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夏休み
ナリスの伝説「オンリーワン」
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★夏休みの予定★
貴族変死事件については何も捜査の進展はなく、月日だけが流れております。
まあ それはそうでしょうけど・・・・
てがかりなんて、残すわけ無いだろうし
私は学園で、毎日フラン様に行儀作法についてしごかれておりますが、もうすぐ救いの手が差し伸べられてきます。
そう、学園は、もうすぐ長期休暇が来ます。
死の森の調査とかダンジョン探し、探索とかをやるつもりなのだったのですが、
問題が起きました。
ここ数日、視線を感じていたのですが・・・
メイが
「ナリス様、ここ数日、私たちを見ている女子生徒がいるのですが、助けてと心の中ですごく訴えています。 どうしましょうか?」
どういうこと?
イリスが
「あの女子生徒、操られているようです。魅了でしょうか?」
私
「そう・・・・では、みんなであの子を遠巻きにして他の生徒が近づかないように注意してくれるかな? イリスと澪は私についてきてあの子を囲んで澪の状態異常無効を解放してみます」
三方向からイリス、澪、私で使づいてその外側に他の皆で輪になり準備完了
「状態異常無効のスキル解放、発動」
※注 解放スキル:私だけのユニークスキル
他人のスキルを解放することで自分の意思で使用、取得、付与することが出来る
女子生徒が光に包まれる
近くにいた他の生徒たちが光に気が付いてこちらに視線を集めたのですが澪が、すかさず、ヒールの魔法を唱えて、ヒールの光でごまかしてくれました。
何が起きたのか理解出来ずに、ぼぉぉっと立っている女子生徒に
「助けてって必死に叫んでいたから助けましたけど?・・・私たちもう行きますよ?」
メイが言った
「あ・・あ」
女子生徒は突然「わぁぁ」と大声をだして泣き出した。
メイがびっくりして飛び上がったのが見えてちょっと笑ってしまいました。
じろりとこちらを見ているメイ
「もう、大丈夫ですよ」
澪が優しく声をかけながら体を支えてあげていた。
これは・・・このまま放置しては行けない・・・・
泣き止んで、落ち着くまで、少し待ちました。
少し落ち着いたのか泣き止んではいないけど女子生徒は話を始めました。
「私に気が付いてくださってありがとうございます。」
大きく息を吸って
「私は、アーセナル・フォン・クラリスと申します、アーセナル国の第一王女です。」
キリっと凛々しい顔つきになった。
「もう一生あのまま自分の意志では動けないと思っていました。」
私たち全員に視線を回して
「助けてくださりほんとうにありがとうございます。」
やばい!面倒くさいことになりそうとか思っていたら
皆が笑ってこっちを見ていた。
バレバレなのね
イリスが
「ナリス様? 詳しい話を聞きますけど、よろしいですか?」
う! とどめを刺された
では、とイリスがクラリスの方に振り向こうとした時
「お願いでございます、我が両親をいえ、我が国をお救いください」
クラリスが叫んでいた。
私
「それは無理です、すみません」
!!
皆が絶句していた。
エリス
「ナリス様、あの・・・・・話だけでも聞いてみては?」
私
「え? でも 話を聞いても国を救うなんて、私たちには出来ないよ?」
「ナリス様、えっと、クラリス様を国まで送って差し上げるというのはどうでしょうか?」
澪が聞いてきた。
「私たちは」と言いかけた時にフラン様が
「そうですね、長期休暇を利用して友好の使者として国に訪問できるように王様にお願いしてみましょう、私とシルビアの二人が使者として名乗りを上げますので、ナリス様、護衛をお願いしてよろしいでしょうか?」
フラン様ナイスなアイデアです。とみんなが喜んでいる。
「あの」と言いかけたクラリス様をイリスが止めて
「行ってしまえば何とかなりますので」とにっこり笑って言いきった。
「な・ん・と・か?」
クラリス様は狼狽して
「あの、私の国は今大変なことになっておりましてすごく危険なのですが?」
「私は」と言いかけたら
「ナリス様は、困っている人を助けるとか、正義の味方というわけではありません。」
澪が言った。
「そうそう」と私が頷いていると
「でも、私たちを守るためには手段を選ばず、神にでも悪魔にでもなってくださります。」
ハイエルフの皆が楽しそうに言った。
いやいや 神にでも悪魔にでも、は言いすぎですよ。
そうじゃなくて!!
フラン様
「ナリス様、こうしてはおられません。皆様、お城に急いで行かないと!」
フラン様が楽しそうに笑って言っています。
シルビア王女も
「そうですね、王様に許可をいただかないと」
「そうそう王様に許可をしていただき、船の準備に旅の費用の捻出、いろいろ大変です」
フラン様が大変と言いつつ楽しそうに私にお任せくださいって・・・・
えーと、と思っているとイリスが
「ナリス様、これは忙しくなりますね」とにっこり。
「船旅ですねー」みんなが喜んでいるところにライアが
「ナリス様、アーセナル国に行けるようなら私どもの村に様子を見に行かせてください。お願いします」
獣人の村はアーセナル国にあるのかと思っていると エリスが
「ナリス様、アーセナル国にはドワーフの村もありますよ。」
ドワーフ!
「鍛冶職人」
獣人の村に鍛冶職人かー
「どうですか?楽しくなってきましたか?行きたいですよね」とエリスがにっこり笑って言った。
この会話の間に私は・・・いや私とクラリス様は手を引かれ、すでにお城に向かって移動中
夏休みの予定は決まりですね
だって王様がフラン様の申し出を駄目と言うわけが無い
★王妃の企み★
私たちは今お城の待機部屋でお茶とお菓子で騒いでおります。
王妃様と王女様は
「王様にお会いする前にちょっと用事がありますので少し遅くなります」
と言い残して出ていかれました。
ハイエルフの皆が無邪気に「ごゆっくりー」と送り出していた
王妃様と王女様の用事というのは
また別の機会に?
というのは嘘で
今、お二人はある御方にお会いになっておられます。
ミネルバ・オルレアン様 十八歳
王様の実子をお産みになられた、某伯爵家のご令嬢です。
「ミネルバ様、本日は突然の訪問もうしわけありません。お時間をいただきありがとうございます。」
ミネルバ様
「いえ、王妃様、御用がありましたら私の方が出向きますのに」
フラン様
「本日はミネルバ様にお願いがありましてお伺いさせていただきました。」
お願い?
「いかようなことでしょうか?」
フラン様
「急なことで大変もうしわけありませんが、私ども二人、外交訪問でアーセナル国に赴きたいと思います。」
!
ミネルバ様
「それは私が王様より命を受けるだろう案件では」
フラン様
「はい、その任を私どもにお譲りいただけないかと思いまして」
ミネルバ様
「アーセナル国は国内の情勢がよくなく、我が国とも戦になるかもしれないとのお話でしたが、王妃様自らそのような国に?」
フラン様
「ハイそこでご相談があります、私王妃の座を降りミネルバ様にあとをお任せできたらと思っております。」
シルビア王女が続けた
「私も第三王位継承を返上するつもりでおります。」
フラン様
「ご聡明なミネルバ様になら安心してあとをお任せ出来ると考えております。ご迷惑でしょうが、シルビアの学園卒業までの支援と今回のアーセナル国訪問のご助力をお願いいたしたく本日お伺いいたしました。」
涙目になったミネルバ様が
「正直に申し上げます、今回の訪問を任命されると考えると不安と恐怖で震えておりました。幼い我が子を残してそのようなところに出向くなど、と」
続けて
「変わっていただけるのなら喜んでと言いたいところですが、私に王妃が務まるのでしょうか?・・・それに先ほども話に出ました通りあの国は危険ですが、王妃様大丈夫ですか?」
フラン様、シルビア様は二人、目を合わせてからにっこり微笑んで
「私たちには心強い方たちが付いていてくれますので、大丈夫です。新学期までには帰国いたします。」
お茶とお菓子を楽しくいただいている私たちを騎士団長ギル様が呼びに来ました。
なんかすごく怒っておられる・・・ような気がします
謁見の間にはフラン様にシルビア様ともう一人女性の方がおられました。
国王様
「此度、前王妃フランソワーズ・オルレアンと王女シルビア・オルレアンの二人にアーセナル国、外交親善大使を任せた、ゆえにナリス男爵に護衛の任を与える」
前?
