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運命
ナリスの伝説「オンリーワン」
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★獣人村へ★
メイ達が出発して少し経ったとき
すさまじい殺気が襲ってきた。
「怖い」←メイ
サーシャが
「イリスがなんか怒っているな、さっき上空をドラゴンが三体飛んで行ったので攻撃でもされたのかもな?」
サーシャが続けて
「まあ、ナリス様が居られるので心配いらないさ」
こっちはこっちのやることをやろう
はい
半日も歩いた頃、サーシャが「なんかいるな」とつぶやいた。
ライアが前に出て身構えた。
茂みから「待て」と声が聞こえてきて数人が姿を現した。
ライアは戦闘態勢を解かない。
「ライア、他種族を連れて何をしに帰ってきた。」
ライアが奴隷商人に捕まって他の国に連れていかれた事、そこで運よく助けられた事、ドワーフ村まで一緒に連れてきてもらった事、護衛の為ここまで一緒に来てくれた事を伝えた。
「ドワーフ村は今ドラゴンに襲われているぞ」
サーシャが
「ああ、さっき三体飛んで行ったな、でも、もうそいつらは死んでいると思うよ」
エリスが
「サーシャ様、黙っていてすみません。さっきの先頭を飛んでいたドラゴン、名前をバーニーと言いまして、イリス様が嫌っていたものですから、たぶん死んでいると思います。あとの二体はクリスと仲が良かったので、たぶんクリスが恩情をかけているかと思います。」
そこに強い風が吹いてシルフィーがやってきた。
「なんだ?誰だ、お前」← 獣人
よくぞ聞いてくれた
「我が名は風の上位精霊、シルフィー」
サーシャが「何をしに来た?シルフィー」
ニヤニヤしながらシルフィーが
「サーシャを悔しがらせてやろうと思って急いでやってきた。ふふ」
「はぁ、なんだ、それ」サーシャ
「ドラゴン三体が、「城が出来たら、俺様がつかってやる、励め」 とか言って襲ってきた。」
続けてシルフィーが
「ナリス様がさ、イリスに聞いたんだ、あいつ殺しても大丈夫か?」って
イリスが、はい死んでも問題ないですって答えて、もうあっという間だった。
ナリス様がドラゴンの胸元まで一気に詰めて、イリスに向かって何かを投げた、それをイリスが一閃、切り捨てたら、ドラゴン倒れて死んだ。と説明をした。
サーシャが
「まったく、わからん」
エリスが
「それは、私もこの目で見たかったですね、残念」
シルフィー
「後の二体はクリスの知り合いみたいだったからナリス様、面倒くさそうだったけど、ドワーフ、男衆の見張りを命じていたよ」
「言いたいことはそれだけ」じゃあ、とまた飛んで行った。
「なんなんだ、あいつは」怒りのサーシャ
エリスが
「イリス様が認めた、ナリス様がすごいって自慢しに来られたのでしょう」と笑って言った。
やっぱり、そんなにすごいのか?
「真剣に殺し合いになると、私も含め一瞬かと、思います」
殺し合いじゃなかったら?
エリスは少し考えて
「魔法障壁を完成されていますし、受け流すのも慣れてこられましたので、うーんそうですね、手を抜いてくださるでしょうから、負けは無くても、勝てないと思います」
「は! 化け物だな」
「はい」とエリスが笑って答えた。
獣人の一人
「お前たち、いや あなた達、あのドラゴンを倒したのか?」
サーシャが
「は? 聞いてなかったのか、倒したのは一体だけで、あとの二体は降伏したんだろ」
一瞬 シーンとなったが、すぐに
わあぁぁと歓声が上がった。
なんだ、なんだ ←サーシャ
なんでも、突然やってきたドラゴン三体は獣人の村で好き勝手やりたい放題で困っていたと、三体の中に、ものすごく耳のいいドラゴンがいて、さっき、ドワーフ村での会話が聞こえたと言って出て行った。
獣人側の態度が急変した。一気に歓迎ムード
村まで案内されて、ドラゴンにやられたっぽい、怪我人の応急手当をメイと雫が担当した。
怪我の酷い者たちはナリス様の元まで行けば何とかなる、一緒にドワーフ村に行きましょうとメイ、ミイ、ライアが声をかけていた。
この村を捨てて出て行くとなると簡単ではないと会議が始まった。
メイはナリス様の存在とドワーフ村に新しい街を作る計画があり、何十年、何百年かかるか不明だけど出来上がったらこっちまで手を広げると思うと説明していた。
一緒にくるというものと残るというものに当然分かれた。
怪我人と来ると言っている者を連れて獣人村をあとにした。
帰りの行程は怪我人もいるので、注意してゆっくりの旅になった。
★街つくり始動★
私はドワーフの男衆に向かって
「貴方方には労働を強制します」
反抗しても自分の意思では逆らえない状態にします。とはっきり言った。
「私たちは、もう逆らう意思はありません。」と返事が返ってきた。
私
「まずはこのあたりに仮宿にする小屋を建ててもらいます。」
男衆は下にある、今までの居住区を使ってもらいましょうか
百人以上が寝泊まりできる小屋、調理場は外に作って屋根を付けて・・・・あれ
キャンプ場じゃん
流石はドワーフ! 職人芸 木を伐り、削り、石を切り出し基礎から小屋を作る。
総勢 二百人のドワーフ職人、バンザイ
仮宿なので、雨露がしのげてカギがかけられてとりあえず雑魚寝でも、寝ることが可能であれば問題なし
いずれは壊すだろうし、切り出した木をそのまま使用したので 二週間ほどで形になってきた。
中央に調理場、その周りを囲むように食事ができる席が二百人分、さらにその外側に寝泊まり用の小屋(まだまだ、工事中)
メイたちが獣人、三十人ぐらいを引き連れて帰ってきた。
「お帰り」
食と住に関しては何とかなりそうです。
衣服については一旦戻ってからそろえるということで、使える小屋(獣人専用)を用意してもらいました。
サーシャがドラゴン退治について詳しく話を聞かせてくれと迫ってきたけど、別に大した事していないしと答えたら怒られた。
イリスが
「残念だったね、サーシャ」と笑って言った。
旅に出てから三週間が過ぎました。
そろそろ帰りましょうか
フラン様、シルビア様そしてクラリス様もこういう経験はなかったみたいで、楽しまれていたようです。
まあ ギル様がおろおろされていましたが
あ、ついでですみません。
(ついでに書いたので何か全部同時にやったみたいになっていますがお気になさらずにお願いします。)
私は能力「解放」を使用した。
「超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
ドワーフ村の男女、それと獣人の中で、傷ついたもの、年老いた者すべてが光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
メイのスキル、医療及び専門知識:医術をさらに解放
ドワーフ村の男女、それと獣人の中で、傷ついたもの、年老いた者すべて、肉体再生を成功させました。
二十歳以下の若い村になりました。
ドラゴン二人については、本人の強い希望で、エリス、クリスの年頃に挑戦、成功しました。
ドワーフ村の指揮はギガン、ギラーナの二人が、工事については男衆が、生活については女性たちがそれぞれ役目を持っておこなってくれることになりました。
私達は転移で物資を運び、週末には、手伝いにくることにしました。
クラリス様は当然学校に戻る、ネイ、バニラ、チョコも一旦屋敷に入ってもらい、衣服を整えることにしました。
エリスが転移で屋敷に庭を開けるように、そしてみんなが帰ってくることを連絡してもらい、また転移で戻ってきた。
負担をかけてすみません。
エリスに私の魔力を上乗せ、屋敷の庭まで関係者全員を転移、成功しました。
懐かしい我が家に帰ってきました。
ああ、船に乗らずに済んでよかった
そうだ、忘れていました。ドラゴンのバーニーですが、角、皮、牙、骨、肉使えるものは、バニラとチョコにも納得してもらい、すべて解体、回収、ドワーフ職人の手に渡りました。武器鎧、食料となるでしょう。
フラン様、シルビア様の役目、親善大使、無事完了の報告をお城に済ませ、ギル様達から解放されました。
面倒なので、城の中でのやり取りは省略です、すみません。
ああ、一つだけ、王様が一言、「みんな日に焼けたな?」 が笑えました。
★新学期★
なかなかに、ハードな 笑 夏休みが終わりました。
バニラとチョコの衣服を整えて、ネイも衣服を買い揃えてもらいました。
・・・・・まあ、すごく怒られたのですが
何故怒られたのか?
