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1 平凡な日々
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ある田舎の町で、子どもたちが町から離れた森の近くで遊んでいた。
「なあ、この森にある小さな家って知ってるか?」
ボールを蹴っていた少年が、近くの植物を観察していた少年に話しかける。
「ああ、知ってるよ」
観察をやめた少年は、尋ねてきた彼に体を向ける。
「あの家に住んでるの魔女かもしれないぜ?」
「いいや、違うね。普通の人だよ。だって、地味な人があそこに出入りしてたって聞いたもん!」
「えー、そうなんだ。じゃあ魔女じゃないか。だって魔女は綺麗だからな」
「でしょ?そんなことはもういいからさ、あっちに行ってみようよ!珍しい植物があるかもしれないから!」
「はあ?そんなのあるわけないだろ」
「いいから!」
子どもたちは、じゃれ合いながらこの場を離れていった。
(……はあ、気まずい)
木の陰から、黒髪の平凡そうな娘がでてくる。
そう、彼女こそが先程の話題に出ていた魔女だ。薬草を摘みに出かけて、ばったりと子どもたちが話している場に出くわしてしまったのだ。
(最近の子どもは美醜に造詣が深いのか……)
子どもたちの美的感覚がすくすくと養われていることに感心する。それと同時に、他人に噂されることの居心地の悪さを感じた。
容姿の地味さは、前世から引き継いだものであるため特に何も思わない。まあ、前世といっても大層なものじゃない。これまでに、前世の記憶が役に立ったことは全くないから。ただ精神年齢が上になるということくらいだ。
「あっ、薬草」
摘まなければならない薬草を思い出す。
採集に集中していると、さっきまでの気まずさは自然と消えていった。
「あらっ!あなた、もう薬ができたの?」
薬草を採取した翌日、以前に作っていたものを薬屋へ納品しに行った。
そこの店主は、彼女の来訪に驚いているようだった。
「はい、こちらです」
すぐにでも帰りたいのか、彼女はソワソワしながら薬を渡す。
「ありがたいわ~。最近、薬の仕入れが難しくなってるのよ」
ビンに入れられた薬を受け取りながら、薬屋の店主は困ったように言う。
「そうですか……」
この魔女、人との会話が苦手なのか。
会話をつなげようとする意志がみられない。被っているフードをより深く被りだした。おそらく、これ以上話したくないのだろう。
「そうなのよー、だから今後も仲良くしてちょうだいね」
会話を切り上げてくれた店主は、去り際にウィンクを残していった。
「……」
反応に困った彼女は、そのウィンクを見なかったことにした。
薬屋を出て、いつものように食料の買い出しに行く。
買うものは決まっているから迷わない。
「あら、今度はその果物にハマったのね」
「ちゃんとバランスよく食べるんだぞ。このレバーはどうだ?」
八百屋の女将と肉屋の店主に声を掛けられるという試練はあったものの、無事に買い出しも終えた。あとは帰るだけだ。
(やっと帰れる……)
数時間しか外に出ていないにも関わらず、彼女は疲労困憊だ。
これは体力的にではなく、精神的に消耗しているようだ。
(人が多いところは、いつまでたっても慣れない……)
ゲッソリとした顔をしながら道を歩いていると、見慣れない小綺麗な馬車を見つけた。この田舎の町ではとても珍しい光景だったが、彼女の頭は家に帰りたいという思いでいっぱいだったため特に記憶に残らなかった。
太陽が空の真上に昇った頃。
重い荷物を運びながらも、速足で帰宅した。
その後、すぐにお風呂に入る。そして、お風呂から出るやいなやベッドにダイブした。
彼女はどうやら昨夜は夜更かしをしたようだ。
買った食料は放置されているが、冬を越したばかりのこの時期なら特に問題はないだろう。いろいろと面倒臭がりの彼女にとっては、このくらい普通のことだった。
夜。
(お腹すいた)
変な時間に寝てしまった。空腹と十分な睡眠のせいで、もう眠れそうにない。八百屋で買った果物をつまみながら、薬のストックを作ることにする。
コンコンッ
「ん?」
寝室から出ると、玄関のドアを叩く音が聞こえた。