大臣様
「国内情勢の危ういアーセナル国への使者として、王妃、及び第三王位継承者として赴くのは危険と判断し、フランソワーズ・オルレアン様は王妃を退かれ、王女様は王位継承権の返上をなされました」
続けて大臣様
「手続きが済み次第出立されるよう、以後こちらにおられるミネルバ・オルレアン様が王妃として国政に参加されます。」
さらに
「騎士団隊長ギルフォード・サンドウィッチ殿も小隊で参加されます」
以上である
屋敷につくまで無言の状態が続き、皆が集まったところで二人が説明をしてくれました。
フラン様
「どうですか!うまくアーセナル国、外交親善大使の任と王妃の座の返上まで成し遂げました。」
澪が
「何を言っておられるのですか? 私たちは王妃様が王妃様ではなくなったことに肩を落としているのですが?」
フラン様
「皆様、ありがとうございます。でも私は王妃という地位にしがみ付く気が無いというか、正直いやでした。」
続けて
「国内情勢不安なアーセナル国への訪問は皆様がご一緒なので全く問題ないと思い、これを利用させていただきました。」
シルビアが
「私もこれを機に王位継承権をお返しましたので争いで襲われることは無くなったのではないでしょうか?」
「私たち二人は皆様とご一緒する方を選択しました。これからもよろしくお願いします。」
フラン様がニッコリ笑ってウィンクしている。
★外交親善大使★
王立学園も夏季長期休業になります。
この期間を利用してアーセナル国への外交親善大使護衛として訪問してきます。
私たちの目的はクラリス様からの依頼達成
大変なことが起きている、その内容は訪問が決まってから聞きました。
多くのものが魅了にかけられて操作されている。 ←これ
なぜ分かっているかというと、情報源のクラリス様がそうだったから
そしてクラリス様が魅了をかけられる前から周りの人たちの行動が変だった。
これら証言をもとに推察した結果になります。
クラリス様は魅了にかけられてこの国の内情を探るため王立学園に入学してきたと、話してくれました。
魅了にかけた人々を操作してアーセナル国をどうしようとしているのか、今あの国がどういう状況なのか・・・・
まあ 行ってみればわかる・・・かな?
私
「クリス・雫・サーシャ 三人はクラリス様と一緒にこっちに残ってもらいます。」
「なんでだよ」サーシャです。
船にクラリス様を乗せて行くと入国審査の時にばれるでしょ?
私
「アーセナル国に到着した後に、エリスの転移で迎えに来てもらいます。なので、それまでクラリス様の護衛をお願いします。」
サーシャ
「ああ、まあそういうことなら、まかせてもらうよ、でもちゃんと迎えに来いよ?」
もう忘れるなよと言わんばかりです
三人に屋敷で見送ってもらい出発しました。
お城で王妃、王女、護衛の騎士団と合流、王様、大臣様、新王妃様(予定)に見送っていただき正式に出発
港町 レインまでほぼ二日
港町レインに着いた
小さな港町を予想していたのですが、意外と大きい町でした。
漁港ではなく、商船用の港として栄えているようです。
道には石材を敷き詰めてあり、建物も石造りでしっかりしています。
港に着くと船はすでに待機して私たちを待っていました。
ギル様が船長さんに挨拶と手続きをやってくれてそれが済んだら乗船、出向です。
いよいよ三日間の船旅になります。
地図上では直線で行くとすぐそこに見えるのですが浅くて通れない場所があるから遠回りの航海になるそうです。
私たちは急ぐ旅ではないので問題ないです・・・・と言いたいところですが、
船酔い?それも私だけ?
船室に横になっている船酔い小僧は私です・・・・・
「言うことを聞かないと船に乗せるぞ!」
この脅し文句、私にはかなり有効かも?
ああ、こんなことを考えているとか・・・まだまだ元気なのだろうなあ私
む!
メイの笑い顔が目に浮かんでしまった。
クラリス様を迎えに行くときに一緒に帰ろうかな
ノックの音がして、ドアが開いた。
イリスがメイと一緒に入ってきた。
まずい
メイがにやにや笑っている、イリスが
「また変なことばかり考えているでしょ?」 って
正解! はぁ
イリス
「陸地がだいぶ近くになってきました、もうすぐ着きますよ」
イリスにほぼ抱きかかえられて看板に・・・・
「うぉおお、引きこもりには眩しすぎる太陽の日差し!」
イリスがあきれて、「ほんとに元気ですね」
え、いや・・・・それほどでも・・・・
私ナリスはとうとうこの海を制覇した!
陸地だぁ
「もう二度と船には乗らない!!」
波止場に降りて大の字に横になっている私の台詞です。
私
「あれ、イリス! 回り敵だらけだ」
イリス
「はい、どうやら近くにいるものすべて魅了されているようです。」
ギル様のエスコートでフラン様とシルビア様が下りてこられました。
「ようこそ、お越しくださいました、我が国への訪問、歓迎いたします。私、ネイ・グランディスと申します。」
「親善大使としてまいりました。フランソワーズ・オルレアンと」
「シルビア・オルレアンでございます。どうぞ、よろしくお願いします。」
にっこりと笑ってネイ様が
「さて、堅苦しい挨拶はこれまでにして、お聞きします。貴方方親善大使様一行は何をしにこの国にこられたのでしょうか?」
え?
まあ、普通そんなこと言われると、えってなるよね
フラン様が私の方を見ていたので、ハイっと手を上げました。
イリスに抱き起してもらい、「座ったままで失礼します。私がお答えいたします。」
「今この国は大変なことになっていると情報を得ましたので、実際にどうなっているのか見に来ました。」
ああ、みんなが避難の目で私を見ている
なんてことを、そんなにストレートに言わなくても・・・・という感じかな?
ネイ様
「この国の状況を見てそのあとはどうなさるおつもりですか?」
私
「それはこの国が今後どういう道を歩もうとされるか次第です。このアーセナル国がオルレアン王国の味方なのか敵なのかはっきり見定めるつもりです。」
さらに
「まずは今この国で何が起きて、どうしたいのか? 何が正義で何が悪か、ちゃんと見ないと判断できないと思います」
フラン様
「ナリス様!」
私
「フラン様、ネイ様が今この国で何かをしようとしている張本人で、間違いないでしょう、ここでしっかりと考えを聞くことが出来れば今回の訪問は半ば成功と言えます。」
ネイ様
「君は、ストレートですね。」
私
「はい、ここでもうはっきり決めていただいて結構ですよ、貴方は私の敵なのかどうか!」
ネイ様
「それは敵だと言ったら、この国ごと滅ぼすとでもいっているのですか?」
「そうですけど、なにか?」
皆が戦闘態勢に入った。
ネイ様にはまだ戦う意思がないのか、まだ緊張感がない
ネイ様
「オルレアン王国は二、三十人の子供たちで一国を滅ぼせるのですか?」
私
「はい、今ここではっきり敵だと示していただければやってみますよ」
ネイ様
「それは怖いな、でもこちらがその意思を見せない限りは君も何もしない、と言うことでいいのかな?」
私
「はい、ただ、よろしければ、お願い事があります」
ネイ様
「どのようなことでしょうか?」
私
「この国には、獣人の村とドワーフ村があると聞きました。二つの村を訪ねさせていただきたいのです。」
ネイ様
「どういったご用件でしょうか?」
獣人三名を奴隷商人から解放して一緒に連れてきていること、三名が故郷のことを心配していること、ドワーフ村で鍛冶屋を訪問したいことを告げました。
ネイ様
「奴隷商人から解放とは?」
私たちの仲間が奴隷商人に捕まって売られようとしていたので奪還しに行ったついでに居合わせた者たちも解放したことを告げました。
ネイ様
「ハイエルフ族は捕まっていなかったのですか?」
ハイエルフ族三名を奪還しに行ったこと、総勢十三名のハイエルフ族が仲間にいることを伝えた。
ネイ様
「その十三名は今どちらに?」
「そういう情報をあなたに教える義務なんてありません」
ちょっとイラついた表情を見せた?ネイ様が
「これは失礼いたしました。実は私、知り合いの子供たちを探しております。その知り合いはリー一族に連なるもので、ハイエルフです。」
ネイ様が続けて
「子供たちは人間に連れ去れたあと行方が分かりません。」
私
「後ろの建物の影に数人おられるのはハイエルフの方々なのですか?」
五人が姿を現した。
ネイ様
「まだ出てきては・・・」
ハイエルフの長老
「いえ、ネイ様、ありがとうございます。リー一族の十三名がそこにいます。」
睦
「お父様、お母さま、長老様」
ネイ様
「どう見ても人間の子供だが?」
睦、いやリサがこの二年間ほど、どうしていたか説明を始めた。
私はエリスに頼んでクラリス様達を迎えに行ってもらった。
すぐにエリスは戻ってきた。
サーシャが
「待ちわびたぞ、やっと迎えを出してくれたな、こっちは何もなかったが、お前らだけうまいもの食ったりしてないだろうな?」
大丈夫・・・ずっと船酔いで入れるより、出しているから・・・
フラン様
「その綺麗なお姿で、その物言いは駄目だと何度言わせるのですか?」
フラン様に睨まれてサーシャが
「こ、これは失礼いたしました。お迎えありがとうございます。」
ネイ様
「そんななりで、さっきまで威勢のいいことを言っているとは、びっくりだな」
ずっとイリス、澪、メイが介抱してくれていた
ネイ様
「そんななりでは、この国を亡ぼすなんてできないだろう」
イリスが
「別にナリス様本人が実行するとは、一言も言っておりませんが?」
サーシャ
「なんだ?喧嘩か?」
フラン様からまた睨まれて、
「争いごとならお手を貸しますわよ?」
ネイ様
「なんだ? 強い部下がいての大言壮語か?」
イリス
「喧嘩を売っているのなら私が買いますが、一言教えておきます、私を瞬殺できるのはこの世界においてナリス様ただ一人です。」
サーシャ
「イリス、何を言っている・・・のですか? それはホントか?」
サーシャが続けた
「貴方を瞬殺って、それって当然私も? そうなるとナリス様って世界最強?」
イリス
「ええ、サーシャ、殺し合いになったらナリス様に勝てる者などいません」
私
「何を言っているの、アンデッドとか精霊とかが相手になると私が瞬殺されますよ」
風の上位精霊シルフィーが姿を現して
「いやぁ 私もナリス様とは、殺し合いとか、ごめんだね、勝てる気がしないのだけど?」
ネイ様
「な、精霊?」
続けて
「イリス・・・・って同じ名前の最強のドラゴンが?精霊と一緒に暴れていたと聞いたことがあるけど、まさか?」
シルフィー
「私のことを知っている者がいたぞ!」
サーシャ
「なんだとー 私のことは? 私の名前は聞いたことがないのか?」
サーシャが続けた
「その最強のドラゴンと引き分けているのだぞ?」
ネイ様
「二百年ぐらい前か?大陸の北にある荒地でドラゴンとスネークが戦っているから近寄るなと噂を聞いたことがある。どちらの死体もなかったとか」
サーシャがそれだ、それ、それと喜んでいる
エリスが我慢できない感じで
「サーシャ様、イリス様はあの頃だいぶ弱っておいででしたから、全盛期のイリス様なら引き分けなどしておりません。」
サーシャ
「なんだとぉ なら今やってみるか?」
エリス
「貴方の相手など私で十分です。」
クリスが
「いえ、まずは私がお相手いたしましょう」
私
「お前らって仲がいいのな」いいなあぁと思って言ったら
サーシャ
「ばかか!どこをどう聞いたらそうなる!」
メイが
「ぷっ ナリス様って天然なのですね」
え?
