その腕に囚われて

禎祥

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18、好きだ *(side 真)

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 突く度に嬌声を上げるリオは完全に理性を失っているようで、俺の腰に足を絡めてくる。
 それが抱きしめられているかのようで、俺を求めてくれているようで嬉しい。
 一方で俺は一度イったことで少しだけ余裕も出てくる。

「好きだよ、リオ。好きだ。愛してる」
「あっ……ふ、ぁっ」

 リオの口からはただ甘い吐息だけが漏れる。
 リオは今どう思っているんだろう?
 好きでもない男に無理矢理恋人にされて、体を開かれて。
 感じてくれてるってことは、少しは期待しても良いのかな?
 あの文京と名乗る男から感じた敵意から察するに、幼馴染に恋人だと紹介してくれたというよりは、俺が脅迫して恋人になることを強要したことを相談したんだろう。

「好きだ」
「ああっ!」

 腰を動かしながら、耳元で囁く。
 リオは顔を赤らめてただただ喘ぐだけ。当然ながら「俺も好き」とは返してくれない。
 また堰き止めて好きと言わせれば言ってくれそうな気もするけど、それはさすがに虚しい。
 首筋にキスを落としながら、乳首を指で愛撫する。

「ふ、ぁっ……」

 身体を重ねて知ったことは、リオはだいぶ感じやすいということ。
 けれど、まだ後ろだけじゃイけないし、乳首もそこだけだと反応は微妙。
 こうして繋がった状態でリオの気持良い所を刺激しながらだと、乳首でも甘い声を出してくれる。

「あぁっ、んっ……ふっ」

 今の所、突起を摘まむよりは乳輪を優しく撫でたり、先端を圧し潰すように転がすのが気持ち良いみたいだ。
 刺激に合わせて中が収縮する。

「あっ、シン、もっ」
「もっと?」
「ちがっ……あああっ!」

 違うとわかっているけれど、つい意地悪をしたくなる。
 ポロリと涙を溢しながら絶頂に達するリオはとても可愛い。
 年上のリオが俺の愛撫でこうなっていると思うと、とても興奮する。

「くっ、出すよ、リオ」
「あっ、やぁっ、あぁっ」

 ピストンを早め奥に出すと、リオもビクビクと震える。
 繋がった楔は抜かないまま、気怠さに抗いながらリオの拘束を解く。
 リオは放心しているのか、ぼんやりとしたまま動かない。
 俺は横になると、リオを抱き寄せた。

「ん、ぅ……」

 中が刺激されたのか、リオがピクリと反応する。
 リオを後ろから抱きしめる体勢で、細い首筋にキスを落とす。強く吸うと、赤く俺のものだという証がついた。

「好きだ、リオ。好き」
「あっ、わかった、から、ぬい、てぇっ」

 耳まで真っ赤にしながら、リオは俺の腕を解こうとする。
 嫌だと囁き少しだけ腕に力を籠める。それだけで抵抗が叶わなくなるリオの非力さが可愛い。
 しつこいくらい好きだと繰り返し、合間に首筋へとキスを落とししながら胸を愛撫する。

「ね、リオ。どうしたら俺のこと好きになってくれる?」
「わ、かんな、あぁっ、んっ」

 手で胸を刺激しているだけだが、リオはそれで感じてくれているらしく腰が揺れ始める。
 繋がったままの俺の肉棒が刺激されてまた硬度が増していく。
 ただ肌を重ねているだけでも、リオへの愛しさが募っていく。
 リオも同じだけ俺を愛せとは言わないけれど、少しくらいは好きになってくれると良いのに。

「それ、やぁっ」
「ん? どれのこと?」
「むね、さわ、るの、やぁっ」
「感じすぎちゃうの? リオ、女の子みたいだね。可愛い」

 いやいやと首を振るリオ。
 きっと胸への刺激だけじゃイけなくてもどかしいのだろう。腰が強請るように揺れている。
 まぁ、わかっていてやっているんだけど。
 胸だけでイけるようになる頃には、きっと俺なしじゃいられない体になっていると期待して。

「ね、リオ。少し話をしない?」
「ん、ふっ……ぇ?」

 俺はリオへの愛撫をピタリとやめ、ギュッと抱きしめる。
 思えば、この半年でリオのことは何でも知っているつもりになっていたけれど、実際にはほとんど何も知らない。
 俺が知っているのは、リオの生活パターンと食の好み、それと、リオが快感に弱いということくらいだ。

「リオは、何人兄弟? 俺はね、一人っ子。両親は子供の頃に離婚していて、一人暮らしするまでは母親と暮らしてたけど、守の家に預けられることが多かった」
「……兄弟は、いない」

 刺激が止んだことで少し呼吸を整えたリオが、返事をしてくれた。
 そうか、同じ一人っ子か。ちょっと嬉しい。
 文京とかいう男がリオを弟分だと言っていたな。実際兄弟のような関係だったのだろう。
 リオは年上なのにどこか放っておけない雰囲気で、どちらかというと末っ子な印象だった。

「実家はどの辺?」
「……G県、の、北の方」
「ずいぶん遠いんだ!」

 寸止め状態だからか、少しだけ困ったような声色でリオが答える。
 それでも、俺が色々聞くとポツポツと話してくれた。
 文京とは幼稚園から、文京の妻とは小学生の頃からの付き合いで大学進学時に三人ともこっちに来たのだそうだ。
 文京とリオの間に、俺が割り込めない雰囲気があったのはそのせいか。俺もリオともっと早くに出会いたかった。

 俺も自分について語った。リオは興味ないかもしれないけど、俺のことを知ってくれればそれだけ俺を好きになってくれるポイントがあるかもしれないし。
 名前しか知らない人、じゃいつまで経っても好きになんてなってもらえないからね。
 俺がリオをますます好きになったように、リオも少しくらい俺のこと気にしてくれたら良いなぁ。

「も、良いだろ? 抜いて……」
「ん? もうちょっとだけ……ね?」
「あっ、そんな、急に……」

 話しているうちにリオのは萎えていたが、挿れっぱなしの俺はまだ硬いままで。
 抜かないまま体を起こして座位になると、思い切り突き上げた。
 前立腺より少し奥、リオが感じるポイント(たぶん精嚢だと思う)を意識して突いてやると、すぐにリオのも勃ってくる。

「や、あっ、あぁっ、あっ!」
「リオ、好きだ」
「ぅんっ……!」

 好きだと耳元に囁くと、締まりが良くなる。
 今日だけで何度言っただろう。少しは俺の気持ち、届くと良いな。
 ビクビクと痙攣して、リオは達すると同時に気を失ってしまった。

 さすがにこれ以上は明日に響くと思い、リオを浴室に運ぶ。
 中に出した物を搔き出して綺麗にしようとすると、リオは指の動きに合わせて甘い吐息を漏らす。意識があるときにやってあげたらどんな顔をするだろう。
 少しだけ反応したリオのモノを扱いてやる間もリオは目を覚まさず、ほとんど透明に近い射精をした。

「愛してるよ、リオ」

 服を着せ整えたベッドにリオを寝かせる。
 ちゅ、と音を立てて軽く口付ける。また少しムラムラしてしまったけど、我慢我慢。

「まだお店開いてるかな?」

 夕日が差し込む窓を見ながら、俺は手早くリオのための家事を済ませる。
 さっきリオとの情事中に思いついた素敵なアイディアを実行するために、俺は足早に街へと繰り出した。
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