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3 蕾は開く、艶やかに(カーク視点) *
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男相手の経験はないが、どうやら女と同じでいいようだ。
小さな突起を愛でてやる度に、甘い吐息が零れる。
ここまでしても意識がないのが心配ではあるが、性急にしてこの白磁の如き肌を傷つけてしまいたくはない。
時間をかけて愛撫していると、ささやかだった突起は固く立ち上がってきた。
始めは薄い桃色だったが、刺激で腫れ今は熟した果実のようだ。
脳を焼くような芳香はもう出てはいないが、舌を這わせると花のような甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「……ん、ぅ……」
男の体を見れば萎えるかもしれないと不安に思ったが、そんなことは全くなかった。
僅かについた筋肉がかえって彼の肢体を艶めかしく魅せる。
仄かに鼻腔をくすぐる花の香も、吐息に混ざる小さな声も、触れる度に小さく震えるその反応も。
何もかもが扇情的で、俺の体を熱くする。
「さすがに、ここは濡れないか」
前戯に時間をかけてみたが、その蕾は固く閉ざしたまま指の侵入を拒んでいる。
女ではないのだから、当然だろう。
彼の体を横向きにし、自分も横になると彼の白い双丘に舌を這わせる。
本来排泄に使う場所まで甘い花の香で。そこを舐めることに何の抵抗もなかった。
仄かに苦みがあるが、香りも味も植物のようで。もしかしたら佳人とは花の精霊の仲間なのかもしれない。
ぴっちりと閉じた蕾を、時間をかけて舌で開いていく。
花弁を一枚一枚めくるように、丁寧に、丁寧に。
舌先で入口をつつき、奥へと侵入することを繰り返す。
そうして唾液を少しずつ送り込み内側を濡らしていくと、固かった入口がすんなりと舌を受け入れるようになった。
意識がないながらに異物を感知しているのか、時折内部が舌を押し返そうと動く。
舌先を握られるような痛みを堪え、入口を念入りにほぐす。
「……そろそろいいか?」
体勢を変え、彼の顔にキスを落としながら指を挿し入れる。
舌が届かない位置を指でゆっくりと捏ね、広げていく。
傷つけないよう、しっかり慣らしてやりたい。
けれど同時に、今すぐここに俺のをぶち込みたいとも思う。
相反する感情を煽るように、彼の吐息から出る甘い香りが俺の思考を揺らす。
堪らず彼の口に貪り付いた。
「……はっ、ぁ……」
一度佳人を手に入れた人間が、狂ったように佳人を求めるというのも理解できる気がする。
吐息も、声も、体も、どこもかも甘く、本能を刺激する。
もっと欲しい、もっと繋がりたい。そう渇望して止まない。
一度これを経験しては、もう普通の相手では物足りないだろう。
それだけでなく、蜜のような佳人の体液を味わうほどに、何でもできそうな万能感が高まってくる。
「ん……や、ぁ……」
後ろをほぐし始めてどれほど経っただろうか。
唇を貪り、味を楽しんでいると彼の眼が薄っすらと開いた。
黒水晶のような、美しい瞳だ。
この状況に驚いたのか、すぐにパッチリと開く。
キスだけでここまで回復させてやれたことに安堵した。
「……ん、ぅんん~……」
やめて、と言ったのだろうか?
吸われた状態でもごもごと必死に舌は動き、俺を押しのけようとしてきた。
細い腕から予想した通り、あまりにも弱い力だ。
幼い弟妹達の方が、よほど腕力がある。
悪いが、やめてやれない。ここでやめてしまえば、お前は弱って死んでしまうんだろう?
泣かせるつもりはなかったが、涙を湛える瞳は更に美しさを増して、目を逸らせない。
見つめ合ったまま舌を絡め、後ろをほぐす指を増やしていく。
反応があった場所をトントンと何度か押してやると、指の動きに合わせて体がびくびくと大きく跳ねた。
感じてくれているのだ。
その反応が可愛くて、思わず頬が緩む。
逃れようとしているのか、俺の腕を掴んでいる。
が、何の抵抗にもなっていないところが愛おしい。
更に指を増やす。
濡れた瞳が不安げに揺れる。
「……ん、……っふ、ぁ……」
指で押していた部分が、だんだん固くしこりのようになってきた。
分かりやすくなったそこを押してやると、彼の腰が大きく跳ねる。
いつの間にか彼のものが、俺の腹に当たるほどに反り上がっていた。
後ろでも快楽を拾えるようになったのだ。
俺の愛撫に反応してくれたのが嬉しくなり、もっと善がらせたいという気持ちが沸き起こる。
「アッ……ん、ぅん……」
塞いでいる口から甘い声が漏れる。
もうそろそろ大丈夫だろうか?