クラリス様が
「ナリス様 一体・・・あの、この国のことはどうなっているのでしょうか?」
ふぅっとやっと 立ち上がって
私
「船酔いがひどくてそれどころではありませんでした。すみません」
ネイ様にクラリス様を紹介しました。
「ネイ様、ご存じかと思いますが、この国の王女様のクラリス様です。」
クラリス様の方を見て
「クラリス様、今回の事件の首謀者、ネイ様です。」
「え、あの、では・・・」クラリス様が混乱している。
「いえ、ネイ様を倒しても今回の事件は解決いたしません。」
私は続けて
「悪いのは人間の欲、連れ去って無理やり言うことを聞かせて、売りさばく、そういうやつらがいるのが全ての原因です、この国がわるいわけではありません、この国にいる一部の人間のせいです。」
生活していくにはお金がかかる、仕事を探しても見つからないとか稼ぎが少ないとか、不満のある方たちは皆楽して稼げる方法として奴隷商人とつるむのでしょう。
ハイエルフ、獣人、もしかしたら人間の子供もさらっていたのかもしれません。
と説明をしてみました。
私
「私のところには奴隷商人に捕まっていたもの、追われて逃げているところに私と出会ったものがいます。助けてもらっても食べるものも安心して寝る場所も無いと私たちと一緒に暮らしていました。」
私が続けて
「ネイ様、クラリス様、私たちはこれから、この国を調べて回ってみようと思います。ハイエルフだけでなく、獣人、その他の奴隷解放を目指してみます。よろしければご一緒に行きませんか? 奴隷商人として富を築いている者、おこぼれをもらっている貴族等は当然罰を受けていただきます。」
罰?
私
「はい、もう死んでもらってもいいのですが、奴隷用ロックをセットして放置します。自分の実体験で苦しむのが一番、いい薬になると思います」
シルフィーが
「じゃあ 私がちょいと見てくるね」
と言って消えて行った。
クラリス様
「あの、見て回るというのはどういうことでしょうか?」
私
「そのままの意味です、今ネイ様の魅了の力で抑えてあるから地下室とかに入るのも簡単だと思います。奴隷として扱われている者に元気なものはたぶんいません。衰弱しているもの、傷ついているものを探して解放するなら、大チャンスです。ネイ様の目的はたぶんもう達成されていると思うので手を貸してくださると思います」
少し間をおいて続けた。
「ただ、クラリス様、フラン様、シルビア様、もしかしたらギル様も見たくないものを見ることになると思います。でも、たぶんこの国だけではなくどこの国にもある光景ではないかと・・・・」
ネイ様が
「何を偉そうに、君はみたことがあるのか!」
私
「はい」
澪の方を見て、澪が頷くのを確認して、八歳の頃、噂になっている不死の聖女様を一目見ようと旅に出、美しい女性を想像していたのに、干からびた手足のない聖女と呼ばれる人を前にして何も言えなかった事、澪、イリス、エリス、クリスと出会ったときの話を聞いてもらった。
イリスが
「そういえばあの時のナリス様って、すごく冷静でしたね?」
「そう言われれば、そんな気がしますね」とエリスとクリスが頷いていた。
私
「あの時はミイラ化した澪を見てびっくりはしたのだけど、これは私のターニングポイントだと感じたから、しっかり対応しないといけないと思って、それにみんなが仲間になるって言ったときも反対しなかったのは、このチャンスを逃してはいけないって自分に言い聞かせたからですよ」
さらに続けた。
「そのあとの出来事でも、すべて誰かの掌の上で踊らされているだけかもしれない、でも私は私の道をそらさずに歩いているのだと思うようにしました。私は皆にあうべくしてあっているのだと! 私は私の思うままに行動しているのでそのうち大きな敵を作るかもしれません。がそれも私の道なのだと考えると思います。」
私の索敵スキルの反応では「ハイエルフ、獣人、はっきりしませんが?町の中に反応があります。」
シルフィーが戻ってきて
「町の中だけ見てきたけど、見つけた。まだ生きているよ、ハイエルフ、獣人、ドワーフ、人間」
私
「メイ」
はい? メイが返事をしながら首をかしげた。
獣人もいるって、気合を入れて行ってみようか?
サーシャが
「今回は俺一人で片づけてやるよ」
睦
「お待ちください、私どもを置いていこうとされていませんか?」
睦が続けて
「奴隷解放の汚れ仕事は私たちでやります。いえ、やらせてください、ナリス様がお手を汚されることはありません」
サーシャが
「大丈夫さ、私がそんなことはさせません、汚れ仕事は私が引き受けた。」
私
「サーシャ、悪いけどお願いします。イリス、澪、フラン様、シルビア様は私の近くにいてください。」
「かしこまりました。」フラン様とみんなが頷いた。
私たちはどうすれば?ネイ様とクラリス様が言いたそう
クラリス様はついて来る、来ない。すべてを目撃する、しないの選択をご自分で決めて行動してください。
ネイ様も私たちを援護する、しない、すべてを見る、見ないも自分の意志で決定して行動してください。
シルフィーの案内で街の中央あたり、立派な建物の前にやってきました。
シルフィー
「この建物の地下にいるよ」
扉を開けて、地下への階段への入り口を探し、進もうとした時に「そこからは関係者以外立ち入りを禁止しております」と声をかけられた。
声の主をライアが一撃入れて黙らせた。と、同時に扉の奥から大勢が飛び出してきた。
サーシャが「いいのか?」と言いつつ、攻撃を加えて黙らせていく。
睦が
「非道な奴隷商人です、情けをかけることはありません。とどめを刺していきましょう。」
「私たちは地下に行きます。二階にあと十人、三階に五人います、サーシャ、あとよろしく」
私
「イリス、エリス、二人で地下に道を作ってください。私はクエスと一緒に澪、フラン様、シルビア様を護衛しながら進みます。」
「私たちもおります」とギル様が言ってきたので
「ネイ様とクラリス様の後ろの守りをお願いします」
ギル様
「承知!」
地下に降りて出会った敵は二人
イリスに倒されていました。
先に進んでいくにつれ、異臭がすごい・・・・というか臭くて・・・ここは衛生的には最悪なところだ
糞尿とかも垂れ流しのままってことか
ハイエルフが三人、牢に入れられていた。
なんとか、会話とか、できているみたいです。
先に進むとドワーフ?の子供?が、三人さらに奥に獣人が五人
ドワーフの二人はかなり元気みたいです。が、奥で横になっている一人は瀕死の状態のようです。
獣人五人、これは危ない状態です。
肘から先が・・・膝から先がない・・・・
ドワーフの一人が
「その人たちは、ここの人たちに抵抗していて、爪で傷をつけて怒らせ、とうとう切られてしまったのです。」
フラン様、シルビア様 先に奴隷用ロックの解除を行います。
「はい」
王妃様と王女様の能力:解呪・解錠
※解呪:問答無用で呪いを解く
※解錠:問答無用で鍵を開ける
※(どちらもスキルランクで成功、失敗があります)
「解呪のスキル、解錠のスキルを解放・発動」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得、付与することが出来
る
この地下にいる十一名の奴隷用ロックが光に包まれる。
奴隷商人のところに捕まっている奴隷の奴隷紋はやっぱり発動していないみたいです。反応なし、
解錠で奴隷用ロックの解除
ここでフラン様とシルビア様にお願いしてギル様騎士団の皆と一階に上がっていただきました。
騎士団の皆様にはさすがにこの先は見られたくなかったからです。
イリス、エリス、クリス、澪、メイ、ミイに服装、装備、装飾品等をすべて外してくれるようにお願いし、イリスと澪そしてメイに私のそばに来てもらった、そして私は獣人五人に対して持っている能力「解放」を使用した。
「超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得、付与することが出来る
五人が光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
光の中でゆっくりと再生が始まった。
五人の両手、両足の再生に意識を集中、傷からの感染症を起こしているかもしれないため、メイのスキル、医療及び専門知識:医術をさらに解放、体中の壊死している部分の切断、洗浄、その後両手足の再生が完了、次に体全体に意識を集中、肉体再生を完了した。(作者は医学知識がありません、イメージです)
ドワーフの牢のところに行って、
「澪、回復魔法でなんとかなるかな?」
澪が頷いて
「はい、エリアヒールをかけてみます。」
澪が回復魔法エリアヒールを発動したので、私の魔力を上乗せしました。
ドワーフ、ハイエルフたちが光に包まれ、治療が始まりました。
包んでいた光が徐々に薄くなり、消えた。
ドワーフ、ハイエルフの体の状態がよくなったようです。
ネイ様がこのエリアヒールの威力が理解できているようで、「馬鹿な」と一言つぶやいていました。
私
「クラリス様、ここのありさまを見て貴方がどう感じてどう思われたか、この国をどうしないといけないか、これからゆっくり考えてみてください、お願いします。」
私はネイ様を見て続けた
「ネイ様、ここにもハイエルフが捕らえられていました。来てよかったですね。」
ミイとライア、あとハイエルフの一団が下りてきて、捕まっていた同胞に気が付いて介抱を始めました。
メイがやってきて
「ナリス様、あの、そのような汚物まみれにしてしまってすみません。」
私
「服は着替えて、体は洗えばいいさ」
メイが目に涙を浮かべて
「貴方は生涯ただ一人の私の旦那様です。貴方のそばを離れることはありません」
この台詞に反応して
「私も一緒に汚れます」とイリス、澪、シルビア様が飛びついてきた。
フラン様が階段の中央あたりで出遅れたって顔をしているのが見えた。
とりあえず、一段落したようだけど、一応建物全体を索敵で調査
シルフィーが
地下に降りてくる階段の横に
「隠し通路かな、わかりにくいけど扉があるよ」
サーシャが見に行って「これか」と一言呟いて即、扉を一蹴りで壊し、中に入って確認すると金貨が詰められた袋がどっさり置いてあった。・・・・
サーシャ
「奴隷商人って儲かるんだな、全部もらって行こう」
持てるかな?
