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第三章 王都攻防編
ピンぼけ夫婦の奮闘⑪
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「では、最初はリリとララからお願いね」
「はい、奥様。私達は、色々なお店にコンテストに参加していただけるようお願いしてきました。ね、リリ」
「そうね。あの、とりあえず、飲食店は指示されていた五十店の参加が決定しています。あとは、貴族の方に化粧品を提供する化粧品を扱う商家が十店、あとは、絵描きの方が二十名、音楽家が二十組集めることができました。ただ、鍛冶屋の方々は参加数が集まっていません。始まる前にはなんとかします」
「あとは、冒険者の方にも集まってもらいました! 冒険者の方はおおよそ三百人くらいの方が集まりました。報告は以上になります!」
リリとララは報告を終えると、椅子に座る。
それを聞いていたドラは、その内容に驚きを隠せない。
「えっと、やるのは美魔女コンテストだけではないのかしら?」
「あら? 言っていませんでしたっけ? 王都コンテストは初日はミスターミスコンテストと美魔女コンテストを行う予定です。ミスター、ミスは二十代までの男女が、美魔女コンテストは三十代以上の方が対象になって美しさを競います。二日目は、絵と音楽の品評会です。絵は会場を作り飾り、音楽は順番に奏でてもらってどの音楽家が人気があるのか投票をしてもらいます。そして、三日目には冒険者の方による武闘大会を行う予定です。鍛冶屋の方には、武器を提供してもらいまた飾ってもらい一番を競い、冒険者の方もその武力を競います。優勝者には、ミスや美魔女コンテストの優勝者からの言葉などがあれば盛り上がるのではないでしょうか?」
「そんな大規模なものに……」
「ええ。では、ヘルムート様の報告を」
「はい、ただいま」
驚くドラを後目に懐疑は進んでいく。
次はヘルムートの番だ。
「概ねカトリーナ様とドラ様には伝わっていると思いますが、警備隊との調整、企画、進行、その他についてはすべて準備が整いました。あとは、参加者をどれだけ集められるかですね。宣伝活動は子供らが街中を練り歩き、どんどんと浸透しているところです。裏稼業の面々には、上納金をカトリーナ様に用意していただいたので全く軋轢はありません。むしろ協力をいただきスムーズに準備がすすんでいます」
「ええ。ですが、過激派の手がはいったものがなんらかの妨害を仕掛けてくる可能性はありますから警戒は怠らないでください。ただ、基本的には順調ですね。よかったです」
「遅れると怖い方が目の前におりますからね」
「全く。口の減らない」
ヘルムートとカトリーナはやや黒い笑みを浮かべて話している。
そしてカトリーナはドラへと話をふる。
「では、ドラ様。進捗の報告をよろしくお願いいたします」
「え、ええ。一応私も問題なく進んでおります。穏健派の美しさを自慢しているご令嬢やご婦人の方には声をかけております。必要数は集まるかと……。それと皆様もこのコンテストに参加した証が欲しいのか、援助金を預かっております。目録はこちらに」
「それは助かります! では、ヘルムート様。しっかりと援助していただいた家名を張り出すようにしてください。一番目立つところにしておきましょう」
「ええ。そこはしっかり用意していますからご安心を」
「じゃあ、次は、各日程の細かい打ち合わせを――」
皆で報告をし、検討事項を話し合い、あっという間に時間は過ぎていった。
その帰り道、ドラはカトリーナと馬車に乗っていた。
会議の内容やその時の様子を雑談交じりに話すカトリーナだったが、ドラはどこかぼんやりといていた。
そんなドラを不思議に思ったカトリーナは、頃合いをみて問いかける。
「あの、ドラ様」
「はい。どうしました?」
「何か、気になることはありましたか? あまり、ご気分がすぐれないようですから」
その言葉を受けたドラは儚げに微笑んだ。
「あなたの見えている景色はどのようなものなのでしょうね」
「景色……ですか?」