「全員、買い物がしたい・・・・」です
動きやすいが一番なのですが、最近は可愛さが大事になっているらしい・・・
皆でおしゃれを楽しんでくれています。
まあ、奴隷商人と貴族の屋敷から拝借してきた財貨を惜しみなく使用してください。
気に入った服を買うだけではなく、同じものを注文しているみたい。
色違いだったり、ちょっとだけ、どこかを変えたりしているようです。
なんにせよ、楽しそうでよかったです。
バニラとチョコも学園に通う手はずを整えようとしていたら、ネイが
「学園と言うところには、私はいけないのでしょうか?」
いけませんね。
ネイが続けて
「それはだめでしょ? 私は皆さまがいない時間一人になるじゃないですか、というか、私基本、引きこもりなので、外のことはよく知らないのです。私もいろいろ体験させていただけませんでしょうか?」
「だめですね」
イリスとメイの呼吸がぴったり
メイが
「ナリス様、この方もナリス様に心も体も捧げるそうです」
ちょっとびっくりしている、ネイが
「はい、それはもうお好きにしてもらって構いません。」と即答
?
駄目とか言ってなかったっけ?
「三回ぐらいは断らないと駄目でしょ、ナリス様」
え、じゃあこの話は保留で?
エリスがクスクス笑い出した。
「ナリス様ってほんとに天然ですよね」
あれ?
屋敷に帰って
私は能力「解放」を使用した。
「不死のスキル解放、超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
ネイが光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
メイのスキル、医療及び専門知識:医術をさらに解放
ネイの全身、主に神経系、筋肉系、血管系をしっかり、魔力で追跡、確認して時間をかけて、澪の体の再生をした時を思い出してイメージ、十歳ぐらいの体に再生が成功した。
「ネイ」
はいとネイが返事をした。
私
「体の調子はどんな、感じ?」
ネイ
「すごく若返って、・・・いや、そうじゃないですね、なんでしょうか、これ、体の隅々まで意識が届くというか、全身を感じます。魔力がすごく、溢れてきます。」
それはやばい・・・
私
「私それにイリスと同じ感じに再生が完成しました。パワーアップしています、いつも逆に魔力を抑えるように気を付けてください。」
付け加えて
「必要かどうかわかりませんでしたが、失敗するといけないので貴方には不死のスキルも付与しました。」
ネイが
「と、言うことは? ナリス様たちとずっと一緒に居られるのですね。ありがとうございます。ナリス様のためにのみ、我が力を使いましょう」
ふふふふと笑うネイ・・・・・大丈夫かな?
バニラ、チョコ、ネイの三人に学園では力を抑えるように、その理由も含め、話をし、三人が学園に通えるように手続きをフラン様にお願いしました。
ふふふ 当然三人ともまずは 行儀・作法から!
バニラ・チョコ・ネイを鑑定してみた。
バニラ :超聴力・隠蔽・絶対音感・心理療法・消音・ピアニスト
チョコ :回復魔法・「専門知識:楽器演奏」・ソプラノ・技巧・毒無効
ネイ:火属性魔法・精神支配魔法・魔力強化・状態異常無効・「専門知識:魔法」・魔力操作
この三人、特化型だ・・・・芸術家だし
聞いてもいいかな?
「はい?」
「バニラとチョコって今までどうしていたの?」
「あの、それって・・・まさか、私達ってやっぱり役に立ちそうにありませんか?」
「バニラは諜報担当? チョコは回復担当?」あ、いや、これしかないのですが・・
二人がしょぼくれて
「はい、その通りです、私はすごい耳がいいので遠くの話声でもはっきり聞こえます。チョコは回復魔法が使えます。」
「うん、わかった。」
二人が
「あの、え、見捨てないでください。」
クリスが慌てて、どうしたのと寄ってきた。
「ナリス様、二人が何か失礼な事をしでかしたのでしょうか?」
二人はドラゴン仲間の中でも役立たずとされていたらしいです。
私
「いや、そうじゃないですよ、あ、クリスは二人の知り合いだっけ?」
「はい」とクリスが返事をした。
私
「じゃあさ、二人は戦うのは苦手みたいだから、戦闘訓練では私と一緒に受け流す練習をやってもらってください。」
しょぼくれている二人に
「皆も聞いてください。バニラとチョコは素晴らしい才能の持ち主だということがわかりました。」
え? 一番びっくりしているのは当の本人達
「二人には、演奏と歌、音楽の才能にあふれています。」
おんがく?
二人が仲良くなった、いや出会っていること自体が運命なのかも
「フラン様、学園に楽器とかありますか?」
フラン様が「ハイ、あります、誰でも使用可能だと思います」
では、二人は学園に通うようになったら、楽器の練習と歌の練習をしてみてください。
フラン様、案内とか手筈とかお願いします。
そしてもう一つ
ネイって魔女なんだ、ちょっとびっくりしました。
学園での楽しみが増えました。
とうとう、通常業務、学園生活が始まりました。
礼儀・作法の授業から
バニラ、チョコ、ネイが新しく参加してきました。
ネイはまあ、私よりいいみたい
バニラとチョコは私と一緒で大変そう、頑張れって・・・他人事ではありませんが
授業が終わると楽器のある場所にフラン様に案内していただき、バニラとチョコが練習を開始しました。
フラン様とシルビア様が一緒におられるので私も図書館から魔法の原理の書を借りてきてここで目を通しております。
二人は見たこともないと言いながら、楽器に触って、バニラはピアノに興味を持ったみたいで音を鳴らしてみていた。フラン様が少し説明をしただけなのに、テンポを変えながらリズムよくドレミファソラシドを鳴らし始めた。
チョコがバニラの鳴らしている音に合わせて声を出し始めた。
バニラがゆっくりと鍵盤を押し、ドの音を出す、チョコがその音に合わせてドーと声を出す。ドレミファソラシドと鳴らすとドレミファソラシドと声を合わせてきた。
綺麗な歌声
いきなりこれってやっぱりすごい
フラン様もシルビア様もびっくりしていた。
近くにいて、音と歌声が聞こえている学生たちが集まってきた。
バニラとチョコの二人はものすごく、楽しそうだ
フラン様に明日は楽譜の読み方を教えてくださいとお願いしてみました。
「ええ、喜んで」と返事をくれたフラン様もだいぶ興奮されています。
行儀・作法が普通に出来るようになれば、音楽の講座に受講申請してみましょう。
フラン様も乗り気になってきた。
物資の配送をしていたエリスから報告が来ました。
ドワーフ村で石材の切り出しをしていたグループから石の祠があると、そしてその近辺では石を切り出せないと連絡が入ったとのことです。
皆の目がキラキラしているのは気のせいだろうか?
終末に調査に行くことになりました。
★二つ目の祠★
食料、酒等買い出しを済ませ、アーセナル国に転移で移動。
食料等は女性部に預け、食糧庫に運んでもらった。って食糧庫作ったんだ
報告によると食事に関しては前に比べるとしっかり食べられているので、食べ過ぎない様に調理の量を調整しております。とのことでした。
狩りで肉の調達もできるので、十分に足りている。
良かった。正直食料調達資金いずれなくなる・・・・
しょぼくれた想像をしていたら、メイが
「資金調達も考えないと駄目でしょうか?」と言ってきた。
そうなのだけど、とか思っていたらフラン様が
「ナリス様は、爵位の報酬、警護の報酬等は受け取っておられますか?」
???
「やっぱり・・・・笑」フラン様が呆れていた。
お城に行って大臣様からお話をお聞きになられると良いと思います。
はい・・・
イリスが
「ナリス様、今まで話題にもなりませんでしたからお話しておりませんでしたが、私を討伐に来た者たちが所持していた物、滅ぼした国の宝物庫から奪った物、貯えがありますので、あれを使ってください。」
サーシャも
「ああ、そういうのなら私もありますよ、ため込んでも使うこともないので必要なら使ってください。」
エリスが
「ナリス様、イリス様の宝物庫には私の転移で行けます。あの正直、使い切れないと思います。」
え?
エリスが続けて
「イリス様の宝物庫の物を使用して構わないのであればもう資金について悩まなくても大丈夫です」
はは
今度財宝見学ツアーをやろう、と思っていたらメイが
「お供いたします」と顔をひくひくさせていた。
祠に向かう前に現在の状況を見てくることにしました。
川底になる予定の場所に石材がならべてあり、その向こうに石材を積んでいく準備が進んでいました。
ギガンに不平、不満、苦情とかないか聞いてみた。
「とんでもありません。労働については我々にしてみると当たり前の事、飯も食えて依然と比べると生活レベルも上がっております。」
それはよかった。
完成したらその前にある狭い通路を突破された後も籠城できる。
工事の状況を見ながら移動して石材切り出し場所まで案内してもらった。
祠・・・・同じものですね。
イリスが前に出て・・・ってあれ、みんなが一斉に
「我が命じる、扉よ、開け」と叫び手をかざしだした。
ギガン、サーシャがきょとんとしていた
「何をしているの?」サーシャ
皆が扉を開けようとしておりますと言って笑っている。
「へぇ、じゃあ、私もやってみるか」
「我サーシャが命じる、扉よ、開け!」・・・・・何事も起きない。
何も起きないじゃないか、つまらん。
皆の視線が集まる。
「我ナリスが命じる、扉よ、開け」と言って手をかざしてみた。
何も起きなかったら恥ずかしいとか、思っていたら、扉が開いた。
よかった・・・
サーシャが「なにぃ」と思わず口にした。
ギガンも「おおおお」と感動しています。 ほんとか?
