ナリスの伝説 「オンリーワン」

けにあ

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暴動・反乱・謀反

ナリスの伝説「オンリーワン」

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★卒業生★

卒業式の話が聞こえてきます。

王立学園に入学して、もうすぐ一年がたちます。

のんびりとしているとお城から呼び出しがありました。

謁見の間ではなく応接室に通されて
大臣様
「お忙しい中来ていただきありがとうございます。」
続けて
「ナリス様にお知らせせねばならないことがありまして、学園も最上級生が卒業を迎えようとしております。」
そうですね?

「困ったことが起きております」
はい?
「卒業生の進路が決まっていないのです」
と言いますと?

「卒業予定生徒数 八百人程 内乱による退学者は無 家を継ぐもの、冒険者になるもの、例年はほぼ学園で把握出来ておるのですが、今年度は未定の者が多いと報告がありました。」
「貴族の数が減り、兵士としての定員が減ったのが一番の原因なのですが、「ランカスター領に住んでみたい」と希望する生徒が職を決めていないらしいのです」

エリスが
「住むのは自由ですが生活して行けるのでしょうか?」

「エリス、だからそれを私に何とかしろって事だと思うよ」
え?

大臣様
「いやいや、これは城の方では何も意図しておりません、生徒の中にそういう希望を出している者がいることをお知らせしておいた方が良いと判断しまして・・・」

お城を出て、屋敷に戻りました。

「フラン様、ルイスさん達にも話を聞いてみましょうか?」
フラン様
「そうですね、明日お話をしてみましょう」
翌日、学園でルイスさんと仲のいい友達さん達に話を聞いてみました。

卒業したらですか?
ルイス
「私は父がランカスター城で仕事をしますので、一緒に住むと思います。」
他の生徒
「私たちもランカスター領に住みたいと思っております。」

「フラン様の御手伝いをしながら、仕事を探してみようかと思います。」
フラン様が
「大勢の卒業予定者がランカスター領に住みたいと申し出ているとお城で聞いてきたのですが?」
ルイス
「私たちも含めて百名ぐらいが希望を出していると思います。」


「その方達には得意分野と言うものはお持ちでしょうか?」と聞いてみました。
ルイス・マルタン
「何を選考していたかという事でしたら、騎士、戦士が多いでしょうか、経営、算術を選考していた物もいると思います。」

「その方たちはまだ卒業後何をするか決めていない、かつ、ランカスター領に住みたいと思われている、で間違いないですか?」
はい

「私の所で職を見つけたいとか、考えておられるのでしょうか?」
ルイス
「あ、はい、何かしらの仕事の募集があれば受けに行くと思います。街に住んでみていい仕事が探せたらとか考えていると思います。」

「なるほど、では今日の午後受ける講座が終わり次第集まってください、採用試験を行ってもらえるように頼んでみます。」
続けて
「百名ほどの方に声をかけておいてください、お願いします。」

ルイス達
「はい、すぐに連絡してきます、ありがとうございます。」
と走って行ってしまいました。
「エリス」
はい
「クロード、ピエール、ダグラス、リチャード、アンディーも呼ぶか、マーリンを連れてきてくれますか?後のことはオットーとカールにお願いしてきてください。」
かしこまりました。
イリスが
「戦力にはならないと思われますが、よろしいのですか?」

「兵士の調練、料理長の補佐、事務関係、何か探そう、そうだ、軍の兵で訓練をさせて、卒業生が行儀・作法を教えればいい」

講座を終えて、食堂で軽く食事をしているところに、クロード達が到着しました。

「忙しいところ急に呼び出してすみません。」
クロード
「いえいえ、何も問題ありません。私どもは何をいたしましょう?」

「今から百名ほどが採用試験を受けに来ます。騎士、戦士、料理、メイド、経営、算術何かしら使える者がいるか選抜を手伝ってください。」

「アンディー」
はい
「今からくるのはここの学生なので、負けることは無いと思いますが手を抜いてくださいね、ダグラス、リチャードは兵士と採用出来たらそのあと、育てるつもりで選考してください。お願いします」
続けて
「それと皆さんにお聞きしたいことがあります、フラン様もお願いします。」
はい
「私イリス達に給金とか払ったことが無いのですが、ピエールは料理長、クロードはバトラー、ダグラス、リチャードは隊長、アンディーもその下とはいえ、長が付く存在ですよね、皆さんの給金、今回採用した場合の方達の給金はどれくらい払えばいいでしょうか?」
イリスが
「ナリス様、私たちはナリス様の従者、衣食住をともに出来さえすれば満足なのです。
それと、街で買い物をするときは全てナリス様管理の財貨で支払いをしておりますのでお気になさらずに」
睦が
「私たちも安心して寝る場所、食べる物、着る物があるだけで満足しております。」

エリスが
「ナリス様もご自分で支払いをして買い物とかなさらないですね」
そういわれればそうね
「あ、私の服とか皆で作ってくれているからね、助かります」

「クロード、年間金貨一枚もらえるとなるとどれくらいの仕事をしてもらえるのでしょうか?」
アンディー
「それは、俺なら、めちゃくちゃ喜びます。」
クロード
「兵士たちには十分な給金と言えますが、戦となりますと別途、手当が必要になるかと思います。」

「では クロード、ピエール、ダグラス、リチャードは金貨三枚とか五枚とかになるのでしょうか?」

クロード
「五枚は多すぎるかと思います」
ダグラス
「ああ、二枚でもいいと思う、俺には」

「ピエール、リチャードは何か言うことはありませんか?」

ピエール
「私は前の仕事場では年間にすると金二枚いただいておりました。」

リチャード
「はい、多いほうがいいのは間違いありませんが、私も今まで年間に換算して金貨二枚ももらっておりません。」

正直だな

「クロード、城の宝物庫にどれくらいの財貨があるか、把握していますか?」
クロード
「はい、おおよそでよろしければ」

「では、ピエール、これから先貴方の下で補佐をしてくれる人数は何人ぐらいいりますか?」

私達が三十名ほど、メイド、城の警備担当が百名ほど、貴方の下で働く者の人数、これで百五十名を超えましたね、さらに今日採用した者、二百まではいかないでしょうか?