「ええ。私はカトリーナ様の話を聞いた時はこのような大きなことになるとは思っておりませんでした。それがたったこれだけの人数で、王都中を巻き込むコンテストを企画して……あなたにはどんな光景が見えているのか、それが不思議でなりません」
「ドラ様……」
俯いたドラは、さらにぽつりと言葉をこぼす。
「私は、穏健派の貴族を虚勢をはってまとめるだけで精一杯でしたから」
「それは違います!」
ドラの言葉に、カトリーナはすかさず口を挟んだ。
「ドラ様の手腕がなければ貴族達はまとまりませんし、このコンテストの企画だってここまで大きいものにはなりませんでした。私は、ドラ様にたくさん助けられていますよ?」
「そうね、あなたはそういう人だものね」
「それに、ドラ様が協力してくれたからこその美魔女コンテストですよ!? 私はドラ様に会わなければお持ちつきませんでしたから。今だって、いつかドラ様のような美しい方になりたいと憧れております」
「口は本当に達者なんだから」
そういって微笑みあう二人。
カトリーナはなぜだかうれしくなり、饒舌に語りはじめる。
「きっと、このコンテストで王都は変わります。人が集まり、お金が集まり、文化が集まり……。そして優秀な方がたくさん集まる王都はますます発展していくことでしょう。それにより、穏健派の貴族達はさらなる発展を遂げ、いつかはこの王都を牛耳るのです。殿下を筆頭に、もっとずっと大きくなっていきますよ。あ、もちろん優秀な方はラフォン家がさっさと召し抱えさせていただきますからね!」
「……カトリーナ様」
「このようなコンテストを毎年企画して、それ以外にもやりたいことがたくさんあるんです! 公爵夫人としての責務はまだ果たせていませんが、これから先、王都はもっと住みやすく、もっと素敵な街になっていきますよ!」
満面の笑みでそう語るカトリーナ。ドラは、その笑顔をみてごくりと唾を飲み込んだ。
「カトリーナ様。あなたは今以上にまだ何かを生み出すというのですか?」
「ええ! これは始まりにすぎません! すべてはここから始まるんです!」
そんな大言壮語といってもいいくらいの言葉だが、ドラは否定できなかった。
きっと、この女性ならば、という期待を持たずにはいられない。
(カトリーナ様は、この国をきっと変えるのでしょうね)
そんな感想を抱くのだった。
「はい、奥様。私達は、色々なお店にコンテストに参加していただけるようお願いしてきました。ね、リリ」
「そうね。あの、とりあえず、飲食店は指示されていた五十店の参加が決定しています。あとは、貴族の方に化粧品を提供する化粧品を扱う商家が十店、あとは、絵描きの方が二十名、音楽家が二十組集めることができました。ただ、鍛冶屋の方々は参加数が集まっていません。始まる前にはなんとかします」
「あとは、冒険者の方にも集まってもらいました! 冒険者の方はおおよそ三百人くらいの方が集まりました。報告は以上になります!」
リリとララは報告を終えると、椅子に座る。
それを聞いていたドラは、その内容に驚きを隠せない。
「えっと、やるのは美魔女コンテストだけではないのかしら?」
「あら? 言っていませんでしたっけ? 王都コンテストは初日はミスターミスコンテストと美魔女コンテストを行う予定です。ミスター、ミスは二十代までの男女が、美魔女コンテストは三十代以上の方が対象になって美しさを競います。二日目は、絵と音楽の品評会です。絵は会場を作り飾り、音楽は順番に奏でてもらってどの音楽家が人気があるのか投票をしてもらいます。そして、三日目には冒険者の方による武闘大会を行う予定です。鍛冶屋の方には、武器を提供してもらいまた飾ってもらい一番を競い、冒険者の方もその武力を競います。優勝者には、ミスや美魔女コンテストの優勝者からの言葉などがあれば盛り上がるのではないでしょうか?」
「そんな大規模なものに……」
「ええ。では、ヘルムート様の報告を」
「はい、ただいま」
驚くドラを後目に懐疑は進んでいく。
次はヘルムートの番だ。
「概ねカトリーナ様とドラ様には伝わっていると思いますが、警備隊との調整、企画、進行、その他についてはすべて準備が整いました。あとは、参加者をどれだけ集められるかですね。宣伝活動は子供らが街中を練り歩き、どんどんと浸透しているところです。裏稼業の面々には、上納金をカトリーナ様に用意していただいたので全く軋轢はありません。むしろ協力をいただきスムーズに準備がすすんでいます」