皆がわああと歓声を上げて、「流石です、ナリス様」と言いつつすでに中に入ろうとしています。
ハイエルフが先頭に立って、又罠とかを避けながら進みました。
ん?私しか入れない仕組みなのになぜ? 罠があるのか・・・・うーん、いろいろ考えないようにしよ。
しばらく進むと前回と違う、下に降りる階段が見つかりました。
そのまま階段を降りると・・・・降りると・・・長い・・・・
突き当りは扉
皆が我先にと扉の前をうろうろし始めた。
何事も起こらない。
サーシャがお前らさっきから何をしているのか説明してくれよ。と訴えていた。
私は扉の前に近づいてみました。
扉が光りだした。前回と同じ、そして扉を手で押して開きました。
暗くて先が見えない空間が広がっています。
言われるまでもなく、使えるものが光の魔法を発動しました。
徐々に見えてくる空間の中、中央に台座らしきものがあり、その上に筒状の物が見えてきました。
響く声
「お待ちしておりました。私をここから解放してくださる御方、我が名はアスナ、地の上位精霊、アスナ」
続けて
「我をここに封印した者には腹立たしい限りではありますが、お願いしますここから出してください」
さらに続けて
「あの者が告げた千五百年後に解放しに現れる者に従えと、ここから出していただけるのならいくらでも手をお貸ししましょう。我を従者としてお連れください。」
ああああ、もうこんな所に一人でいるのは嫌です。と涙ながらに訴えてきました。
皆がこれって可哀そうすぎませんか?
イリスが
「シルフィーの時は笑えたのに今回は全く笑えませんね。」と続けた
シルフィーが
「なんで・・・私二千年・・」と絶句していた。
これはこれで可哀そうかも
「我、ナリスが命じる、封印を解き、地の上位精霊アスナを解放せよ」
部屋全体が光に包まれた。
真っ白で何も見えない。
目が慣れて回りが見えるようになってきた。
地面がゆれている。
「ありがとうございます。自由になれました。」
そして
私の前にひざまずき?
「我は地の上位精霊アスナ、我が精霊の名にかけて、あなたを我のすべてをかけて、守護することを誓います。どうぞよろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
地の上位精霊アスナが仲間になった。
こうして二度目のダンジョン攻略が終わった。
アスナも上位精霊と名乗っては、いるけど姿の実体化は出来ていないようです。
シルフィーを見て、驚いていました。
風の精霊シルフィー、最初に姿が消えた精霊ですね。
最初? 皆が多分思った。
精霊は死ぬ、消滅する等、存在がなくなると皆にわかるものなのです。
ですが、突然姿が見えなくなった、と噂になりました。
それからすぐ、水の精霊が、そして火の精霊が姿を消しました。
それがどういうことか私が理解したのはここに封印されたからです。
なるほど 皆の声
「え、と言うことはどこかに、水と火の精霊が封印されているのか?」私
サーシャが
「イリス、外にあった祠、あれ見たことあるよな?」
イリスが
「あ、あれだ、お前と戦った北の荒地、あそこにあったな」
サーシャが
「あの祠の周りだけ、どんなに暴れても地形が変わらなかった」
たしかにそうだったとイリスが頷いている。
ほ、ほう 私を含め、みんなの声
と言うことはいずれ、その北の荒地に行かないといけませんね。
「うーん。」私
どうしました? と皆
「同じように封印されている精霊が私の従者となった場合、四大精霊が味方になることに・・・・一体私に何をしろと?」
クリスが
「そうですね、四大精霊を集めて戦う相手なら、やっぱり悪魔でしょうか?」
え?
イリスが
「なるほど、ナリス様は二千年も前から悪魔と戦うことを定められし者なのですね。」
と笑って言った。
いやいや、笑い事ではないでしょ
サーシャが
「へぇ、そりゃすごいな、ナイスです! ナリス様」
なにが?
悪魔と戦えるとか、嬉しいじゃないですか とサーシャが喜んでいた。
嬉しくないし・・・・
エリスが
「戦うのかどうかは別にして、戦うことになる前提でことを進めて行った方が良いですね」と言って、さらに続けた
「こちらに戦う意思が無くても向こうから攻めてきたら応戦しないわけにはいきません」と、はい、その通りですね。
シルフィーが
「なるほど、私はナリス様と一緒に悪魔と戦う仲間に二千年も前から選ばれていたということか」と、にやけていた。
イリスが
「は?」と不機嫌になる。
アスナも
「おお、そう考えると少し気が楽になりますね。封印されていた理由か」
悪いことした覚えはなかったしとブツブツ一人呟いている。
シルフィーが
「話は変わるけどアスナ、実体化は試してみた?」
といって、風になったり、実体化したりして見せていた。
アスナ
「私もまだ力不足なのか実体化はできないのです、シルフィーすごいですね」
シルフィーが実体化に成功した流れをアスナに説明し始めた。
そして「ナリス様、よろしくお願いします」とシルフィー
アスナが
「私も、今から実体化を試してみますから魔力の上乗せをお願いします。」
空中に光の玉が出現し、私に近づいてきた。
アスナが光に包まれて私に寄ってきたということですね。
私はその光を自分の魔力で包んでみました。光の玉にはじかれない様に自分の魔力をさらに重ねて融合させていきました。
私の魔力が光の玉に吸い込まれ、光の玉がだんだんと小さくなっていき、光がはじけた、と、そこに可愛らしい少女の姿が出現しました。
「おおおおお」私を含めて皆の声!
「成功です」
やっぱり、素っ裸
誰かあとで着る物用意してあげてください。
シルフィーが
「ナイスです、ナリス様」と言ってくれていた。
さて、この封印の間だけど、前回と作りが違う。前よりまず広い。
エリスが
「ナリス様、これって転移門のようです。」
エリスが続けて
「もしかすると、封印の間を行き来できるのではないでしょうか?」
ほう
と言うことで、転移門についてはエリスに丸投げ、解析を頼みました。
エリスが
「いやいや、ナリス様にしか扱えない作りになっていると思いますよ?」
そうね・・・・・ じゃあまた今度
あの長い下り階段を上るのは面倒なので、エリスに転移で外に出るようお願いしました。
外に出て私はアスナに聞いてみました。
今後ここに石材を積み上げて要塞化しようとしていますが、石材の調達とか移動とか手伝ってもらえますか、とアスナの返事は
「そういうことはお安い御用です」
これで作業がはかどる・・・・
え?
これって、私がここに街を作ることも織り込み済みで、地の精霊をこの地に封印したってことか。
★運命★
ネイが
「もしかしてですよ、その封印を行った者は、未来の世界を見ることが出来た?」
どういうこと?
予知能力者でもあるということでしょうか
ネイが続けて
「ここにナリス様が街を作った、悪魔と戦った? 精霊が仲間にいた、当然この封印の間の存在も知っていた、そしてそれを作るのが自分だということも知った。」
私も千年以上ハイエルフの里に引きこもっておりましたが、ナリス様と知り合ったことで、それも正しい道だったということになりますね」
ネイが満足そうに一人、頷いていた。
要するに、私と知り合い、私の仲間になったものは全員、そうなるべくしてなっているということだね、皆、これからもよろしく頼むよ
「まかせてください、がんばります」皆が一斉に叫んだ。
まだちょっと早いので工事をしている者もみんな集めて戦闘訓練を行いました。戦法についてもエリスがドワーフ男衆に説明、クリスが相手の攻撃を受け流す方法とかまずは教えていました。
それも少し早めに終わり、今日は宴会だ!
私はお酒はいりませんが、美味しいものがあれば、満足です。
お酒は週に一度とみんなに周知してあるので、けち臭いことは言わず・・・・まあ、なくなりますよね
次の日、
今日の作業はお休みです。
石材の切り出し場所を変更するのにアスナに相談しながら決めました。
切り出した跡地も住居もしくは畑等に利用できればと思っています。
ギガン、ギラーナにあとのことはお願いしてちょっと早めの帰還です。
屋敷で
先にお風呂を済ませて、ちょっと早い夕食にしていただきました。
イリスがメイを見ているのに気が付いた。
メイが首を横に振っていた。 ?