「二百人の朝食、昼食、夕食を作るには何人いれば行けますでしょうか?」
続けて
「あ、豪華にする必要はありません、朝はサラダにトースト、昼も似たような感じ、夜は肉料理が出れば嬉しいかな?それとお酒は週に一度だけ飲んでいい日を決めております。ちなみに私はお酒はいりません」
ピエール
「十名もいれば何とかなると思います。」

「そうですか、分かりました。では 貴方の下で働くものを二十名探してください、仕事をする日、休息の日がしっかりとれるように管理してください。」

私はクロードの方に向きなおして続けた
「では、クロード 城には常時百五十から二百名が駐屯します。他の町、村に駐屯する兵隊の給金は宝物庫から出しておいてください。宝物庫の中の財貨の半分を災害や不作の時の支援用に取って置き、残りは使ってしまって構いません。では、皆さん四人には年間、金貨三枚を支払います、アンディー貴方には金貨二枚を支払います、他の兵たちは一枚、メイド、ピエールの補佐の者たち相当額をクロードと話し合ってきめてください」
ただし、金貨三枚という事は銀貨で三千枚、それの七割は必要経費として三割の銀貨、九百枚に税がかかります。五対五なので年間銀貨四百五十枚を税として納めてください。
月換算にすると銀貨約三十七枚ですね。

不満とかありませんか、これでよろしいでしょうか?

支払いについてはクロードが全て仕切ります。


「マーリンお待たせしました。ベリアル、ハデス、オットー、カール、五名はイリス達と同じ扱いでいいのでしょうか?」

マーリン
「私は一向にかまいませんが、他の者の事については分かりません。」

「ありがとう、何か必要なものがあれば言ってください、調達してくれるように頼みます。私ではなくても問題はないです。」

「ではマーリンもこれからここの生徒の採用試験の選考に協力してください。」

マーリン
「あのさ、言いたいことがあるのですが、言わせてもらえますか?」
イリスが
「な・・・」何か言おうとしましたがそれを制して、
「はい、なんでしょうか?」
マーリン
「うちらは新参だし、信用出来ないのは重々承知している、今後、私はあんたの盾になる、もしうちが死んだら、あんた、うちを助けてくれ、あんたを信じるからね、でもね、あんたはうちを信じなくてもいい、でもうちはあんたを信じる、それだけだ」

・・・

「フラン様、クロード、ちょっと出かけてきます、あとお願いします。」
クロード
「お任せくださいませ」
イリス、エリス、澪封印の間に行きますよ

「睦、弥生、雫、葉月、しおり、桜、楓、あずさ、すみれ、らん、あかね、つばき、かおり、転移するから輪になって中に人を入れないように見ていてください。」
はい

「マーリン、こっちに来てください。怖いですか?」
マーリン
「怖いわけあるか!」

両手を広げてマーリンを抱き寄せ、イリスがそれを見て私を引きはがそうとしています。澪、エリスが密着してきて転移」

封印の間について、

 「不死のスキル解放」
 
 ※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル 
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
 
 マーリンが光に包まれた。

マーリンに不死のスキルを付与しました。

マーリン
「???」

マーリン、これで貴方も不死の能力を持ちました。
これから先、干からびたり、灰になったりするとどうなるかわかりませんが、普通に年は取りますが、不死です。

私がいて、私の能力を使える限り貴方が死ぬことは無いと思います。

「この事は他言無用でお願いしますね、酔って自慢話にしたとか無しですよ?」

先ほどの貴方の言い分、しかと承りました。
しっかりついてきてください。
マーリン
「あんた、いいのか、こんなに簡単に信じて」
「おや?私は貴方の事を信じなくても良いとか言っていませんでしたか?いやになったらいつでも好きに行動してくださって結構ですよ」
イリスが
「何を言われているのですか、その時は私が制裁を下してあげます」
エリスが
「私もお手伝いさせていただきます、イリス様」
マーリン
「私もどこにも行かねぇよ、未来永劫ずっと従者です、我がままイリスに愛想が尽きたらいつでもおっしゃってください、私が居ります」
イリス
「マーリン」
マーリン
「ここは譲らねぇ」

お前ら、楽しそうだな

はぁ?


エリスが
「さぁ、戻りましょう」と転移
なんか雑だな・・・・


学園に戻ったらキュベレイとヘスティアが来ていた。

睦、皆、ありがとうね
私はキュベレイ・ロンギヌスとヘスティア・グリスに向かって
「なぁ、お前ら」
はい?
「これから、レイとティアって呼んでいいか?」

キュベレイ
「あ、この・・・・面倒くさいとか思っているな」

え・・・?
なになに・・・・何でばれた?

