2 / 27
きのこ
しおりを挟む
目が覚めると、地面に埋まってた。
視界が異様に低く、地面が口に当たるのだ。地面に対して垂直だから、寝転んだ体勢のわけではない。スッポリと地面の中に全身埋められていて、顔だけ出ている状態だ。
ほんの少しだけ動く首で左右を見渡すが、どちらを向いても木と草しか視界に入ってこない。
森?山?今いる場所がわからない。ココハドコデスカ…。
えっ?何で?何かの事件に巻き込まれた?!
一瞬フリーズしちゃったよ!
「だ、誰か!助けてください!」
応えてくれる人がいるわけでもなく。そうだよな、こんな場所で誰か都合よく通りかかるわけないよな。
ジタバタ手を動かしてたら、土があまり固くなかったみたいで自力で脱出できた。
さて、人里はどっちだろう?どっちを見ても木しかない。道もない。
「う~ん…」
取り敢えず、太陽に向かって歩いてみるか。
てくてく。てくてく。
けっこう歩いたけど、不思議なことに疲れを感じず。
ふいに右のほうからチカッと光が見えた。
「何だろう?人家かな?行ってみよう!」
「しっかし、ここどこなん?何で俺埋められてたん?夕べ何してたっけ?」
独り言が増えたけど、こんな誰もいない場所だし仕方ないよね!?
確か、昨日は仕事から帰って、風呂入って、クイズ番組で珍解答出しまくるおバカタレントにダメ出ししながらビール飲んで…うん、家で寝たはずなんだけど。
「あと、さっきから俺の気のせいじゃなければ、いつもより視線が低いような…。」
まさかね。縮むとかあるわけないない。どっかのコ●ンくんじゃあるまいし。きっと周りの木がとんでもなく大きいだけ!
ブツブツ言いながら歩いてたら、とうとう開けた場所に出た。
結論から言おう。人家じゃなかった。湖だ。湖面に太陽が反射してキラキラしてた。昔修学旅行で行った琵琶湖ぐらい大っきい。
「でも琵琶湖じゃねぇな。じゃぁどこだ?北海道か?まさか日本じゃないなんてことは…」
ふと湖面にあり得ないものが見えた。思わず二度見。
目に映ったものが信じられず、三度見。
ピコピコ手を振ってみる。
間違いない。俺だ。
「…何っじゃこりゃああああああああああ!!!」
そこに見えたのは、どう見てもきのこ。スーパーの野菜売り場に並んでいるのを見たことがある。あれだ、エリンギ。それに手足と顔がくっついた、今にも歌い出しそうなあのホ●トのCMそっくりの珍妙な二足歩行のきのこ。サイズは俺の方が超でけぇけど。
え、マジで何コレ?誰か説明プリーズ!!
視界が異様に低く、地面が口に当たるのだ。地面に対して垂直だから、寝転んだ体勢のわけではない。スッポリと地面の中に全身埋められていて、顔だけ出ている状態だ。
ほんの少しだけ動く首で左右を見渡すが、どちらを向いても木と草しか視界に入ってこない。
森?山?今いる場所がわからない。ココハドコデスカ…。
えっ?何で?何かの事件に巻き込まれた?!
一瞬フリーズしちゃったよ!
「だ、誰か!助けてください!」
応えてくれる人がいるわけでもなく。そうだよな、こんな場所で誰か都合よく通りかかるわけないよな。
ジタバタ手を動かしてたら、土があまり固くなかったみたいで自力で脱出できた。
さて、人里はどっちだろう?どっちを見ても木しかない。道もない。
「う~ん…」
取り敢えず、太陽に向かって歩いてみるか。
てくてく。てくてく。
けっこう歩いたけど、不思議なことに疲れを感じず。
ふいに右のほうからチカッと光が見えた。
「何だろう?人家かな?行ってみよう!」
「しっかし、ここどこなん?何で俺埋められてたん?夕べ何してたっけ?」
独り言が増えたけど、こんな誰もいない場所だし仕方ないよね!?
確か、昨日は仕事から帰って、風呂入って、クイズ番組で珍解答出しまくるおバカタレントにダメ出ししながらビール飲んで…うん、家で寝たはずなんだけど。
「あと、さっきから俺の気のせいじゃなければ、いつもより視線が低いような…。」
まさかね。縮むとかあるわけないない。どっかのコ●ンくんじゃあるまいし。きっと周りの木がとんでもなく大きいだけ!