あれ?私、思考停止・・・していた、珍しい
メイが私を見て、イリスを見た。
イリスが立ち上がり、私の所に来て
「大丈夫ですか?」と声をかけてきた。
全員が気にしていたのか立ち上がって集まってきた。
あれ?また思考停止している、みんながこっちを心配そうに見ているのは見えているのに、うーん。どうした? 私
メイが
「そうですよ、どうしたのですか?」
エリスが
「悪魔と戦いたくないとか?」
悪魔と戦う・・・・・
なぜ?・・・・そう、なぜだ
「なぜ私は悪魔と戦うことになるのでしょう?」
ここだ、たしかにここには引っかかっている、けどまだなにかあるような・・・
「イリス、サーシャ、悪魔と呼ばれている者にあったことはある?」
イリスが
「ありません」
サーシャ
「残念なことにあったことないね、あっていたら戦っていると思う」
儀式召還・・・・と言うのが、ふいに頭に浮かんだ
「儀式召還と言うものを聞いたことありますか?」私
誰も反応しない・・・なんですか? それ的な
それって異世界召還ということかな、あれ異世界召還で出現した者は特殊な能力を持っているとかだっけ?
ものすごい破壊力のある魔法を持ったものすごく嫌な奴が召還されるということもあるのか・・・・・
ああ、でもそれって悪魔というわけではないか・・・
悪魔と呼ばれる存在全てが敵になるのだろうか?
おや?
私はどこでこの知識を得たのだろう、何故知っている?
ん?
知っているわけでもないな、言葉、単語をどこかで聞いたことがあるのかな?
儀式召還・・・か、調べてみよう メイの顔が見えた。
「ナリス様が変なことを考え始めましたよ、みなさん」と笑いながら言った。
なになに? 皆の反応
イリスが
「黙っていると不安になるけど、変なことを考えているのもまた別の意味で不安にさせる人ですね、ナリス様」
ぶ
変ではないと思う
私
「書物に儀式召還について記述が無いか調べて、可能なら召還してみたいと思っただけですよ」
悪魔をですか?
うん・・・・
ちゃんと悪魔がくればいいけど?
違うのが来たらどうしよう・・・・
いえ、そういう心配ではなくて、ですね・・・・皆の声
何故戦うのかその理由は定かではありませんが未来の世界で伝説になっているのなら・・・・ほんとか?笑 戦うのでしょう、身内に被害が出る前に駆除、これが原則ですね。
「よし、明日学園の図書館で召還儀式について調べます。」
はいはい、みんなの表情がそう言っています。
サーシャが
「と言うことは遅かれ早かれ悪魔を拝めるということだな、楽しみだ」
エリスが
「呼び出した悪魔が強力で敵になるということもありますが、大丈夫でしょうか」
それは非常にやばいですけど、ナリス様はお構いなしに実行されるでしょうねってところでまとまりました。 こらこら
まだ召還可能とか、一切わからないのに、気が早すぎ・・・・
あ、まてよ
「そうか、みんなの期待に応えるべく悪魔召還を成功させよう」って言ったら、・・・・後のことはご想像くださいませ。
え? 想像できませんでしたか?そうですか
よーし、みんなで頑張ろう、おっしゃぁ とはなりませんでした。
よーし、しょうがないからやりますよ、 ← 多数
よーし、楽しみだ ← 一人
反対派 ← 少数
シルフィーとアスナが話し合って
「悪魔召還を試す前にたぶん封印されているだろうあとの二人も解放しに行きましょう」と提案してきた。
なるほど ←皆の意見
ネイが
「自分たちで召還して、自分たちで討伐したとかの、落ちはいやですね」と言った。
・・・・・・・
シーンとなってしまいましたが、「討伐できるなら、いいか」と笑ったら、わからないでしょって声が、上がるのは当たり前ですね。
あれ?
皆、悪魔の存在は知っているのね?
何故知っているのでしょう?
イリスが
「悪魔についての伝承?みたいなものを聞いたことがあります。」
皆もそうそうって・・・
作り話なのか、伝説になるような出来事が過去に実際あったのか、は不明
世界を滅ぼすとか?
国なら聞いたことがあるような?
イリスが睨んでいます・・・
翌日
フラン様の行儀・作法の講義が終わってから図書館に行き、召還に関係する書物を探しに行ってみました。
今まで来たことのない区画を先に回ってみました。
専門書・・・・歴史書
召還に関する専門書と言うのは存在しないようです。
フラン様
「ここに来れば何とかなるかと思っておりましたのですが、私も召還と言うものについては聞いたこともありませんでした。」
歴史書
過去に召還を行った事実があるのか、伝説でもなんでも・・・・
皆にも手伝ってもらい書物の中を読み漁ってみましたが、召還に関するような内容は一文もありませんでした。
うーん
手掛かりなし
今日はこれで解散
屋敷に戻ると大臣様から呼び出しが来ていました。
おや?
急いでみんなでお城に向かいました。
ギル様にいつもの応接室に案内され・・ 謁見ではない・・・と
大臣様と王様の二人が入ってこられました。
大臣様
「突然の呼び出しで申し訳ない」
王様が
「うむ、突然ですまないが何を調べておる?」
おや?よくご存じで?
私達の図書館での行動が全て筒抜けってことかな?
「今調べているのは儀式召還についてです。」私
二人の顔つきが変わるのがはっきりとわかりました。
「何かを召還するつもりか?」王様
「はい、出来たら悪魔を召還したいと思っております。」私
あれ、お二人は召還という言葉に反応しないな、普通に会話が成り立っている。
大臣様
「本気で言っているのか?」
続けて
「悪魔を召還して、何を企んでいる」
私
「何を企んでいるというか、本当に召還が可能なのかを調べております。」
続けて
「召還が可能だと分かった場合、今後気を付けなければいけないことがあります。私はいずれ悪魔と戦うことになりそうなのです。」
召還は可能なのでしょうが、それが誰でもできることなのか知りたいのです。
いずれ誰かがどこかで悪魔を召還するのでしょう、と説明を加えた。
大臣が
「戦うことになりそう・・・とは?」
「今の段階ではさっぱりなのです、すみません」
王様が
「召還の儀式については世界共通の禁忌とされておる」
闇雲に調査しても何も得られない。話をすることも禁忌となっておる。
「ここからは私の独り言なのだが、城の地下に秘蔵書物の部屋がある。そこにいけ」
大臣がぼけて鍵をどこかに落としたらしい。
ギル様の案内で、部屋を出ると廊下に鍵が落ちていた。
地下に降りる前に明かりの魔法を頼みました。
明かりの魔法も唱えることのできるメンバーが増えてきました。交代で明かりをともしてもらえます。
大臣
「よろしいのですか?もし書棚のカギが開くようなことがあれば?」
王様
「その時はとうとう私たちの時代に「時が来た」ということだ」
地下の秘密の書庫
魔法の書、歴史の書、召還の書、目当ての書物は一番奥に置いてあった。
書棚には鍵がかかっているようですとイリスが言っている。
私は書棚に近づいてみました。
書棚が光りだした。
「我、ナリスが命じる、扉よ、開け」
カキン と音がした。
書棚の戸が開いた。
ここも誰かが用意した私が進む道の一つということか。
イリスが
「どうされますか?」
なにを?
「ナリス様おひとりで書物の内容を確認されるのがよろしいかと」
「ここで得た知識をみんなが何か別のことに使うことになっても、それはたぶん私たちをここに来るように準備をした者にとっては織り込み済みで、ここに居る全員が私と同じようにここに導かれて来た」と思います。
イリスが
「ありがとうございます、では、拝見いたします。」
ネイ
「魔法については自信がありましたが、知らない魔法が並んでおります。」
イリス
「歴史、私が生まれる以前か、興味出てきました。」
メイ
「召還について調べます」
皆も補助お願いします。
・・・★書物調査中★・・・・
ここで得た知識については書き写さない、通常の会話では話さないと決めました。
封印の間でのみ、会話、整理等行うことにしました。
夜が明ける前に地下を出ました。
書棚の扉を閉めるとまたカキンと音がして鍵がかかりました。
入口のカギを閉めて地下を出ると大臣様が待っていてくれました。
鍵を渡して転移で屋敷に戻りました。
お風呂に入って朝食を食べて、学園に向かい、一日どうにか過ごして帰宅その後、爆睡、よくある光景でしょうか?