「ええ。ですが、過激派の手がはいったものがなんらかの妨害を仕掛けてくる可能性はありますから警戒は怠らないでください。ただ、基本的には順調ですね。よかったです」
「遅れると怖い方が目の前におりますからね」
「全く。口の減らない」
ヘルムートとカトリーナはやや黒い笑みを浮かべて話している。
そしてカトリーナはドラへと話をふる。
「では、ドラ様。進捗の報告をよろしくお願いいたします」
「え、ええ。一応私も問題なく進んでおります。穏健派の美しさを自慢しているご令嬢やご婦人の方には声をかけております。必要数は集まるかと……。それと皆様もこのコンテストに参加した証が欲しいのか、援助金を預かっております。目録はこちらに」
「それは助かります! では、ヘルムート様。しっかりと援助していただいた家名を張り出すようにしてください。一番目立つところにしておきましょう」
「ええ。そこはしっかり用意していますからご安心を」
「じゃあ、次は、各日程の細かい打ち合わせを――」
皆で報告をし、検討事項を話し合い、あっという間に時間は過ぎていった。
その帰り道、ドラはカトリーナと馬車に乗っていた。
会議の内容やその時の様子を雑談交じりに話すカトリーナだったが、ドラはどこかぼんやりといていた。
そんなドラを不思議に思ったカトリーナは、頃合いをみて問いかける。
「あの、ドラ様」
「はい。どうしました?」
「何か、気になることはありましたか? あまり、ご気分がすぐれないようですから」
その言葉を受けたドラは儚げに微笑んだ。
「あなたの見えている景色はどのようなものなのでしょうね」
「景色……ですか?」
「ええ。私はカトリーナ様の話を聞いた時はこのような大きなことになるとは思っておりませんでした。それがたったこれだけの人数で、王都中を巻き込むコンテストを企画して……あなたにはどんな光景が見えているのか、それが不思議でなりません」
「ドラ様……」
俯いたドラは、さらにぽつりと言葉をこぼす。
「私は、穏健派の貴族を虚勢をはってまとめるだけで精一杯でしたから」
「それは違います!」
ドラの言葉に、カトリーナはすかさず口を挟んだ。
「ドラ様の手腕がなければ貴族達はまとまりませんし、このコンテストの企画だってここまで大きいものにはなりませんでした。私は、ドラ様にたくさん助けられていますよ?」
「そうね、あなたはそういう人だものね」
「それに、ドラ様が協力してくれたからこその美魔女コンテストですよ!? 私はドラ様に会わなければお持ちつきませんでしたから。今だって、いつかドラ様のような美しい方になりたいと憧れております」
「口は本当に達者なんだから」
そういって微笑みあう二人。
カトリーナはなぜだかうれしくなり、饒舌に語りはじめる。
「きっと、このコンテストで王都は変わります。人が集まり、お金が集まり、文化が集まり……。そして優秀な方がたくさん集まる王都はますます発展していくことでしょう。それにより、穏健派の貴族達はさらなる発展を遂げ、いつかはこの王都を牛耳るのです。殿下を筆頭に、もっとずっと大きくなっていきますよ。あ、もちろん優秀な方はラフォン家がさっさと召し抱えさせていただきますからね!」
「……カトリーナ様」
「このようなコンテストを毎年企画して、それ以外にもやりたいことがたくさんあるんです! 公爵夫人としての責務はまだ果たせていませんが、これから先、王都はもっと住みやすく、もっと素敵な街になっていきますよ!」
満面の笑みでそう語るカトリーナ。ドラは、その笑顔をみてごくりと唾を飲み込んだ。
「カトリーナ様。あなたは今以上にまだ何かを生み出すというのですか?」
「ええ! これは始まりにすぎません! すべてはここから始まるんです!」
そんな大言壮語といってもいいくらいの言葉だが、ドラは否定できなかった。
きっと、この女性ならば、という期待を持たずにはいられない。
(カトリーナ様は、この国をきっと変えるのでしょうね)
そんな感想を抱くのだった。
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