幼馴染たちの冒険譚

あくありお

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プロローグ 一月前の出来事

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――国歴――の月――日

一月ひとつき前のあの日から、私達三人の関係は変わったのかもしれない。

……違う、変わったのは……だと思う……。

眠り続けていた間は夢も見ずに目を覚ましたら目に見えるものが……感じとれるものが……全てが変わっていた。

目が覚めて聞こえたのは慌てた侍女の声、そして見えたのは……


私にそっくりな……双子の姉の姿だった。


そのすぐ後、目が覚めたばかりだった私は、あの日あった事を両親に語った。
あの時の感動も、焦りも、自信も、悲しみも全てが現実に起きたことじゃないみたいで……まるで他人事のように思い出せる限りを話した。

私の記憶が途切れる少し前の話をした辺りから私にべったりくっついている姉が震えている事に気が付いた。
両親もその事には気が付いていたようだし、私も意識失ってからの事はさすがに覚えていない。

あの日の事については幼馴染や姉が既に話していると思う。
恐らくは私の記憶に齟齬が生じていないか確認のためかもしれない。

話がひと段落し姉が勢いよく部屋を出ていった直後、両親は私を抱きしめてくれた。
そして自然と涙が……。


あの日の出来事がきっかけで変わってしまったのことについてはまだ話せていない。

どう説明すれば良いのか上手く伝えられるかわからなくて……。

――――――――――

日記を書き終わると、頁の背景に薄っすらと、寝台にから上半身を起こしたと姉と両親――家族――の絵が浮かび上がってきた。

その絵を確認して日記帳を閉じると、日記帳は薄っすらと輝いたがすぐに消えた。


この日記帳を貰った時から続いていた習慣だったが無意識にこの日記を書いていたことに気が付く。

日記を書く前に一頁前をめくった時に見た日付は一月ひとつき前。



妹にとって全てが変わってしまったあの日から目が覚めるまでの間が空白になっていた。
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