ヘスティア
「ラファ・エル様も面倒くさいってレイとティアと呼んでいました」

おお

「ラファ・エル様がレイとティアと呼ぶようになってから私たちもお互いをそう呼ぶようになったのです。」

じゃあ、決まりだ
神楽が
「なぁ、私も麗なのだけれど?」
「麗もいいけど、神楽の方がかっこよくない?」
神楽
「あああ、あ、そうだな、うん、たしかに、そうか」

レイ
「で、これは何事ですか、人が大勢集まっておりますが?」

ランカスター領で仕事を探している人たちを集めて採用試験を行ってもらっています。

戦闘タイプ、魔法タイプ、給仕、事務系と分けて選考中だと思います。

「多いと百名ぐらい受けに来ると思っています」

エリスが
「ナリス様、これ・・・百人、もっといるかと思われます。」
なんで?
さぁ

クロード
「お帰りなさいませ、ナリス様」

「すみません、まかせてしまって」
クロード
「なにも、問題ありません、リチャード殿達が兵士見習いとして希望者をまとめております。ピエール殿も見習いからでもいいかと十名ほど希望者を絞っておられます、あと十名は一般、即戦力になる人を探したいそうです。」
続けて
「ご一緒にフラン様の所をお手伝いに行きませんか?大変そうです」

メイがフラン様の隣で頑張っているのが見えました。大変そうだなとか思っていたら、こっちをちらっと見たのがわかりました。

シルビア様が
「ナリス様、こっちに来て一緒に選考してください」
話を聞けばいいのかな?
レイ
「面白そうですね、では私もご一緒に」と隣に座った。
イリスが逆側に座り、澪と神楽が後ろに立った。

ルイス・マルタン
「よろしくお願いします」

「えっと、どういう事?」
ルイス・マルタン
「採用試験をお願いします」

「フラン様の助手になったのではないのですか?」
ルイス・マルタン
「あれは、お手伝い、ボランティアだと思っておりました。」

「では、助手以外には、どんなことをしたいのですか?」
ルイス・マルタン
「学園で学んだのは経営学、算術です。ですが、仕事をいただけるなら何でもやります。」
神楽が
「なんでもは、しなくていい、なんでもは駄目だ」
イリスがうんうんと頷いている。
ルイス・マルタン
「でも、職を選んでいては採用されません。」

神楽
「駄目だ、お前は不採用だな」
ルイス・マルタン
「ええ」

「神楽?」
神楽
「ナリス様、この女は危険な気がします。力もなく弱いくせに何か危ないです」
レイ
「は!なるほど、兵士としての力より、女、もしくは人間としての魅力があり、負けそうという事か・・・むずかしいなあ」
神楽
「おお、ちょっとだまれ」
イリスも「お前は黙れ」と頷いている。

澪が
「イリス様、神楽様、お二人が自分の存在を危ぶまれるなんて、この方すごいですね」
神楽とイリス
「澪も黙れ」
ルイス・マルタン
「あの・・・・」
澪が
「そうですね、私より前に出ない控えめな態度でいてくださるなら採用します。」
フラン様
「澪様、そこは、私よりではなく、私達よりに変更をお願いします。」
神楽とイリスが、なるほど、いいぞ、澪と拍手をしている

ルイス・マルタン
「控えめな態度、心得ておきます。」


「あの、親しいお友達の方も、経営学、算術を選考されていましたか?」

ルイス・マルタン
「はい、皆さま優秀な方々ばかりです。」

レイ
「優秀なら、他にも職とかありそうだけど?」
ルイス・マルタン
「皆様、ランカスター領に住みたいと申されております。」
レイ
「ふうん」

今集まっている生徒全員に向かって話をしてみました。

「ランカスター領ではこれまで税の比率を七対三としておりました、領民は三割しか、手元に残らない税率でしたが、これからは 五対五にしてみようと思っております。なので、領民の税の計算をしっかりしないといけません。一日の売り上げから原価及び費用を差し引いて、利益の五割が税となります。」

「例えば、銀貨十枚の売り上げが上がったとして、元手が銀貨五枚、売るのに人を雇った人件費が銀貨二枚、すると利益は銀貨三枚、この三枚の五割が税になります。
こういう計算をして領の収入としていきます。もっとしっかり計算をすると税として納める銀貨は減ります。この例で行くと銀貨十枚の売り上げに対して税で納めるのは銀貨一枚と銅貨五十枚という事になります。さらに通行税は通行証を作ることで取りません。」

「クロード」
はい
「ルイス・マルタン様とその友達の方達を採用して税収の管理をお願いしてください。」

フラン様
「ナリス様、面白いことをお考えですね、その仕事、学園の生徒に実習として経験していただいてはいかがでしょうか?」
続けて
「実習なので給金は、発生しませんが、将来的には参加した生徒の役に立つと思います。」
エリス
「それはいい考えですね、でも完全な無給よりは、お小遣いくらい程度でも貰えると参加者が増えそうな気もします。」


「やっぱりそうだよね、お小遣い程度は出せるようにしないと、そうか、やっぱりイリス達も自由に使えるように、年間金貨三枚、クロード達と同じになるけど出すか」
エリス
「あ、いえ、そのようなつもりでは・・・すみません」

「ちゃんとそこから税の支払いもしてくださいね」
続けて
「こういう計算とか、徴収、領への納税は冒険者ギルド、商業ギルドで行ってくれていたのでしょうか?」
クロード
「はい、両ギルドとも報酬から税の分を差し引いて渡しておりました。」

それは助かりますね、
「ギルドには挨拶に出向いたほうがいいのでしょうか?」
クロード
「一度顔を出しておいた方が良いかもです」

分かりました。

ダグラス、リチャード 選考できましたか?