指を抜くと、ヒクヒクと痙攣している小さな穴を俺の昂りで穿った。
「あぁっ! いやあああ!」
「……すまない、もう少しだけ我慢してくれ。いい子だから」
十分に慣らしたつもりだったが、やはりこの小さすぎる身体にはきつかったらしい。
挿入するやいなや、絶叫し身をよじりながらボロボロと涙を流している。
可哀そうだが、ここでやめるわけにはいかない。夜が明ける前に、彼の中に俺の精を注がなければ。
せめて気が紛れるように、細い体を抱きしめ再び口付ける。
片手で彼の体を支え、もう片方の手で彼のものを撫で、先端を指で捏ねるように動かす。
「や、あっ……んぅっ……」
亀頭から透明な蜜が溢れ、同時に彼の内部がキュウ、と蠢いた。
どうやら快感を拾ってくれたようだ。
抵抗が少なくなり、俺はゆっくりと腰を動かしながら先ほどのしこりを探る。
「や、あっ、はっ……ぁ、ん」
見つけたしこりを先端で何度も押してやると、ビクビクと内部が痙攣する。
その刺激だけで俺も達してしまいそうだ。
甘い香りに包まれて、愛らしさを残しながらも花が咲いたように妖艶さを纏う佳人。
俺が、開花させた。その考えは俺を酷く昂らせた。
「……ふっ、ぁ……も、やぁ、かぁ、く……」
「!!」
「アッ――!」
初対面の彼が、突如俺の名を呼んだ。
情けないことに、俺はそれで達してしまった。
同時に、彼も白濁を放つ。
「……気を失っているだけか」
力なく横たわる彼の呼吸を確認し、ホッとする。
いつの間にか空は白み始めていた。
浅いところで出してしまったが、それでも彼の命を繋ぐことができたらしい。
「責任を取るよ」
俺の名を知っていた佳人。
この出逢いは、運命だったのではないか。
瘴気を祓うためにこの世界に喚ばれ、俺のもとへ寄越された。
神なんて信じてはいなかったが、死なせるなと、そういうことなのだろう。
だから。
「お前は、俺が守る」
美しい寝顔に、俺はそう誓った。
小さな突起を愛でてやる度に、甘い吐息が零れる。
ここまでしても意識がないのが心配ではあるが、性急にしてこの白磁の如き肌を傷つけてしまいたくはない。
時間をかけて愛撫していると、ささやかだった突起は固く立ち上がってきた。
始めは薄い桃色だったが、刺激で腫れ今は熟した果実のようだ。
脳を焼くような芳香はもう出てはいないが、舌を這わせると花のような甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「……ん、ぅ……」
男の体を見れば萎えるかもしれないと不安に思ったが、そんなことは全くなかった。
僅かについた筋肉がかえって彼の肢体を艶めかしく魅せる。
仄かに鼻腔をくすぐる花の香も、吐息に混ざる小さな声も、触れる度に小さく震えるその反応も。
何もかもが扇情的で、俺の体を熱くする。
「さすがに、ここは濡れないか」
前戯に時間をかけてみたが、その蕾は固く閉ざしたまま指の侵入を拒んでいる。
女ではないのだから、当然だろう。
彼の体を横向きにし、自分も横になると彼の白い双丘に舌を這わせる。
本来排泄に使う場所まで甘い花の香で。そこを舐めることに何の抵抗もなかった。
仄かに苦みがあるが、香りも味も植物のようで。もしかしたら佳人とは花の精霊の仲間なのかもしれない。
ぴっちりと閉じた蕾を、時間をかけて舌で開いていく。
花弁を一枚一枚めくるように、丁寧に、丁寧に。
舌先で入口をつつき、奥へと侵入することを繰り返す。
そうして唾液を少しずつ送り込み内側を濡らしていくと、固かった入口がすんなりと舌を受け入れるようになった。
意識がないながらに異物を感知しているのか、時折内部が舌を押し返そうと動く。
舌先を握られるような痛みを堪え、入口を念入りにほぐす。
「……そろそろいいか?」
体勢を変え、彼の顔にキスを落としながら指を挿し入れる。
舌が届かない位置を指でゆっくりと捏ね、広げていく。
傷つけないよう、しっかり慣らしてやりたい。
けれど同時に、今すぐここに俺のをぶち込みたいとも思う。
相反する感情を煽るように、彼の吐息から出る甘い香りが俺の思考を揺らす。
堪らず彼の口に貪り付いた。
「……はっ、ぁ……」
一度佳人を手に入れた人間が、狂ったように佳人を求めるというのも理解できる気がする。
吐息も、声も、体も、どこもかも甘く、本能を刺激する。
もっと欲しい、もっと繋がりたい。そう渇望して止まない。
一度これを経験しては、もう普通の相手では物足りないだろう。
それだけでなく、蜜のような佳人の体液を味わうほどに、何でもできそうな万能感が高まってくる。
「ん……や、ぁ……」
後ろをほぐし始めてどれほど経っただろうか。
唇を貪り、味を楽しんでいると彼の眼が薄っすらと開いた。
黒水晶のような、美しい瞳だ。
この状況に驚いたのか、すぐにパッチリと開く。
キスだけでここまで回復させてやれたことに安堵した。
「……ん、ぅんん~……」
やめて、と言ったのだろうか?
