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8、これが罰か *(side:守)
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「阿倍野くん、何を……」
「ん? 何って、そのままじゃ寝られないでしょう?」
普段の様子との違いに戸惑ってはいたものの、阿倍野くんは普通に私を家まで送ってくれた。
と思ったら、ベッドに押し倒され、ジャケットに手をかけるものだから慌ててしまう。
なのに、阿倍野くんときたら面白がっているのかクスクスと笑いながら脱がそうとする手を止めない。
「じ、自分で着替えられる」
「気にしないで。いつもやっていることでしょう?」
「いやいやいやいや、いつもと違うから!」
いつもはもっと乱暴で問答無用に着替えさせてくるけど、これは何か違う。
そう、阿倍野くんが、さっきのブンタカと同じ熱っぽい目を向けているんだ。
欲情した、雄の眼差し……。
「や、やめなさい、阿倍野くん。女性が、既婚者がこんなことをしてはいけない」
「チッ」
抵抗しつつ、諭そうとしたら舌打ちされた。
まだ力が抜けたままの私の体を押さえると、乱暴にジャケットをずらして両腕を巻き込むように丸めてしまう。
腕を抜こうともがくほど、丸まったジャケットが絡まりきつくなってしまった。
いったい、阿倍野くんはどうしてしまったんだ。
こんな阿倍野くんは知らない。
「あぁ、そうか。何で既婚者なんて誤解しているのかと思ったら」
阿倍野くんが指輪を引き抜く。
それを放ると私にのしかかり、ズボンに手をかけた。
「あなたが悪いんですよ、守さん」
「な、何を……」
「ほら、全然覚えていない」
一息にズボンを脱がされた。
股の間に阿倍野くんが体を割り込ませたせいで、脚を閉じることができない。
下着にまで手をかけられたものだから、思わず阿倍野くんを蹴ってしまった。
「あ、す、すまない、阿倍野くん! 大丈夫か?」
弾みでベッドから落ちた阿倍野くんに声をかける。
返事はない。が、何やらガサゴソと音が聞こえる。
両腕の自由が利かないながらも、上半身を起こした私は再びベッドの上に転がされてしまった。
すっかり目の座った阿倍野くんが、私の足を折りたたみガムテープで巻いていく。
「やめなさい、阿倍野くん!」
「やめませんよ」
抵抗虚しく、両足を拘束されてしまった。
もがくこともできず、芋虫のように転がされた私の姿に阿倍野くんは満足そうに微笑む。
ガムテープなんて持っていたということは、もしかしたら初めからこうするつもりだったのだろうか。
「こんなことをして、旦那さんが悲しむぞ」
「ご安心を。結婚なんてしていませんから」
「へ?」
「俺が欲しいのはあなただけです」
どういうことだ?
結婚していない?
覚えていないって、何のことだ?
「覚えていないなら、教えてあげますよ。あの指輪は、あなたが填めてくれたんですよ」
「え? いやいや、私は指輪を贈ったことなんてないぞ?!」
「そうですね。貰ってはいないです。捨てようとしていた指輪を、あなたが拾って左手の薬指に填めたんです。だから捨てられなかった」
阿倍野くんが語りながら取り出したものを見て、私は思わず「ヒッ」と息を呑んだ。
床屋が使うような、ガードのついていない剥き出しの剃刀。
少しでも逃げようともがく私の足を掴むと、阿倍野くんは私の下着に剃刀を引っかけた。
「動かないでくださいね。手元が狂うと、あなたの体を傷つけてしまいますから」
「や、やめてくれ! いったい、何が望みだ」
「言ったでしょう? あなたが欲しい」
そう言いながら、阿倍野くんは露わになった私の局部にシェービングクリームを噴射した。
剃刀のひんやりとした感触が当たったかと思うと、ゾリ、と音を立てて刃が滑っていく。
「いつか口説かせてくれなんて言っておいて、あなたは他の女性達とばかりで」
言葉を紡ぎながらも、阿倍野くんは剃刀を動かし続ける。
ペニスに刃が当たりそうで、身動きが取れない。
「あなたは俺を口説くと言いながら、やっぱり女性が好きなんだろうってずっと身を引いてましたけど」
「ひっ」
「なのに、最近のあなたときたら天使天使と男を追い回してばかりで」
どんどん局部の毛が剃られていく。
