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姦邪Ⅰ -ルィリア編-
第44話 存在の理由
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最初はシェリルに同情していたのだ。見ず知らずの男といつの間にか交際関係になっており、挙げ句の果てには、お腹に身に覚えのない子供が孕っているのだから。その既成事実による絶望と苦しみは計り知れない。
しかし……シェリルが不倫をして躊躇なく俺を殴るようになってからは、その気持ちが日に日に揺らいでいった。あの男は手段こそ卑劣なものであったが、シェリルに対する愛は本物だった……と思う。
その純粋な愛を、早とちりしてしまったのだ。“どうせ手に入らないなら”と最初から諦めてしまって、代償を覚悟で悪魔と契約を交わした。
夫婦にとって一番の幸せは、子供が生まれる事。
つまり俺は悪魔の契約によって生まれた副産物であり、代償によって人を不幸にする為に生まれた存在なのだ。そう気付いてしまった俺は、しばらく立ったまま動けなかった。
「ど、どないしたん……?」
ネフィラは先程までとは打って変わって、心配するような表情で俺の顔を覗き込んだ。
「……なんでも、ない」
「何もない訳あらへんやろ? ほら、お姉さんに話してみぃ」
「——もし自分の生まれた理由が、誰かを不幸にする為だったとしたら……どうする?」
「うーん……あんま気にせぇへんかな。だってウチ、人喰い蜘蛛……“主人喰らいのネフィラ”やし」
ネフィラは少年のような無邪気な笑顔でそう返答した。
……質問する相手が悪かった。
コイツは人間の女の見た目をしているが、その正体は人を喰う事に何の躊躇いもない人喰い蜘蛛なのだ。大昔には“主人喰らいのネフィラ”という異名で恐れられていたらしい。
「アンタにちょっとでも期待した俺が馬鹿だった。悩む事が無くて楽そうだな、ネフィラは」
「む~っ、何か腹立つ言い方やなぁ。シンにはウチが何も考えず生きてるように見えるんか?」
「ああ、見える。蜘蛛は人間と違って、本能のままに生きて許される生き物だしな」
「……だからこそ、なんよ」
ネフィラは、俺の言葉に対して少し声のトーンを低くして寂しげな声色で答えた。
「え?」
「ウチな、自分が何で生まれて、何の為に存在しとるかようわからへんかった。わざわざ人間に擬態する能力を身につけて、言葉も覚えて……それでやる事が人間の捕食なんよ? 人間が支配してたこの世界で人間が主食の蜘蛛なんて、何の存在価値があんねん。ただ恐れられて終わりか、勇気ある人間に始末されて終わりやろ」
「……」
「せやからウチは……人々に恐れられる事が生きる理由やと思い込んで、人間に擬態して、人間に仕えるフリをして、最終的に喰らう……そんな生き方をしてた。“主人喰らいのネフィラ”なんて呼ばれ始めた頃は、何か嬉しかったんや。自分の生きる理由が分かったような気がしたから。最終的に封印されてしもうたけど……生きる理由を全う出来たから、悔いは無かったんよ」
その時のネフィラの表情は微笑んでいるようだったが……どこか寂しそうでもあった。そんな表情をする理由は、何となく理解出来た。
最後の最期まで、ネフィラは人々にとって恐怖の象徴……“主人喰らいのネフィラ”であり続けられた。
それからかなりの年月が経ち、ネルフィラによって復活を遂げた。しかしそこは、人々が“主人喰らいのネフィラ”という単語を忘れて、やがて長生きの老人ですら知らないくらいまでの年月が経過していた。
時というのは残酷だ。だから“主人喰らいのネフィラ”という単語を俺が知らなかった時、ショックを受けてその場にうずくまったのだろう。
「ネフィラ……」