メイ達が出発して少し経ったとき
すさまじい殺気が襲ってきた。
「怖い」←メイ
サーシャが
「イリスがなんか怒っているな、さっき上空をドラゴンが三体飛んで行ったので攻撃でもされたのかもな?」
サーシャが続けて
「まあ、ナリス様が居られるので心配いらないさ」
こっちはこっちのやることをやろう
はい
半日も歩いた頃、サーシャが「なんかいるな」とつぶやいた。
ライアが前に出て身構えた。
茂みから「待て」と声が聞こえてきて数人が姿を現した。
ライアは戦闘態勢を解かない。
「ライア、他種族を連れて何をしに帰ってきた。」
ライアが奴隷商人に捕まって他の国に連れていかれた事、そこで運よく助けられた事、ドワーフ村まで一緒に連れてきてもらった事、護衛の為ここまで一緒に来てくれた事を伝えた。
「ドワーフ村は今ドラゴンに襲われているぞ」
サーシャが
「ああ、さっき三体飛んで行ったな、でも、もうそいつらは死んでいると思うよ」
エリスが
「サーシャ様、黙っていてすみません。さっきの先頭を飛んでいたドラゴン、名前をバーニーと言いまして、イリス様が嫌っていたものですから、たぶん死んでいると思います。あとの二体はクリスと仲が良かったので、たぶんクリスが恩情をかけているかと思います。」
そこに強い風が吹いてシルフィーがやってきた。
「なんだ?誰だ、お前」← 獣人
よくぞ聞いてくれた
「我が名は風の上位精霊、シルフィー」
サーシャが「何をしに来た?シルフィー」
ニヤニヤしながらシルフィーが
「サーシャを悔しがらせてやろうと思って急いでやってきた。ふふ」
「はぁ、なんだ、それ」サーシャ
「ドラゴン三体が、「城が出来たら、俺様がつかってやる、励め」 とか言って襲ってきた。」
続けてシルフィーが
「ナリス様がさ、イリスに聞いたんだ、あいつ殺しても大丈夫か?」って
イリスが、はい死んでも問題ないですって答えて、もうあっという間だった。
ナリス様がドラゴンの胸元まで一気に詰めて、イリスに向かって何かを投げた、それをイリスが一閃、切り捨てたら、ドラゴン倒れて死んだ。と説明をした。
サーシャが
「まったく、わからん」
エリスが
「それは、私もこの目で見たかったですね、残念」
シルフィー
「後の二体はクリスの知り合いみたいだったからナリス様、面倒くさそうだったけど、ドワーフ、男衆の見張りを命じていたよ」
「言いたいことはそれだけ」じゃあ、とまた飛んで行った。
「なんなんだ、あいつは」怒りのサーシャ
エリスが
「イリス様が認めた、ナリス様がすごいって自慢しに来られたのでしょう」と笑って言った。
やっぱり、そんなにすごいのか?
「真剣に殺し合いになると、私も含め一瞬かと、思います」
殺し合いじゃなかったら?
エリスは少し考えて
「魔法障壁を完成されていますし、受け流すのも慣れてこられましたので、うーんそうですね、手を抜いてくださるでしょうから、負けは無くても、勝てないと思います」
「は! 化け物だな」
「はい」とエリスが笑って答えた。
獣人の一人
「お前たち、いや あなた達、あのドラゴンを倒したのか?」
サーシャが
「は? 聞いてなかったのか、倒したのは一体だけで、あとの二体は降伏したんだろ」
一瞬 シーンとなったが、すぐに
わあぁぁと歓声が上がった。
なんだ、なんだ ←サーシャ
なんでも、突然やってきたドラゴン三体は獣人の村で好き勝手やりたい放題で困っていたと、三体の中に、ものすごく耳のいいドラゴンがいて、さっき、ドワーフ村での会話が聞こえたと言って出て行った。
獣人側の態度が急変した。一気に歓迎ムード
村まで案内されて、ドラゴンにやられたっぽい、怪我人の応急手当をメイと雫が担当した。
怪我の酷い者たちはナリス様の元まで行けば何とかなる、一緒にドワーフ村に行きましょうとメイ、ミイ、ライアが声をかけていた。
この村を捨てて出て行くとなると簡単ではないと会議が始まった。
メイはナリス様の存在とドワーフ村に新しい街を作る計画があり、何十年、何百年かかるか不明だけど出来上がったらこっちまで手を広げると思うと説明していた。
一緒にくるというものと残るというものに当然分かれた。
怪我人と来ると言っている者を連れて獣人村をあとにした。
帰りの行程は怪我人もいるので、注意してゆっくりの旅になった。
★街つくり始動★
私はドワーフの男衆に向かって
「貴方方には労働を強制します」
反抗しても自分の意思では逆らえない状態にします。とはっきり言った。
「私たちは、もう逆らう意思はありません。」と返事が返ってきた。
私
「まずはこのあたりに仮宿にする小屋を建ててもらいます。」
男衆は下にある、今までの居住区を使ってもらいましょうか
百人以上が寝泊まりできる小屋、調理場は外に作って屋根を付けて・・・・あれ
キャンプ場じゃん
流石はドワーフ! 職人芸 木を伐り、削り、石を切り出し基礎から小屋を作る。
総勢 二百人のドワーフ職人、バンザイ
仮宿なので、雨露がしのげてカギがかけられてとりあえず雑魚寝でも、寝ることが可能であれば問題なし
いずれは壊すだろうし、切り出した木をそのまま使用したので 二週間ほどで形になってきた。
中央に調理場、その周りを囲むように食事ができる席が二百人分、さらにその外側に寝泊まり用の小屋(まだまだ、工事中)
メイたちが獣人、三十人ぐらいを引き連れて帰ってきた。
「お帰り」
食と住に関しては何とかなりそうです。
衣服については一旦戻ってからそろえるということで、使える小屋(獣人専用)を用意してもらいました。
サーシャがドラゴン退治について詳しく話を聞かせてくれと迫ってきたけど、別に大した事していないしと答えたら怒られた。
イリスが
「残念だったね、サーシャ」と笑って言った。
旅に出てから三週間が過ぎました。
そろそろ帰りましょうか
フラン様、シルビア様そしてクラリス様もこういう経験はなかったみたいで、楽しまれていたようです。
まあ ギル様がおろおろされていましたが
あ、ついでですみません。
(ついでに書いたので何か全部同時にやったみたいになっていますがお気になさらずにお願いします。)
私は能力「解放」を使用した。
「超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
ドワーフ村の男女、それと獣人の中で、傷ついたもの、年老いた者すべてが光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
メイのスキル、医療及び専門知識:医術をさらに解放
ドワーフ村の男女、それと獣人の中で、傷ついたもの、年老いた者すべて、肉体再生を成功させました。
二十歳以下の若い村になりました。
ドラゴン二人については、本人の強い希望で、エリス、クリスの年頃に挑戦、成功しました。
ドワーフ村の指揮はギガン、ギラーナの二人が、工事については男衆が、生活については女性たちがそれぞれ役目を持っておこなってくれることになりました。
私達は転移で物資を運び、週末には、手伝いにくることにしました。
クラリス様は当然学校に戻る、ネイ、バニラ、チョコも一旦屋敷に入ってもらい、衣服を整えることにしました。
エリスが転移で屋敷に庭を開けるように、そしてみんなが帰ってくることを連絡してもらい、また転移で戻ってきた。
負担をかけてすみません。
エリスに私の魔力を上乗せ、屋敷の庭まで関係者全員を転移、成功しました。
懐かしい我が家に帰ってきました。
ああ、船に乗らずに済んでよかった
そうだ、忘れていました。ドラゴンのバーニーですが、角、皮、牙、骨、肉使えるものは、バニラとチョコにも納得してもらい、すべて解体、回収、ドワーフ職人の手に渡りました。武器鎧、食料となるでしょう。
フラン様、シルビア様の役目、親善大使、無事完了の報告をお城に済ませ、ギル様達から解放されました。
面倒なので、城の中でのやり取りは省略です、すみません。
ああ、一つだけ、王様が一言、「みんな日に焼けたな?」 が笑えました。
★新学期★
なかなかに、ハードな 笑 夏休みが終わりました。
バニラとチョコの衣服を整えて、ネイも衣服を買い揃えてもらいました。
・・・・・まあ、すごく怒られたのですが
何故怒られたのか?