怖いのに、子供をあやすかのように時折撫でてくるその刺激にだんだんと反応してしまう。
私を責めるかのような言葉と裏腹に、私に触れる阿倍野くんの手は宝物に触れるかのように丁寧で。
「だからね、こうしてしまえば、もう誰にもここを見せられないでしょう?」
すっかり子供のようになった局部を、嬉しそうに阿倍野くんが撫でる。
だが、まだ終わりではなかったようだ。
お尻が高くなるように抱えると、再びクリームを噴霧された。
「ふふ、可愛い」
会陰部を丁寧に何度も剃毛しながら、阿倍野くんは私のペニスを愛撫している。
かと思えば、陰嚢をやわやわと揉み、剃った後の感触を楽しむかのように会陰部を指でなぞる。
直接的な刺激に否応もなく高められていく。
「!?」
「あぁ、すみません、指が滑りました」
突然、とんでもないところに阿倍野くんの指が入った。
すみません、なんて言ったくせして、抜く気はないらしい。
私の中を探るかのように、指が蠢く。
シェービングクリームが中に入り込んだのか、ピリピリと染みる。
「やめっ、阿倍野くん、抜きなさ、ッア?!」
「見つけた。ここですね」
「や、なに、……っ!」
突然、電流が駆け上がってきたかのような刺激がきた。
阿倍野くんは私がびくりと体を震わせたのに気付くと、そこばかりを刺激してくる。
その度に得も言われぬ快感に襲われ、目の前がチカチカする。
「なにって、守さんをメスにするスイッチですよ」
「メスっ、て……んあっ……!」
「とりあえず、剃毛を終わらせてしまいますので動かないでくださいね」
「!」
阿倍野くんの指が未知の生き物のように中で蠢く。
剃り残しがあったのか、ゾリゾリと音を立てながら剃刀が局部や会陰部を撫でていく。
動いてはいけないと思えば思うほどその動きを感じてしまい、意思に反して体が跳ねてしまう。
その行為が終わるまでの時間が、途方もなく長く思えた。
「ん? 何って、そのままじゃ寝られないでしょう?」
普段の様子との違いに戸惑ってはいたものの、阿倍野くんは普通に私を家まで送ってくれた。
と思ったら、ベッドに押し倒され、ジャケットに手をかけるものだから慌ててしまう。
なのに、阿倍野くんときたら面白がっているのかクスクスと笑いながら脱がそうとする手を止めない。
「じ、自分で着替えられる」
「気にしないで。いつもやっていることでしょう?」
「いやいやいやいや、いつもと違うから!」
いつもはもっと乱暴で問答無用に着替えさせてくるけど、これは何か違う。
そう、阿倍野くんが、さっきのブンタカと同じ熱っぽい目を向けているんだ。
欲情した、雄の眼差し……。
「や、やめなさい、阿倍野くん。女性が、既婚者がこんなことをしてはいけない」
「チッ」
抵抗しつつ、諭そうとしたら舌打ちされた。
まだ力が抜けたままの私の体を押さえると、乱暴にジャケットをずらして両腕を巻き込むように丸めてしまう。
腕を抜こうともがくほど、丸まったジャケットが絡まりきつくなってしまった。
いったい、阿倍野くんはどうしてしまったんだ。
こんな阿倍野くんは知らない。
「あぁ、そうか。何で既婚者なんて誤解しているのかと思ったら」
阿倍野くんが指輪を引き抜く。
それを放ると私にのしかかり、ズボンに手をかけた。
「あなたが悪いんですよ、守さん」
「な、何を……」
「ほら、全然覚えていない」
一息にズボンを脱がされた。
股の間に阿倍野くんが体を割り込ませたせいで、脚を閉じることができない。
下着にまで手をかけられたものだから、思わず阿倍野くんを蹴ってしまった。
「あ、す、すまない、阿倍野くん! 大丈夫か?」
弾みでベッドから落ちた阿倍野くんに声をかける。
返事はない。が、何やらガサゴソと音が聞こえる。
両腕の自由が利かないながらも、上半身を起こした私は再びベッドの上に転がされてしまった。
すっかり目の座った阿倍野くんが、私の足を折りたたみガムテープで巻いていく。
「やめなさい、阿倍野くん!」
「やめませんよ」
抵抗虚しく、両足を拘束されてしまった。
もがくこともできず、芋虫のように転がされた私の姿に阿倍野くんは満足そうに微笑む。
ガムテープなんて持っていたということは、もしかしたら初めからこうするつもりだったのだろうか。
「こんなことをして、旦那さんが悲しむぞ」
「ご安心を。結婚なんてしていませんから」
「へ?」
「俺が欲しいのはあなただけです」
どういうことだ?