吸われた状態でもごもごと必死に舌は動き、俺を押しのけようとしてきた。
細い腕から予想した通り、あまりにも弱い力だ。
幼い弟妹達の方が、よほど腕力がある。
悪いが、やめてやれない。ここでやめてしまえば、お前は弱って死んでしまうんだろう?
泣かせるつもりはなかったが、涙を湛える瞳は更に美しさを増して、目を逸らせない。
見つめ合ったまま舌を絡め、後ろをほぐす指を増やしていく。
反応があった場所をトントンと何度か押してやると、指の動きに合わせて体がびくびくと大きく跳ねた。
感じてくれているのだ。
その反応が可愛くて、思わず頬が緩む。
逃れようとしているのか、俺の腕を掴んでいる。
が、何の抵抗にもなっていないところが愛おしい。
更に指を増やす。
濡れた瞳が不安げに揺れる。
「……ん、……っふ、ぁ……」
指で押していた部分が、だんだん固くしこりのようになってきた。
分かりやすくなったそこを押してやると、彼の腰が大きく跳ねる。
いつの間にか彼のものが、俺の腹に当たるほどに反り上がっていた。
後ろでも快楽を拾えるようになったのだ。
俺の愛撫に反応してくれたのが嬉しくなり、もっと善がらせたいという気持ちが沸き起こる。
「アッ……ん、ぅん……」
塞いでいる口から甘い声が漏れる。
もうそろそろ大丈夫だろうか?
指を抜くと、ヒクヒクと痙攣している小さな穴を俺の昂りで穿った。
「あぁっ! いやあああ!」
「……すまない、もう少しだけ我慢してくれ。いい子だから」
十分に慣らしたつもりだったが、やはりこの小さすぎる身体にはきつかったらしい。
挿入するやいなや、絶叫し身をよじりながらボロボロと涙を流している。
可哀そうだが、ここでやめるわけにはいかない。夜が明ける前に、彼の中に俺の精を注がなければ。
せめて気が紛れるように、細い体を抱きしめ再び口付ける。
片手で彼の体を支え、もう片方の手で彼のものを撫で、先端を指で捏ねるように動かす。
「や、あっ……んぅっ……」
亀頭から透明な蜜が溢れ、同時に彼の内部がキュウ、と蠢いた。
どうやら快感を拾ってくれたようだ。
抵抗が少なくなり、俺はゆっくりと腰を動かしながら先ほどのしこりを探る。
「や、あっ、はっ……ぁ、ん」
見つけたしこりを先端で何度も押してやると、ビクビクと内部が痙攣する。
その刺激だけで俺も達してしまいそうだ。
甘い香りに包まれて、愛らしさを残しながらも花が咲いたように妖艶さを纏う佳人。
俺が、開花させた。その考えは俺を酷く昂らせた。
「……ふっ、ぁ……も、やぁ、かぁ、く……」
「!!」
「アッ――!」
初対面の彼が、突如俺の名を呼んだ。
情けないことに、俺はそれで達してしまった。
同時に、彼も白濁を放つ。
「……気を失っているだけか」
力なく横たわる彼の呼吸を確認し、ホッとする。
いつの間にか空は白み始めていた。
浅いところで出してしまったが、それでも彼の命を繋ぐことができたらしい。
「責任を取るよ」
俺の名を知っていた佳人。
この出逢いは、運命だったのではないか。
瘴気を祓うためにこの世界に喚ばれ、俺のもとへ寄越された。
神なんて信じてはいなかったが、死なせるなと、そういうことなのだろう。
だから。
「お前は、俺が守る」
美しい寝顔に、俺はそう誓った。
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