もしかすると、薬を早急に必要とした人がまた来たのかもしれない。最近、こうした人が多くなっているのは、今日の薬屋の店主の話が関係しているんだと思う。
ガチャ
「……どうされまし」
ドアを開けた瞬間、思考が停止した。
目の前には薬を必要としていなさそうな人物が立っていた。
騎士である。
服の生地は、素人の私でもわかるくらい高級そうだ。
極めつけは腕についている紋章だ。
(この紋章は、王宮に所属している……)
つまり、普段こんな田舎にくるはずのないエリート騎士だということだ。
面倒事の香りがする。
(勘弁してほしい)
その騎士はこちらの気持ちもお構いなく、堂々と尋ねる。
「貴殿は魔女殿だろうか」
「違います」
人生史上、もっとも真っ直ぐな声がでる。
とても嘘をついているようには思えない声だ。
「そうか……」
「………」
「「……………」」
沈黙がその場を支配する。
根負けするのは騎士か、それとも魔女か。
「……とりあえず上がってください」
魔女が持久戦にもちこむことにしたようだ。
騎士もそれに従って、この小さな家の中に入っていく。
体を屈めながらドアをくぐる姿は、多少の愛嬌があった。
「では、まずどうして魔女を探しているのかを言ってください」
真剣な様子で、騎士を見据える魔女。
「……それはいいんだが、どうしてそんなに離れているんだ」
騎士が座っている椅子の前には机がある。その机をまたいだ所に椅子があるのだが、そこに魔女はいない。そこからさらに離れた場所、部屋の隅に腕を組んで立っている。そこに魔女の威厳はない。
「気にしないでください」
「いや、そのフードもさっきまで被ってなかっただろう……」
外套のフードも被り、臨戦態勢の魔女に疑問を抱く騎士。
魔女は話を強行するようだ。
「とにかく、理由を言ってください」
普段のコミュニケーションの低さからは想像できないほどの強気さだ。もしかすると、彼女の脳内にはアドレナリンが溢れているのかもしれない。一種の覚醒状態といってもいいだろう。
「……わかった」
この騎士、意外と押しに弱いのか、疑問しかない魔女の言い分に従った。もしくは、このツッコミどころしかない状況になにも感じない天然なのかもしれない。
いずれにせよ、この奇妙な空間で彼らは会話をするようだ。
「私は王命で魔女を王都へ連れて行かなければならない」
騎士は淡々と言う。とっつきにくい感じがする。
さらに、姿勢を正して座っている様は、より近寄りがたい人にみえてしまう。
「……どうして魔女を?」
「それを私が知る必要はない」
お堅い騎士のようだ。命令に忠実で、下手な詮索をしないし疑問ももたない。こういう人を説得することはほぼ不可能だ。私の対人スキルがそう言っている。私の最弱の対人スキルがね!
「そうですか。生憎、私は魔女を見たことがないのでお力になれませんね」
まあ、嘘ではない。私以外の魔女は見たことがないから。卑怯なことを言っている自覚はある。しかし、それ以上に面倒なことはいやだ。
「それは問題ない。貴殿はこれを見てくれさえすればいい」
そう言って騎士は手を前に出すと、掌を上に向けた。
フワン
彼の手の上には、桜の花びらが舞っていた。
一部の風景が切り取られたように、彼の手の上に存在している。
(この世界に、桜があったの……?)
騎士の見せるものに困惑する。
どう反応するのが正解なのかわからない。
「何か見えるか」
騎士が聞いてくる。
その声に彼女は、はっとする。これはもしや魔女を判別するためのものではないか、と。そして、こういう質問のしかたはイエスと答えたら連行される場合が多い。(個人の統計上)
「いいえ?何も」
声色はなんとか取り繕ったが、心臓は激しく脈打つ。
前世の頃から、嘘をつくのは苦手だった。だいたいすぐバレたから。
「そうか……。失礼したな、私の用件はこれで終わりだ」
ここでは騙さてくれる人がいたようだ。
騎士は椅子から立ち上がり、玄関へ向かう。
「お気を付けてお帰りください」
今までの愛想のなさがうそのように、ウキウキで騎士を見送る。心なしか、周囲に花のエフェクトがとんでいるように見える。
「……失礼する」
物言いたげな顔をしながらも、騎士は月明かりを頼りに帰っていった。
(よし、面倒事を回避!)
やりきったという達成感を味わいながら、その勢いで薬窯のある作業部屋に行く。
今夜は薬作りがはかどりそうだ。
その時の彼女は、翌日にまた来訪があるとは思いもしなかった。
「なあ、この森にある小さな家って知ってるか?」
ボールを蹴っていた少年が、近くの植物を観察していた少年に話しかける。
「ああ、知ってるよ」
観察をやめた少年は、尋ねてきた彼に体を向ける。
「あの家に住んでるの魔女かもしれないぜ?」
「いいや、違うね。普通の人だよ。だって、地味な人があそこに出入りしてたって聞いたもん!」
「えー、そうなんだ。じゃあ魔女じゃないか。だって魔女は綺麗だからな」
「でしょ?そんなことはもういいからさ、あっちに行ってみようよ!珍しい植物があるかもしれないから!」
「はあ?そんなのあるわけないだろ」
「いいから!」
子どもたちは、じゃれ合いながらこの場を離れていった。
(……はあ、気まずい)
木の陰から、黒髪の平凡そうな娘がでてくる。
そう、彼女こそが先程の話題に出ていた魔女だ。薬草を摘みに出かけて、ばったりと子どもたちが話している場に出くわしてしまったのだ。
(最近の子どもは美醜に造詣が深いのか……)
子どもたちの美的感覚がすくすくと養われていることに感心する。それと同時に、他人に噂されることの居心地の悪さを感じた。
容姿の地味さは、前世から引き継いだものであるため特に何も思わない。まあ、前世といっても大層なものじゃない。これまでに、前世の記憶が役に立ったことは全くないから。ただ精神年齢が上になるということくらいだ。
「あっ、薬草」
摘まなければならない薬草を思い出す。
採集に集中していると、さっきまでの気まずさは自然と消えていった。
「あらっ!あなた、もう薬ができたの?」
薬草を採取した翌日、以前に作っていたものを薬屋へ納品しに行った。
そこの店主は、彼女の来訪に驚いているようだった。
「はい、こちらです」
すぐにでも帰りたいのか、彼女はソワソワしながら薬を渡す。
「ありがたいわ~。最近、薬の仕入れが難しくなってるのよ」
ビンに入れられた薬を受け取りながら、薬屋の店主は困ったように言う。
「そうですか……」
この魔女、人との会話が苦手なのか。
会話をつなげようとする意志がみられない。被っているフードをより深く被りだした。おそらく、これ以上話したくないのだろう。
「そうなのよー、だから今後も仲良くしてちょうだいね」
会話を切り上げてくれた店主は、去り際にウィンクを残していった。
「……」
反応に困った彼女は、そのウィンクを見なかったことにした。
薬屋を出て、いつものように食料の買い出しに行く。
買うものは決まっているから迷わない。
「あら、今度はその果物にハマったのね」
「ちゃんとバランスよく食べるんだぞ。このレバーはどうだ?」
八百屋の女将と肉屋の店主に声を掛けられるという試練はあったものの、無事に買い出しも終えた。あとは帰るだけだ。
(やっと帰れる……)
数時間しか外に出ていないにも関わらず、彼女は疲労困憊だ。
これは体力的にではなく、精神的に消耗しているようだ。
(人が多いところは、いつまでたっても慣れない……)
ゲッソリとした顔をしながら道を歩いていると、見慣れない小綺麗な馬車を見つけた。この田舎の町ではとても珍しい光景だったが、彼女の頭は家に帰りたいという思いでいっぱいだったため特に記憶に残らなかった。
太陽が空の真上に昇った頃。
重い荷物を運びながらも、速足で帰宅した。
その後、すぐにお風呂に入る。そして、お風呂から出るやいなやベッドにダイブした。
彼女はどうやら昨夜は夜更かしをしたようだ。
買った食料は放置されているが、冬を越したばかりのこの時期なら特に問題はないだろう。いろいろと面倒臭がりの彼女にとっては、このくらい普通のことだった。
夜。
(お腹すいた)
変な時間に寝てしまった。空腹と十分な睡眠のせいで、もう眠れそうにない。八百屋で買った果物をつまみながら、薬のストックを作ることにする。
コンコンッ
「ん?」
寝室から出ると、玄関のドアを叩く音が聞こえた。
もしかすると、薬を早急に必要とした人がまた来たのかもしれない。最近、こうした人が多くなっているのは、今日の薬屋の店主の話が関係しているんだと思う。
ガチャ