「昔は本能のままに生きていても良かった。でも今はこの世界にはウチの異名を知る者も、それでウチを恐れる者も誰一人としておらん……生きる理由を失ってしもうたんよ。この世界を支配しとる今の奴らは、味が悪うなった。もう食う気にならへんし、“主人喰らいのネフィラ”の名を再び轟かす気も起きへん」
「……」
「せやから、今は絶賛生きる理由に悩んどる。復活した時代遅れな人喰い蜘蛛が、こんな世界でどう生きればええんやろってな」
「……なんか、悪かった。わかってたけど、やっぱり表面だけで判断するのは良くないな」
俺は思わず、謝ってしまった。
自分が誰かを不幸にする為に生まれてきたという事実に気付いてしまった時、この気持ちの行き場所が無かったのだ。無関係な第三者は心に寄り添った気になって、いくらでも言える。相談してもきっと、上辺だけのありきたりな言葉しか返ってこない。
だから話した所で無駄だと……いや、違う。ただ単純に、なんでもないと言って心配してほしかっただけなのかもしれない。勿論、自分が代償の副産物であり、誰かを不幸にする為に生まれてきたというのはキツい。でも現にネフィラのお陰でちょっと満足している自分が居る。
「構わへんよ。大体、生きる理由なんて大人になってもわからへんようなもんで悩む歳やないやろ」
「……」
「どう足掻いたって、今のシンは子供やろ? なら少しワガママなくらいでええんよ」
ネフィラは再び微笑んで俺の頭にポンポンと手を置くと、そのまま横を通り過ぎていった。
「ま、待ってくれネフィラ」
「……ん、何やシン。もしかして構ってほしいん?」
俺に呼び止められて振り返ったネフィラの表情は、先ほどの優しさが垣間見えたものとは違う、悪戯好きな悪魔のような悪い笑顔であった。
「……そういえば、ネルフィラの残骸はどうした?」
「ああ……気が付いたら手元から無くなってたんよ」
「無くなってたって……あんなのが道端に落ちてたらたまったもんじゃないぞ」
「まぁ不味かったし構わへんけどな。とにかく泣きたくなったり助けが必要になったら呼んでや? ウチの胸と手、貸したるから」
するとネフィラはニヤニヤと笑ったまま、胸元を俺に少しチラリと見せつけながらそう言った。
「……そうかよ」
「あ、今目逸らしたなぁ? フフ……恥ずかしいんやろ、ウチの生乳見るの」
「うるさい! 早くどっか行けよ!」
「呼び止めたり突き放したり……ようわからへんなぁ。ほな、またな~」
ネフィラは手を振ると、俺に背を向けて歩き出す。瞬きをした後には、既にその姿は無かった。まるでネフィラとのやりとりそのものが幻だったかのような、そんな気分になった。
「あっ、いた! 零にぃちゃーーん!」
暫くの静寂の後、遠くから聞き慣れた久遠の呼び声が聞こえてきて、俺は振り返る。俺を探していたのか、久遠はこちらに向かって走ってきている。
「……久遠」
考えてみれば、久遠はこの世界に転生した時は目が見えなかったんだよな。最初は俺が側にいないとまともに歩く事すら出来なかった……それを踏まえると、こうして俺を見つけて、誰の手も借りずに自分の足で走っている久遠の姿を見ると、ルィリアとリヒトは本当に凄い発明をしたんだなと思う。
「もー……はぁ、はぁ……この家広いから……はぁ、探すの大変だったんだからね!」
俺の元まで来ると、久遠は息を切らしながら怒った。
このルィリア邸は本当に広い。俺は方向音痴なのもあって、未だに部屋の配置や構造をイマイチ理解出来ていない……いや、考えてみれば俺達はこの家に来てまだ1週間も経っていないから、当たり前と言えるか。
「いやそれは本当に悪かったよ。で、なんかあったのか?」
「えっ、いや……特に、無いよ」
「え?」
「ただ零にぃちゃんが側にいてくれないと……私が不安になっちゃうから……そう! 昨日だって、本当に不安で押しつぶされそうだったんだから!」
