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プロローグ
2...転移中に白魔法の説明を受ける
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俺は宇宙空間を凄まじい速度ですっ飛びながら、ぼんやりと考え事をしていた。
つまるところ、もはやこの状況では泣き叫ぶ意味も無さそうなので、完全に諦めの境地である。
いやー、ほんと、マジかこれ。
まさか、この俺が異世界転移に巻き込まれるとは。
でも、転生ではなく転移らしいから、俺は俺のままというのはありがたい。
「……」
でも、怖いなー。
どうなるんだろうか、俺。
《……対象者をナビゲート中です。現在、並列宇宙を横断中、、、異世界召喚地点まで、残り30分24秒》
先程から定期的に頭の中に流れる棒読みの機械音声。
異世界転移終了まで、どうやらまだ30分近くも時間があるらしいので、俺はダメ元で声をかけてみることにした。
「あのー、質問とかできますかね」
《……可能です》
おー、答えてくれたよ機械音声。
「俺が飛ばされる異世界って、どんな異世界なんですかね?」
《……最新情報が未更新です。相違による混乱を避ける為、お答えできません》
「……は?」
いやいや、マジか。
異世界転移などという大層な事をしでかしておきながら、そんなことも分からんのですかい。
でも、異世界に転移するまでに、手に入る情報は少しでも手に入れておきたい。
「なあ、あんたの知っている事、何でも良いから教えてよ」
《……当機構は異世界転移システム。それ以上でも、それ以下でもありません》
なるほど。
「貴方は神様ですか?」
《……否》
「誰に作られたんですか?」
《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》
「なぜ、俺が選ばれたんですかね?」
《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》
「俺を召喚している人は誰?」
《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》
……。
答えられない事ばっかりやね。
でも、何となく、これは答えて貰えそうな気がする。
「俺はまた、元の世界に戻ってこれますか?」
《……当機構は、対象者を召喚する為だけに作られました。よって、不可、となります》
うわぁ……か、悲しい現実が突きつけられた。
そうか、俺はもう二度と元の世界には帰れないという事か。
俺はふと後ろを振り返るが、とうの昔に懐かしの青い地球は姿を消していた。
でも、異世界転移ができるぐらいなんだから、能力そのものはあるんだよな。
設定を変えてもらえれば、元の世界に帰してもらえるかもしれない。
そんな小さな希望でも十分だ。
とにかく今は、もっと異世界の情報を引き出しておかないと。
「ちなみに、俺に教えられる事ってなんなの?」
《……祝福の加護に関する解説が可能です》
ああ、何か言っていたな、注入したとか何とか。
「もしかして、チートとか?」
《……対象単語をアナライズ中、、、特殊能力、超能力、という意味で同じならば、その通りです》
「へー、そうなんだ。それはありがたいな。ちなみに、どんなチートを注入してくれたの?」
《……当異世界における「白魔法」一式、及び「異世界言語」です》
ほう、白魔法とな。
それはまた便利な物を頂けたようでありがたい。
あと、異世界言語も地味だが転移者には必須チートだろうから、これまたありがたい。
「ちなみに、どんな白魔法が使えるのかな?」
《……まず、回復系が、、、》
こうして、俺は機械音声さんから、事細かに「白魔法」についてのレクチャーを受けることができた。
本当にありがたい。
これを聞いていなかったら、自分には何も力が無いと思い込んで、大変な目にあっていたかもしれない。
一通り聞き終えてみると、正直、かなり凄いチートであり、たぶん、俺は異世界に行っても、まず死なないだろうと確信する。
というか、下手をすればもはや死ねない、というぐらいのポテンシャルがありそうだった。
なにせ、回復しまくれて、ポーションも作りまくれるらしいからだ。
それに、ポーションが売れるならば、お金にだって困る事はなさそうだ。
魔物なんかと戦わずにお金が稼げるなんて、実に心強い。
あと、白魔法という情報から、魔法のある異世界だとも想像できたのだが、俺を異世界に向けてすっ飛ばしているのは、異世界転移機構さんらしいので、機械とかもあるのかもしれない。
魔法と機械のある世界か。
うん、嫌いじゃないな。
《……対象者をナビゲート中です。異世界召喚地点まで、残り1分15秒》
ああ、そろそろのようだ。
徐々に大きな緑色の美しい星が眼前に迫りつつあった。
何か、緊張でお腹が痛くなってきたな。
「異世界転移は迷惑でしかないけれども、チートはありがとうね」
俺のお礼に機械音声は特に反応を示さない。
《……目標地点到達までのカウントダウンを開始します、、、10、9、8、7》
カウントダウンが始まると、ゆっくりと俺の意識が眠るように落ちていく。
《……6、5、4、3、2、1、、、異世界転移に成功しました》
