
聖印の中央には、美しい烏羽玉の石がはまっている。
それをみた、オユキとトモエがそれぞれの比翼連理の証を見れば、中央には乳白色の石がはまっている。
「神々に貴賤はもちろんありませんが、創造神より、さっそく功績を評されるとは。
お二方とも、その絆はさぞ固いものなのでしょうね。」
二人で確認した後に、ロザリアに返礼とばかりに見せれば、そう笑いながら言われる。
「ええ、文字通り、死後も分かたれぬ程。」
トモエが、どこか嬉しそうにそう答える。
ロザリアはその言葉を聞き、静かに笑いながら、真面目な顔で言葉を告げる。
「それは素晴らしい事です。ですがどうか生ある間の努力を怠りませんように。」
その言葉は、実にらしい言葉、そう言ったら失礼だろうか。
オユキもトモエも、思わず苦笑いを浮かべながら、その言葉に頷く。
そう、此処からは新しい人生なのだ。
あたら粗末にせぬように、気をつけねばいけないだろう。
既に天寿を全うしたからと、今の人生を適当に過ごす理由はないのだから。
「さて、私が説明をさせていただけることはこのくらいでしょう。
お二人が望むのであれば、そのまま狩猟ギルドに行かれるのが良いでしょう。
町の外、我らの神々が安全を保障しない、結界の外、そこで糧を得るのがやはり早いでしょうから。
ですが、どうか、案内役を願ってくださいね。
結界の外は危険だからこそ、日々の糧を得られるのですから。」
「いえ、ご丁寧にありがとうございました。」
「また、折を見ては伺わせていただきます。」
オユキはともかく、トモエはもともとゲームのプレイヤーというわけでもない。
説明としては十分ではないだろうが、そこはオユキがフォローすればよい。そういった考えもあるのだろう。
話はここまでと言われ、オユキとトモエはお礼を口にして、教会を後にする。
礼拝堂の出口まで見送りに来た、ロザリアに深く頭を下げて、背を向けようとしたとき、ロザリアが聖印を切り道行きの幸福を祈る。
二人はそれを聞き、もう一度お礼を口にし、背を向けて歩き出す。
オユキは自身の記憶を頼りに街を歩こうとも思ったが、流石に始まりの町などと呼ばれていた場所に長くとどまったのは、半世紀は前。
加えて時間の経過が、町並みをまた違うものに変えている。
ともかく、教会から伸びる大通り沿いに歩けば、目的の狩猟者ギルドにたどり着けるだろうと、これまでのように歩けば、自分の視界に見慣れた背中が映り、苦笑いする。
これまでであれば、なんだかんだと自分が前を歩くか、隣に並ぶことが多かったが、この体格差ではそれも難しいようだ。
「トモエさん。この道をまずはまっすぐ行きましょう。
大通りに出るか、誰かとすれ違うか、その時に改めて狩猟者ギルドの場所を聞きましょう。」
オユキが声を掛ければ、トモエが驚いたように振り返る。
トモエにしても、前にいないなら隣だろう。そう考えて歩いていたのだろうが、実際にはすでに数歩分、オユキが遅れている。
「これは。もう少し気を付けて歩かないといけませんね。
オユキさんには、生前ご迷惑をおかけしましたか。」
「いいえ、こちらこそ、トモエさんに急がせてばかりいたのではないかと、そう反省していたところですよ。」
オユキがそう応えれば、トモエから手が出され、オユキもそれを握る。
両者とも互いに重ねた手の大きさを比べ、思わず苦笑いを浮かべる。
「その、もう少し大きくしておけばよかったですかね。」
「断らなかったのは私ですから。
私のほうこそ、何も考えずに、私が使っていたままですが。」
「慣れるまで時間はかかりそうですが、生まれなおした、そう考えれば二本の足で歩けるようになるまで、1年以上かかって当たり前ですから。」
そういいあいながら、歩く最中、オユキは数度引っ張られるように足がもつれ、そのたびにトモエが謝りと。
そうして二人でゆっくりと教会から続く道を歩く。
二人でこうして出かけるのは、さて、どれくらいぶりだっただろうか、そんな思い出話も交えながら、目的地を聞けそうな相手と出会うまで、二人は実に楽し気に、ただ歩いていた。
そうして、道行く人に声をかけ、親切なその人物に案内され、二人は狩猟者ギルドへとたどり着く。
ゲームの頃と同じように、ギルドのマークが大きく書かれた看板、を掲げたその建物に、オユキは懐かしさを覚えながら、トモエは物珍し気に入っていく。
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