「そうか……ひとまず戦いは終わったし、昨日離れてた分、今日はずっと側に居ような!」
「今日に限らず、いつもずっと一緒にいて!」
「ああ、わかった」
俺は頷いて、久遠に手を差し伸べる。すると久遠はぱぁ、と表情が明るくなって俺の手をぎゅっと両手で握ってきた。
「でも……これから何するの?」
「うーん……そういえば、ルィリアはどこにいるんだ?」
「ずっとシャーロットと部屋にこもってるみたいだよ」
「……」
「どうしたの零にぃちゃん?」
「いや……やっぱり、ルィリアは辛かったんだろうなって」
「何があったの……? 私、あまりわからなくて」
「突然死んだ恋人に、今度こそ別れを告げたんだよ……物凄く簡単に言うとな」
「そっか……良い話に聞こえるけど、別れを告げたって事は、もう2度と会えないって事だもんね」
「俺達の前では憑き物が取れたような顔してたけど、やっぱり心残りとか後悔とかはあったんだろうな」
一応、この世界には“空に浮かぶ星は死んだ者の魂”という考え方がある。だから夜になったらまた会えるよ、と慰める事は出来るのだが……そういう問題ではないのだ。
『ピンポンパンポーン。えー、レイ君。クオンちゃん。至急、大至急リビングに来てください。繰り返します、レイ君。クオンちゃん。至急、大至急リビングに来てください。来ないと泣きます。ワタクシ泣いちゃいます』
突如、ルィリア邸内にまるで構内アナウンスのように声が響き渡ってきた。この声はきっとルィリアだろう。
「リビングに来てって……何だろう?」
「来ないと泣くって、ほぼ行くの強制じゃないか」
「このまま行かずに泣かせるって行動も出来るよ」
「久遠……結構酷いこと言うな」
「冗談だよ! ほら、行こ!」
「ああ」
俺はルィリアに言われた通り、リビングに向かうべく歩き出す。
アナウンスで流れてきたルィリアの声は、いつものようにとても明るい声色をしていた。無理しているようにも見えなかったが……
「そっちじゃないよ零にぃちゃんっ!」
「え?」
——本当、この家は迷う。
しかし……シェリルが不倫をして躊躇なく俺を殴るようになってからは、その気持ちが日に日に揺らいでいった。あの男は手段こそ卑劣なものであったが、シェリルに対する愛は本物だった……と思う。
その純粋な愛を、早とちりしてしまったのだ。“どうせ手に入らないなら”と最初から諦めてしまって、代償を覚悟で悪魔と契約を交わした。
夫婦にとって一番の幸せは、子供が生まれる事。
つまり俺は悪魔の契約によって生まれた副産物であり、代償によって人を不幸にする為に生まれた存在なのだ。そう気付いてしまった俺は、しばらく立ったまま動けなかった。
「ど、どないしたん……?」
ネフィラは先程までとは打って変わって、心配するような表情で俺の顔を覗き込んだ。
「……なんでも、ない」
「何もない訳あらへんやろ? ほら、お姉さんに話してみぃ」
「——もし自分の生まれた理由が、誰かを不幸にする為だったとしたら……どうする?」
「うーん……あんま気にせぇへんかな。だってウチ、人喰い蜘蛛……“主人喰らいのネフィラ”やし」
ネフィラは少年のような無邪気な笑顔でそう返答した。
……質問する相手が悪かった。
コイツは人間の女の見た目をしているが、その正体は人を喰う事に何の躊躇いもない人喰い蜘蛛なのだ。大昔には“主人喰らいのネフィラ”という異名で恐れられていたらしい。
「アンタにちょっとでも期待した俺が馬鹿だった。悩む事が無くて楽そうだな、ネフィラは」
「む~っ、何か腹立つ言い方やなぁ。シンにはウチが何も考えず生きてるように見えるんか?」
「ああ、見える。蜘蛛は人間と違って、本能のままに生きて許される生き物だしな」
「……だからこそ、なんよ」