結婚していない?
覚えていないって、何のことだ?
「覚えていないなら、教えてあげますよ。あの指輪は、あなたが填めてくれたんですよ」
「え? いやいや、私は指輪を贈ったことなんてないぞ?!」
「そうですね。貰ってはいないです。捨てようとしていた指輪を、あなたが拾って左手の薬指に填めたんです。だから捨てられなかった」
阿倍野くんが語りながら取り出したものを見て、私は思わず「ヒッ」と息を呑んだ。
床屋が使うような、ガードのついていない剥き出しの剃刀。
少しでも逃げようともがく私の足を掴むと、阿倍野くんは私の下着に剃刀を引っかけた。
「動かないでくださいね。手元が狂うと、あなたの体を傷つけてしまいますから」
「や、やめてくれ! いったい、何が望みだ」
「言ったでしょう? あなたが欲しい」
そう言いながら、阿倍野くんは露わになった私の局部にシェービングクリームを噴射した。
剃刀のひんやりとした感触が当たったかと思うと、ゾリ、と音を立てて刃が滑っていく。
「いつか口説かせてくれなんて言っておいて、あなたは他の女性達とばかりで」
言葉を紡ぎながらも、阿倍野くんは剃刀を動かし続ける。
ペニスに刃が当たりそうで、身動きが取れない。
「あなたは俺を口説くと言いながら、やっぱり女性が好きなんだろうってずっと身を引いてましたけど」
「ひっ」
「なのに、最近のあなたときたら天使天使と男を追い回してばかりで」
どんどん局部の毛が剃られていく。
怖いのに、子供をあやすかのように時折撫でてくるその刺激にだんだんと反応してしまう。
私を責めるかのような言葉と裏腹に、私に触れる阿倍野くんの手は宝物に触れるかのように丁寧で。
「だからね、こうしてしまえば、もう誰にもここを見せられないでしょう?」
すっかり子供のようになった局部を、嬉しそうに阿倍野くんが撫でる。
だが、まだ終わりではなかったようだ。
お尻が高くなるように抱えると、再びクリームを噴霧された。
「ふふ、可愛い」
会陰部を丁寧に何度も剃毛しながら、阿倍野くんは私のペニスを愛撫している。
かと思えば、陰嚢をやわやわと揉み、剃った後の感触を楽しむかのように会陰部を指でなぞる。
直接的な刺激に否応もなく高められていく。
「!?」
「あぁ、すみません、指が滑りました」
突然、とんでもないところに阿倍野くんの指が入った。
すみません、なんて言ったくせして、抜く気はないらしい。
私の中を探るかのように、指が蠢く。
シェービングクリームが中に入り込んだのか、ピリピリと染みる。
「やめっ、阿倍野くん、抜きなさ、ッア?!」
「見つけた。ここですね」
「や、なに、……っ!」
突然、電流が駆け上がってきたかのような刺激がきた。
阿倍野くんは私がびくりと体を震わせたのに気付くと、そこばかりを刺激してくる。
その度に得も言われぬ快感に襲われ、目の前がチカチカする。
「なにって、守さんをメスにするスイッチですよ」
「メスっ、て……んあっ……!」
「とりあえず、剃毛を終わらせてしまいますので動かないでくださいね」
「!」
阿倍野くんの指が未知の生き物のように中で蠢く。
剃り残しがあったのか、ゾリゾリと音を立てながら剃刀が局部や会陰部を撫でていく。
動いてはいけないと思えば思うほどその動きを感じてしまい、意思に反して体が跳ねてしまう。
その行為が終わるまでの時間が、途方もなく長く思えた。
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