シルフィーに波止場に誰もいないか確認してもらい、エリスにお願いして魔力を上乗せ、転移で波止場に移動しました。
着いてすぐに私は索敵スキルを解放、国中を捜索しました。
イリスがそれは無茶です。と叫んでいたけど、急には止まれない。
気のせいか? 体のあちこちからぶちぶち音がしています。
ネイ様が「なんという・・・・こんなことが出来るなんて」とつぶやいていた。
私
「シルフィー あっちの方角、貴族の屋敷かな、あれ、あそこに反応がある」
シルフィー
「わかった、まかせて、あんたは休んでいな」
私
「イリス、メイあとは任せた、私は・・・」
もう! 憤っているイリスにメイが
「イリス様、さっきのナリス様の索敵、赤い点々が二十個ぐらいと緑が五個ぐらい見えました。」
エリスがそれに答えた。
「了解しました。私たちにお任せください、シルフィー様が戻られたら行ってきます。」
ライアとハイエルフの皆が一緒に行きますと張り切っていた。
イリスがサーシャもお願いできますか?って聞いたら、「ああ、いいよ」って答えてそのあと、「あんたは何をするんだい?」と聞いた
イリスの答え
「私はメイと澪とで、ナリス様をお風呂に入れて体を綺麗に洗っておきます。」とにっこり笑った。
皆
「それはずるい!」
ネイ様がハイエルフ一行の為にすぐそこの宿屋には客が入らないようにしているから自由に使えると言ってくれました。
澪が
「じゃあそこで解放された十一名に飲み物か、スープでも作らないといけませんね」
と言った。
地下で汚れた服は全部波止場で脱いで、私は脱がされて、寝ている間に全身綺麗になったようで、ベッドの上で目が覚めました。
シルフィーがのぞき込んできて
「おはよう、目が覚めたか?」とにっこり笑って「大丈夫か?元気になったか?」と又聞いてきた。
シルフィー
「報告するからそのまま横になって聞きな、私が戻った時、ナリス様はお風呂でイリスとメイ、澪に体を洗ってもらっているところだったよ」
ぶ
シルフィー
「もう臭くないだろう」
少し笑った後シルフィーが続けて
「この国の上流貴族らしいやつの屋敷に奴隷が五名いたよ、ハイエルフが二名、人間が三名で、エリス、クリス、サーシャ、ライア、ハイエルフの一団と私で奪還に行ってきた。そこにいた馬鹿貴族と その取り巻き? それと奴隷商人らしいやつにはとどめをさしてきたよ、当然こちらには被害なし」
私
「寝ている間にミッションクリアか、さすがだね、皆、シルフィーありがとう」
ネイ様はすべての魅了を解除してくれて、今はお尋ね者になってしまった事、フラン様、シルビア様はギル様達と友好親善大使としてお城に行かれた事、同行者はイリス、サーシャ、クリス、睦、雫で、クラリス様の案内で向かわれた事を報告してくれました。
シルフィー
「残りの者で昨日、救出した者たちの面倒を見ています。」
身体的、病気等には心配はいらないみたいですが、衰弱しているので休養と栄養が必要だということでした。
私
「時間がかかるってことですね、説明ありがとう」
シルフィーが
「で、ですね、ドアの外にネイ様が待機されておりますが、入ってもらってもよろしいですか?」
私
「ええ、いいですよ」
ドアが開いてネイ様が入ってきた。
ネイ様
「失礼します。」
ネイ様が入ってくるなり片膝をついて
「昨日は大変失礼なことばかりを申しました。申し訳ありません」
私
「どうしたのですか?」・・・
ネイ様は、ちょっと困った顔をして
「一度にあれだけの量の魔力を使えるとは、思いませんでした。」
私は
「ああ、行けると思ったのですが、まだ、体のほうが付いてきませんでした。」
ちょっと考えて
「昨日の数倍は使えるようになりたいですね。」
「え、魔力切れで倒れたのではないのですか?」ネイ様
私
「はい、魔力量はまだまだ余裕でした。まあ、疲労でしょうか?」
あはははははは、ネイ様が笑って
「完敗です、貴方、神ですか?」
私
「いえいえ、私の出現?出生? を二千年も前に予知した人の方が、神と呼ぶにはふさわしくないでしょうか?」
どういうことでしょうか?
風の精霊シルフィーとの出会いをネイ様に話しました。
私
「皆との出会いは、偶然ではなく、必然、もしかしたら、誰かの掌の上で、踊らされているだけかもしれないとか思ったこともあります。でも、なんかすごいメンバーと知り合えて楽しいばかりです。」
シルフィーが
「何を言っているのですか 笑、一番すごいのが貴方です」
ネイ様も頷いている。
私
「私的にはイリスとかには、瞬殺されそうですけどね?」
ぶっ、シルフィーが噴き出して
「イリスはナリス様、命なのでその力があっても手出しできないでしょ、それと殺し合いになったらナリス様が勝ちますよ」
続けてシルフィーが
「私もそうですよ、ナリス様」
私
「そのうち私はたいしたことが無いってばれて愛想つかされそうですけどね」
ネイ様が
「何を言っているのですか、まったく底の知れない人ですよ、貴方は」
シルフィーが頷いている
ネイ様が咳ばらいを一つして
「ところでナリス様、私、お願いがございます。」
「え?」 ちょっと考えて
「わかりました。私に出来ることならいいですよ」
シルフィーが慌てて
「嫁にしてくださいとか言われたらどうするつもりですか!」
ネイ様、「あ、それいいですね」と笑って言った。
ネイ様
「改めて、あの、私千年以上ハイエルフの里に引きこもっておりましたが、この国でお尋ね者になりました。さすがにこの国には滞在出来ないと思います、そこで、ナリス様、私も連れて行っていただけないかと、願いを聞いていただけるなら私の持っている力を存分にナリス様のために使います。」
ネイ様が続けて
「正直に申しますと、私も貴方様と一緒に生きていきたいと思っております。」
私
「シルフィー」
「はい?」シルフィーの返事
私
「この国に来たのも偶然ではなくて、ネイ様に出会うためだったみたいですね」
「はい、はい」シルフィーの返事
ネイ様
「ナリス様、私にもう様付けは不要にございます。」
私
「これから、よろしくお願いします。」
ネイ様が仲間になった。
ドタドタドタ、走ってくる足音がしてメイがバンっと力強く扉を開けて入ってきた。
「ナリス様、また、女たらし全開ですか?」
いやいや、あ、・・・ああ、そうかも
貴族変死事件については何も捜査の進展はなく、月日だけが流れております。
まあ それはそうでしょうけど・・・・
てがかりなんて、残すわけ無いだろうし
私は学園で、毎日フラン様に行儀作法についてしごかれておりますが、もうすぐ救いの手が差し伸べられてきます。
そう、学園は、もうすぐ長期休暇が来ます。
死の森の調査とかダンジョン探し、探索とかをやるつもりなのだったのですが、
問題が起きました。
ここ数日、視線を感じていたのですが・・・
メイが
「ナリス様、ここ数日、私たちを見ている女子生徒がいるのですが、助けてと心の中ですごく訴えています。 どうしましょうか?」
どういうこと?
イリスが
「あの女子生徒、操られているようです。魅了でしょうか?」
私
「そう・・・・では、みんなであの子を遠巻きにして他の生徒が近づかないように注意してくれるかな? イリスと澪は私についてきてあの子を囲んで澪の状態異常無効を解放してみます」
三方向からイリス、澪、私で使づいてその外側に他の皆で輪になり準備完了
「状態異常無効のスキル解放、発動」
※注 解放スキル:私だけのユニークスキル
他人のスキルを解放することで自分の意思で使用、取得、付与することが出来る
女子生徒が光に包まれる
近くにいた他の生徒たちが光に気が付いてこちらに視線を集めたのですが澪が、すかさず、ヒールの魔法を唱えて、ヒールの光でごまかしてくれました。
何が起きたのか理解出来ずに、ぼぉぉっと立っている女子生徒に
「助けてって必死に叫んでいたから助けましたけど?・・・私たちもう行きますよ?」
メイが言った
「あ・・あ」
女子生徒は突然「わぁぁ」と大声をだして泣き出した。
メイがびっくりして飛び上がったのが見えてちょっと笑ってしまいました。
じろりとこちらを見ているメイ
「もう、大丈夫ですよ」
澪が優しく声をかけながら体を支えてあげていた。
これは・・・このまま放置しては行けない・・・・
泣き止んで、落ち着くまで、少し待ちました。
少し落ち着いたのか泣き止んではいないけど女子生徒は話を始めました。
「私に気が付いてくださってありがとうございます。」
大きく息を吸って
「私は、アーセナル・フォン・クラリスと申します、アーセナル国の第一王女です。」
キリっと凛々しい顔つきになった。
「もう一生あのまま自分の意志では動けないと思っていました。」
私たち全員に視線を回して
「助けてくださりほんとうにありがとうございます。」
やばい!面倒くさいことになりそうとか思っていたら
皆が笑ってこっちを見ていた。
バレバレなのね
イリスが
「ナリス様? 詳しい話を聞きますけど、よろしいですか?」
う! とどめを刺された
では、とイリスがクラリスの方に振り向こうとした時
「お願いでございます、我が両親をいえ、我が国をお救いください」
クラリスが叫んでいた。
私
「それは無理です、すみません」
!!
皆が絶句していた。
エリス
「ナリス様、あの・・・・・話だけでも聞いてみては?」
私
「え? でも 話を聞いても国を救うなんて、私たちには出来ないよ?」
「ナリス様、えっと、クラリス様を国まで送って差し上げるというのはどうでしょうか?」
澪が聞いてきた。
「私たちは」と言いかけた時にフラン様が
「そうですね、長期休暇を利用して友好の使者として国に訪問できるように王様にお願いしてみましょう、私とシルビアの二人が使者として名乗りを上げますので、ナリス様、護衛をお願いしてよろしいでしょうか?」
フラン様ナイスなアイデアです。とみんなが喜んでいる。
「あの」と言いかけたクラリス様をイリスが止めて
「行ってしまえば何とかなりますので」とにっこり笑って言いきった。
「な・ん・と・か?」
クラリス様は狼狽して
「あの、私の国は今大変なことになっておりましてすごく危険なのですが?」
「私は」と言いかけたら
「ナリス様は、困っている人を助けるとか、正義の味方というわけではありません。」
澪が言った。
「そうそう」と私が頷いていると
「でも、私たちを守るためには手段を選ばず、神にでも悪魔にでもなってくださります。」
ハイエルフの皆が楽しそうに言った。
いやいや 神にでも悪魔にでも、は言いすぎですよ。
そうじゃなくて!!
フラン様
「ナリス様、こうしてはおられません。皆様、お城に急いで行かないと!」
フラン様が楽しそうに笑って言っています。
シルビア王女も
「そうですね、王様に許可をいただかないと」
「そうそう王様に許可をしていただき、船の準備に旅の費用の捻出、いろいろ大変です」
フラン様が大変と言いつつ楽しそうに私にお任せくださいって・・・・
えーと、と思っているとイリスが
「ナリス様、これは忙しくなりますね」とにっこり。
「船旅ですねー」みんなが喜んでいるところにライアが
「ナリス様、アーセナル国に行けるようなら私どもの村に様子を見に行かせてください。お願いします」
獣人の村はアーセナル国にあるのかと思っていると エリスが
「ナリス様、アーセナル国にはドワーフの村もありますよ。」
ドワーフ!
「鍛冶職人」
獣人の村に鍛冶職人かー
「どうですか?楽しくなってきましたか?行きたいですよね」とエリスがにっこり笑って言った。
この会話の間に私は・・・いや私とクラリス様は手を引かれ、すでにお城に向かって移動中
夏休みの予定は決まりですね
だって王様がフラン様の申し出を駄目と言うわけが無い
★王妃の企み★
私たちは今お城の待機部屋でお茶とお菓子で騒いでおります。
王妃様と王女様は
「王様にお会いする前にちょっと用事がありますので少し遅くなります」
と言い残して出ていかれました。
ハイエルフの皆が無邪気に「ごゆっくりー」と送り出していた
王妃様と王女様の用事というのは
また別の機会に?
というのは嘘で
今、お二人はある御方にお会いになっておられます。
ミネルバ・オルレアン様 十八歳
王様の実子をお産みになられた、某伯爵家のご令嬢です。
「ミネルバ様、本日は突然の訪問もうしわけありません。お時間をいただきありがとうございます。」
ミネルバ様
「いえ、王妃様、御用がありましたら私の方が出向きますのに」
フラン様
「本日はミネルバ様にお願いがありましてお伺いさせていただきました。」
お願い?
「いかようなことでしょうか?」
フラン様
「急なことで大変もうしわけありませんが、私ども二人、外交訪問でアーセナル国に赴きたいと思います。」
!
ミネルバ様
「それは私が王様より命を受けるだろう案件では」
フラン様
「はい、その任を私どもにお譲りいただけないかと思いまして」
ミネルバ様
「アーセナル国は国内の情勢がよくなく、我が国とも戦になるかもしれないとのお話でしたが、王妃様自らそのような国に?」
フラン様
「ハイそこでご相談があります、私王妃の座を降りミネルバ様にあとをお任せできたらと思っております。」
シルビア王女が続けた
「私も第三王位継承を返上するつもりでおります。」
フラン様
「ご聡明なミネルバ様になら安心してあとをお任せ出来ると考えております。ご迷惑でしょうが、シルビアの学園卒業までの支援と今回のアーセナル国訪問のご助力をお願いいたしたく本日お伺いいたしました。」
涙目になったミネルバ様が
「正直に申し上げます、今回の訪問を任命されると考えると不安と恐怖で震えておりました。幼い我が子を残してそのようなところに出向くなど、と」
続けて
「変わっていただけるのなら喜んでと言いたいところですが、私に王妃が務まるのでしょうか?・・・それに先ほども話に出ました通りあの国は危険ですが、王妃様大丈夫ですか?」
フラン様、シルビア様は二人、目を合わせてからにっこり微笑んで
「私たちには心強い方たちが付いていてくれますので、大丈夫です。新学期までには帰国いたします。」
お茶とお菓子を楽しくいただいている私たちを騎士団長ギル様が呼びに来ました。
なんかすごく怒っておられる・・・ような気がします
謁見の間にはフラン様にシルビア様ともう一人女性の方がおられました。
国王様
「此度、前王妃フランソワーズ・オルレアンと王女シルビア・オルレアンの二人にアーセナル国、外交親善大使を任せた、ゆえにナリス男爵に護衛の任を与える」
前?
大臣様
「国内情勢の危ういアーセナル国への使者として、王妃、及び第三王位継承者として赴くのは危険と判断し、フランソワーズ・オルレアン様は王妃を退かれ、王女様は王位継承権の返上をなされました」
続けて大臣様
「手続きが済み次第出立されるよう、以後こちらにおられるミネルバ・オルレアン様が王妃として国政に参加されます。」
さらに
「騎士団隊長ギルフォード・サンドウィッチ殿も小隊で参加されます」
以上である
屋敷につくまで無言の状態が続き、皆が集まったところで二人が説明をしてくれました。
フラン様
「どうですか!うまくアーセナル国、外交親善大使の任と王妃の座の返上まで成し遂げました。」
澪が
「何を言っておられるのですか? 私たちは王妃様が王妃様ではなくなったことに肩を落としているのですが?」
フラン様
「皆様、ありがとうございます。でも私は王妃という地位にしがみ付く気が無いというか、正直いやでした。」
続けて
「国内情勢不安なアーセナル国への訪問は皆様がご一緒なので全く問題ないと思い、これを利用させていただきました。」
シルビアが
「私もこれを機に王位継承権をお返しましたので争いで襲われることは無くなったのではないでしょうか?」
「私たち二人は皆様とご一緒する方を選択しました。これからもよろしくお願いします。」
フラン様がニッコリ笑ってウィンクしている。
★外交親善大使★
王立学園も夏季長期休業になります。
この期間を利用してアーセナル国への外交親善大使護衛として訪問してきます。
私たちの目的はクラリス様からの依頼達成
大変なことが起きている、その内容は訪問が決まってから聞きました。
多くのものが魅了にかけられて操作されている。 ←これ
なぜ分かっているかというと、情報源のクラリス様がそうだったから
そしてクラリス様が魅了をかけられる前から周りの人たちの行動が変だった。
これら証言をもとに推察した結果になります。
クラリス様は魅了にかけられてこの国の内情を探るため王立学園に入学してきたと、話してくれました。
魅了にかけた人々を操作してアーセナル国をどうしようとしているのか、今あの国がどういう状況なのか・・・・
まあ 行ってみればわかる・・・かな?
私
「クリス・雫・サーシャ 三人はクラリス様と一緒にこっちに残ってもらいます。」
「なんでだよ」サーシャです。
船にクラリス様を乗せて行くと入国審査の時にばれるでしょ?
私
「アーセナル国に到着した後に、エリスの転移で迎えに来てもらいます。なので、それまでクラリス様の護衛をお願いします。」
サーシャ
「ああ、まあそういうことなら、まかせてもらうよ、でもちゃんと迎えに来いよ?」
もう忘れるなよと言わんばかりです
三人に屋敷で見送ってもらい出発しました。
お城で王妃、王女、護衛の騎士団と合流、王様、大臣様、新王妃様(予定)に見送っていただき正式に出発
港町 レインまでほぼ二日
港町レインに着いた
小さな港町を予想していたのですが、意外と大きい町でした。
漁港ではなく、商船用の港として栄えているようです。
道には石材を敷き詰めてあり、建物も石造りでしっかりしています。
港に着くと船はすでに待機して私たちを待っていました。
ギル様が船長さんに挨拶と手続きをやってくれてそれが済んだら乗船、出向です。
いよいよ三日間の船旅になります。
地図上では直線で行くとすぐそこに見えるのですが浅くて通れない場所があるから遠回りの航海になるそうです。
私たちは急ぐ旅ではないので問題ないです・・・・と言いたいところですが、
船酔い?それも私だけ?
船室に横になっている船酔い小僧は私です・・・・・
「言うことを聞かないと船に乗せるぞ!」
この脅し文句、私にはかなり有効かも?
ああ、こんなことを考えているとか・・・まだまだ元気なのだろうなあ私
む!
メイの笑い顔が目に浮かんでしまった。
クラリス様を迎えに行くときに一緒に帰ろうかな
ノックの音がして、ドアが開いた。
イリスがメイと一緒に入ってきた。
まずい
メイがにやにや笑っている、イリスが
「また変なことばかり考えているでしょ?」 って
正解! はぁ
イリス
「陸地がだいぶ近くになってきました、もうすぐ着きますよ」
イリスにほぼ抱きかかえられて看板に・・・・
「うぉおお、引きこもりには眩しすぎる太陽の日差し!」
イリスがあきれて、「ほんとに元気ですね」
え、いや・・・・それほどでも・・・・
私ナリスはとうとうこの海を制覇した!
陸地だぁ
「もう二度と船には乗らない!!」
波止場に降りて大の字に横になっている私の台詞です。
私
「あれ、イリス! 回り敵だらけだ」
イリス
「はい、どうやら近くにいるものすべて魅了されているようです。」
ギル様のエスコートでフラン様とシルビア様が下りてこられました。
「ようこそ、お越しくださいました、我が国への訪問、歓迎いたします。私、ネイ・グランディスと申します。」
「親善大使としてまいりました。フランソワーズ・オルレアンと」
「シルビア・オルレアンでございます。どうぞ、よろしくお願いします。」
にっこりと笑ってネイ様が
「さて、堅苦しい挨拶はこれまでにして、お聞きします。貴方方親善大使様一行は何をしにこの国にこられたのでしょうか?」
え?
まあ、普通そんなこと言われると、えってなるよね
フラン様が私の方を見ていたので、ハイっと手を上げました。
イリスに抱き起してもらい、「座ったままで失礼します。私がお答えいたします。」
「今この国は大変なことになっていると情報を得ましたので、実際にどうなっているのか見に来ました。」
ああ、みんなが避難の目で私を見ている
なんてことを、そんなにストレートに言わなくても・・・・という感じかな?
ネイ様
「この国の状況を見てそのあとはどうなさるおつもりですか?」
私
「それはこの国が今後どういう道を歩もうとされるか次第です。このアーセナル国がオルレアン王国の味方なのか敵なのかはっきり見定めるつもりです。」
さらに
「まずは今この国で何が起きて、どうしたいのか? 何が正義で何が悪か、ちゃんと見ないと判断できないと思います」
フラン様
「ナリス様!」
私
「フラン様、ネイ様が今この国で何かをしようとしている張本人で、間違いないでしょう、ここでしっかりと考えを聞くことが出来れば今回の訪問は半ば成功と言えます。」
ネイ様
「君は、ストレートですね。」
私
「はい、ここでもうはっきり決めていただいて結構ですよ、貴方は私の敵なのかどうか!」
ネイ様
「それは敵だと言ったら、この国ごと滅ぼすとでもいっているのですか?」
「そうですけど、なにか?」
皆が戦闘態勢に入った。
ネイ様にはまだ戦う意思がないのか、まだ緊張感がない
ネイ様
「オルレアン王国は二、三十人の子供たちで一国を滅ぼせるのですか?」
私
「はい、今ここではっきり敵だと示していただければやってみますよ」
ネイ様
「それは怖いな、でもこちらがその意思を見せない限りは君も何もしない、と言うことでいいのかな?」
私
「はい、ただ、よろしければ、お願い事があります」
ネイ様
「どのようなことでしょうか?」
私
「この国には、獣人の村とドワーフ村があると聞きました。二つの村を訪ねさせていただきたいのです。」
ネイ様
「どういったご用件でしょうか?」
獣人三名を奴隷商人から解放して一緒に連れてきていること、三名が故郷のことを心配していること、ドワーフ村で鍛冶屋を訪問したいことを告げました。
ネイ様
「奴隷商人から解放とは?」
私たちの仲間が奴隷商人に捕まって売られようとしていたので奪還しに行ったついでに居合わせた者たちも解放したことを告げました。
ネイ様
「ハイエルフ族は捕まっていなかったのですか?」
ハイエルフ族三名を奪還しに行ったこと、総勢十三名のハイエルフ族が仲間にいることを伝えた。
ネイ様
「その十三名は今どちらに?」
「そういう情報をあなたに教える義務なんてありません」
ちょっとイラついた表情を見せた?ネイ様が
「これは失礼いたしました。実は私、知り合いの子供たちを探しております。その知り合いはリー一族に連なるもので、ハイエルフです。」
ネイ様が続けて
「子供たちは人間に連れ去れたあと行方が分かりません。」
私
「後ろの建物の影に数人おられるのはハイエルフの方々なのですか?」
五人が姿を現した。
ネイ様
「まだ出てきては・・・」
ハイエルフの長老
「いえ、ネイ様、ありがとうございます。リー一族の十三名がそこにいます。」
睦
「お父様、お母さま、長老様」
ネイ様
「どう見ても人間の子供だが?」
睦、いやリサがこの二年間ほど、どうしていたか説明を始めた。
私はエリスに頼んでクラリス様達を迎えに行ってもらった。
すぐにエリスは戻ってきた。
サーシャが
「待ちわびたぞ、やっと迎えを出してくれたな、こっちは何もなかったが、お前らだけうまいもの食ったりしてないだろうな?」
大丈夫・・・ずっと船酔いで入れるより、出しているから・・・
フラン様
「その綺麗なお姿で、その物言いは駄目だと何度言わせるのですか?」
フラン様に睨まれてサーシャが
「こ、これは失礼いたしました。お迎えありがとうございます。」
ネイ様
「そんななりで、さっきまで威勢のいいことを言っているとは、びっくりだな」
ずっとイリス、澪、メイが介抱してくれていた
ネイ様
「そんななりでは、この国を亡ぼすなんてできないだろう」
イリスが
「別にナリス様本人が実行するとは、一言も言っておりませんが?」
サーシャ
「なんだ?喧嘩か?」
フラン様からまた睨まれて、
「争いごとならお手を貸しますわよ?」
ネイ様
「なんだ? 強い部下がいての大言壮語か?」
イリス
「喧嘩を売っているのなら私が買いますが、一言教えておきます、私を瞬殺できるのはこの世界においてナリス様ただ一人です。」
サーシャ
「イリス、何を言っている・・・のですか? それはホントか?」
サーシャが続けた
「貴方を瞬殺って、それって当然私も? そうなるとナリス様って世界最強?」
イリス
「ええ、サーシャ、殺し合いになったらナリス様に勝てる者などいません」
私
「何を言っているの、アンデッドとか精霊とかが相手になると私が瞬殺されますよ」
風の上位精霊シルフィーが姿を現して
「いやぁ 私もナリス様とは、殺し合いとか、ごめんだね、勝てる気がしないのだけど?」
ネイ様
「な、精霊?」
続けて
「イリス・・・・って同じ名前の最強のドラゴンが?精霊と一緒に暴れていたと聞いたことがあるけど、まさか?」
シルフィー
「私のことを知っている者がいたぞ!」
サーシャ
「なんだとー 私のことは? 私の名前は聞いたことがないのか?」
サーシャが続けた
「その最強のドラゴンと引き分けているのだぞ?」
ネイ様
「二百年ぐらい前か?大陸の北にある荒地でドラゴンとスネークが戦っているから近寄るなと噂を聞いたことがある。どちらの死体もなかったとか」
サーシャがそれだ、それ、それと喜んでいる
エリスが我慢できない感じで
「サーシャ様、イリス様はあの頃だいぶ弱っておいででしたから、全盛期のイリス様なら引き分けなどしておりません。」
サーシャ
「なんだとぉ なら今やってみるか?」
エリス
「貴方の相手など私で十分です。」
クリスが
「いえ、まずは私がお相手いたしましょう」
私
「お前らって仲がいいのな」いいなあぁと思って言ったら
サーシャ
「ばかか!どこをどう聞いたらそうなる!」
メイが
「ぷっ ナリス様って天然なのですね」
え?
クラリス様が
「ナリス様 一体・・・あの、この国のことはどうなっているのでしょうか?」
ふぅっとやっと 立ち上がって
私
「船酔いがひどくてそれどころではありませんでした。すみません」
ネイ様にクラリス様を紹介しました。
「ネイ様、ご存じかと思いますが、この国の王女様のクラリス様です。」
クラリス様の方を見て
「クラリス様、今回の事件の首謀者、ネイ様です。」
「え、あの、では・・・」クラリス様が混乱している。
「いえ、ネイ様を倒しても今回の事件は解決いたしません。」
私は続けて
「悪いのは人間の欲、連れ去って無理やり言うことを聞かせて、売りさばく、そういうやつらがいるのが全ての原因です、この国がわるいわけではありません、この国にいる一部の人間のせいです。」
生活していくにはお金がかかる、仕事を探しても見つからないとか稼ぎが少ないとか、不満のある方たちは皆楽して稼げる方法として奴隷商人とつるむのでしょう。
ハイエルフ、獣人、もしかしたら人間の子供もさらっていたのかもしれません。
と説明をしてみました。
私
「私のところには奴隷商人に捕まっていたもの、追われて逃げているところに私と出会ったものがいます。助けてもらっても食べるものも安心して寝る場所も無いと私たちと一緒に暮らしていました。」
私が続けて
「ネイ様、クラリス様、私たちはこれから、この国を調べて回ってみようと思います。ハイエルフだけでなく、獣人、その他の奴隷解放を目指してみます。よろしければご一緒に行きませんか? 奴隷商人として富を築いている者、おこぼれをもらっている貴族等は当然罰を受けていただきます。」
罰?
私
「はい、もう死んでもらってもいいのですが、奴隷用ロックをセットして放置します。自分の実体験で苦しむのが一番、いい薬になると思います」
シルフィーが
「じゃあ 私がちょいと見てくるね」
と言って消えて行った。
クラリス様
「あの、見て回るというのはどういうことでしょうか?」
私
「そのままの意味です、今ネイ様の魅了の力で抑えてあるから地下室とかに入るのも簡単だと思います。奴隷として扱われている者に元気なものはたぶんいません。衰弱しているもの、傷ついているものを探して解放するなら、大チャンスです。ネイ様の目的はたぶんもう達成されていると思うので手を貸してくださると思います」
少し間をおいて続けた。
「ただ、クラリス様、フラン様、シルビア様、もしかしたらギル様も見たくないものを見ることになると思います。でも、たぶんこの国だけではなくどこの国にもある光景ではないかと・・・・」
ネイ様が
「何を偉そうに、君はみたことがあるのか!」
私
「はい」
澪の方を見て、澪が頷くのを確認して、八歳の頃、噂になっている不死の聖女様を一目見ようと旅に出、美しい女性を想像していたのに、干からびた手足のない聖女と呼ばれる人を前にして何も言えなかった事、澪、イリス、エリス、クリスと出会ったときの話を聞いてもらった。
イリスが
「そういえばあの時のナリス様って、すごく冷静でしたね?」
「そう言われれば、そんな気がしますね」とエリスとクリスが頷いていた。
私
「あの時はミイラ化した澪を見てびっくりはしたのだけど、これは私のターニングポイントだと感じたから、しっかり対応しないといけないと思って、それにみんなが仲間になるって言ったときも反対しなかったのは、このチャンスを逃してはいけないって自分に言い聞かせたからですよ」
さらに続けた。
「そのあとの出来事でも、すべて誰かの掌の上で踊らされているだけかもしれない、でも私は私の道をそらさずに歩いているのだと思うようにしました。私は皆にあうべくしてあっているのだと! 私は私の思うままに行動しているのでそのうち大きな敵を作るかもしれません。がそれも私の道なのだと考えると思います。」
私の索敵スキルの反応では「ハイエルフ、獣人、はっきりしませんが?町の中に反応があります。」
シルフィーが戻ってきて
「町の中だけ見てきたけど、見つけた。まだ生きているよ、ハイエルフ、獣人、ドワーフ、人間」
私
「メイ」
はい? メイが返事をしながら首をかしげた。
獣人もいるって、気合を入れて行ってみようか?
サーシャが
「今回は俺一人で片づけてやるよ」
睦
「お待ちください、私どもを置いていこうとされていませんか?」
睦が続けて
「奴隷解放の汚れ仕事は私たちでやります。いえ、やらせてください、ナリス様がお手を汚されることはありません」
サーシャが
「大丈夫さ、私がそんなことはさせません、汚れ仕事は私が引き受けた。」
私
「サーシャ、悪いけどお願いします。イリス、澪、フラン様、シルビア様は私の近くにいてください。」
「かしこまりました。」フラン様とみんなが頷いた。
私たちはどうすれば?ネイ様とクラリス様が言いたそう
クラリス様はついて来る、来ない。すべてを目撃する、しないの選択をご自分で決めて行動してください。
ネイ様も私たちを援護する、しない、すべてを見る、見ないも自分の意志で決定して行動してください。
シルフィーの案内で街の中央あたり、立派な建物の前にやってきました。
シルフィー
「この建物の地下にいるよ」
扉を開けて、地下への階段への入り口を探し、進もうとした時に「そこからは関係者以外立ち入りを禁止しております」と声をかけられた。
声の主をライアが一撃入れて黙らせた。と、同時に扉の奥から大勢が飛び出してきた。
サーシャが「いいのか?」と言いつつ、攻撃を加えて黙らせていく。
睦が
「非道な奴隷商人です、情けをかけることはありません。とどめを刺していきましょう。」
「私たちは地下に行きます。二階にあと十人、三階に五人います、サーシャ、あとよろしく」
私
「イリス、エリス、二人で地下に道を作ってください。私はクエスと一緒に澪、フラン様、シルビア様を護衛しながら進みます。」
「私たちもおります」とギル様が言ってきたので
「ネイ様とクラリス様の後ろの守りをお願いします」
ギル様
「承知!」
地下に降りて出会った敵は二人
イリスに倒されていました。
先に進んでいくにつれ、異臭がすごい・・・・というか臭くて・・・ここは衛生的には最悪なところだ
糞尿とかも垂れ流しのままってことか
ハイエルフが三人、牢に入れられていた。
なんとか、会話とか、できているみたいです。
先に進むとドワーフ?の子供?が、三人さらに奥に獣人が五人
ドワーフの二人はかなり元気みたいです。が、奥で横になっている一人は瀕死の状態のようです。
獣人五人、これは危ない状態です。
肘から先が・・・膝から先がない・・・・
ドワーフの一人が
「その人たちは、ここの人たちに抵抗していて、爪で傷をつけて怒らせ、とうとう切られてしまったのです。」
フラン様、シルビア様 先に奴隷用ロックの解除を行います。
「はい」
王妃様と王女様の能力:解呪・解錠
※解呪:問答無用で呪いを解く
※解錠:問答無用で鍵を開ける
※(どちらもスキルランクで成功、失敗があります)
「解呪のスキル、解錠のスキルを解放・発動」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得、付与することが出来
る
この地下にいる十一名の奴隷用ロックが光に包まれる。
奴隷商人のところに捕まっている奴隷の奴隷紋はやっぱり発動していないみたいです。反応なし、
解錠で奴隷用ロックの解除
ここでフラン様とシルビア様にお願いしてギル様騎士団の皆と一階に上がっていただきました。
騎士団の皆様にはさすがにこの先は見られたくなかったからです。
イリス、エリス、クリス、澪、メイ、ミイに服装、装備、装飾品等をすべて外してくれるようにお願いし、イリスと澪そしてメイに私のそばに来てもらった、そして私は獣人五人に対して持っている能力「解放」を使用した。
「超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得、付与することが出来る
五人が光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
光の中でゆっくりと再生が始まった。
五人の両手、両足の再生に意識を集中、傷からの感染症を起こしているかもしれないため、メイのスキル、医療及び専門知識:医術をさらに解放、体中の壊死している部分の切断、洗浄、その後両手足の再生が完了、次に体全体に意識を集中、肉体再生を完了した。(作者は医学知識がありません、イメージです)
ドワーフの牢のところに行って、
「澪、回復魔法でなんとかなるかな?」
澪が頷いて
「はい、エリアヒールをかけてみます。」
澪が回復魔法エリアヒールを発動したので、私の魔力を上乗せしました。
ドワーフ、ハイエルフたちが光に包まれ、治療が始まりました。
包んでいた光が徐々に薄くなり、消えた。
ドワーフ、ハイエルフの体の状態がよくなったようです。
ネイ様がこのエリアヒールの威力が理解できているようで、「馬鹿な」と一言つぶやいていました。
私
「クラリス様、ここのありさまを見て貴方がどう感じてどう思われたか、この国をどうしないといけないか、これからゆっくり考えてみてください、お願いします。」
私はネイ様を見て続けた
「ネイ様、ここにもハイエルフが捕らえられていました。来てよかったですね。」
ミイとライア、あとハイエルフの一団が下りてきて、捕まっていた同胞に気が付いて介抱を始めました。
メイがやってきて
「ナリス様、あの、そのような汚物まみれにしてしまってすみません。」
私
「服は着替えて、体は洗えばいいさ」
メイが目に涙を浮かべて
「貴方は生涯ただ一人の私の旦那様です。貴方のそばを離れることはありません」
この台詞に反応して
「私も一緒に汚れます」とイリス、澪、シルビア様が飛びついてきた。
フラン様が階段の中央あたりで出遅れたって顔をしているのが見えた。
とりあえず、一段落したようだけど、一応建物全体を索敵で調査
シルフィーが
地下に降りてくる階段の横に
「隠し通路かな、わかりにくいけど扉があるよ」
サーシャが見に行って「これか」と一言呟いて即、扉を一蹴りで壊し、中に入って確認すると金貨が詰められた袋がどっさり置いてあった。・・・・
サーシャ
「奴隷商人って儲かるんだな、全部もらって行こう」
持てるかな?
シルフィーに波止場に誰もいないか確認してもらい、エリスにお願いして魔力を上乗せ、転移で波止場に移動しました。
着いてすぐに私は索敵スキルを解放、国中を捜索しました。
イリスがそれは無茶です。と叫んでいたけど、急には止まれない。
気のせいか? 体のあちこちからぶちぶち音がしています。
ネイ様が「なんという・・・・こんなことが出来るなんて」とつぶやいていた。
私
「シルフィー あっちの方角、貴族の屋敷かな、あれ、あそこに反応がある」
シルフィー
「わかった、まかせて、あんたは休んでいな」
私
「イリス、メイあとは任せた、私は・・・」
もう! 憤っているイリスにメイが
「イリス様、さっきのナリス様の索敵、赤い点々が二十個ぐらいと緑が五個ぐらい見えました。」
エリスがそれに答えた。
「了解しました。私たちにお任せください、シルフィー様が戻られたら行ってきます。」
ライアとハイエルフの皆が一緒に行きますと張り切っていた。
イリスがサーシャもお願いできますか?って聞いたら、「ああ、いいよ」って答えてそのあと、「あんたは何をするんだい?」と聞いた
イリスの答え
「私はメイと澪とで、ナリス様をお風呂に入れて体を綺麗に洗っておきます。」とにっこり笑った。
皆
「それはずるい!」
ネイ様がハイエルフ一行の為にすぐそこの宿屋には客が入らないようにしているから自由に使えると言ってくれました。
澪が
「じゃあそこで解放された十一名に飲み物か、スープでも作らないといけませんね」
と言った。
地下で汚れた服は全部波止場で脱いで、私は脱がされて、寝ている間に全身綺麗になったようで、ベッドの上で目が覚めました。
シルフィーがのぞき込んできて
「おはよう、目が覚めたか?」とにっこり笑って「大丈夫か?元気になったか?」と又聞いてきた。
シルフィー
「報告するからそのまま横になって聞きな、私が戻った時、ナリス様はお風呂でイリスとメイ、澪に体を洗ってもらっているところだったよ」
ぶ
シルフィー
「もう臭くないだろう」
少し笑った後シルフィーが続けて
「この国の上流貴族らしいやつの屋敷に奴隷が五名いたよ、ハイエルフが二名、人間が三名で、エリス、クリス、サーシャ、ライア、ハイエルフの一団と私で奪還に行ってきた。そこにいた馬鹿貴族と その取り巻き? それと奴隷商人らしいやつにはとどめをさしてきたよ、当然こちらには被害なし」
私
「寝ている間にミッションクリアか、さすがだね、皆、シルフィーありがとう」
ネイ様はすべての魅了を解除してくれて、今はお尋ね者になってしまった事、フラン様、シルビア様はギル様達と友好親善大使としてお城に行かれた事、同行者はイリス、サーシャ、クリス、睦、雫で、クラリス様の案内で向かわれた事を報告してくれました。
シルフィー
「残りの者で昨日、救出した者たちの面倒を見ています。」
身体的、病気等には心配はいらないみたいですが、衰弱しているので休養と栄養が必要だということでした。
私
「時間がかかるってことですね、説明ありがとう」
シルフィーが
「で、ですね、ドアの外にネイ様が待機されておりますが、入ってもらってもよろしいですか?」
私
「ええ、いいですよ」
ドアが開いてネイ様が入ってきた。
ネイ様
「失礼します。」
ネイ様が入ってくるなり片膝をついて
「昨日は大変失礼なことばかりを申しました。申し訳ありません」
私
「どうしたのですか?」・・・
ネイ様は、ちょっと困った顔をして
「一度にあれだけの量の魔力を使えるとは、思いませんでした。」
私は
「ああ、行けると思ったのですが、まだ、体のほうが付いてきませんでした。」
ちょっと考えて
「昨日の数倍は使えるようになりたいですね。」
「え、魔力切れで倒れたのではないのですか?」ネイ様
私
「はい、魔力量はまだまだ余裕でした。まあ、疲労でしょうか?」
あはははははは、ネイ様が笑って
「完敗です、貴方、神ですか?」
私
「いえいえ、私の出現?出生? を二千年も前に予知した人の方が、神と呼ぶにはふさわしくないでしょうか?」
どういうことでしょうか?
風の精霊シルフィーとの出会いをネイ様に話しました。
私
「皆との出会いは、偶然ではなく、必然、もしかしたら、誰かの掌の上で、踊らされているだけかもしれないとか思ったこともあります。でも、なんかすごいメンバーと知り合えて楽しいばかりです。」
シルフィーが
「何を言っているのですか 笑、一番すごいのが貴方です」
ネイ様も頷いている。
私
「私的にはイリスとかには、瞬殺されそうですけどね?」
ぶっ、シルフィーが噴き出して
「イリスはナリス様、命なのでその力があっても手出しできないでしょ、それと殺し合いになったらナリス様が勝ちますよ」
続けてシルフィーが
「私もそうですよ、ナリス様」
私
「そのうち私はたいしたことが無いってばれて愛想つかされそうですけどね」
ネイ様が
「何を言っているのですか、まったく底の知れない人ですよ、貴方は」
シルフィーが頷いている
ネイ様が咳ばらいを一つして
「ところでナリス様、私、お願いがございます。」
「え?」 ちょっと考えて
「わかりました。私に出来ることならいいですよ」
シルフィーが慌てて
「嫁にしてくださいとか言われたらどうするつもりですか!」
ネイ様、「あ、それいいですね」と笑って言った。
ネイ様
「改めて、あの、私千年以上ハイエルフの里に引きこもっておりましたが、この国でお尋ね者になりました。さすがにこの国には滞在出来ないと思います、そこで、ナリス様、私も連れて行っていただけないかと、願いを聞いていただけるなら私の持っている力を存分にナリス様のために使います。」
ネイ様が続けて
「正直に申しますと、私も貴方様と一緒に生きていきたいと思っております。」
私
「シルフィー」
「はい?」シルフィーの返事
私
「この国に来たのも偶然ではなくて、ネイ様に出会うためだったみたいですね」
「はい、はい」シルフィーの返事
ネイ様
「ナリス様、私にもう様付けは不要にございます。」
私
「これから、よろしくお願いします。」
ネイ様が仲間になった。
ドタドタドタ、走ってくる足音がしてメイがバンっと力強く扉を開けて入ってきた。
「ナリス様、また、女たらし全開ですか?」
いやいや、あ、・・・ああ、そうかも
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