ネフィラは、俺の言葉に対して少し声のトーンを低くして寂しげな声色で答えた。
「え?」
「ウチな、自分が何で生まれて、何の為に存在しとるかようわからへんかった。わざわざ人間に擬態する能力を身につけて、言葉も覚えて……それでやる事が人間の捕食なんよ? 人間が支配してたこの世界で人間が主食の蜘蛛なんて、何の存在価値があんねん。ただ恐れられて終わりか、勇気ある人間に始末されて終わりやろ」
「……」
「せやからウチは……人々に恐れられる事が生きる理由やと思い込んで、人間に擬態して、人間に仕えるフリをして、最終的に喰らう……そんな生き方をしてた。“主人喰らいのネフィラ”なんて呼ばれ始めた頃は、何か嬉しかったんや。自分の生きる理由が分かったような気がしたから。最終的に封印されてしもうたけど……生きる理由を全う出来たから、悔いは無かったんよ」
その時のネフィラの表情は微笑んでいるようだったが……どこか寂しそうでもあった。そんな表情をする理由は、何となく理解出来た。
最後の最期まで、ネフィラは人々にとって恐怖の象徴……“主人喰らいのネフィラ”であり続けられた。
それからかなりの年月が経ち、ネルフィラによって復活を遂げた。しかしそこは、人々が“主人喰らいのネフィラ”という単語を忘れて、やがて長生きの老人ですら知らないくらいまでの年月が経過していた。
時というのは残酷だ。だから“主人喰らいのネフィラ”という単語を俺が知らなかった時、ショックを受けてその場にうずくまったのだろう。
「ネフィラ……」
「昔は本能のままに生きていても良かった。でも今はこの世界にはウチの異名を知る者も、それでウチを恐れる者も誰一人としておらん……生きる理由を失ってしもうたんよ。この世界を支配しとる今の奴らは、味が悪うなった。もう食う気にならへんし、“主人喰らいのネフィラ”の名を再び轟かす気も起きへん」
「……」
「せやから、今は絶賛生きる理由に悩んどる。復活した時代遅れな人喰い蜘蛛が、こんな世界でどう生きればええんやろってな」
「……なんか、悪かった。わかってたけど、やっぱり表面だけで判断するのは良くないな」
俺は思わず、謝ってしまった。
自分が誰かを不幸にする為に生まれてきたという事実に気付いてしまった時、この気持ちの行き場所が無かったのだ。無関係な第三者は心に寄り添った気になって、いくらでも言える。相談してもきっと、上辺だけのありきたりな言葉しか返ってこない。
だから話した所で無駄だと……いや、違う。ただ単純に、なんでもないと言って心配してほしかっただけなのかもしれない。勿論、自分が代償の副産物であり、誰かを不幸にする為に生まれてきたというのはキツい。でも現にネフィラのお陰でちょっと満足している自分が居る。
「構わへんよ。大体、生きる理由なんて大人になってもわからへんようなもんで悩む歳やないやろ」
「……」
「どう足掻いたって、今のシンは子供やろ? なら少しワガママなくらいでええんよ」
ネフィラは再び微笑んで俺の頭にポンポンと手を置くと、そのまま横を通り過ぎていった。
「ま、待ってくれネフィラ」
「……ん、何やシン。もしかして構ってほしいん?」
俺に呼び止められて振り返ったネフィラの表情は、先ほどの優しさが垣間見えたものとは違う、悪戯好きな悪魔のような悪い笑顔であった。
「……そういえば、ネルフィラの残骸はどうした?」
「ああ……気が付いたら手元から無くなってたんよ」
「無くなってたって……あんなのが道端に落ちてたらたまったもんじゃないぞ」
「まぁ不味かったし構わへんけどな。とにかく泣きたくなったり助けが必要になったら呼んでや? ウチの胸と手、貸したるから」
するとネフィラはニヤニヤと笑ったまま、胸元を俺に少しチラリと見せつけながらそう言った。
「……そうかよ」