「全員、買い物がしたい・・・・」です
動きやすいが一番なのですが、最近は可愛さが大事になっているらしい・・・
皆でおしゃれを楽しんでくれています。
まあ、奴隷商人と貴族の屋敷から拝借してきた財貨を惜しみなく使用してください。
気に入った服を買うだけではなく、同じものを注文しているみたい。
色違いだったり、ちょっとだけ、どこかを変えたりしているようです。
なんにせよ、楽しそうでよかったです。
バニラとチョコも学園に通う手はずを整えようとしていたら、ネイが
「学園と言うところには、私はいけないのでしょうか?」
いけませんね。
ネイが続けて
「それはだめでしょ? 私は皆さまがいない時間一人になるじゃないですか、というか、私基本、引きこもりなので、外のことはよく知らないのです。私もいろいろ体験させていただけませんでしょうか?」
「だめですね」
イリスとメイの呼吸がぴったり
メイが
「ナリス様、この方もナリス様に心も体も捧げるそうです」
ちょっとびっくりしている、ネイが
「はい、それはもうお好きにしてもらって構いません。」と即答
?
駄目とか言ってなかったっけ?
「三回ぐらいは断らないと駄目でしょ、ナリス様」
え、じゃあこの話は保留で?
エリスがクスクス笑い出した。
「ナリス様ってほんとに天然ですよね」
あれ?
屋敷に帰って
私は能力「解放」を使用した。
「不死のスキル解放、超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
ネイが光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
メイのスキル、医療及び専門知識:医術をさらに解放
ネイの全身、主に神経系、筋肉系、血管系をしっかり、魔力で追跡、確認して時間をかけて、澪の体の再生をした時を思い出してイメージ、十歳ぐらいの体に再生が成功した。
「ネイ」
はいとネイが返事をした。
私
「体の調子はどんな、感じ?」
ネイ
「すごく若返って、・・・いや、そうじゃないですね、なんでしょうか、これ、体の隅々まで意識が届くというか、全身を感じます。魔力がすごく、溢れてきます。」
それはやばい・・・
私
「私それにイリスと同じ感じに再生が完成しました。パワーアップしています、いつも逆に魔力を抑えるように気を付けてください。」
付け加えて
「必要かどうかわかりませんでしたが、失敗するといけないので貴方には不死のスキルも付与しました。」
ネイが
「と、言うことは? ナリス様たちとずっと一緒に居られるのですね。ありがとうございます。ナリス様のためにのみ、我が力を使いましょう」
ふふふふと笑うネイ・・・・・大丈夫かな?
バニラ、チョコ、ネイの三人に学園では力を抑えるように、その理由も含め、話をし、三人が学園に通えるように手続きをフラン様にお願いしました。
ふふふ 当然三人ともまずは 行儀・作法から!
バニラ・チョコ・ネイを鑑定してみた。
バニラ :超聴力・隠蔽・絶対音感・心理療法・消音・ピアニスト
チョコ :回復魔法・「専門知識:楽器演奏」・ソプラノ・技巧・毒無効
ネイ:火属性魔法・精神支配魔法・魔力強化・状態異常無効・「専門知識:魔法」・魔力操作
この三人、特化型だ・・・・芸術家だし
聞いてもいいかな?
「はい?」
「バニラとチョコって今までどうしていたの?」
「あの、それって・・・まさか、私達ってやっぱり役に立ちそうにありませんか?」
「バニラは諜報担当? チョコは回復担当?」あ、いや、これしかないのですが・・
二人がしょぼくれて
「はい、その通りです、私はすごい耳がいいので遠くの話声でもはっきり聞こえます。チョコは回復魔法が使えます。」
「うん、わかった。」
二人が
「あの、え、見捨てないでください。」
クリスが慌てて、どうしたのと寄ってきた。
「ナリス様、二人が何か失礼な事をしでかしたのでしょうか?」
二人はドラゴン仲間の中でも役立たずとされていたらしいです。
私
「いや、そうじゃないですよ、あ、クリスは二人の知り合いだっけ?」
「はい」とクリスが返事をした。
私
「じゃあさ、二人は戦うのは苦手みたいだから、戦闘訓練では私と一緒に受け流す練習をやってもらってください。」
しょぼくれている二人に
「皆も聞いてください。バニラとチョコは素晴らしい才能の持ち主だということがわかりました。」
え? 一番びっくりしているのは当の本人達
「二人には、演奏と歌、音楽の才能にあふれています。」
おんがく?
二人が仲良くなった、いや出会っていること自体が運命なのかも
「フラン様、学園に楽器とかありますか?」
フラン様が「ハイ、あります、誰でも使用可能だと思います」
では、二人は学園に通うようになったら、楽器の練習と歌の練習をしてみてください。
フラン様、案内とか手筈とかお願いします。
そしてもう一つ
ネイって魔女なんだ、ちょっとびっくりしました。
学園での楽しみが増えました。
とうとう、通常業務、学園生活が始まりました。
礼儀・作法の授業から
バニラ、チョコ、ネイが新しく参加してきました。
ネイはまあ、私よりいいみたい
バニラとチョコは私と一緒で大変そう、頑張れって・・・他人事ではありませんが
授業が終わると楽器のある場所にフラン様に案内していただき、バニラとチョコが練習を開始しました。
フラン様とシルビア様が一緒におられるので私も図書館から魔法の原理の書を借りてきてここで目を通しております。
二人は見たこともないと言いながら、楽器に触って、バニラはピアノに興味を持ったみたいで音を鳴らしてみていた。フラン様が少し説明をしただけなのに、テンポを変えながらリズムよくドレミファソラシドを鳴らし始めた。
チョコがバニラの鳴らしている音に合わせて声を出し始めた。
バニラがゆっくりと鍵盤を押し、ドの音を出す、チョコがその音に合わせてドーと声を出す。ドレミファソラシドと鳴らすとドレミファソラシドと声を合わせてきた。
綺麗な歌声
いきなりこれってやっぱりすごい
フラン様もシルビア様もびっくりしていた。
近くにいて、音と歌声が聞こえている学生たちが集まってきた。
バニラとチョコの二人はものすごく、楽しそうだ
フラン様に明日は楽譜の読み方を教えてくださいとお願いしてみました。
「ええ、喜んで」と返事をくれたフラン様もだいぶ興奮されています。
行儀・作法が普通に出来るようになれば、音楽の講座に受講申請してみましょう。
フラン様も乗り気になってきた。
物資の配送をしていたエリスから報告が来ました。
ドワーフ村で石材の切り出しをしていたグループから石の祠があると、そしてその近辺では石を切り出せないと連絡が入ったとのことです。
皆の目がキラキラしているのは気のせいだろうか?
終末に調査に行くことになりました。
★二つ目の祠★
食料、酒等買い出しを済ませ、アーセナル国に転移で移動。
食料等は女性部に預け、食糧庫に運んでもらった。って食糧庫作ったんだ
報告によると食事に関しては前に比べるとしっかり食べられているので、食べ過ぎない様に調理の量を調整しております。とのことでした。
狩りで肉の調達もできるので、十分に足りている。
良かった。正直食料調達資金いずれなくなる・・・・
しょぼくれた想像をしていたら、メイが
「資金調達も考えないと駄目でしょうか?」と言ってきた。
そうなのだけど、とか思っていたらフラン様が
「ナリス様は、爵位の報酬、警護の報酬等は受け取っておられますか?」
???
「やっぱり・・・・笑」フラン様が呆れていた。
お城に行って大臣様からお話をお聞きになられると良いと思います。
はい・・・
イリスが
「ナリス様、今まで話題にもなりませんでしたからお話しておりませんでしたが、私を討伐に来た者たちが所持していた物、滅ぼした国の宝物庫から奪った物、貯えがありますので、あれを使ってください。」
サーシャも
「ああ、そういうのなら私もありますよ、ため込んでも使うこともないので必要なら使ってください。」
エリスが
「ナリス様、イリス様の宝物庫には私の転移で行けます。あの正直、使い切れないと思います。」
え?
エリスが続けて
「イリス様の宝物庫の物を使用して構わないのであればもう資金について悩まなくても大丈夫です」
はは
今度財宝見学ツアーをやろう、と思っていたらメイが
「お供いたします」と顔をひくひくさせていた。
祠に向かう前に現在の状況を見てくることにしました。
川底になる予定の場所に石材がならべてあり、その向こうに石材を積んでいく準備が進んでいました。
ギガンに不平、不満、苦情とかないか聞いてみた。
「とんでもありません。労働については我々にしてみると当たり前の事、飯も食えて依然と比べると生活レベルも上がっております。」
それはよかった。
完成したらその前にある狭い通路を突破された後も籠城できる。
工事の状況を見ながら移動して石材切り出し場所まで案内してもらった。
祠・・・・同じものですね。
イリスが前に出て・・・ってあれ、みんなが一斉に
「我が命じる、扉よ、開け」と叫び手をかざしだした。
ギガン、サーシャがきょとんとしていた
「何をしているの?」サーシャ
皆が扉を開けようとしておりますと言って笑っている。
「へぇ、じゃあ、私もやってみるか」
「我サーシャが命じる、扉よ、開け!」・・・・・何事も起きない。
何も起きないじゃないか、つまらん。
皆の視線が集まる。
「我ナリスが命じる、扉よ、開け」と言って手をかざしてみた。
何も起きなかったら恥ずかしいとか、思っていたら、扉が開いた。
よかった・・・
サーシャが「なにぃ」と思わず口にした。
ギガンも「おおおお」と感動しています。 ほんとか?