ダグラス
「こっちは兵士、六十名を採用しました。
マーリン
「こっちはネイが見てくれていて、兵士五名、魔術師五名を採用しました。」

ピエール
「私の調理場関係では見習いを十名採用しております。」
クロード
「ルイス・マルタン様をはじめ総勢十二名を採用しました。」

では、これでお城からの要請も完了という事で、採用についてはこれで終わりましょう
「クロード、これからギルドに行けますか?」

クロード
「皆で押しかけてみましょう」

「では、本日採用になった方は卒業後に来ていただくとして、今日は解散です。本日はありがとうございました。」



★ギルドへの反発★

ランカスター城に転移して、城下町の冒険者ギルド及び商業ギルドに行ってみました。

初めて入る冒険者ギルド、年齢制限があります。
当然のごとく浴びせられるお決まりの台詞
「おい、おい、ここはガキの来るところじゃないぞ」

受付のカウンターのお姉さんの前に着く頃にクロードとダグラスが入ってきて、中を睨む。リチャードが入ってきてさらに睨む、シーンとなったところで、カウンターのお姉さんが、
「これは、レイン様、リチャード様、今日はどのようなご用件でしょうか?」
イリスが
「おい、こっちが先に入ってきているのにその態度はなんだ」と苦情を言った。
テーブルに座って話をしていた四人組が「おい、小娘、なにを偉そうなこと言っていやがる」と立ち上がった。
「ああ」とサーシャが間に入った。

イリスが
「サーシャ、邪魔をするな」
サーシャ
「いつも言っているだろうが、早い者勝ちだ」
「この、舐めてんじゃねぇぞ」ハイお決まりの台詞、第二弾

ダグラスが慌てて止めに入る。
「ちょっと、ちょっと姉さん方、待ってください。」
サーシャ
「はぁ、お前から死にたいのか?」
ダグラス
「タンマ、タンマ、マジで待ってください。姉さんたち本気で殺してしまうでしょうが」
サーシャ
「当り前だろうが、舐めてんじゃねぇぞはこっちの台詞なんだよ」
四人組
「あああん」
ダグラスが振り返って凄む
「お前らちょっと黙れ、今お前らを助けてやってんだろうが、なんなら俺が殺してやろうか?」
サーシャ
「はぁ、お前何、横取りしてんだよ」
フラン様
「サーシャ様、何故、貴方はそんなに口が悪いのでしょうか?」
サーシャ
「おほほ、横取りはいけませんわよ・・・」

笑ってしまいました。

「あはははは、サーシャが、いけませんわよ・・・だって」
サーシャ
「そ、そうです、いけません」ぐっと我慢しているサーシャ

ダグラス
「クロード、リチャード、お前らも止めろよ」
リチャード
「いやー その四人が脳みそぶちまけて死んでも俺は別にかまわないしな」
クロード
「あとの掃除も私たちはやりませんしね」
リチャード
「ダグラスも飛び散った脳みそと血に染まりたくなかったらもう少し離れたほうが良くないか?」
ダグラス
「ナリス様、止めてくださいよ」

え?
ダグラス
「え?って何なんですか?」

「オジサンたち死にたくなかったら大人しくしてください。ダグラスこんな感じでいいかな?」
ダグラス
「止めるのはそっちじゃないでしょ、姉さんを止めてください、というかそれじゃあ火に油を・・・」

ん?

ドカドカドカと中に入ってくる足音がして
「冒険者ギルドで騒ぎを起こしているのは誰だ、アンディー様が退治してくれる、出て来い」
サーシャ
「あ?俺を退治しに来たのか?」
アンディー
「あれ、姉さん・・・・え?」
アンディーはすぐさま土下座モードに突入した。
「うわぁぁ、姉さんすみませんでした。」

そして「姉さんを怒らせた輩がいるのですね、私にお任せを」と言ってはいけない台詞を・・・・

サーシャ
「あ、お前も横取りしに来たのか?」
アンディー
「あ、いえ、滅相もございません、出過ぎたことをいたしました。」
アンディーは立ち上がり急いで外に出た。
「アンディー、やるな、素晴らしい逃げ足だ」
私はアンディーの引き際の速さに感心してしまいました。

「ダグラスって良い奴なんですね」面倒見のいい所とか、新発見です。
ダグラス
「何をこんな時に恥ずかしいセリフを」

クロードがカウンターで
「ギルドマスターにお会いしたいのですが、お取次ぎをお願いします。」
受付嬢
「ただいま、ギルマスは来客中でございまして」

ドアが開く音がして二階から人がおりてきた。

「ジュ・オン様、ギル様も・・・?」
ジュ・オン
「これはナリス殿」
ここに居るはずのない、二人が、ここで何をしていた?