ブツブツ言いながら歩いてたら、とうとう開けた場所に出た。
結論から言おう。人家じゃなかった。湖だ。湖面に太陽が反射してキラキラしてた。昔修学旅行で行った琵琶湖ぐらい大っきい。
「でも琵琶湖じゃねぇな。じゃぁどこだ?北海道か?まさか日本じゃないなんてことは…」
ふと湖面にあり得ないものが見えた。思わず二度見。
目に映ったものが信じられず、三度見。
ピコピコ手を振ってみる。
間違いない。俺だ。
「…何っじゃこりゃああああああああああ!!!」
そこに見えたのは、どう見てもきのこ。スーパーの野菜売り場に並んでいるのを見たことがある。あれだ、エリンギ。それに手足と顔がくっついた、今にも歌い出しそうなあのホ●トのCMそっくりの珍妙な二足歩行のきのこ。サイズは俺の方が超でけぇけど。
え、マジで何コレ?誰か説明プリーズ!!
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
特売小説短編
杉山
大衆娯楽
宇宙の全てを躍らせてやると誓った女、今晩死ぬと予告された男、廃墟の団地で出逢った男女。
いつも同じベンチに座っている老人、級友を殺して回る毎日を繰り返す高校生、朝焼けの街で殴り合うグラビアアイドル。
20年ごとに大災害に見舞われる村、15ヶ月振りに鳴る電話、彼女の内側に在る宇宙。
さまざまな味わいのつくりばなしを17篇、揃えました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小熊カチョー物語
燦一郎
キャラ文芸
真面目でひたむきな小熊カチョーのサラリーマン生活の悲喜こもごもをシリーズでお送りします。
連載物でなくて、各回読み切りです。
キャストを紹介しておきます。
**********************************************
■小熊(おぐま)カチョー
・所属:企画部企画すいしん課
・役職:カチョー
・まじめ。45歳既婚者。子供がふたりいる。
・塩サバが大好物
■大馬(おおば)ブチョー
・所属:企画部
・役職:ブチョー
・見かけだおし。自己中心的。ずるがしこい。
■リス子さん
・所属:企画部企画課
・役職:なし
・美人で利発的。おおらかでいきいきしている。28歳独身。
■ねず美さん
・所属:総務部庶務課
・役職:なし
・適当。おおざっぱ。少々いじわる。
40歳独身。
■燕(つばめ)ちゃん
・所属:営業部営業課
・役職:なし
・入社2年目の女子社員。ひたむき。
正直。24歳独身。
■その他
・猫目(ねこめ)シャチョー
・牛音(うしね)ジョーム
・狸木(たぬきぎ)センム
・蛇丘(へびおか)さん(重要顧客)
・青鹿(あおじか)くん(企画すいしん課カカリチョー)
・舞豚(ぶぶた)くん(営業部営業課)
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
なにげない猫の日常
夏目 沙霧
キャラ文芸
ゆるーっと毎日だらけて、時には人に癒しを与える猫。
その猫達の日常を小話程度にしたものです。
※猫、しゃべる
文・・・霜月梓
絵・・・草加(そうか) (着色・・・もっつん)
パイナップル番長 あるある川柳大全(中年童貞の世界)
パイナップル番長研究所
キャラ文芸
進学するように、時期がくれば、ある程度の努力で、自然とパートナーと巡り合えて初体験して結婚できると思っていたら、現実は甘くないのですね。
我が研究所は、20年以上にわたって、特殊生物パイナップル番長を研究してきました。
パイナップル番長とは、ずばり中年童貞を具現化した姿そのものです。
今回は、パイナップル番長を吐いた川柳の収集及び研究の成果を公表したいと思います。
中年童貞ならではの切なさや滑稽さを感じていただけましたら幸いです。
エロ絵師、江戸に飛ばされて春画描くってよ。
マンボウ
キャラ文芸
エロいイラストをSNSに上げては最高のエロ絵師を目指していた令和男子の藤山スグルは、ある日ひょんなことから江戸時代に飛ばされる。
頼る人もいなければ帰る家もない。
彼は生き抜く術として命懸けで春画を描くことを決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる