回復チートで異世界を自由(スケベ)に生き残る!

にくうどん

文字の大きさ
上 下
2 / 47
プロローグ

2...転移中に白魔法の説明を受ける

しおりを挟む
 俺は宇宙空間を凄まじい速度ですっ飛びながら、ぼんやりと考え事をしていた。

 つまるところ、もはやこの状況では泣き叫ぶ意味も無さそうなので、完全に諦めの境地である。

 いやー、ほんと、マジかこれ。

 まさか、この俺が異世界転移に巻き込まれるとは。

 でも、転生ではなく転移らしいから、俺は俺のままというのはありがたい。

「……」

 でも、怖いなー。

 どうなるんだろうか、俺。


《……対象者をナビゲート中です。現在、並列宇宙を横断中、、、異世界召喚地点まで、残り30分24秒》


 先程から定期的に頭の中に流れる棒読みの機械音声。

 異世界転移終了まで、どうやらまだ30分近くも時間があるらしいので、俺はダメ元で声をかけてみることにした。

「あのー、質問とかできますかね」

《……可能です》

 おー、答えてくれたよ機械音声。

「俺が飛ばされる異世界って、どんな異世界なんですかね?」

《……最新情報が未更新です。相違による混乱を避ける為、お答えできません》

「……は?」

 いやいや、マジか。

 異世界転移などという大層な事をしでかしておきながら、そんなことも分からんのですかい。

 でも、異世界に転移するまでに、手に入る情報は少しでも手に入れておきたい。

「なあ、あんたの知っている事、何でも良いから教えてよ」

 《……当機構は異世界転移システム。それ以上でも、それ以下でもありません》

 なるほど。

「貴方は神様ですか?」

《……否》

「誰に作られたんですか?」

《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》

「なぜ、俺が選ばれたんですかね?」

《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》

「俺を召喚している人は誰?」

《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》

 ……。

 答えられない事ばっかりやね。

 でも、何となく、これは答えて貰えそうな気がする。

「俺はまた、元の世界に戻ってこれますか?」

《……当機構は、対象者を召喚する為だけに作られました。よって、不可、となります》

 うわぁ……か、悲しい現実が突きつけられた。

 そうか、俺はもう二度と元の世界には帰れないという事か。

 俺はふと後ろを振り返るが、とうの昔に懐かしの青い地球は姿を消していた。

 でも、異世界転移ができるぐらいなんだから、能力そのものはあるんだよな。

 設定を変えてもらえれば、元の世界に帰してもらえるかもしれない。

 そんな小さな希望でも十分だ。

 とにかく今は、もっと異世界の情報を引き出しておかないと。

「ちなみに、俺に教えられる事ってなんなの?」

《……祝福の加護に関する解説が可能です》

 ああ、何か言っていたな、注入したとか何とか。

「もしかして、チートとか?」

《……対象単語をアナライズ中、、、特殊能力、超能力、という意味で同じならば、その通りです》

「へー、そうなんだ。それはありがたいな。ちなみに、どんなチートを注入してくれたの?」

《……当異世界における「白魔法」一式、及び「異世界言語」です》

 ほう、白魔法とな。

 それはまた便利な物を頂けたようでありがたい。

 あと、異世界言語も地味だが転移者には必須チートだろうから、これまたありがたい。

「ちなみに、どんな白魔法が使えるのかな?」

《……まず、回復系が、、、》

 こうして、俺は機械音声さんから、事細かに「白魔法」についてのレクチャーを受けることができた。

 本当にありがたい。

 これを聞いていなかったら、自分には何も力が無いと思い込んで、大変な目にあっていたかもしれない。

 一通り聞き終えてみると、正直、かなり凄いチートであり、たぶん、俺は異世界に行っても、まず死なないだろうと確信する。

 というか、下手をすればもはや死ねない、というぐらいのポテンシャルがありそうだった。

 なにせ、回復しまくれて、ポーションも作りまくれるらしいからだ。

 それに、ポーションが売れるならば、お金にだって困る事はなさそうだ。

 魔物なんかと戦わずにお金が稼げるなんて、実に心強い。

 あと、白魔法という情報から、魔法のある異世界だとも想像できたのだが、俺を異世界に向けてすっ飛ばしているのは、異世界転移機構さんらしいので、機械とかもあるのかもしれない。

 魔法と機械のある世界か。

 うん、嫌いじゃないな。

《……対象者をナビゲート中です。異世界召喚地点まで、残り1分15秒》

 ああ、そろそろのようだ。

 徐々に大きな緑色の美しい星が眼前に迫りつつあった。

 何か、緊張でお腹が痛くなってきたな。

「異世界転移は迷惑でしかないけれども、チートはありがとうね」

 俺のお礼に機械音声は特に反応を示さない。

《……目標地点到達までのカウントダウンを開始します、、、10、9、8、7》

 カウントダウンが始まると、ゆっくりと俺の意識が眠るように落ちていく。

《……6、5、4、3、2、1、、、異世界転移に成功しました》

 機械音声の言葉をどこか遠くに聞きながら、俺は意識を失うのだった。


《……異世界転移フェーズを終了します、、、、、、ようこそ異世界へ》
しおりを挟む
*当作品が好きな方は、ぜひ「★お気に入りに追加」をお願いします!

*たまにでも、作品の中身を読みに(1日に1回でOK)きてくれますと、とても励みになります。
*(作者にインセンティブ報酬が発生します)

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。  その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。  すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。 「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」  これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。 ※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...