ここにくる理由は一つ、冒険者ギルドを味方につける事、どうやって?
メイ
「領主の任命」

「メイ、私はいい様に利用されていた?」
メイ
「はい、悔しいですがそのようです、ナリス様、落ち着いてください。」
ガレオン・パーシバル
「俺はここのギルドマスター、ガレオン・パーシバルだ、挨拶ぐらいしたらどうだ?」

メイ
「あ、ナリス様」

私は能力「解放」を使用した。
 
 「索敵、鑑定、隠密のスキルを解放」
 
   ※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル 
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
 
 解放と同時に索敵の範囲を広げた。
 
索敵で感知した者の位置を特定、隠密で私の行動を察知させない。

「宮廷魔術師団、四十五名を確認した。」

ジュ・オン
「あ、お待ちください」

「絶対零度」と唱え魔力を解放しました。

ジュ・オン
「え?・・・」
ギル様
「なに、どうしました。」
ジュ・オン
「宮廷魔術師、全滅しました。」

「私の周りをちょろちょろしていると容赦しないって言いましたよね。」
ガレオン・パーシバル
「なんだ?」

「貴方は私の敵です、ジュ・オンさん、そしてその貴方と会合を行っていたここのギルドマスターもまた、私の敵のようですね。」
四人の冒険者、私に絡むように指示を出していた?

「冒険者ギルドからの宣戦布告ですか、悪戯では済ませません」

サーシャ
「なに? 何が起きている、私もまぜろ」

「絶対零度」と唱え、魔力を解放した。
ダグラスの後ろに立っていた四人が凍りつく。

皆が突然凍り付いた四人を見て驚いている。


「ジュ・オンさんにはいい様に使われてしまったようですね、私としたことが・・・・」
イリスが
「どうしました」

「伯爵に任命されたので、この領地を住みやすくしようと考えていましたが、私の仕事ではなかったという事です。」
ジュ・オン
「いや、私はここの領主が動きやすい様に手を貸してほしいとお願いをしに来たのです。」
ガレオン・パーシバルがニヤッと笑いながら
「確かに今、新しい領主の力になってくれと頼まれたところだ」と言った。

「新しい領主ですか、誰の事でしょうね」
ガレオン・パーシバル
「ちっ、がきが・・・」

「フラン様、シルビア様、残念ながら、この国は一連の騒動が解決したあと、このランカスター領の統治は別の者がすることになっていたようです。」
メイ
「ナリス様、残念ながらそのようです。あのギルドマスターの方は用済みのガキはさっさと出て行けと考えております。」
メイが泣き出した。
「これが大人の世界なのですか・・・」

ジュ・オン
「人の心を読む能力・・・・」
イリスが
「なんだと?」
サーシャ
「どうした、いよいよ世界を相手に喧嘩するのか?いいぞ、俺にもやらせろ」

エリスが
「あのジュ・オンと言う男をどうするか、なのですね、ここで倒しておきましょう」

イリスも
「私もそれに賛成です、あいつが生きていていい事はありません。」

メイが
「ナリス様、謀反及び先の反乱での行方不明者、死亡者全てナリス様が主犯という事にする手はずのようです。」
皆が顔を見合わせています。

さらにメイが
「ナリス様、あの人、応援を呼んでいます。」

「絶対零度」を唱えて魔力を解放しました。
ジュ・オンが凍り付いた。
ガレオン・パーシバルが
「俺のギルドで好き勝手やってんじゃねぇ」と飛びかかってきたが、一閃、イリスが切り捨てた。

イリス
「こやつも、敵だと断言されていましたよね?」

索敵でジュ・オンに似た感じを五つ発見、こっちに近寄ってきている、そのまま
「絶対零度」を唱えて魔力を解放した。
動きが止まった。

「ギル様、また新しい、ジュ・オンさんが来るでしょう」
それまで持ちこたえてください、この国が今後どうなろうとも私は知りません。

「クロード、この状況ではもう商業ギルドに行っても意味がない、というかもうこの国に、いても意味が無くなってしまいました。申し訳ありません」

国に対する謀反とかは、考えていませんでしたが、先の一連の騒動は全て私に関係しているので間違いではないですね。

「クロード、リチャード、ダグラス私はまだ解任されていませんのでまだ、私の命を聞けますか?」

クロード
「はい、お命じくださいませ」

「ランカスター城の宝物庫にある、財貨から領民に金貨一枚をこれまでの重税の代わりに支給してください。盗賊に襲われる恐れもありますが、そこまでは面倒、見切れません。貴方方も、前に言った年間支給分の金貨を受け取ってください、私が解任されるとこの話は無しになりますので急いでお願いします。」

クロード
「では、イリス様達の分もしっかり支給させていただきます。」
リチャード
「それは、有難いことですが、ナリス様達はこの後どうされますか?」
ダグラス
「そこです、大事なところはそれ」
私 

ダグラス
「出来れば一緒に、隊の連中の中にも一緒に行きたいというやつがいるはずです。」
リチャード
「俺たちは別にこの国にしがみ付く必要はないですからね」

イリス
「ナリス様、ついてきたいもの全部一緒にドワーフ村に行きましょう」

ドワーフ村? リチャードが呟いた。

クロード
「私も次の領主様から雇っていただける保証もありませんので、ご一緒させていただけませんでしょうか?」


「ついてくると皆作業員か農夫だよ、仕事は?」

クロード
「よくわかりませんが、他にも一緒にくるものがいるか聞いてみてもよろしいでしょうか?」


「ああ、聞くだけ聞いてみてください。無理はしないように」

クロード
「では今のうちに支給と必要なものの買い出しを領の費用から出しましょう」


「あ、睦、皆でクロードを手伝ってくれますか?」
かしこまりました。

「フラン様、シルビア様、私は明日当たり何かしらの罪状で手配されると思います。残っても一味として拷問とか、されるかもです。一緒に行きますか?」
フラン様、シルビア様
「はい、私どももこの国には未練はありません。」