機械音声の言葉をどこか遠くに聞きながら、俺は意識を失うのだった。
《……異世界転移フェーズを終了します、、、、、、ようこそ異世界へ》
つまるところ、もはやこの状況では泣き叫ぶ意味も無さそうなので、完全に諦めの境地である。
いやー、ほんと、マジかこれ。
まさか、この俺が異世界転移に巻き込まれるとは。
でも、転生ではなく転移らしいから、俺は俺のままというのはありがたい。
「……」
でも、怖いなー。
どうなるんだろうか、俺。
《……対象者をナビゲート中です。現在、並列宇宙を横断中、、、異世界召喚地点まで、残り30分24秒》
先程から定期的に頭の中に流れる棒読みの機械音声。
異世界転移終了まで、どうやらまだ30分近くも時間があるらしいので、俺はダメ元で声をかけてみることにした。
「あのー、質問とかできますかね」
《……可能です》
おー、答えてくれたよ機械音声。
「俺が飛ばされる異世界って、どんな異世界なんですかね?」
《……最新情報が未更新です。相違による混乱を避ける為、お答えできません》
「……は?」
いやいや、マジか。
異世界転移などという大層な事をしでかしておきながら、そんなことも分からんのですかい。
でも、異世界に転移するまでに、手に入る情報は少しでも手に入れておきたい。
「なあ、あんたの知っている事、何でも良いから教えてよ」
《……当機構は異世界転移システム。それ以上でも、それ以下でもありません》
なるほど。
「貴方は神様ですか?」
《……否》
「誰に作られたんですか?」
《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》
「なぜ、俺が選ばれたんですかね?」
《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》
「俺を召喚している人は誰?」
《……シークレットデータに該当。貴方には閲覧権限がありません》
……。
答えられない事ばっかりやね。
でも、何となく、これは答えて貰えそうな気がする。
「俺はまた、元の世界に戻ってこれますか?」
《……当機構は、対象者を召喚する為だけに作られました。よって、不可、となります》
うわぁ……か、悲しい現実が突きつけられた。
そうか、俺はもう二度と元の世界には帰れないという事か。
俺はふと後ろを振り返るが、とうの昔に懐かしの青い地球は姿を消していた。
でも、異世界転移ができるぐらいなんだから、能力そのものはあるんだよな。
設定を変えてもらえれば、元の世界に帰してもらえるかもしれない。
そんな小さな希望でも十分だ。
とにかく今は、もっと異世界の情報を引き出しておかないと。
「ちなみに、俺に教えられる事ってなんなの?」
《……祝福の加護に関する解説が可能です》
ああ、何か言っていたな、注入したとか何とか。
「もしかして、チートとか?」
《……対象単語をアナライズ中、、、特殊能力、超能力、という意味で同じならば、その通りです》
「へー、そうなんだ。それはありがたいな。ちなみに、どんなチートを注入してくれたの?」
《……当異世界における「白魔法」一式、及び「異世界言語」です》
ほう、白魔法とな。
それはまた便利な物を頂けたようでありがたい。
あと、異世界言語も地味だが転移者には必須チートだろうから、これまたありがたい。
「ちなみに、どんな白魔法が使えるのかな?」
《……まず、回復系が、、、》
こうして、俺は機械音声さんから、事細かに「白魔法」についてのレクチャーを受けることができた。
本当にありがたい。
これを聞いていなかったら、自分には何も力が無いと思い込んで、大変な目にあっていたかもしれない。
一通り聞き終えてみると、正直、かなり凄いチートであり、たぶん、俺は異世界に行っても、まず死なないだろうと確信する。
というか、下手をすればもはや死ねない、というぐらいのポテンシャルがありそうだった。
なにせ、回復しまくれて、ポーションも作りまくれるらしいからだ。
それに、ポーションが売れるならば、お金にだって困る事はなさそうだ。
魔物なんかと戦わずにお金が稼げるなんて、実に心強い。
あと、白魔法という情報から、魔法のある異世界だとも想像できたのだが、俺を異世界に向けてすっ飛ばしているのは、異世界転移機構さんらしいので、機械とかもあるのかもしれない。
魔法と機械のある世界か。
うん、嫌いじゃないな。
《……対象者をナビゲート中です。異世界召喚地点まで、残り1分15秒》
ああ、そろそろのようだ。
徐々に大きな緑色の美しい星が眼前に迫りつつあった。
何か、緊張でお腹が痛くなってきたな。
「異世界転移は迷惑でしかないけれども、チートはありがとうね」
俺のお礼に機械音声は特に反応を示さない。
《……目標地点到達までのカウントダウンを開始します、、、10、9、8、7》
カウントダウンが始まると、ゆっくりと俺の意識が眠るように落ちていく。
《……6、5、4、3、2、1、、、異世界転移に成功しました》
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《……異世界転移フェーズを終了します、、、、、、ようこそ異世界へ》
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