皆がわああと歓声を上げて、「流石です、ナリス様」と言いつつすでに中に入ろうとしています。
ハイエルフが先頭に立って、又罠とかを避けながら進みました。
ん?私しか入れない仕組みなのになぜ? 罠があるのか・・・・うーん、いろいろ考えないようにしよ。
しばらく進むと前回と違う、下に降りる階段が見つかりました。
そのまま階段を降りると・・・・降りると・・・長い・・・・
突き当りは扉
皆が我先にと扉の前をうろうろし始めた。
何事も起こらない。
サーシャがお前らさっきから何をしているのか説明してくれよ。と訴えていた。
私は扉の前に近づいてみました。
扉が光りだした。前回と同じ、そして扉を手で押して開きました。
暗くて先が見えない空間が広がっています。
言われるまでもなく、使えるものが光の魔法を発動しました。
徐々に見えてくる空間の中、中央に台座らしきものがあり、その上に筒状の物が見えてきました。
響く声
「お待ちしておりました。私をここから解放してくださる御方、我が名はアスナ、地の上位精霊、アスナ」
続けて
「我をここに封印した者には腹立たしい限りではありますが、お願いしますここから出してください」
さらに続けて
「あの者が告げた千五百年後に解放しに現れる者に従えと、ここから出していただけるのならいくらでも手をお貸ししましょう。我を従者としてお連れください。」
ああああ、もうこんな所に一人でいるのは嫌です。と涙ながらに訴えてきました。
皆がこれって可哀そうすぎませんか?
イリスが
「シルフィーの時は笑えたのに今回は全く笑えませんね。」と続けた
シルフィーが
「なんで・・・私二千年・・」と絶句していた。
これはこれで可哀そうかも
「我、ナリスが命じる、封印を解き、地の上位精霊アスナを解放せよ」
部屋全体が光に包まれた。
真っ白で何も見えない。
目が慣れて回りが見えるようになってきた。
地面がゆれている。
「ありがとうございます。自由になれました。」
そして
私の前にひざまずき?
「我は地の上位精霊アスナ、我が精霊の名にかけて、あなたを我のすべてをかけて、守護することを誓います。どうぞよろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
地の上位精霊アスナが仲間になった。
こうして二度目のダンジョン攻略が終わった。
アスナも上位精霊と名乗っては、いるけど姿の実体化は出来ていないようです。
シルフィーを見て、驚いていました。
風の精霊シルフィー、最初に姿が消えた精霊ですね。
最初? 皆が多分思った。
精霊は死ぬ、消滅する等、存在がなくなると皆にわかるものなのです。
ですが、突然姿が見えなくなった、と噂になりました。
それからすぐ、水の精霊が、そして火の精霊が姿を消しました。
それがどういうことか私が理解したのはここに封印されたからです。
なるほど 皆の声
「え、と言うことはどこかに、水と火の精霊が封印されているのか?」私
サーシャが
「イリス、外にあった祠、あれ見たことあるよな?」
イリスが
「あ、あれだ、お前と戦った北の荒地、あそこにあったな」
サーシャが
「あの祠の周りだけ、どんなに暴れても地形が変わらなかった」
たしかにそうだったとイリスが頷いている。
ほ、ほう 私を含め、みんなの声
と言うことはいずれ、その北の荒地に行かないといけませんね。
「うーん。」私
どうしました? と皆
「同じように封印されている精霊が私の従者となった場合、四大精霊が味方になることに・・・・一体私に何をしろと?」
クリスが
「そうですね、四大精霊を集めて戦う相手なら、やっぱり悪魔でしょうか?」
え?
イリスが
「なるほど、ナリス様は二千年も前から悪魔と戦うことを定められし者なのですね。」
と笑って言った。
いやいや、笑い事ではないでしょ
サーシャが
「へぇ、そりゃすごいな、ナイスです! ナリス様」
なにが?
悪魔と戦えるとか、嬉しいじゃないですか とサーシャが喜んでいた。
嬉しくないし・・・・
エリスが
「戦うのかどうかは別にして、戦うことになる前提でことを進めて行った方が良いですね」と言って、さらに続けた
「こちらに戦う意思が無くても向こうから攻めてきたら応戦しないわけにはいきません」と、はい、その通りですね。
シルフィーが
「なるほど、私はナリス様と一緒に悪魔と戦う仲間に二千年も前から選ばれていたということか」と、にやけていた。
イリスが
「は?」と不機嫌になる。
アスナも
「おお、そう考えると少し気が楽になりますね。封印されていた理由か」
悪いことした覚えはなかったしとブツブツ一人呟いている。
シルフィーが
「話は変わるけどアスナ、実体化は試してみた?」
といって、風になったり、実体化したりして見せていた。
アスナ
「私もまだ力不足なのか実体化はできないのです、シルフィーすごいですね」
シルフィーが実体化に成功した流れをアスナに説明し始めた。
そして「ナリス様、よろしくお願いします」とシルフィー
アスナが
「私も、今から実体化を試してみますから魔力の上乗せをお願いします。」
空中に光の玉が出現し、私に近づいてきた。
アスナが光に包まれて私に寄ってきたということですね。
私はその光を自分の魔力で包んでみました。光の玉にはじかれない様に自分の魔力をさらに重ねて融合させていきました。
私の魔力が光の玉に吸い込まれ、光の玉がだんだんと小さくなっていき、光がはじけた、と、そこに可愛らしい少女の姿が出現しました。
「おおおおお」私を含めて皆の声!
「成功です」
やっぱり、素っ裸
誰かあとで着る物用意してあげてください。
シルフィーが
「ナイスです、ナリス様」と言ってくれていた。
さて、この封印の間だけど、前回と作りが違う。前よりまず広い。
エリスが
「ナリス様、これって転移門のようです。」
エリスが続けて
「もしかすると、封印の間を行き来できるのではないでしょうか?」
ほう
と言うことで、転移門についてはエリスに丸投げ、解析を頼みました。
エリスが
「いやいや、ナリス様にしか扱えない作りになっていると思いますよ?」
そうね・・・・・ じゃあまた今度
あの長い下り階段を上るのは面倒なので、エリスに転移で外に出るようお願いしました。
外に出て私はアスナに聞いてみました。
今後ここに石材を積み上げて要塞化しようとしていますが、石材の調達とか移動とか手伝ってもらえますか、とアスナの返事は
「そういうことはお安い御用です」
これで作業がはかどる・・・・
え?
これって、私がここに街を作ることも織り込み済みで、地の精霊をこの地に封印したってことか。
★運命★
ネイが
「もしかしてですよ、その封印を行った者は、未来の世界を見ることが出来た?」
どういうこと?
予知能力者でもあるということでしょうか
ネイが続けて
「ここにナリス様が街を作った、悪魔と戦った? 精霊が仲間にいた、当然この封印の間の存在も知っていた、そしてそれを作るのが自分だということも知った。」
私も千年以上ハイエルフの里に引きこもっておりましたが、ナリス様と知り合ったことで、それも正しい道だったということになりますね」
ネイが満足そうに一人、頷いていた。
要するに、私と知り合い、私の仲間になったものは全員、そうなるべくしてなっているということだね、皆、これからもよろしく頼むよ
「まかせてください、がんばります」皆が一斉に叫んだ。
まだちょっと早いので工事をしている者もみんな集めて戦闘訓練を行いました。戦法についてもエリスがドワーフ男衆に説明、クリスが相手の攻撃を受け流す方法とかまずは教えていました。
それも少し早めに終わり、今日は宴会だ!
私はお酒はいりませんが、美味しいものがあれば、満足です。
お酒は週に一度とみんなに周知してあるので、けち臭いことは言わず・・・・まあ、なくなりますよね
次の日、
今日の作業はお休みです。
石材の切り出し場所を変更するのにアスナに相談しながら決めました。
切り出した跡地も住居もしくは畑等に利用できればと思っています。
ギガン、ギラーナにあとのことはお願いしてちょっと早めの帰還です。
屋敷で
先にお風呂を済ませて、ちょっと早い夕食にしていただきました。
イリスがメイを見ているのに気が付いた。
メイが首を横に振っていた。 ?