では、急いで荷物をまとめて出て行きましょう。
あ、皆私たちの居場所は学園には、連絡します、今日採用した方達も来るなら歓迎しましょう、ただしこの国からは手配されますが・・・・

「ネイ、最後にお城に行って例の秘蔵書物を見に行こう」
ネイ
「そうですね、お供します」
「バニラ、チョコはマーリンに話をして、女性隊の中から一緒にくるものがいるか聞いてもらってください。」

ランカスター城に集合です。
「リチャード、クロードの隊もクロードの支給を手伝ってください、村の方を先にお願いします。」



エリスの転移でお城の謁見室の裏にある部屋に来ました。

エリス
「こっそり、転移門作っておいてよかったです。」

秘蔵書物書庫は別の入り口でしたね。

鍵が必要では? エリスが聞いてきた。

あ、ごめん、私の魔力で偽造します。

・・・秘蔵書物書庫で書物を見る・・・

今回は魔法の詠唱スペルの確認が主、イリス達には魔王封印の歴史について何か手掛かりがないかを調べてもらいました。

ネイが
「ここだ この部分が意味不明なのです。」
私は魔法の詠唱ページを見て、約二ページにわたる詠唱ページを記述しました。
メテオとアトミック

もう一つネイが見つけた、空中浮遊 これもページを記述しました。
とりあえず用事はすみました。
イリス
「手掛かりなしです」

書庫を閉めて鍵がかかるのを確認、書庫を出て鍵を閉めて、転移で戻りました。



★一時退避★

屋敷に戻って、屋敷のメイドさんたちにフラン様とシルビア様が説明を始めました。

ここの方達はお城からの雇用だから、今後の心配はいらないと思っておりましたけど、拷問とかされるのかな?「知っていることを吐け」みたいな?
これはありえるなあぁ、早ければ日の出と共に、いや暗いうちに捕らえにくるかも、一旦、ランカスター城に移動した方が良いね、それで拷問にかけられてでも残るって人はそうしていただきましょう。

一旦ランカスター城に移動、そこから徐々にドワーフ村に移動を行いました。
クロードから全員が一緒についていくと報告が来た。
ランカスター城は空になるので、宝物庫の財貨もすべて持ち出したとの事、ナイス
ドワーフ村についても宿舎もないし、とりあえず女性は宿泊できる建物に入れてもらって、男性は皆で野宿

朝が来て周りを見ると、堀が完成して水が溜まっていた。

そしてその向こう側には田園が広がっている。

兵士たちが大騒ぎしています。
リチャード
「なんなのですか、ここは、砦?」

ここはドワーフ村です。

水を溜めて田畑を耕すのに使うつもりでしたが堀としても利用でき、攻められにくくなっております。

広い田園で米に麦を作って自給自足を目指します。
クロード
「ついて来たら作業員と農夫と言うのはこういう事ですか、なるほど」

ドワーフの人口の数だけしか居住区が無いので、新しく作る予定を入れてもらいましょう。

あ、ピエール・マルタンもいるよね?
「はい」
「ルイス・マルタンさんは大丈夫かな?」
ピエール・マルタン
「あ、すみません、気を使っていただいてありがとうございます。あの、実はもうこっちに来ております」
ルイス・マルタン
「私が父の関係で拷問されるといけないとフラン様から連絡をいただき、友人ともども押しかけてきました。よろしくお願いします。」
クロード
「他の内定された方々は、まだ直接関係のある方達ではなかったので大丈夫かと、思われます。」
シルフィー
「はい?」
時々、学園とかお城とか見に行ってくれますか?
「了解です」
レイ
「今ノルンが向こうに残っているので連絡を取ってみてくれ」

シルフィー
「うろうろしていたら、ノルンさんの方で私を探してくれますね。」
レイ
「ああ、そうだな」と言って笑った。

エリス
「私も行ってみます、シルフィーさん、転移で一緒に行きましょう」
シルフィー
「お願いします。」
二人が行ってくれた。

アスナ
「ナリス様、いらっしゃいませ」

「アスナ、私達追い出されてきました。これからよろしく」
ギガン
「ナリス様、では、これからはずっとここに?」
うん
ギガン
「後ろの方達も?」
六百人ぐらいいると思う
ギガン
「では、宿舎を作らないといけませんね。今、田畑を作っておりますが、旧居住区に男性用を作り直しております、そこにまた新たに建てましょう。」

クロード
「男性が四百五十人程度、女性は百五十人程度になると思います」

「リチャード、ダグラス、ここの責任者のギガン、ギラーナ夫妻です。話を聞いて作業を手伝ってもらえますか?隊の中に農家の出身とか、いると助かります。」

二人が「わかりました。」と答えてくれました。

「マーリン、女性隊の方はドワーフの女性隊の方に手伝いに行ってくれますか?」
「わかりました。」

「ピエールも女性隊の方にお願いします。食事も担当してもらっていますので」
ピエール
「承知いたしました。娘も連れて行ってよろしいでしょうか?」
そうですね、友人の方も一緒にお願いします。

「クロード、屋敷からきたメイドさんたち、城にいたメイドさんたちもピエールさんと一緒がいいかな?」
クロード
「では、私も一緒に行動します」

クロード
「ああ、その前にナリス様、ランカスター城の宝物庫の中身なのですが、運べなかったのでランスターの商業ギルドに預けてあります。ギルドマスターは私の妹で、アルファー・レインと申します。」