「……どうされまし」
ドアを開けた瞬間、思考が停止した。
目の前には薬を必要としていなさそうな人物が立っていた。
騎士である。
服の生地は、素人の私でもわかるくらい高級そうだ。
極めつけは腕についている紋章だ。
(この紋章は、王宮に所属している……)
つまり、普段こんな田舎にくるはずのないエリート騎士だということだ。
面倒事の香りがする。
(勘弁してほしい)
その騎士はこちらの気持ちもお構いなく、堂々と尋ねる。
「貴殿は魔女殿だろうか」
「違います」
人生史上、もっとも真っ直ぐな声がでる。
とても嘘をついているようには思えない声だ。
「そうか……」
「………」
「「……………」」
沈黙がその場を支配する。
根負けするのは騎士か、それとも魔女か。
「……とりあえず上がってください」
魔女が持久戦にもちこむことにしたようだ。
騎士もそれに従って、この小さな家の中に入っていく。
体を屈めながらドアをくぐる姿は、多少の愛嬌があった。
「では、まずどうして魔女を探しているのかを言ってください」
真剣な様子で、騎士を見据える魔女。
「……それはいいんだが、どうしてそんなに離れているんだ」
騎士が座っている椅子の前には机がある。その机をまたいだ所に椅子があるのだが、そこに魔女はいない。そこからさらに離れた場所、部屋の隅に腕を組んで立っている。そこに魔女の威厳はない。
「気にしないでください」
「いや、そのフードもさっきまで被ってなかっただろう……」
外套のフードも被り、臨戦態勢の魔女に疑問を抱く騎士。
魔女は話を強行するようだ。
「とにかく、理由を言ってください」
普段のコミュニケーションの低さからは想像できないほどの強気さだ。もしかすると、彼女の脳内にはアドレナリンが溢れているのかもしれない。一種の覚醒状態といってもいいだろう。
「……わかった」
この騎士、意外と押しに弱いのか、疑問しかない魔女の言い分に従った。もしくは、このツッコミどころしかない状況になにも感じない天然なのかもしれない。
いずれにせよ、この奇妙な空間で彼らは会話をするようだ。
「私は王命で魔女を王都へ連れて行かなければならない」
騎士は淡々と言う。とっつきにくい感じがする。
さらに、姿勢を正して座っている様は、より近寄りがたい人にみえてしまう。
「……どうして魔女を?」
「それを私が知る必要はない」
お堅い騎士のようだ。命令に忠実で、下手な詮索をしないし疑問ももたない。こういう人を説得することはほぼ不可能だ。私の対人スキルがそう言っている。私の最弱の対人スキルがね!
「そうですか。生憎、私は魔女を見たことがないのでお力になれませんね」
まあ、嘘ではない。私以外の魔女は見たことがないから。卑怯なことを言っている自覚はある。しかし、それ以上に面倒なことはいやだ。
「それは問題ない。貴殿はこれを見てくれさえすればいい」
そう言って騎士は手を前に出すと、掌を上に向けた。
フワン
彼の手の上には、桜の花びらが舞っていた。
一部の風景が切り取られたように、彼の手の上に存在している。
(この世界に、桜があったの……?)
騎士の見せるものに困惑する。
どう反応するのが正解なのかわからない。
「何か見えるか」
騎士が聞いてくる。
その声に彼女は、はっとする。これはもしや魔女を判別するためのものではないか、と。そして、こういう質問のしかたはイエスと答えたら連行される場合が多い。(個人の統計上)
「いいえ?何も」
声色はなんとか取り繕ったが、心臓は激しく脈打つ。
前世の頃から、嘘をつくのは苦手だった。だいたいすぐバレたから。
「そうか……。失礼したな、私の用件はこれで終わりだ」
ここでは騙さてくれる人がいたようだ。
騎士は椅子から立ち上がり、玄関へ向かう。
「お気を付けてお帰りください」
今までの愛想のなさがうそのように、ウキウキで騎士を見送る。心なしか、周囲に花のエフェクトがとんでいるように見える。
「……失礼する」
物言いたげな顔をしながらも、騎士は月明かりを頼りに帰っていった。
(よし、面倒事を回避!)
やりきったという達成感を味わいながら、その勢いで薬窯のある作業部屋に行く。
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