あれ?私、思考停止・・・していた、珍しい
メイが私を見て、イリスを見た。
イリスが立ち上がり、私の所に来て
「大丈夫ですか?」と声をかけてきた。
全員が気にしていたのか立ち上がって集まってきた。
あれ?また思考停止している、みんながこっちを心配そうに見ているのは見えているのに、うーん。どうした? 私
メイが
「そうですよ、どうしたのですか?」
エリスが
「悪魔と戦いたくないとか?」
悪魔と戦う・・・・・
なぜ?・・・・そう、なぜだ
「なぜ私は悪魔と戦うことになるのでしょう?」
ここだ、たしかにここには引っかかっている、けどまだなにかあるような・・・
「イリス、サーシャ、悪魔と呼ばれている者にあったことはある?」
イリスが
「ありません」
サーシャ
「残念なことにあったことないね、あっていたら戦っていると思う」
儀式召還・・・・と言うのが、ふいに頭に浮かんだ
「儀式召還と言うものを聞いたことありますか?」私
誰も反応しない・・・なんですか? それ的な
それって異世界召還ということかな、あれ異世界召還で出現した者は特殊な能力を持っているとかだっけ?
ものすごい破壊力のある魔法を持ったものすごく嫌な奴が召還されるということもあるのか・・・・・
ああ、でもそれって悪魔というわけではないか・・・
悪魔と呼ばれる存在全てが敵になるのだろうか?
おや?
私はどこでこの知識を得たのだろう、何故知っている?
ん?
知っているわけでもないな、言葉、単語をどこかで聞いたことがあるのかな?
儀式召還・・・か、調べてみよう メイの顔が見えた。
「ナリス様が変なことを考え始めましたよ、みなさん」と笑いながら言った。
なになに? 皆の反応
イリスが
「黙っていると不安になるけど、変なことを考えているのもまた別の意味で不安にさせる人ですね、ナリス様」
ぶ
変ではないと思う
私
「書物に儀式召還について記述が無いか調べて、可能なら召還してみたいと思っただけですよ」
悪魔をですか?
うん・・・・
ちゃんと悪魔がくればいいけど?
違うのが来たらどうしよう・・・・
いえ、そういう心配ではなくて、ですね・・・・皆の声
何故戦うのかその理由は定かではありませんが未来の世界で伝説になっているのなら・・・・ほんとか?笑 戦うのでしょう、身内に被害が出る前に駆除、これが原則ですね。
「よし、明日学園の図書館で召還儀式について調べます。」
はいはい、みんなの表情がそう言っています。
サーシャが
「と言うことは遅かれ早かれ悪魔を拝めるということだな、楽しみだ」
エリスが
「呼び出した悪魔が強力で敵になるということもありますが、大丈夫でしょうか」
それは非常にやばいですけど、ナリス様はお構いなしに実行されるでしょうねってところでまとまりました。 こらこら
まだ召還可能とか、一切わからないのに、気が早すぎ・・・・
あ、まてよ
「そうか、みんなの期待に応えるべく悪魔召還を成功させよう」って言ったら、・・・・後のことはご想像くださいませ。
え? 想像できませんでしたか?そうですか
よーし、みんなで頑張ろう、おっしゃぁ とはなりませんでした。
よーし、しょうがないからやりますよ、 ← 多数
よーし、楽しみだ ← 一人
反対派 ← 少数
シルフィーとアスナが話し合って
「悪魔召還を試す前にたぶん封印されているだろうあとの二人も解放しに行きましょう」と提案してきた。
なるほど ←皆の意見
ネイが
「自分たちで召還して、自分たちで討伐したとかの、落ちはいやですね」と言った。
・・・・・・・
シーンとなってしまいましたが、「討伐できるなら、いいか」と笑ったら、わからないでしょって声が、上がるのは当たり前ですね。
あれ?
皆、悪魔の存在は知っているのね?
何故知っているのでしょう?
イリスが
「悪魔についての伝承?みたいなものを聞いたことがあります。」
皆もそうそうって・・・
作り話なのか、伝説になるような出来事が過去に実際あったのか、は不明
世界を滅ぼすとか?
国なら聞いたことがあるような?
イリスが睨んでいます・・・
翌日
フラン様の行儀・作法の講義が終わってから図書館に行き、召還に関係する書物を探しに行ってみました。
今まで来たことのない区画を先に回ってみました。
専門書・・・・歴史書
召還に関する専門書と言うのは存在しないようです。
フラン様
「ここに来れば何とかなるかと思っておりましたのですが、私も召還と言うものについては聞いたこともありませんでした。」
歴史書
過去に召還を行った事実があるのか、伝説でもなんでも・・・・
皆にも手伝ってもらい書物の中を読み漁ってみましたが、召還に関するような内容は一文もありませんでした。
うーん
手掛かりなし
今日はこれで解散
屋敷に戻ると大臣様から呼び出しが来ていました。
おや?
急いでみんなでお城に向かいました。
ギル様にいつもの応接室に案内され・・ 謁見ではない・・・と
大臣様と王様の二人が入ってこられました。
大臣様
「突然の呼び出しで申し訳ない」
王様が
「うむ、突然ですまないが何を調べておる?」
おや?よくご存じで?
私達の図書館での行動が全て筒抜けってことかな?
「今調べているのは儀式召還についてです。」私
二人の顔つきが変わるのがはっきりとわかりました。
「何かを召還するつもりか?」王様
「はい、出来たら悪魔を召還したいと思っております。」私
あれ、お二人は召還という言葉に反応しないな、普通に会話が成り立っている。
大臣様
「本気で言っているのか?」
続けて
「悪魔を召還して、何を企んでいる」
私
「何を企んでいるというか、本当に召還が可能なのかを調べております。」
続けて
「召還が可能だと分かった場合、今後気を付けなければいけないことがあります。私はいずれ悪魔と戦うことになりそうなのです。」
召還は可能なのでしょうが、それが誰でもできることなのか知りたいのです。
いずれ誰かがどこかで悪魔を召還するのでしょう、と説明を加えた。
大臣が
「戦うことになりそう・・・とは?」
「今の段階ではさっぱりなのです、すみません」
王様が
「召還の儀式については世界共通の禁忌とされておる」
闇雲に調査しても何も得られない。話をすることも禁忌となっておる。
「ここからは私の独り言なのだが、城の地下に秘蔵書物の部屋がある。そこにいけ」
大臣がぼけて鍵をどこかに落としたらしい。
ギル様の案内で、部屋を出ると廊下に鍵が落ちていた。
地下に降りる前に明かりの魔法を頼みました。
明かりの魔法も唱えることのできるメンバーが増えてきました。交代で明かりをともしてもらえます。
大臣
「よろしいのですか?もし書棚のカギが開くようなことがあれば?」
王様
「その時はとうとう私たちの時代に「時が来た」ということだ」
地下の秘密の書庫
魔法の書、歴史の書、召還の書、目当ての書物は一番奥に置いてあった。
書棚には鍵がかかっているようですとイリスが言っている。
私は書棚に近づいてみました。
書棚が光りだした。
「我、ナリスが命じる、扉よ、開け」
カキン と音がした。
書棚の戸が開いた。
ここも誰かが用意した私が進む道の一つということか。
イリスが
「どうされますか?」
なにを?
「ナリス様おひとりで書物の内容を確認されるのがよろしいかと」
「ここで得た知識をみんなが何か別のことに使うことになっても、それはたぶん私たちをここに来るように準備をした者にとっては織り込み済みで、ここに居る全員が私と同じようにここに導かれて来た」と思います。
イリスが
「ありがとうございます、では、拝見いたします。」
ネイ
「魔法については自信がありましたが、知らない魔法が並んでおります。」
イリス
「歴史、私が生まれる以前か、興味出てきました。」
メイ
「召還について調べます」
皆も補助お願いします。
・・・★書物調査中★・・・・
ここで得た知識については書き写さない、通常の会話では話さないと決めました。
封印の間でのみ、会話、整理等行うことにしました。
夜が明ける前に地下を出ました。
書棚の扉を閉めるとまたカキンと音がして鍵がかかりました。
入口のカギを閉めて地下を出ると大臣様が待っていてくれました。
鍵を渡して転移で屋敷に戻りました。
お風呂に入って朝食を食べて、学園に向かい、一日どうにか過ごして帰宅その後、爆睡、よくある光景でしょうか?
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