「エリスが戻ったら一緒に取りに行ってもらえますか?」
クロード
「かしこまりました。」

私はまず、ドワーフ男衆の所に行ってみました。
オットー、カール、ベリアル、ハデスも手伝ってくれていました。
「おはようございます。」
男衆も笑顔で返事をしてくれます。

「皆さん、ありがとうございます。すごい工事が早く進んでいますね」
ギガン
「力強い援軍のおかげです」

「自給自足出来れば、食料も酒も苦労しなくなります、数年後が楽しみですね」

おおおお、頑張りますぞ

ギガン
「皆生き生きしておるでしょ、ナリス様のおかげです、それと鉱山採掘の班を作り、今はアスナ様の指示に従って下に向かって穴を掘っております」

鉄鋼、装飾品等で他の国と貿易も可能になりますね。

戻って来て堀の上からため池を見てみました。
ギガン
「時折大雨が降りますので、栓は、開閉出来るようにしております。」
それはナイスです。
ギガン
「飲料水は上流から別に引いてタンクに貯めております。今までよりは安心して水が飲めます」
おお、いいですねぇ
ギガン
「左の方に見えるあれが飲料水用タンクです。」
なるほど、でかい桶みたいなのが見えます。
あの上流にせめてろ過が出来る浄水処理場がほしいですね。

新居住区を整備する前に隅に下水処理場を先に計画した方がいいかもです。

ギガン
「浄水処理に下水処理ですか?」
はい、浄水処理は水をろ過するぐらいはしたいし、下水処理も分解して、解毒、消臭して排水等出来たらいいのですが・・・

ギガン
「新居住区の予定地区は地下、下水道を作ってそのあと上にしっかりと土台を作っていきますか」

では、とりあえず、このキャンプ場みたいな食堂の横に新しい宿泊施設を作ってこのあたりに風呂を作ろう

リチャード、ダグラスの所から人を回してもらおう


「ナリス様、お風呂は必須です、私たちで着手しましょう」

弥生
「先に区分けをしましょう、男性用の場所と女性用の場所そして湯船の場所と洗い場の場所、湯船の場所に穴を掘って湯が溜まるように石を積みましょう」

「湯船もだんだん深くなるようにしませんか?」

あかね
「あの、洗い場も湯船もかなり、広めがいいと思います。」

ギガン
「その前に下水処理場の場所をしっかり決めておくといいかもですね、そこ以外を風呂場にしましょう」
葉月
「お湯はどうしますか?」

「お湯は飲料水のタンクから水を引いてきてその間に温度を上げよう」
続けて
「皆で風呂場の方をやっていてください、私はタンクのほうを見てきます。」
タンクは反対側に立っています、堀の右側が風呂、左側にあるのがタンクです。
堀の田園の方は幅三十メートルぐらい取ってあります。さらに田園側には壁、川の方には落ちないように手すり、こっち側にも川の方には手すりがありますが、住居側には現在何もない、この縁の所に水道を作れば行けそう。

水道タンクの下に水道管?が繋がっていました。元栓が付いていて止められる、その上の方にもう一つ水道管が付いていて元栓もありますが、先がない、水抜き用なのかな? なら、これを使って風呂場に水をたれ流せば問題解決です。

堀の縁に側溝を作って水を流せばいけますね。

軍隊の人間が大勢来たから人手は足りると、足りるのかな?

どうやってお湯に?

「ああ、側溝の下に魔法スペルを記述した板を張り付けておいて、起動は私の垂れ流しの魔力で行えば行けると思います。」

イリス
「それってつまり、お風呂には一日中お湯が流れてくる? という事でしょうか」

そそ
イリス
「それはいいですね、いつでも入れますね」

「水も魔力も垂れ流し・・・か、あ、お湯の温度は四十度ぐらいにしておいてお風呂の直前で五十度ぐらいに上がるようにするかな、側溝も分岐して四十度と五十度のお湯が出るようにすればいいのか」

私はこのお風呂のお湯計画をギガンに話、側溝敷設工事を依頼しました。

ネイに魔法の札みたいな物について聞いてみよ。



★暴動、反乱、謀反★

と、エリスが帰ってきました。
誰か連れています。

エリスが
「ナリス様、まずご報告します。オルレアン王国では市民の暴動がおこりました。」
はい?
「もう発表は計画してあったようで、今朝、ナリス様謀反、以前の反乱もナリス様が首謀者となっておりました。」
フラン様とシルビア様が顔を見合わせています

エリスが続けて
「昨日の騒動を見ていたランスターの市民が昨日の夜、決起したようです、この決起は、王家の発表とは関係なく起こっております。」
昨日の夜・・・
さらにエリスが続けて
「ランスターの冒険者ギルドのギルドマスターの弟が次の領主に内定、それが、冒険者ギルドが王家側に力を貸す条件で、昨日は最後の確認をしていたと思われます。もうギルドマスターも策士ジュ・オンさんもいないので、収拾がつかないでしょうね。」

それと、この弟の評判が最悪で、ものすごく嫌われていたようです。

このタイミングでナリス様の減税に他の領主は反対を王家に進言しているようで、ランスターで起こった暴動に近隣の町、村から人が集まり、話が広がり、他の領主のところでも決起する者が出るでしょう。