「あ、今目逸らしたなぁ? フフ……恥ずかしいんやろ、ウチの生乳見るの」
「うるさい! 早くどっか行けよ!」
「呼び止めたり突き放したり……ようわからへんなぁ。ほな、またな~」
ネフィラは手を振ると、俺に背を向けて歩き出す。瞬きをした後には、既にその姿は無かった。まるでネフィラとのやりとりそのものが幻だったかのような、そんな気分になった。
「あっ、いた! 零にぃちゃーーん!」
暫くの静寂の後、遠くから聞き慣れた久遠の呼び声が聞こえてきて、俺は振り返る。俺を探していたのか、久遠はこちらに向かって走ってきている。
「……久遠」
考えてみれば、久遠はこの世界に転生した時は目が見えなかったんだよな。最初は俺が側にいないとまともに歩く事すら出来なかった……それを踏まえると、こうして俺を見つけて、誰の手も借りずに自分の足で走っている久遠の姿を見ると、ルィリアとリヒトは本当に凄い発明をしたんだなと思う。
「もー……はぁ、はぁ……この家広いから……はぁ、探すの大変だったんだからね!」
俺の元まで来ると、久遠は息を切らしながら怒った。
このルィリア邸は本当に広い。俺は方向音痴なのもあって、未だに部屋の配置や構造をイマイチ理解出来ていない……いや、考えてみれば俺達はこの家に来てまだ1週間も経っていないから、当たり前と言えるか。
「いやそれは本当に悪かったよ。で、なんかあったのか?」
「えっ、いや……特に、無いよ」
「え?」
「ただ零にぃちゃんが側にいてくれないと……私が不安になっちゃうから……そう! 昨日だって、本当に不安で押しつぶされそうだったんだから!」
「そうか……ひとまず戦いは終わったし、昨日離れてた分、今日はずっと側に居ような!」
「今日に限らず、いつもずっと一緒にいて!」
「ああ、わかった」
俺は頷いて、久遠に手を差し伸べる。すると久遠はぱぁ、と表情が明るくなって俺の手をぎゅっと両手で握ってきた。
「でも……これから何するの?」
「うーん……そういえば、ルィリアはどこにいるんだ?」
「ずっとシャーロットと部屋にこもってるみたいだよ」
「……」
「どうしたの零にぃちゃん?」
「いや……やっぱり、ルィリアは辛かったんだろうなって」
「何があったの……? 私、あまりわからなくて」
「突然死んだ恋人に、今度こそ別れを告げたんだよ……物凄く簡単に言うとな」
「そっか……良い話に聞こえるけど、別れを告げたって事は、もう2度と会えないって事だもんね」
「俺達の前では憑き物が取れたような顔してたけど、やっぱり心残りとか後悔とかはあったんだろうな」
一応、この世界には“空に浮かぶ星は死んだ者の魂”という考え方がある。だから夜になったらまた会えるよ、と慰める事は出来るのだが……そういう問題ではないのだ。
『ピンポンパンポーン。えー、レイ君。クオンちゃん。至急、大至急リビングに来てください。繰り返します、レイ君。クオンちゃん。至急、大至急リビングに来てください。来ないと泣きます。ワタクシ泣いちゃいます』
突如、ルィリア邸内にまるで構内アナウンスのように声が響き渡ってきた。この声はきっとルィリアだろう。
「リビングに来てって……何だろう?」
「来ないと泣くって、ほぼ行くの強制じゃないか」
「このまま行かずに泣かせるって行動も出来るよ」
「久遠……結構酷いこと言うな」
「冗談だよ! ほら、行こ!」
「ああ」
俺はルィリアに言われた通り、リビングに向かうべく歩き出す。
アナウンスで流れてきたルィリアの声は、いつものようにとても明るい声色をしていた。無理しているようにも見えなかったが……
「そっちじゃないよ零にぃちゃんっ!」
「え?」
——本当、この家は迷う。
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