「私の減税政策に反対って、情報広がるのが早いですね、学園で偉そうに話をしたのが悪かったのかな?」
あ・・・それこそ宮廷魔術師団の出番か、情報を広めるのがうまいな、いや情報を得るのも早すぎる、なんだろう

エリス
「ナリス様の計画では今税収が一時的に減っても将来は増える算段でしたから、他の領主様も同じようにすればいいだけの話です。」

今、シルフィーとノルンが王都及び他の領主の所を見に行っています。
学園の情報もシルフィーとノルン待ちです。

「わかりました。ご苦労様でした。」

エリス
「それとナリス様、こちらのお二人なのですが、前に綺麗な海の見える丘の家に住んでおられる親子のお二人ですが、覚えておられますか?」

「ああ、ネイの同族らしいお母さんね、呪いと悪性の病気だった人だっけ?」

マリア
「初めまして、助けていただきお礼も出来ませんで、大変申し訳ありません、私マリアと申します、この子はオリエと言います、よろしくお願いします。」
続けて
「一緒に暮らしてはおりますが、親子ではないのです、私の素性で、この子にはつらい目に合わせてしまっております。」

「いえいえ、お気になさらずに澪が突っ走った結果です」

「え、あ、すみません」

マリア
「お礼をしようにも差し上げる物もありません、何か私どもに出来ることは無いでしょうか?」

出来ること・・・・?

「では、知恵をお借りしたいのですが、水を熱してお湯にしたいのです、温度を上げる魔法を記述して水道管に張りつけようかと思うのですが、記述する御札みたいな物について何がご存じありませんでしょうか?」

マリア
「魔法のスペルを記述する素材ならわかりますが、それを起動するには魔力が必要になります。」


「起動は私の魔力で制御できると思います。」
マリア
「では、温める魔法スペルを記述した物を準備出来ればよろしいでしょうか?」

おお、よろしくお願いします。



「さてと、どうしようもありませんが、学園の様子を見に行きますか?」
フラン様
「是非お願いします。」

「バニラ、チョコ、ミイ、ライア、シータ、クラリス様はここに残って睦たちを手伝ってください、それと私たちは屋敷と学園の様子を見に行ったと伝えてください。」
はい

「エリス行きましょう」

屋敷について、屋敷は何事も異常はありませんでした。
屋敷の外、街の中に向かって火の手がつづいています。

ミネルバ様
「フラン様、シルビア様、ご無事でしたか」
フラン様
「それは私の台詞です、ミネルバ様、よくぞご無事で」
ミネルバ様
「今朝早くに、大臣様がこの屋敷の方が安全です、と移動を進めてくださりまして」
続けて
「本当にここには誰も入ってきませんでした。ウィリアム様と大臣様はお城に残られております。」

「クリス、ここに残っていてくれますか?学園を見てきます」
はい


学園について中に入ってみました。
これと言って被害は出ていないようです。

ナリス様
誰かが叫んで出てきました。・・・・じゃなくていっぱい出てきました。

「皆さん、無事でしたか?」
「ナリス様こそご無事でなりよりです」
「この国、どうかしています」

「皆さん、大丈夫ですか?私反乱の首謀者、謀反人みたいですが?」

何を言っているのですか、この国は今や、謀反人の数のほうが多いですよ?

おお、なるほど

私達にも今ならわかります、国は最初からナリス様一人に全責任を押し付ける気だったのですね。

はい、そのようです。領地経営とか真剣に考えて・・・あはは
学園の生徒
「何を言っておられるのですか、ナリス様の減税の政策は素晴らしいと思いました。
好き勝手、やって来た貴族がいなくなり、今度は冒険者ギルドと商業ギルドが消えます。」
学園の生徒が続けて
「今後、他国はまだ貴族、軍隊がいるので簡単には反乱は起きないでしょうけど、他国の冒険者ギルド、商業ギルドがどうなるのか楽しみです。」

私は周りを見渡して、学園の生徒は大丈夫、ここも襲われそうには、無いと判断しました。
皆さん、しっかり頑張ってください、私は戻ります。

まってください。

この国を支えてください。

え?
「い・・・・・ぶ」イリス、エリス、メイが私に飛びついて口をふさいできました。
「むぅ、むぅ」
イリスが
「よく考えていただいてからお返事しますね、今は急いでおりますのでこれで失礼いたします。」

シュタタタタッ、私が担がれて運ばれていく音です。

屋敷に戻って
「クリスご苦労様です」
クリス
「ここは大丈夫でした、何事も起きておりません」

「フラン様、ミネルバ様、一旦ここを出ましょう、とりあえずランスター、いやドワーフ村に行きますか」
フランソワーズ様
「ミネルバ様、ドワーフ村、何もありませんが楽しいところですよ、一緒に避難したしましょう」

ミネルバ様のメイドも含めてドワーフ村に転移

「クリス」
はい
「すまないけど、このままフラン様の護衛で残ってください、サーシャ、神楽もお願いします。」
サーシャ
「また置いていくのか」

「サーシャと神楽、クリスがいるなら安心ですから、それとランスターの商業ギルドにクロードと行く約束があるのです、物を受け取りに行くだけですよ、クロードは確か女性部隊の方に合流しているはず、皆、一緒に行きましょう」
女性部隊の所について、私
「クロード、忙しいところすみませんが、ギルドに行ってみましょう」
クロード
「はい、かしこまりました。ピエール、あとお願いします。」
「あと、ミネルバ様、フラン様もここに合流します。」
ミネルバ様
「皆様、申し訳ありません、お邪魔いたします」

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